2015年12月31日木曜日

17年 巨人vs南海 14回戦


11月2日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 3 0 2 0 0 2 0 9 巨人 67勝27敗4分 0.713 藤本英雄
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 南海 48勝49敗 0.495 神田武夫 石田光彦

勝利投手 藤本英雄   8勝0敗
敗戦投手 神田武夫 24勝19敗

二塁打 (巨)多田
三塁打 (巨)坂本

勝利打点 なし

猛打賞 (巨)白石敏男 5


南海守備陣乱れる

 巨人は昨日、二位大洋に13ゲーム差を付けて今季通算での優勝を決めた。

 この日は藤本英雄と神田武夫の先発で午後0時28分に開始されたが、気の抜けた凡戦となった。

 巨人は初回、先頭の呉波が一塁に内野安打、白石敏男の右前打で無死一三塁、楠安夫が四球を選んで無死満塁、中島治康の三ゴロをサード柳鶴震が本塁に送球するが低く逸れて悪送球、三走呉に続いて二走白石も生還して2点を先制する。中島には打点は記録されていないので、呉の生還が決勝点となったが勝利打点は記録されない。

 巨人は3回、先頭の白石が三塁に内野安打、楠の中前打で無死一二塁、中島の中飛で二走白石がタッチアップから三塁に進んで一死一三塁、青田昇の三ゴロでサード柳は三走白石にタッチに行ったがセーフ、野選が記録されて一死満塁、小暮力三の中犠飛で3-0、バックホームの間に二走楠と一走青田も進塁して二死二三塁、坂本茂の遊ゴロをショート長谷川善三が一塁に低投する間に三走楠が還り4-0、青田は三塁に進み、ファースト中野正雄が三塁に送球するがこれが高く逸れて青田も生還、5-0とする。

 南海先発の神田武夫はここで降板、3回を5失点ながら自責点は1であった。

 代わった石田光彦が4回を三者凡退に抑えたが巨人は5回、一死後中島の当りは遊ゴロ、これをショート長谷川がエラー、3回裏の守備から青田に代わってレフトに入っている林清一が左前打を放ち一死一二塁、小暮は三振に倒れて二死一二塁、ここで坂本が右越えに三塁打を放って7-0とする。

 南海は6回、先頭の猪子利男がストレートの四球、岡村俊昭がセンター右にヒットを放って無死一二塁、岩本義行の中飛で二人の走者がタッチアップから進塁して一死二三塁、国久松一は三振に倒れるが、中野の中前タイムリーで1点返して1-7とする。

 巨人は8回、先頭の小池繁雄が四球で出塁、藤本の一ゴロをファースト中野がエラーして無死一二塁、トップに返り呉は左飛に倒れて一死一二塁、続く白石の記録は一ゴロでアウトとなっているが、スコアカードの記載では二走小池と一走藤本に進塁が記録されておらず二死一二塁、ここは記載ミスで二死二三塁の可能性がありますが実況中継を続けます。楠に代わる代打多田文久三が左中間に二塁打を放って二者還り9-1とする。

 藤本英雄は7安打2四球6三振の完投でプロ入り以来無傷の8連勝を飾ったが、手を抜いていたようだ。


 南海の敗因は内野陣が記録した5失策にあることは明白。神田と石田は合計9失点であったが自責点は合計3に過ぎなかった。


 何とも締まらないゲームであったが、巨人3回の攻撃で一死満塁から小暮の中犠飛で二走楠と一走青田も進塁した走塁だけは光った。



 

2015年12月30日水曜日

17年 朝日vs阪神 15回戦


11月2日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   1  1 朝日 43勝47敗6分 0.478 内藤幸三
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 阪神 46勝45敗5分 0.505 御園生崇男

勝利投手 内藤幸三       5勝8敗
敗戦投手 御園生崇男 12勝15敗

二塁打 (朝)内藤、岩田

勝利打点 酒沢政夫 2


内藤幸三、12回を完封

 内藤幸三と御園生崇男によるいつ果てるとも知れない投手戦は延長12回決着がついた。

 朝日は初回、先頭の坪内道則の当りは三ゴロ、これをサード野口昇がエラーして無死一塁、酒沢政夫の二ゴロの間に坪内は二進、岩田次男の中前打で一死一三塁、浅原直人は二飛に倒れるが、内藤が四球を選んで二死満塁、しかし中谷順次は遊ゴロに倒れて無得点。

 阪神は1回裏、一死後山口政信がツーナッシングから粘って四球を選び出塁するが、カイザー田中義雄の二ゴロは「4B-3」のゲッツー。

 朝日は2回、先頭の広田修三が四球を選んで出塁、原秀雄が送ってこの回も一死二塁とするが、早川平一は三振、トップに返り坪内も左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神は2回裏も一死後藤井勇がストレートの四球で出塁するが、御園生の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。

 朝日は3回、先頭の酒沢がセンター右にヒット、岩田次男は右飛に倒れるが、浅原もセンター右にヒットを放ち一死一二塁と3イニング連続でスコアリングポジションに走者を送るが、内藤は三振、中谷も三ゴロに倒れてこの回も無得点。

 阪神は4回、先頭の塚本博睦が左前打で出塁するが、山口の二ゴロで塚本は二封、田中の遊ゴロで山口は二封、門前真佐人は左飛に倒れて走者を進めることもできず無得点。

 阪神は7回、二死後藤井が中前打、御園生も左前打で続いてこの試合初めてスコアリングポジションに走者を送るが、野口は三ゴロに倒れてこの回も無得点。

 朝日は8回、二死後内藤が右中間に二塁打、中谷に代わる代打林安夫の三塁線の当りがレフトに抜けたのを見て三塁に進んでいた内藤がホームを狙うが、バックアップのレフト山口政信口からの本塁送球にタッチアウト。林の記録は三塁内野安打で、内藤の三塁進塁と本塁突入はプレーが切れているので、レフトに抜けたのを確認してからホームを狙ったようだ。

 朝日は10回、二死後岩田が左中間に二塁打を放つが、浅原は右飛に倒れてここも無得点。

 阪神は10回裏、一死後平林栄治が中前打で出塁、ここで二盗を試みるがキャッチャー広田からの送球にタッチアウト、三輪裕章に代わる代打藤村隆男は三振に倒れてスリーアウトチェンジ。

 朝日は12回、一死後斉藤忠二の当りは遊ゴロ、これを11回の守備からショートに入っていた大橋棣がエラー、トップに返り坪内がセンター左にヒットを放って一死一二塁、ここで酒沢がセンター右に殊勲の決勝タイムリーを放ち1-0とする。

 内藤幸三は12回裏、一死後上田正にストレートの四球を与えるが、御園生を遊ゴロに打ち取り上田は二封、御園生が二盗を決めて二死二塁とするが、最後は野口を遊ゴロに打ち取り試合終了。内藤は12回を5安打5四球6三振に抑えて今季2度目の完封、5勝目をあげる。


 朝日守備陣がノーエラーで力投の内藤を盛り立てた。


 決勝タイムリーを放った酒沢政夫は前節週間MVPを獲得しているようにこのところ絶好調で、この日は九番から二番に上がっていた。これも竹内愛一監督の起用がヒットしたと言えるでしょう。九番打者を二番に上げた事例としては、1974年夏の甲子園で優勝した銚子商業で、九番セカンドの若海が3回戦の中京商業戦で3打数3安打、準々決勝の平安戦で4打数3安打と当たっていたことから、準決勝と決勝で二番に上がった事例が認められる。


