4月28日 (日) 西宮
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 阪急 1勝1敗 0.500 前川八郎 今西錬太郎
0 3 0 0 1 0 2 0 X 6 タ軍 2勝0敗 1.000 呉昌征
勝利投手 呉昌征 1勝0敗
敗戦投手 前川八郎 0勝1敗
二塁打 (急)荒木
勝利打点 (タ)高山泰夫 1
猛打賞 (急)青田昇 2 (タ)小林英一 1
タ軍、強気の攻めが奏功
第1試合が2時間5分を要したため、西宮の第2試合は午後3時35分試合開始。阪急先発の前川八郎は昭和13年以来の登板、タイガース先発の呉昌征は昭和15年以来の登板となる。
タイガースは初回、先頭の金田正泰が右前打で出塁、御園生崇男は投飛に倒れて一死一塁、「スコアカードに「BT」の記載がないので送りバント失敗ではないようですが、可能性は否定できない。続く藤村冨美男の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。8年ぶり登板の前川八郎は取り敢えず無難な立ち上がり。
タ軍は2回裏、先頭の本堂保次が右前打で出塁、続く土井垣武は三遊間を破り無死一二塁、この攻撃ぶりからすると、初回の御園生も打って出ての投飛だったかもしれない。富樫淳も強硬策で二ゴロ、この間に二者進塁して一死二三塁、高山泰夫が右前に先制タイムリーを放ち1-0、小林英一もセンター右にタイムリーを放ち2-0、先発投手に起用されて九番に入っている呉は左飛に倒れるが、トップに返り金田が中前にタイムリーを放ってこの回3点を先制する。
前川は3回、4回とタイガース打線を三者凡退に退ける。
タ軍は5回裏、先頭の小林が中前打で出塁、続く呉の三ゴロで野選が記録されて無死一二塁、スコアカードには「二塁送球」の記載がないが、サード三木久一が二塁に送球して間に合わなかったケース以外に野選が記録される可能性はない。トップに返り金田の打席で前川が二塁けん制、ベースカバーに入ったショート尾西信一が小林にタッチしてアウト、金田は左飛に倒れるが、御園生が右前打を放って一死一二塁、藤村の左前タイムリーで4-0とリードを広げる。
前川は6回でマウンドを降り、7回から今西錬太郎がリリーフに出てプロ入り初登板。
タ軍は7回裏、先頭の金田が四球を選ぶと初球に盗塁成功、2球目にキャッチャー日比野武が二塁に送球するがこれが大暴投となる間に金田が一気にホームに還って5-0、御園生も四球を選ぶと二盗に成功、この時の日比野の送球も高く逸れて御園生は三進、藤村も四球から二盗に成功、本堂保次の中犠飛で6-0と大きくリードする。
呉は快調なピッチングを続けて8回まで6安打無失点。
阪急は9回表、二死後日比野武に代わる代打山田伝が右前打で出塁、今西に代わる代打森田定雄が中前に戦後初ヒット、荒木茂のレフト戦二塁打で1点返してなお二死二三塁とするが、トップに返り上田藤夫が中飛に倒れて万事休す。
呉昌征は9安打1四球1三振の完投、プロ入り2度目の登板で初勝利をあげる。
タイガースは初回から強気の攻撃に徹したが、前川の球威の衰えを見抜いての判断でしょう。但し、前川から奪った10安打は全てシングルでミートに徹していました。前川を舐めていたのではないことをスコアカードが語っています。
前川八郎は昭和13年でプロ野球を去ってから滝川中学の監督となり、別所昭と青田昇をプロに送り込んでいる。昭和21年でプロ野球からは2度目の引退。富士鉄広畑の監督として都市対抗でベスト4に進出する。なお、2019年8月22日現在、「Wikipedia」には「都市対抗野球大会に4度出場し、1961年には準優勝を果たしている」と書かれているがこれは間違いで、1961年都市対抗では準決勝で優勝した日本石油に0対2で敗退、3位決定戦でも大昭和製紙に0対3で敗れた(参照:都市対抗野球60年史)。文筆家であり、沢村の優子さんへのラブレターを代筆していたことでも知られている。
*前川は8年ぶり、呉は6年ぶりの登板。今西はプロ入り初登板であった。
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