2022年11月20日日曜日

21年 阪急vs巨人 13回戦

10月24日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 1 0  1  阪急 49勝51敗2分 0.490 天保義夫 大平茂 鳥居兵治 
2 3 3 5 0 0 0 0 X 13 巨人 59勝34敗2分 0.634 藤本英雄 諏訪裕良

勝利投手 藤本英雄 19勝5敗 
敗戦投手 天保義夫 11勝12敗

二塁打 (急)坂井 (巨)川上、黒沢、林

勝利打点(巨)黒沢俊夫 10


巨人大差勝ち、首位グ軍に5厘差

 この日も西宮の1試合だけ、ただし観客数は2,196人に増えた。巨人戦だからであることは明白。

 天保義夫と藤本英雄の先発で午後2時丁度、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、二死後千葉茂が中前打で出塁、川上哲治の右越え二塁打で二死二三塁、黒沢俊夫が左中間に2点タイムリー二塁打を放ち2-0とする。

 巨人は2回裏、一死後藤本が中前打で出塁、山田潔は四球を選んで一二塁、トップに返り呉新亨は右飛、山川喜作が中前にタイムリーを放ち3-0、二死一三塁から山川が二盗を決め、千葉が中前に2点タイムリーを放ち5-0とする。

 巨人は3回裏、先頭の黒沢が四球で出塁、多田文久三の二ゴロをセカンド荒木茂がエラー、林清一はストレートの四球で無死満塁、阪急ベンチはここで先発の天保から二番手の大平茂にスイッチ、藤本が左前にタイムリーを放ち6-0、山田潔の二ゴロを荒木が本塁送球するがセーフ、野選が記録されて7-0、阪急ベンチはここでセカンドを荒木から田中幸男に交代、トップに返り呉新亨はショートライナー、ショート上田は飛び出した二走藤本を刺そうと二塁に送球するが悪送球となり三走林が還って8-0、一走山田は白球を拾ったセカンド田中から二塁ベースカバーのショート上田に送球されてタッチアウト。

 巨人は4回裏、先頭の千葉が四球で出塁、川上は右前打、黒沢は三塁内野安打で又も無死満塁、多田の中前タイムリーで9-0、林の左中間への2点タイムリー二塁打で11-0、藤本は二飛に倒れるが、山田の二ゴロの間に三走多田が還って12-0、トップに返り呉新亨の左前タイムリーでこの回5点、13-0とリードを広げる。

 大量リードしたこともあって巨人先発の藤本は4回を2安打無失点で降板、5回からマウンドを諏訪裕良に譲る。

 諏訪に代わって阪急打線はようやく活発となり5回、6回と2安打を放つが無得点。

 阪急は8回表、二死後上田の当りは二ゴロ、これをセカンド千葉がエラー、坂田清春の中前打で二死一三塁、大平が右前にタイムリーを放ち1点返すが焼け石に水。

 久々登板の諏訪裕良は5イニングを8安打2四球無三振、1失点、自責点ゼロに抑えて勝利投手となるところだが、公式記録では先発して4回で降板した藤本英雄が勝利投手となっている。戦後になっても「勝利投手」の定義は曖昧なままであった。

 四番ライトで出場した野口二郎は第1打席で右前打を放ち、その後は三直と三飛に倒れ、6回から三番手の鳥居兵治がマウンドに上がると大平がライトに回って野口二郎はベンチに引っ込んだ。「勝利投手」の定義同様、当時は「連続試合安打」記録が認識されていなかったので、第1打席でヒットを放っていなくても野口二郎は引っ込んでいた可能性が高い。そうすると連続試合安打記録は「28」でストップしていたところであるが、第1打席のヒットにより「29」に伸びたのである。

 野口二郎は31試合連続ヒットの間、第1打席は31打数10安打3割2分3厘、第2打席は30打数7安打2割3分3厘、第3打席は29打数13安打4割4分8厘、第4打席は30打数12安打4割丁度、第5打席は11打数6安打5割4分5厘と、試合の序盤でタイミングを合わせながら後半からヒットを量産していくタイプである。実際、この日の第1打席のヒットは第1打席としては6試合ぶりのヒットであり、途中交代により連続試合安打記録が途切れていた可能性は十分にあった。

 野口二郎はここまでの29試合で、第4打席での初ヒットが3度、第5打席での初ヒットが1度と、しぶとく連続安打記録を積み重ねてきた。阪急は試合消化が早く、今季残すところ3試合となっている。果たしてどこまで記録を伸ばすか見ものである。

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