 

2015年12月29日火曜日

17年 大和vs名古屋 15回戦


11月2日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 3 0 0 0 0 0 0 3 大和     24勝61敗10分 0.282 石原繁三
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋 36勝55敗5分 0.396 石丸進一

勝利投手 石原繁三 17勝24敗
敗戦投手 石丸進一 15勝18敗

二塁打 (和)木下

勝利打点 小松原博喜 4


石原繁三、今季5度目の完封

 大和は初回、先頭の苅田久徳が三塁線にバントヒット、山田潔が右前打で続いて無死一二塁、しかし木下政文は二飛、小松原博喜も二飛、鈴木秀雄は右飛とクリーンナップトリオが凡飛を打ち上げて無得点。

 大和は3回、先頭の渡辺絢吾がストレートの四球を選んで出塁、トップに返り苅田もストレートの四球で無死一二塁、山田は三ゴロ、これをサード芳賀直一が二塁に悪送球して無死満塁、木下は二直に倒れて一死満塁、小松原が押出し四球を選んで1点を先制、鈴木の二ゴロでセカンド石丸藤吉はゲッツーを狙って二塁に送球するがショート小鶴誠が落球、三走苅田がホームイン、二走山田もホームに還ってこの回3点を先制する。

 初回を三者凡退に抑えた大和先発の石原繁三は2回、先頭の吉田猪佐喜を四球で歩かせるが、続く小鶴の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。3回も先頭の野口正明に二遊間内野安打を許すが、続く石丸進一の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。セカンド苅田のピボットプレーが冴える。4回も先頭の石丸藤吉を四球で歩かせ、岩本章はツースリーから三振、この時石丸藤吉が二盗に成功して一死二塁とするが、古川清蔵を右邪飛、吉田を二ゴロに打ち取る。5回は先頭の小鶴の投ゴロを自らエラー、本田親喜の遊ゴロで小鶴は二封、野口正明はレフトライナー、石丸進一に中前打を打たれて二死一二塁とするが、芳賀を三邪飛に抑えて前半戦は無失点。崩れそうで崩れない粘りの投球を見せた。

 石原繁三は6回以降、名古屋打線を1安打無失点に抑え込み、3安打3四球5三振で今季5度目の完封、17勝目をマークする。


 石原は千葉県の成田中学、埼玉県の川越中学、岩手県の遠野中学と転校し、昭和6年夏の岩手県大会準決勝で福岡中学と対戦するはずであったが、福岡中学から「転校間もない石原繁三には出場資格がない」と抗議されて出場できず、福岡中学が遠野中学を20対0で破って甲子園に出場する。当時は甲子園以外にも全国各地で中学野球大会(現在の高校野球に相当)が盛んに行われており、金で有力中学生選手を売買して転校させるブローカーが各地で暗躍していた。このような状況を背景とした福岡中学の抗議である。但し、石原繁三の転校は父親の仕事の関係であった。石原は卒業後「鉄道省」に進んでいることから、父親も鉄道関係の仕事で転勤が多かったのではないでしょうか。


 当時福岡中学に在籍してこの試合に出場していた小田野柏は、「石原投手が出てきたならば試合はどうなっていたか分からない。・・・後年プロ野球で見た石原投手は球も速く、弱小球団の中で孤軍奮闘という感じだった。プロでも味方打線がもっと打ってくれれば相当の勝ち星を挙げたと思う。」(福岡高校野球部創部100週年記念誌「陣場台熱球録」より)と語っている。


 石原は昭和11年にセネタースに入団して1年で応召し、昭和15年に戦場から復帰した。小田野は昭和13年に阪急に入団してすぐに応召、昭和17年に戦場から復帰してくる。石原は昭和17年を最後に再度応召しているので、小田野柏が見た「プロ野球選手・石原繁三」とは、昭和17年のこととなります。


 石原が入団した昭和11年のセネタースには川越中学出身の家村相太郎や綿貫惣司も入団してきた。この綿貫は、埼玉県の豊岡物産の監督兼選手として昭和22年の都市対抗に出場、豊岡物産には奇遇にも小田野柏も在籍しており、1回戦の大日本土木戦で日本野球界初の「天覧ホームラン」を放つこととなる。石原繁三は終戦後昭和21年4月に日本に引き揚げてきたが、寄港3日後に病没したと伝えられている。


 

2015年12月28日月曜日

17年 巨人vs阪急 13回戦


11月1日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 1 0 2 巨人 66勝27敗4分 0.710 須田博
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 阪急 46勝45敗6分 0.505 小田野柏

勝利投手 須田博   22勝8敗
敗戦投手 小田野柏 1勝4敗

勝利打点 呉波 8


須田博、完投で22勝目

 巨人先発須田博と、阪急先発小田野柏との投げ合いで4回まで両軍無得点。

 巨人は5回、先頭の坂本茂が四球を選んで出塁、小池繁雄の左前打で無死一二塁、須田が送りバントを決めて一死二三塁、トップに返り呉波の当りはセンターライナー、これが犠飛となって1点を先制する。

 巨人は8回、一死後白石敏男が右前打で出塁、楠安夫の遊ゴロをショート中村栄がエラーして一死一二塁、中島治康の右前打で一死満塁、青田昇の遊ゴロ併殺崩れの間に三走白石が還って2-0、二死一三塁から永沢富士雄の一二塁間へのゴロが一走青田に当たりインターフェアが宣告されてスリーアウトチェンジ。この場合、永沢の記録は内野安打となる。

 阪急は8回裏、先頭の池田久之が左前打で出塁、中村の中前打で無死一二塁、笠松実の投前送りバントはピッチャー須田がダッシュ良く飛び出し二走池田は三封、トップに返りフランク山田伝が一塁線にバントヒットを決めて一死満塁、上田藤夫の中犠飛で1-2とする。

 須田博は9回裏の阪急の攻撃を三者凡退に抑え、5安打2四球5三振1失点で完投、22勝目をあげる。


 このところライトとピッチャーで併用されている小田野柏は9回を完投して8安打2四球3三振2失点。小田野は昭和13年に阪急に入団していきなり2完封、すぐに兵役にとられて今季戦場から戻って外野と併用されながら好投を続けている。戦後は都市対抗で活躍して日本球界初の「天覧ホームラン」を放ち、2リーグ分裂後プロに復帰して1954年の高橋ユニオンズで現役を引退、翌55年にはトンボユニオンズの二軍監督に就任する。秋山哲夫編集・発行「高橋球団(ユニオンズ)3年間のあゆみ」によると、この時のトンボ二軍は「トンボBユニオンズ」と名付けられたとのこと。因みに秋山哲夫氏は高橋ユニオンズのオーナー高橋龍太郎のお孫さんです。


注)当ブログでは「野球人」については原則として「呼び捨て」とさせていただいております。したがって、「高橋球団(ユニオンズ)3年間のあゆみ」を編集・発行された「野球人」秋山哲夫は呼び捨て、秋山氏個人を語る場合は敬称付き、「野球人」高橋龍太郎は呼び捨てとさせていただきますのでご了承ください。


 

17年 大洋vs南海 13回戦


11月1日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 大洋 54勝35敗6分 0.607 野口二郎
0 0 0 0 0 2 0 1 X 3 南海 48勝48敗 0.500 川崎徳次

