2024年1月8日月曜日

昭和22年 金星vs近畿 2回戦

5月8日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 2 0 2 0 4 金星 4勝8敗 0.333 重松通雄 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 近畿 8勝4敗 0.667 別所昭

勝利投手 重松通雄 2勝1敗 
敗戦投手 別所昭    5勝2敗

二塁打 (金)清原

勝利打点(金)中村信一 1

猛打賞 (金)中村信一 1


重松通雄、西の仇を東で討つ

 第4節初日、後楽園の第1試合は重松通雄と別所昭の先発で午後1時2分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 前半は両投手の投げ合いで5回まで両軍無得点。

 金星は6回表、一死後清原初男が右中間に二塁打、二死後中村信一がライト線にタイムリーを放ち1点を先制、中継に入ったピッチャー別所の悪送球の間に打者走者の中村は三塁に進み、辻勇夫の遊ゴロをショート朝井昇が一塁に悪送球する間に中村が還って2-0とする。

 金星は8回表、一死後小前博文が中前打で出塁、中村の右前打で一二塁、辻の二ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、ここで重松が左前に2点タイムリーを放ち自らを助ける。

 近畿は8回裏、一死後筒井敬三のショートへの内野安打に酒沢政夫の一塁悪送球が重なり一死二塁、しかし朝井昇のカウントスリーボールツーストライクの場面でショート酒沢がスルスルと二塁ベースに入ると重松の牽制に筒井はタッチアウト、朝井は四球、トップに返り安井亀和もストレートの四球、河西俊雄の左前打で二死満塁、しかし田川豊は中飛に倒れて無得点。

 近畿は9回裏、先頭の山本一人監督が四球で出塁、飯田徳治の中前打で無死一二塁、堀井数男に代わる代打岡村俊昭の二ゴロで一死二三塁、別所は三ゴロに倒れて二死二三塁、筒井に代わる代打丸山二三男は投飛に倒れてゲームセット。

 終盤のピンチを凌いだ重松通雄は6安打5四球3三振で戦後初完封、勝利を決定付ける2点タイムリーも放った。

 金星は4日の甲子園で別所に2安打完封で敗れたが、後楽園でその雪辱を果たした。

 打のヒーローは猛打賞の中村信一。重松と共に昭和11年のプロ野球初年度から活躍を続ける最古参である。

 重松は戦前から通算7度目の完封勝利となるが、実際には8度目の完封である。昭和14年11月25日に行われた東西対抗第2戦で、重松通雄は1四球だけの無安打無得点を記録した。当時は下手からの速球派であったが、8年を経過した今では技巧派に転じている。

*昭和14年11月26日付け読売新聞。


*週間ベースボール昭和44年3月17日号。

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