2012年9月5日水曜日

15年 タイガースvsセネタース 4回戦



5月14日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 1 0 0 0 4 6 タイガース 15勝13敗1分 0.536 若林忠志
2 0 0 0 0 0 1 0 0 3 セネタース 14勝8敗3分 0.636 野口二郎

勝利投手 若林忠志 6勝7敗
敗戦投手 野口二郎 7勝3敗

二塁打 (タ)堀尾、皆川
三塁打 (タ)本堂
本塁打 (タ)本堂

勝利打点 宮崎剛 1


宮崎剛決勝の逆転タイムリー

 タイガースは若林忠志、セネタースは野口二郎と両エースの対決となった。

 セネタースは初回、先頭の苅田久徳が四球を選んで出塁、横沢七郎の遊ゴロをショート皆川定之がエラーして無死一二塁、野口の二ゴロの間に二者進塁、山崎文一が四球を選んで一死満塁、小林茂太は三振に倒れて二死満塁、柳鶴震が左前に先制の2点タイムリーを放って2-0、一走山崎文一も三塁に向かうが「7-2-5」と転送されてタッチアウト。

 タイガースは4回、先頭の本堂保次がレフトスタンドに今季初ホームランを放って1-2、この後ヒット、エラー、四球で二死満塁とするが若林は中飛に終わる。

 タイガースは5回、一死後皆川の遊ゴロをショート柳が一塁に悪送球して皆川は二進、二死後松木謙治郎が左前に同点タイムリーを放って2-2とする。

 セネタースは7回、先頭の佐藤武夫が左前打で出塁、織辺由三が投前に送りバントを決めて苅田は四球で一死一二塁、横沢が左前打を放って一死満塁、野口の遊ゴロ併殺崩れの間に佐藤が還って3-2と勝ち越す。

 タイガースは9回、一死後伊賀上良平が右前打で出塁、中田金一は中飛に倒れるが若林の遊ゴロをショート柳が又も一塁に悪送球して二死二三塁、トップに返り宮崎剛が中前に逆転タイムリーを放って4-3、皆川が左中間にタイムリー二塁打を放って5-3、本堂が右中間に三塁打を放って6-3とする。

 若林忠志は9回、先頭の佐藤に左前打を許すが織辺を遊ゴロ、苅田を二飛、横沢を遊ゴロに抑えて8安打5四球2三振の完投で4月12日以来約1ヶ月ぶりの勝星で6勝目をあげる。野口二郎は10安打1四球5三振であった。


 決勝タイムリーを放った宮崎剛は台北一中から同志社高等商業を経て今季タイガースに入団してルーキーながら切れ味を感じさせるプレーを見せている。本領を発揮するのは戦後になってからで、大洋ホエールズの監督にまで昇りつめることとなる。


 先制タイムリーを放った柳鶴震は3エラーを記録、2つの一塁悪送球が致命的であった。タイガースのショート皆川定之も失点につながるエラーがあったが両者の守備力の差が勝敗を分けた一戦となった。野口二郎は6失点ながら自責点は本堂のホームランによる1点だけであった。9回の4失点については二死一塁から柳が一塁に悪送球しているので本来であればここでスリーアウトとなるので以降の失点は全て自責点にならない。昭和15年当時はこのような解釈がされていなかったがミケンズルール以降正しく解釈されることとなった。自責点が「1」と記録されているということは、当ブログが解読しているスコアカードは昭和36年以降にオリジナルから転記されたものということになる(2012年4月18日付けブログ「ミケンズルール」参照)。









                  *若林忠志は8安打完投で6勝目をあげる。












     *宮崎剛が逆転タイムリーを放ったタイガース打線。







 

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