勝利投手 川崎徳次 15勝15敗
敗戦投手 野口二郎 35勝16敗

二塁打 (南)長谷川

勝利打点 なし


清水秀雄、帰還後初完封

 3回まで無得点の南海は4回、先頭の柳鶴震が四球を選んで出塁、猪子利男が送りバントを決めて一死二塁、岡村俊昭の二ゴロの間に柳は三進、岩本義行が四球を選んで二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて1点を先制、二死二塁からピッチャー玉置玉一が二塁に悪送球して二走岩本は三進、更にセンター塚本博睦からの三塁送球も悪送球となる間に岩本が還って2-0とする。

 南海は7回、一死後清水秀雄がライト線に三塁打、中野正雄が左前にタイムリーを放って3-0とする。

 南海先発の清水秀雄は初回、先頭の塚本に左越え二塁打を許したが、続く松尾五郎の送りバントを三塁に送球して塚本を刺し、波に乗った。2回、3回は三者凡退。4回、5回、7回とピンチの芽を併殺で切り抜けたのも大きかった。

 清水は阪神打線を寄せ付けず、6安打3四球1三振で戦場から復帰後初完封で無傷の3連勝。


 清水は昭和15年9月22日の金鯱戦以来となる完封勝利を記録した。また、同年10月13日の黒鷲戦以来となる三塁打も記録、清水は昭和15年には10本の三塁打を記録しているように、足も速かったようだ。


 

2015年12月27日日曜日

17年 第21節 週間MVP



 今節は大洋が4勝1敗1分、朝日が4勝2敗、巨人が4勝2敗、南海が3勝3敗、阪神が3勝3敗、阪急が2勝3敗1分、大和が1勝4敗1分、名古屋が1勝4敗1分であった。


週間MVP

投手部門

 大洋 野口二郎 6

 今節3勝1敗2完封。

 阪神 若林忠志 5

 今節2勝1完封。阪急と巨人からの勝利であった。

 南海 清水秀雄 1

 10月25日と26日に連投して2勝1完封。打っても8打数4安打を記録。


打撃部門

 巨人 中島治康 6

 今節20打数6安打3得点3打点。

 大洋 野口明 2

 今節24打数7安打2得点3打点。勝利打点を2個記録した。

 阪神 塚本博睦 1

 今節22打数9安打3四球4盗塁。一番打者でこの成績ながら得点は0で、10残塁を記録した。

 朝日 酒沢政夫 1

 今節20打数7安打3得点。九番打者ながら見事な活躍を見せた。



殊勲賞

 大和 広島清美 1

 10月19日の巨人戦で敗戦投手ながら1四球完投。

 阪神 御園生崇男 2

 24日の南海戦でサヨナラ単独本盗を決める。

 阪急 小田野柏 1

 18日の 朝日戦で11回裏サヨナラ打。


敢闘賞

 朝日 内藤幸三 1

 投げては2勝、打っては20日の南海戦で代打サヨナラ打。
 
 巨人 藤本英雄 1

 今節3勝0敗1完封であるが全て大和戦であり、投球内容も悪かったので敢闘賞にとどめる。

 巨人 呉波 1

 今節22打数7安打3得点2打点。


技能賞

 大和 苅田久徳 2

 21日の名古屋戦で3つの併殺を決める。大洋時代の第8節以来今季2度目の受賞。久々にグラウンドで妙技を披露した。

 南海 柳鶴震 3

 26日の阪神戦で決勝の本盗を決める。

 

2015年12月26日土曜日

17年 阪神vs南海 15回戦


10月26日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪神 46勝44敗5分 0.511  玉置玉一 御園生崇男
0 0 0 2 0 0 1 0 X 3 南海 47勝48敗 0.495  清水秀雄

勝利投手 清水秀雄 3勝0敗
敗戦投手 玉置玉一 1勝2敗

二塁打 (神)塚本
三塁打 (南)清水

勝利打点 なし


清水秀雄、帰還後初完封

 3回まで無得点の南海は4回、先頭の柳鶴震が四球を選んで出塁、猪子利男が送りバントを決めて一死二塁、岡村俊昭の二ゴロの間に柳は三進、岩本義行が四球を選んで二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて1点を先制、二死二塁からピッチャー玉置玉一が二塁に悪送球して二走岩本は三進、更にセンター塚本博睦からの三塁送球も悪送球となる間に岩本が還って2-0とする。

 南海は7回、一死後清水秀雄がライト線に三塁打、中野正雄が左前にタイムリーを放って3-0とする。

 南海先発の清水秀雄は初回、先頭の塚本に左越え二塁打を許したが、続く松尾五郎の送りバントを三塁に送球して塚本を刺し、波に乗った。2回、3回は三者凡退。4回、5回、7回とピンチの芽を併殺で切り抜けたのも大きかった

 清水は阪神打線を寄せ付けず、6安打3四球1三振で戦場から復帰後初完封で無傷の3連勝。


 清水は昭和15年9月22日の金鯱戦以来となる完封勝利を記録した。また、同年10月13日の黒鷲戦以来となる三塁打も記録、清水は昭和15年には10本の三塁打を記録しているように、足も速かったようだ。


 

17年 大和vs巨人 15回戦


10月26日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大和 23勝61敗10分 0.274 広島清美 石原繁三
0 0 0 1 0 0 0 0 X 1 巨人 65勝27敗4分 0.707  藤本英雄

勝利投手 藤本英雄 7勝0敗
敗戦投手 広島清美 0勝3敗

二塁打 (和)金子

勝利打点 伊藤健太郎 7


藤本英雄、デビュー以来7連勝

 大和は13回戦で1四球2失点完投で惜しくも敗戦投手となった広島清美が先発。巨人は13回戦、14回戦に続いて藤本英雄が先発する。

 大和は初回、先頭の苅田久徳が右前打で出塁するが続く山田潔の送りバントがファーストへの小フライとなって失敗、木下政文の中前打で一死一二塁とするが、小松原博喜は二飛、鈴木秀雄は中飛に倒れて無得点。

 巨人は初回、先頭の呉波が四球からパスボールで二進、白石敏男も四球を選んで無死一二塁、しかし楠安夫のベース寄り二ゴロをセカンド苅田が二塁ベースを踏んで一塁に送球してゲッツー、中島治康は中飛に倒れてこちらもチャンスを生かせず無得点。

 巨人は4回、先頭の中島がストレートの四球で出塁、青田昇の二塁内野安打で無死一二塁、大和ベンチは先発の広島から石原繁三にスイッチ、永沢富士雄が送りバントを決めて一死二三塁、藤本は四球で一死満塁、ここで小池繁雄に代わる代打伊藤健太郎が左犠飛を打ち上げて1点を先制、これが決勝点となった。


 藤本英雄は5安打4四球4三振で3度目の完封、デビュー以来無傷の7連勝を飾った。但し、プロ入り初戦と2戦目は大洋、阪神が相手で共に3失点で、3戦目からは朝日、南海が相手、ここ3戦は大和が相手と、上位球団は須田博、下位球団は藤本英雄の使い分けとなっている。デビューからの2戦で上位球団には通用しなかったことが要因でしょう。


 

2015年12月23日水曜日

17年 阪急vs大洋 14回戦


10月26日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 46勝44敗6分 0.511 小田野柏
1 0 0 0 0 0 0 0 X 1 大洋 54勝34敗6分 0.614 野口二郎

