2024年1月7日日曜日

昭和22年 阪急vs中日 3回戦

5月5日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 2勝9敗 0.182 森弘太郎 
0 0 0 0 0 1 0 1 X 2 中日 9勝3敗 0.750 清水秀雄

勝利投手 清水秀雄 2勝0敗 
敗戦投手 森弘太郎 0勝1敗

勝利打点 なし

猛打賞 (中)金山次郎 1


金山の3盗塁が勝因

 後楽園の第2試合は森弘太郎と清水秀雄の先発で午後3時23分、沢球審の右手が上がりプレイボール。

 阪急は初回、2回と併殺でチャンスを潰し、中日も2回に併殺でチャンスを潰す展開。

 中日は6回裏、先頭の金山次郎が左前打で出塁、古川清蔵の三ゴロの間に金山は二進、金山が三盗に成功して一死三塁、大沢清の投ゴロで金山が三本間に挟まれ「1-5-2-1」と転送されタッチアウト、打者走者の大沢は三塁に進み、杉浦清監督の三ゴロをサード坂井豊司が一塁に悪送球する間に大沢が生還して1点を先制する。

 金山が挟殺プレーで時間を稼ぎ、鈍足大沢清が三塁まで進めたのが得点の要因であった。
 中日は8回裏、一死後金山が三遊間に内野安打、金山が二盗、三盗を決め、古川の三ゴロをサード坂井がエラーする間に金山が生還して2-0とする。

 清水秀雄は4安打3四球1三振で戦後初完封。

 森弘太郎も2失点ながら自責点ゼロの好投を見せた。

 実況でも分かるように、長打も勝利打点も無しという試合で金山次郎の3盗塁が勝因となった。野球においては投手や打者が脚光を浴びることが多いが、「走塁」が極めて重要な要素を占めていることを野球経験者であればよく理解している。

 筆者の過去2年間の還暦野球公式戦での記録は28試合で104打席97打数39安打23盗塁27得点。一番打者なので15打点と打点は少ないが足で勝利に貢献している(品川ビッグスターズホームページ参照)。

 プロ野球の歴史を見ても、現在実況している戦後一リーグ時代では河西俊雄が昭和21年~23年まで3年連続盗塁王でこの間、近畿・南海は2度の優勝。

 当の金山次郎は2リーグ分裂初年度の松竹で盗塁王となってセ・リーグ初年度制覇に貢献。

 巨人V9時代は王、長嶋の強打が喧伝されるが「赤い手袋」柴田の足が心象的だった。

 その巨人を脅かした阪急ではモーリー・ウィルスの盗塁世界記録を更新した福本の足が脅威であった。

 日本球界に革命を起こした「赤ヘル」広島の機動力野球を牽引したのは高橋慶彦であった。

 これらの歴史的事実に鑑みても、「足」が野球に占める意味は大きいのである。

 ということで、モーリー・ウィルスネタを一つ。

 週間ベースボール昭和41年11月14日号(60円)は、この年日米野球で来日したドジャースについて「夜のドジャース戦法」を詳報している。モーリー・ウィルスは日テレの女子アナを追いかけ回すなどの乱行を連発して「足も早いが手も早い」の見出しで伝えられているのである。

 大谷や山本が「夜のドジャース戦法」を踏襲しないといいんですけどね(笑)。


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