4月10日 (月) 後楽園
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 阪急 1勝1敗 0.500 笠松実 大平茂
0 1 0 0 5 0 0 0 X 6 巨人 2勝0敗 1.000 須田博
勝利投手 須田博 1勝0敗
敗戦投手 笠松実 1勝1敗
二塁打 (急)野口明、坂田 (巨)杉江
勝利打点 渡部弘 1
巨人、先発全員安打
巨人は2回、四番ピッチャー・須田博が左前打で出塁、近藤貞雄は右前打、川畑博が送りバントを決めて一死二三塁、渡部弘の左犠飛で1点を先制する。
阪急は5回、先頭の遠山晴富の当りは遊ゴロ、これをショート杉江繁雄がエラー、代走に仁木安を起用、伊藤健一は四球、トップに返り山田伝も四球を選んで無死満塁の大チャンス、上田藤夫の投ゴロをピッチャー須田がホームに送球して三走仁木は本封、キャッチャー川畑がゲッツーを狙って一塁に送球するが悪送球、この間に三塁に進んでいた二走伊藤がホームに還って1-1の同点、一走山田は三塁に進んで一死一三塁、高橋敏の投ゴロの間に三走山田が還って2-1と逆転に成功する。
阪急はショート遠山の代打に出た仁木がレフトに入り、レフトの三木久一に代わってショートに岐阜商業から加入したルーキー坂井豊司が入る。
巨人は5回裏、先頭の黒沢俊夫がストレートの四球で出塁、小暮力三が右前打、藤本英雄の三前バントが内野安打となって無死満塁の大チャンス、須田の三ゴロで三走黒沢は本封、近藤の当りは遊ゴロ、これを代わったばかりのショート坂井がタイムリーエラーして2-2の同点、川畑は三振に倒れて一死満塁、渡部が押出し四球を選んで3-2と逆転、杉江がライト線に二塁打を放って2点追加し5-2、呉新亨の右前タイムリーで6-2と大きくリードする。
須田博は8安打を喫したが阪急12残塁の拙攻に助けられて4四球6三振2失点、自責点ゼロの完投で今季1勝目をあげる。
巨人は先発全員安打を記録する。
初出場の坂井豊司は、「Wikipedia」によると2007年3月29日付四国新聞に掲載された「あの人」で須田について「それまでのピッチャーとは比べ物にならないくらい速かった。球を前に飛ばせなかった」と語っているとのこと。
これは謙遜しているようで、初対戦となった7回の打席では三振に倒れているが、9回の第二打席では追い込まれてから2球ファウルで粘ってショートゴロを打っており打球を前に飛ばしている。坂井はこの後プロのスピードにアジャストしていき、戦後も活躍して通算167安打を放つ。昭和25年の広島を最後にプロの世界からは離れるが、社会人野球に移ってもその強打は衰えず、昭和27年の都市対抗には明治座からの補強選手として熊谷組で出場し、4試合で12打数4安打4打点(三位決定戦を含む)を記録、準決勝ではこの大会優勝した全鐘紡戦でスリーランホームランを放っている。この年日本で開催された第2回アマチュア野球世界世界選手権の日本代表チームは都市対抗優勝の全鐘紡の選手主体で選出されているが、坂井豊司は明治座から唯一人オールジャパン代表に選出されている(毎日新聞社発行「都市対抗野球60年史」参照)。
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