勝利投手 野口二郎 35勝15敗
敗戦投手 小田野柏   1勝3敗

勝利打点 野口明 7


野口二郎、年間最多完封記録を更新

 大洋は初回、一死後濃人渉が中前打で出塁、浅岡三郎の三ゴロは「5-4-3」と転送されたが二塁はセーフで一塁はアウト、「打走法」が掛かっていた可能性がある。二死二塁となったところで野口明が左前に先制タイムリー、これが決勝点となり、スミ一を野口二郎が守り切って大洋が1対0で接戦を制す。

 野口二郎は3安打1四球4三振で今季17回目の完封。三者凡退を7度記録する。

 阪急唯一のチャンスは5回に到来した。すなわち、先頭の山下好一が右前にチーム初ヒット、小田野柏も右前打で続いて無死一二塁、しかし森田定雄は捕邪飛、日比野武も左飛に倒れて二死一二塁、中村栄が四球を選んで二死満塁とするが、この日ライトに入った笠松実は左飛に倒れて無得点に終わった。阪急外野陣はこのところセンターフランク山田伝、レフト山下好一、ライト小田野柏で、この日のように小田野が登板するとライトには笠松が入っている。


 野口二郎は9回にも先頭の山田に中前打を許し、上田藤夫に送りバントを決められて一死二塁のピンチを迎えたが、黒田を遊ゴロ、山下好一を三振に打ち取り今季35勝目にして17回目の完封。これまで年間最多完封記録は須田博が昭和15年に記録した16回であったが、野口二郎が更新した。因みに昭和15年の須田はスタルヒンで11回、須田博で5回の完封を記録している。


 阪急先発の小田野柏も8回を完投して3安打1四球3三振1失点の好投であった。




*野口二郎は3安打完封で今季35勝目、17度目の完封を記録して昭和15年に須田博が作った年間最多完封記録を更新した。







 

2015年12月21日月曜日

17年 名古屋vs朝日 14回戦


10月26日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 0 0 0 0 0 1 0 0  1  2 名古屋 36勝54敗5分 0.400 石丸進一
1 0 0 0 0 0 0 0 0  0  1 朝日     42勝47敗6分 0.472 内藤幸三

勝利投手 石丸進一 15勝17敗
敗戦投手 内藤幸三   4勝8敗

二塁打 (朝)岩田
三塁打 (名)小鶴

勝利打点 なし

猛打賞 (朝)中谷順次 1


石丸進一15勝目

 朝日は初回、先頭の坪内道則がレフト線にヒット、続く原秀雄は投ゴロで「1-3」でアウトとなっていますが、スコアカードの記載によると一走坪内は二進していません。打者走者の原秀雄が先にタッチアウトになって坪内が一塁に戻ったか、原が一塁アウトになった後に坪内が戻ったか、恐らくスコアカードの記載ミスでしょう。ということで、一応、一死二塁から実況中継を再開させていただきます。岩田次男のレフト線二塁打で坪内が還って1点を先制する。繰り返しますが、スコアカードには岩田の二塁打で坪内は一塁からホームに還ったと記載されていますが、状況に鑑みると二塁からホームに還ったと考えられます。

 この秋目覚ましいピッチングを続けている朝日先発の内藤幸三はこの日も絶妙の投球を見せて名古屋打線を6回まで無安打無得点に抑え込む。5四球を与えているところは相変わらず内藤らしいところではありますが。

 名古屋は7回、二死後小鶴誠が左中間に三塁打、本田親喜は四球を選んで二死一三塁、桝嘉一の三塁内野安打で小鶴が還り1-1の同点に追い付く。3回から6回を無安打に抑えてきた名古屋先発・石丸進一の好投が報われた。桝に代わって代走に田中金太郎が起用されたが、この起用が試合に大きな影響を与えることとなる。

 朝日7回裏、広田修三の四球、中谷順次の右前打と重盗で二死二三塁とするが酒沢政夫は遊ゴロに倒れて無得点。8回も二死後岩田、浅原直人の連打で一二塁とするが内藤は一ゴロに倒れて無得点。

 朝日は9回裏、一死後早川平一に代わる代打渡辺時信が四球を選んで出塁、中谷がレフト線にヒット、酒沢の二ゴロで中谷が二封され、酒沢が二盗を決めて二死二三塁、坪内は四球を選んで二死満塁、しかし原は捕邪飛に倒れてこの回も無得点、試合は延長戦に突入する。

 名古屋は10回表、先頭の本田親喜がストレートの四球で出塁、7回裏の守備からファーストに入っていた田中の送りバントはピッチャー内藤が捕ってそのまま一塁ベースに入り田中には犠打が記録されて一死二塁、ここで内藤は二塁に進んだ本田がオーバーランしたのを見て二塁に送球するがこれが高く逸れて外野に抜ける間に本田は三塁に走り、バックアップのレフト大島渡が三塁に送球するがこれが低く逸れて白球がファウルグラウンドを転々とする間に本田が一気に決勝のホームに還って2-1。

 朝日は10回裏、一死後浅原が左前打で出塁、内藤の二ゴロの間に浅原は二進して二死二塁、続く広田の打席で二走浅原が勝負を賭けて三盗を試みるがキャッチャー古川清蔵からの送球にタッチアウト、激戦に終止符を打つ。

 石丸進一は10回を完投して8安打4四球3三振、15勝目をあげる。

 内藤幸三も10回を完投して2安打に抑えたが10四球5三振、最後は自らの悪送球で墓穴を掘った。


 この試合では5回に珍プレーがありましたが別項で記載します。


 

2015年12月18日金曜日

17年 巨人vs阪神 14回戦


10月25日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 巨人 64勝27敗4分 0.703 須田博
0 1 0 0 2 1 1 0 X 5 阪神 46勝43敗5分 0.517 若林忠志

勝利投手 若林忠志 21勝13敗
敗戦投手 須田博     21勝8敗

三塁打 (巨)楠

勝利打点 田中義雄 5


阪神内野陣、渋い活躍

 巨人先発の須田博はここまで21勝7敗、一方、阪神先発の若林忠志はここまで20勝13敗。戦列を離脱した21勝6敗の広瀬習一と共に激しくハーラー4位の座を争う二人が先発。

 阪神は2回、先頭の若林が中前打で出塁、野口昇の投前送りバントに須田がダッシュ良く飛び出して若林は二封、しかし平林栄治はストレートの四球、乾国雄も四球を選んで一死満塁、トップに返り塚本博睦の右前タイムリーで1点を先制する。

 巨人は4回、二死後楠安夫が右中間に三塁打、中島治康の三塁内野安打で1-1の同点、伊藤健太郎がライト線にヒット、永沢富士雄がライト線にタイムリーを放って2-1と逆転に成功する。

 阪神は5回、一死後松尾五郎の当りは遊ゴロ、これをショート白石敏男がエラー、藤井勇の投ゴロの間に松尾は二進、門前真佐人の左前タイムリーで2-2の同点、この打球をレフト伊藤がファンブルして打者走者の門前は二塁に進み、カイザー田中義雄の一塁内野安打で門前が還り3-2と逆転する。

 阪神は6回、一死後平林が三前にセーフティバントを決めて出塁、乾に代わる代打三輪裕章の三ゴロでランナーが入れ替わり、三輪が二盗に成功、トップに返り塚本は四球、松尾も四球を選んで二死満塁、藤井が押出し四球を選んで4-2とする。須田博はスタルヒン時代のノーコン病が再発したようだ。

 阪神は7回、先頭の田中がストレートの四球、若林が送って一死二塁、野口昇が中前にタイムリーを放って5-2と突き放す。

 若林忠志は6安打2四球3三振の完投で須田、広瀬に並ぶ21勝目をあげる。

 須田博は9安打8四球3三振5失点と乱れた。


 阪神の八番セカンド平林栄治が2回に貴重なつなぎの四球を選び、6回にはバントヒットを決めてホームに還った。九番サードで先発した乾国雄も2回につなぎの四球を選び、二番手サードの三輪裕章は2盗塁1得点、七番ショートの野口昇も2回に送りバントを決めて7回にはタイムリーも放った。昭和17年阪神低迷の原因は内野陣の弱体化にあるが、下位を打つ内野陣が本日のような渋い働きを見せれば巨人にも勝てるのである。


 

2015年12月17日木曜日

17年 南海vs大和 14回戦


10月25日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 1 1 0 0 3 南海 46勝48敗 0.489 清水秀雄
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 大和 23勝60敗10分 0.277 石原繁三

勝利投手 清水秀雄   2勝0敗
敗戦投手 石原繁三 16勝24敗

二塁打 (南)岩本

勝利打点 岡村俊昭 8


清水秀雄、投打に活躍

 南海は4回まで無安打。

 大和は4回裏、二死後金子裕が四球を選んで出塁、石原繁三もストレートの四球で二死一二塁、山田潔の中前タイムリーで二走金子が還り1点を先制、一走石原は三塁に向かうが「8-2-5」と転送されてタッチアウト。

 南海は5回、先頭の岩本義行が四球を選んで出塁、国久松一の二ゴロでランナーが入れ替わるが国久が二盗に成功、清水秀雄がライト線にタイムリーを放って1-1の同点とする。

 南海は6回、先頭の八木進が三塁に内野安打、長谷川善三が四球を選び無死一二塁、トップに返り柳鶴震の投前送りバントはピッチャー石原が三塁に送球して二走八木はフォースアウト、猪子利男の右前打で一死満塁、岡村俊昭の二ゴロの間に三走長谷川が還って2-1と逆転。


 南海は7回、先頭の清水が右前打で出塁、中野正雄の投前送りバントをピッチャー石原が二塁に送球して清水は二封、八木の三塁内野安打で一死一二塁、長谷川は左飛に倒れるが、トップに返り柳が右前にタイムリーを放って3-1とする。


 清水秀雄は大和打線を散発の5安打に抑え、6四球4三振の完投で復帰後2勝目をあげる。打っても4打数2安打1打点の活躍で、相変わらずバッティングも良い。





 

2015年12月13日日曜日

17年 大洋vs阪急 13回戦


10月25日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 8 0 0 0 0 0 8 大洋 53勝34敗6分 0.609 古谷倉之助 重松通雄
0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 阪急 46勝43敗6分 0.517 森弘太郎 義川泰造

勝利投手 古谷倉之助 4勝5敗
敗戦投手 森弘太郎  19勝17敗

三塁打 (大)浅岡

勝利打点 富松信彦 3


浅岡三郎、満塁走者一掃の三塁打

 大洋は2回まで無安打、阪急は初回、2回とヒットが出たが無得点。

 大洋は3回、先頭の佐藤武夫が左前打で出塁、宇野錦次が送って一死二塁、しかし中村信一は投ゴロ、濃人渉は三ゴロに倒れて無得点。阪急の3回裏は三者凡退。

 大洋は4回、先頭の浅岡三郎が中前打で出塁、野口明が三塁に内野安打、古谷倉之助も三塁に内野安打して無死満塁、富松信彦が押出し四球を選んで1点を先制、祖父江東一郎の遊ゴロをショート中村栄がエラーして三走野口明が還り2-0、佐藤は三振に倒れるが、宇野に代わる代打野口二郎が押出し四球を選んで3-0、トップに返り中村の三ゴロをサード黒田健吾がホームに悪送球して4-0、濃人渉は浅い左飛に倒れて二死満塁、浅岡が試合を決める中越え三塁打を放って7-0、野口明も左前タイムリーで続きこの回一挙8点、8-0とリードする。

 大量リードをもらった古谷倉之助はタテに落ちるドロップが冴えて8回まで無失点、9回の攻撃で中村民雄を代打に送られてお役御免となった。

 阪急は9回、この回から変わった重松通雄を攻めて先頭の黒田が四球で出塁、山下好一の中前打で無死一三塁、小田野柏は三振、森田定雄に代わる代打日比野武は捕飛に倒れて二死一三塁、ここで何とダブルスチールを決めて1-8、キャッチャー佐藤もこれは予想外だったようで二塁に悪送球、しかもセンター富松までこれを後逸する間に山下好一も還って2-8、しかし池田久之は捕邪飛に倒れて大洋が快勝。


 勝利打点は先制&決勝の押出し四球を選んだ富松信彦であったが、真の殊勲者は4回に先頭打者としてヒットを放ち先制のホームを踏み、打者一巡のこの回2度目の打席で3点三塁打を放った浅岡三郎であった。


 

2015年12月12日土曜日

17年 朝日vs名古屋 13回戦


10月25日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 朝日    42勝46敗6分 0.477 林安夫
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 名古屋 35勝54敗5分 0.393 森井茂 石丸進一

勝利投手 林安夫 26勝21敗
敗戦投手 森井茂   4勝10敗

三塁打 (名)岩本

勝利打点 なし


古川清蔵の試練

 名古屋は2回、先頭の吉田猪佐喜は遊ゴロ、これをショート酒沢政夫がエラーして無死一塁、小鶴誠はレフト線にヒット、本田親喜がセオリー通り三前に送りバントを決めて一死二三塁、桝嘉一の右前タイムリーで1点を先制、森井茂の打席でスクイズを敢行するが外されて三走小鶴はタッチアウト、森井は右飛に倒れてこの回1点止まり。ここで追加点を取れなかったのが痛かった。

 朝日は森井のスローボールにタイミングが合わず7回まで2安打無得点。

 朝日は8回、先頭の広田修三が四球で出塁、早川平一の三ゴロの間に広田は二進、斉藤忠二は左飛に倒れて二死二塁、酒沢政夫の左前打で二死一三塁、ここで一走酒沢がスタート、キャッチャー古川清蔵からの二塁送球が低く逸れて三走広田が生還し1-1の同点、酒沢も二塁から一気にホームに還り2-1と逆転する。

 名古屋は9回裏、一死後岩本章が左中間に三塁打、ここで打席に立ったのは三番古川清蔵、絶好の汚名挽回のチャンスであったが当りは投ゴロ、しかも三走岩本が飛び出しており「1-2-5」と渡ってタッチアウト、吉田も右飛に倒れて万事休す。

 古川清蔵にとっては試練の一日であった。

 林安夫は4安打無四球無三振1失点、自責点ゼロの完投で26勝目をあげる。投球数は81球であった。


 森井茂も8回を3安打1四球1三振2失点、自責点ゼロ。9回に1イニングだけリリーフに出た石丸進一も三者凡退に退けた。森井は91球、石丸進一は14球を投げている。

 この試合は5回まで29分、7回まで41分で終了しており、「最短時間試合」の記録を作るチャンスであったが、8回と9回に時間がかかり新記録はならず、1時間2分で終了した。



 

2015年12月11日金曜日

17年 南海vs阪神 14回戦


10月24日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0  0   0  1 南海 45勝48敗 0.484 川崎徳次
0 0 0 0 0 0 1 0 0  0 1X  2 阪神 45勝43敗5分 0.511 御園生崇男

勝利投手 御園生崇男 12勝14敗
敗戦投手 川崎徳次     14勝15敗

二塁打 (南)岩本 (神)門前、野口昇

勝利打点 なし


御園生崇男、サヨナラ本盗

 5回まで両軍無得点。

 南海は6回、先頭の岩本義行の三ゴロをサード乾国雄がエラー、国久松一は遊飛に倒れるが、中野正雄の遊ゴロもショート野口昇がエラーして一死一二塁、川崎徳次が右前にタイムリーを放って1点を先制する。

 阪神は7回、先頭の野口昇がレフト線に二塁打、平林栄治の送りバントは投飛となって失敗、乾に代わる代打山口政信は三振、しかしトップに返り塚本博睦が右前に同点タイムリーを放って1-1と追い付く。

 この後両軍無得点が続いて試合は延長に突入。

 阪神は11回裏、先頭の御園生崇男が四球を選んで出塁、カイザー田中義雄は中飛に倒れるが、野口昇が中前打を放って一死一二塁、平林は二飛に倒れて二死一二塁、三輪裕章の打席で御園生が単独三盗を決めて二死一三塁、更にサヨナラホームスチールを決めて阪神が競り勝つ。


 御園生崇男は11回を完投して9安打9安打5四球1三振1失点、自責点ゼロの好投であった。延長11回裏にはサヨナラ本盗を決めた。


 野口昇は3エラーを犯したが、2安打を放って阪神の2得点に絡み打で貢献した。



*御園生崇男がサヨナラホームスチールを決めた場面。



 

2015年12月9日水曜日

17年 巨人vs大和 14回戦


10月24日 (土) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 0 0 0 0 0 0 0 2 巨人 64勝26敗4分 0.711 藤本英雄
0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 大和 23勝59敗10分 0.280 畑福俊英 松本操

勝利投手 藤本英雄 6勝0敗
敗戦投手 畑福俊英 3勝15敗

二塁打 (巨)青田
三塁打 (巨)呉

勝利打点 楠安夫 5


松本操、巨人相手に7イニングを2安打

 巨人は初回、先頭の呉波が右中間を破る三塁打、白石敏男は三振に倒れるが、楠安夫の中犠飛で1点を先制する。

 巨人は2回、先頭の青田昇が左越えに二塁打、小暮力三の二ゴロの間に青田は三進、藤本英雄の左前タイムリーで2-0とする。

 大和は2回裏、先頭の小松原博喜がセンター左にヒット、苅田久徳も中前打で続いて無死一二塁、鈴木秀雄の一塁線バントが内野安打となって無死満塁、金子裕は三振、畑福俊英に代わる代打松本操も三振して二死満塁、山田潔が押出し四球を選んで1-2と詰め寄るが、トップに返り渡辺絢吾も三振に倒れてスリーアウトチェンジ。

 大和は3回から先発の畑福の代打に出た松本がそのままマウンドに上がり好投を見せた。3回、4回と無安打、5回は一死後藤本に三前セーフティバントを決められるが、坂本茂を遊ゴロ、小池繁雄も遊ゴロに仕留めて無失点。6回から8回も無安打、9回二死から青田に三塁内野安打を許すが永沢富士雄を右飛に打ち取る。


 松本操は7イニングを投げて2安打2四球無三振無失点。打たれた2安打はいずれも内野安打であった。


 巨人先発の藤本英雄は4安打6四球8三振の完投でプロ入り以来無傷の6連勝を飾る。打っても3打数2安打1打点の活躍を見せた。5回にはセーフティバントも決めるハッスルぶりであった。


 

2015年12月8日火曜日

17年 大洋vs朝日 14回戦


10月24日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 大洋 52勝34敗6分 0.605 野口二郎 重松通雄
0 0 2 1 1 0 0 0 X 4 朝日 41勝46敗6分 0.471 内藤幸三

勝利投手 内藤幸三   4勝7敗
敗戦投手 野口二郎 34勝15敗

二塁打 (朝)酒沢、坪内、浅原
本塁打 (大) 濃人 3号

勝利打点 坪内道則 3


内藤幸三、3四球完投

 朝日は3回、二死後酒沢政夫が左中間に二塁打、トップに返り坪内道則もレフト線に二塁打を放って1点を先制、原秀雄の遊ゴロをファースト野口明が後逸する間に二走坪内が還って2-0とする。

 朝日は4回、先頭の浅原直人が左中間に二塁打、内藤幸三の二ゴロをセカンド佐々木光雄がエラー、内藤が二盗を決めて無死二三塁、広田修三は三振に倒れるが、早川平一が右前にタイムリーを放って3-0とする。

 大洋は4回で先発の野口二郎を下げて重松通雄をリリーフのマウンドに送る。

 朝日は5回、先頭の坪内がショート内野安打から二盗を決め、原の右前打で無死一三塁、原も二盗を決めて無死二三塁、岩田次男は三振に倒れるが、浅原の一ゴロの間に三走坪内が還って4-0と突き放す。

 朝日先発の内藤幸三は快調なピッチング、悪癖の四球も出さずに7回まで2四球無失点。
 大洋は8回、一死後濃人渉がレフトスタンドに第3号ホームランを叩き込んで1-4とするが反撃もここまで。



 内藤幸三は4安打3四球7三振の完投で4勝目をあげる。秋季リーグ戦に入って好調が続く内藤が本日も快投を見せた。


 

2015年12月5日土曜日

17年 阪急vs名古屋 14回戦


10月24日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
2 1 0 0 0 0 0 0 0  0   0   1  4 阪急     46勝42敗6分 0.523 天保義夫 笠松実 森弘太郎
0 3 0 0 0 0 0 0 0  0   0   1  4 名古屋 35勝53敗5分 0.398 松尾幸造 西沢道夫

二塁打 (急)山下好一、黒田
三塁打 (名)岩本

勝利打点 なし

猛打賞 (急)黒田健吾 4、山下好一 3


阪急首脳陣、継投失敗

 阪急は初回、先頭のフランク山田伝がストレートの四球で出塁、上田藤夫の遊ゴロでランナーが入れ替わり、黒田健吾も四球、ワイルドピッチで二者進塁して一死二三塁、山下好一のレフト線タイムリーで二者還り2点を先制する。名古屋ベンチはここで早くも先発の松尾幸造をあきらめて西沢道夫を投入、西沢が後続を抑える。

 阪急は2回、先頭の中村栄が一塁内野安打から二盗に成功、天保義夫は三振に倒れ、トップに返り山田の三前バントが犠打となって二死二塁、山田は自らも生きようとしたのでしょう。二死三塁から上田が左前タイムリーを放ち1点追加、3-0とリードを広げる。

 名古屋は2回裏に反撃、先頭の吉田猪佐喜がセンター左にヒット、小鶴誠の三ゴロでランナーが入れ替わり、本田親喜の二ゴロで再度ランナーが入れ替わって二死一塁、桝嘉一が左前打、西沢がストレートの四球を選んで二死満塁、芳賀直一もストレートの押出し四球を選び1-3、トップに返り石丸藤吉の中前タイムリーで2-3、阪急ベンチはここで先発の天保から笠松実にスイッチするが、岩本章が押出し四球を選んで3-3の同点に追い付く。

 乱打戦かと思われた試合も3回から一転、阪急二番手の笠松は11回まで無失点、ヒットを許したのは7回と10回だけで三者凡退を6度記録した。名古屋二番手の西沢も7回までに5安打を許したが、8回以降は11回まで無安打ピッチングを続けた。
 阪急は12回表、先頭の山田が四球を選んで出塁、上田が送って一死二塁、黒田が左中間を破る二塁打を放って山田を迎え入れ、4-3とリードする。

 阪急は12回の守備から小田野柏の代打に出た井野川利春に代わって森弘太郎がライトの守備に入る

 名古屋は12回裏、先頭の石丸藤吉が四球で出塁、阪急ベンチはここでよく投げてきた笠松に代えてライトから森弘太郎をマウンドに送るがこれが裏目に出た。森の代わりばなの朝日初球を岩本章が左中間に三塁打、4-4の同点に追い付く。古川清蔵は三振に倒れるが吉田は敬遠から二盗、小鶴も四球を選んで一死満塁、しかし本田は遊飛、桝は三ゴロに倒れて引き分けに終わった。


 阪急は12回裏の守備で頭から森弘太郎をライトに入れたが、続投の笠松が先頭の石丸藤吉に四球を与えると慌ててライトから森弘太郎をマウンドに送って岩本章に同点三塁打を打たれた。継投策の失敗は、2015年になっても小久保監督が繰り返していることはご存知のとおり。


 

2015年12月3日木曜日

17年 巨人vs大洋 14回戦


10月21日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 1 0 2 0 0 0 0  0  3 巨人 63勝26敗4分 0.708 藤本英雄 須田博
3 0 0 0 0 0 0 0 1X 4 大洋 52勝33敗6分 0.612 古谷倉之助 野口二郎

勝利投手 野口二郎 34勝14敗
敗戦投手 須田博     21勝7敗

二塁打 (大)浅岡

勝利打点 野口明 6


藤本英雄、悪運強し

 巨人はルーキー藤本英雄、大洋はベテラン古谷倉之助が先発。

 大洋は初回、一死後濃人渉の当りは三ゴロ、これをサード小池繁雄がエラー、浅岡三郎の一ゴロをファースト永沢富士雄が二塁に悪送球、一走濃人は三塁に進み、打者走者の浅岡も二塁に進んで一死二三塁、野口明は四球を選んで一死満塁、古谷がセンター左に2点タイムリー、センター呉波からのバックホームが悪送球となって一走野口明もホームインしてこの回3点を先制する。

 プロ入りから負けなしの5連勝を続けている藤本もついに年貢の納め時か。

 巨人は2回、先頭の中島治康が左前打、青田昇の遊ゴロでランナーが入れ替わり、永沢は二飛に倒れるが青田が二盗に成功、坂本茂は四球を選んで二死一二塁、バッティングのいい藤本が中前にタイムリーを放って1-3とする。

 巨人は4回、先頭の青田がレフト線に二塁打、大洋はここで先発の古谷から野口二郎にスイッチ、永沢が中前打を放って無死一二塁、坂本の送りバントをピッチャー野口二郎が三塁に送球して二走青田は三封、藤本に代わる代打伊藤健太郎は中飛、小池に代わる代打小暮力三が四球を選んで二死満塁、トップに返り呉が中前に同点の2点タイムリーを放って3-3と追い付く。センター富松信彦からのバックホームをキャッチャー佐藤武夫が後逸、三塁に達していた一走小暮もホームを狙うが、白球に追い付いた佐藤からホームベースカバーのピッチャー野口二郎に送球されて小暮はタッチアウト、後逸した佐藤には失策は記録されなかった。

 巨人が同点に追い付いたことから、ここで藤本の敗戦投手は消えた。

 巨人は4回から須田博が登板、野口二郎と須田の投げ合いで両軍追加点が無いまま9回裏を迎える。

 大洋は9回裏、一死後中村信一が四球を選んで出塁、濃人の左前打で一死一二塁、浅岡は右飛に倒れて二死一二塁、ここで野口明が右前にサヨナラタイムリーを放ち大洋が接戦を制す。


 プロ入り以来負けなしの藤本英雄は1回、味方の3つのエラーに足を引っ張られて自責点ゼロで3点を失ったが、味方が追い付いてくれて敗戦投手を免れた。天性の悪運を持っているようだ。


 

2015年11月29日日曜日

17年 名古屋vs大和 14回戦


10月21日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 名古屋 35勝53敗4分 0.398 森井茂 石丸進一
3 0 2 1 0 0 0 0 X 6 大和    23勝58敗10分 0.284 石原繁三

勝利投手 石原繁三 16勝23敗
敗戦投手 森井茂       4勝9敗

二塁打 (和)小松原、金子2

勝利打点 小松原博喜 3

猛打賞 (和)小松原博喜 1


苅田久徳、3つの併殺

 大和は初回、先頭の渡辺絢吾の当りは遊ゴロ、これをショート小鶴誠がエラー、木村孝平の中前打で無死一二塁、木下政文はストレートの四球で無死満塁、小松原博喜がレフト線に2点タイムリーを放って2-0、キャッチャー古川清蔵からの牽制に二走木下はタッチアウト、苅田久徳の三ゴロをサード芳賀直一がエラーして一死一二塁、鈴木秀雄は三振に倒れて二死一二塁、ここでダブルスチールを敢行、キャッチャー古川の三塁送球が悪送球となる間に小松原が還って3-0とする。

 大和は3回、一死後小松原が右中間に二塁打、苅田は左飛に倒れるが、鈴木が右前打から二盗を決めて二死二三塁、金子裕が右中間に二塁打を放って2点を追加、5-0とする。

 大和は4回、先頭の山田潔が四球を選んで出塁、トップに返り渡辺の遊ゴロでランナーが入れ替わり、木村が左前打、木下も左前打で続いて一死満塁、小松原の右前タイムリーで6-0と突き放す。

 大和先発の石原繁三は4安打4四球を許したが5回は「1-4-3」、6回は「6-4-3」、9回も「1-4-3」と3つの併殺で切り抜け今季4度目の完封、16勝目をあげる。3つの併殺にはセカンド苅田久徳が絡んでいる。大和は少し変わりそうだ。


 小松原博喜が4打数3安打3打点、勝利打点と猛打賞を記録した。


 

17年 阪神vs阪急 13回戦


10月20日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 阪神 44勝43敗5分 0.506 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 阪急 46勝42敗5分 0.523 小田野柏 森弘太郎

勝利投手 若林忠志 20勝13敗
敗戦投手 小田野柏   1勝2敗

二塁打 (神)平林

勝利打点 藤井勇 2

猛打賞 (神)平林栄治 1


若林忠志、6安打完封の巧投

 阪神は3回、一死後乾国雄が四球を選んで出塁、トップに返り塚本博睦の一塁内野安打で一死一二塁、松尾五郎は右飛に倒れるが、藤井勇の二遊間内野安打で二走乾が還り1点を先制する。これがこの試合両チーム唯一の得点であった。

 阪神先発の若林忠志はランナーを出しながらも粘り強いピッチング。三者凡退に抑えたの8回だけで、6安打4四球5三振、阪急の9残塁に助けられて今季3度目の完封、20勝目をあげる。


 今季の20勝投手はここまで野口二郎33勝、林安夫25勝、神田武夫24勝、広瀬習一21勝、須田博21勝で若林は6人目となるが、完封数は野口二郎16回、林安夫11回、神田武夫6回、広瀬習一10回、須田博6回に対して若林は僅かに3回目。神田は体調の問題で完投能力がなくなってきており、須田は病み上がりで完封が少ないという事情がある。若林の場合は打たせて取るピッチングスタイルに起因するものでしょう。


 平林栄治が4打数3安打二塁打1本でプロ入り初の猛打賞を記録した。平林は松本商業時代、戦後南海や中日で活躍して引退後は野球解説者やアマチュア野球記者となる土屋亨と共に昭和15年のセンバツと夏の甲子園に出場し、主力打者として夏の甲子園ではベスト4に進出する原動力となった。プロでは強打を発揮できなかったが、この試合では猛打賞の活躍であった。昭和18年を最後に兵役に就き、戦死することとなる。



*昭和15年センバツ出場時の松本商業のメンバー。「土屋亨」は「堀内」姓で出場している。(選抜高等学校野球大会50年史より)





*昭和15年夏の大会準決勝。平林栄治は3打数1安打3打点の活躍。センバツではセカンドだった土屋亨(堀内)は夏はサードに回った。海草中学は前年サードの真田がエースとなって二連覇を達成した。(全国高等学校野球選手権大会50年史より)



 

2015年11月28日土曜日

17年 南海vs朝日 13回戦


10月20日 (火) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 0 0 2 0 0 0 0  0  2 南海 45勝47敗 0.489 川崎徳次 神田武夫
0 1 0 0 1 0 0 0 1X 3 朝日 40勝46敗6分 0.465 林安夫

勝利投手 林安夫     25勝21敗
敗戦投手 神田武夫 24勝18敗

二塁打 (朝)広田、林2

勝利打点 内藤幸三 4

猛打賞 (朝)酒沢政夫 2


林安夫25勝、ハーラー単独2位に浮上


 朝日は初回、先頭の坪内道則がストレートの四球、原秀雄の二ゴロの間に坪内は二進、岩田次男が四球を選んで一死一二塁、浅原直人の左前打で一死満塁、しかし林安夫は浅い左飛、早川平一は三ゴロに倒れて無得点。

 朝日は2回、先頭の広田修三がレフト線に二塁打、南海ベンチはここで不調の川崎徳次に代えて神田武夫をマウンドに送る。斉藤忠二は三振、酒沢政夫の三塁内野安打で一死一三塁、トップに返り坪内の左犠飛で1点を先制する。

 南海は4回、一死後岩本義行が四球を選んで出塁、国久松一の一塁内野安打で岩本は三塁に進み一死一三塁、国久が二盗を決めて一死二三塁、中野正雄の二ゴロをセカンド原がエラー、三走岩本に続いて二走国久もホームに還り2-1と逆転する。中野には1打点が記録された。

 朝日は5回、一死後浅原が三塁に内野安打、林がレフト線に二塁打、三塁に進んだ一走浅原が返球の隙を突いてホームに還り2-2の同点。林には打点は記録されていない。

 朝日は9回裏、先頭の酒沢が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、トップに返り坪内がこの日3つ目の四球を選んで無死一二塁、ここで原に変わる代打内藤幸三が右前にサヨナラ打を放って朝日が接戦を制す。


 林安夫は3安打5四球1三振の完投で25勝目をあげる。林と24勝で並んでいた神田武夫は敗戦投手となってハーラー3位に転落する。



 

2015年11月24日火曜日

17年 南海vs阪急 14回戦


10月19日 (月) 西宮  
 
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海 45勝46敗 0.495 神田武夫
0 0 1 0 0 0 0 0 X 1 阪急 46勝41敗5分 0.529 天保義夫

敗戦投手 天保義夫   8勝4敗
敗戦投手 神田武夫 24勝17敗
セーブ  森弘太郎   9 

勝利打点 なし


神田-天保の戦い

 阪急は3回、二死後天保義夫が三塁に内野安打、トップに返りフランク山田伝の一打は一二塁間をゴロで抜け、これをライト岡村俊昭が後逸する間に一走天保がホームに還り1点を先制する。これが決勝点となった。

 阪急先発の天保は快調なピッチングで、3回は長谷川善三、5回は八木進にヒットを許したのみで南海打線を零封する。

 南海は6回、二死後岩本義行と国久松一が連続四球で出塁するが、続く中野正雄の当りは遊ゴロとなってスリーアウトチェンジ。

 南海は7回、先頭の神田が四球を選んで出塁、八木の投前送りバントはピッチャー天保が二塁に送球してフォースアウト、トップに返り柳鶴震の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。
 神田武夫がヒットを打たれたのは3回の2本だけ。2安打1四球無三振1失点の完投であったが17敗目を喫す。



 一方、阪急先発の天保義夫は6回3分の1を投げて3安打5四球で無失点。リリーフの森弘太郎は2回3分の2をパーフェクトピッチング、9セーブ目をマークする。


 南海は3安打で無得点、阪急は2安打で1得点であった。

 

2015年11月21日土曜日

17年 阪神vs朝日 14回戦


10月19日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 阪神 43勝43敗5分 0.500 御園生崇男
0 0 0 0 0 1 1 0 X 2 朝日 39勝46敗6分 0.459 内藤幸三

勝利投手 内藤幸三       3勝7敗
敗戦投手 御園生崇男 11勝14敗

二塁打 (朝)内藤

勝利打点 大島渡 1


内藤幸三、1安打ピッチング

 阪神は5回まで朝日先発の内藤幸三に無安打に抑え込まれる。

 初回、先頭の塚本博睦は三振、松尾五郎は捕邪飛、藤井勇の二ゴロをセカンド原秀雄がエラー、門前真佐人は四球を選ぶが、御園生崇男は投ゴロに倒れる。2回はカイザー田中義雄が一塁にバントヒットを試みるも失敗、野口昇は右飛、平林栄治は二ゴロに倒れる。

 3回、乾国雄は右飛、塚本、松尾は連続三振。4回、先頭の藤井が四球で歩くが、門前の三ゴロは「5-4-3」と渡ってゲッツー、御園生は三邪飛に倒れる。5回は、田中が左飛、野口は遊ゴロ、平林は二飛であった。

 阪神は6回、先頭の乾は捕邪飛、トップに返り塚本は右飛、松尾が四球を選んで二盗を決めて二死二塁、藤井のショートへの内野安打で松尾が一気にホームに還り1点を先制する。

 朝日打線も初回の原の左前打以降、阪神先発の御園生崇男に無安打に抑えられた。

 朝日は6回裏、先頭の斉藤忠二の三ゴロをサード乾がエラー、酒沢政夫が送って一死二塁、トップに返り坪内道則の二ゴロで二走斉藤は三進、原のピッチャー強襲ヒットで斉藤が還り1-1の同点とする。

 朝日は7回、一死後内藤幸三が右中間に二塁打、岩田次男の二ゴロで内藤は三進、大島渡が中前に決勝タイムリーを放って2-1とする。

 内藤幸三は阪神打線を1安打に抑え、4四球3三振1失点で完投、3勝目をあげる。7回には二塁打を放ち決勝のホームも踏んだ。

 一方、御園生崇男も無四球ピッチングであった。

 阪神は16個のフライアウトを記録したが、それ程内藤幸三のストレートは伸びていたのである。