2018年11月4日日曜日

3連覇


 「3連覇」と言えば昭和31~33年の西鉄ライオンズが代表格でしょうか。

 慶大野球部は今期、1971年秋~72年秋以来の「3連覇」にあと1勝までいきましたが早大に連敗してチャンスを逃しました。

 つい先日も白井健三が世界体操で得意の「床」3連覇を逃したばかりです。広島東洋カープもリーグ3連覇は達成しましたが日本シリーズでは勝てません。

 そんな中、伊藤美誠がやってくれました。

 ついさっき、スウェーデンオープン準々決勝で劉詩文、準決勝で丁寧、そして決勝で朱雨玲と、中国のトップスリーを「3連覇」して優勝したニュースが飛び込んできました。

 卓球ネタで恐縮ですが、私の父親はインターハイ団体優勝、国体出場のカットマンで、真間小学校時代はいつも相手をさせられていて「市川の愛ちゃん」と呼ばれていたものです(笑)。

 ということで、卓球は荘則棟の時代からよく知っています。

 美誠パンチが炸裂したようです。Tリーグを無視して海外武者修行を続ける根性を評価するべきですね。「西鉄3連覇」以来の快挙、日本卓球史におけるエポックメーキングであると断言させていただきます。私は中国の世代交代では丁寧がネックになると見ていますので、東京五輪は行けますよ!!


*西鉄3連覇を伝える西日本新聞。当時の熱狂的西鉄ファンが残してくれた「スクラップブック」は、私が引き継いでいます!



 

2018年11月3日土曜日

51年ぶり


 シリーズMVPは甲斐拓也。

 6個の盗塁阻止で阻止率100%が評価されました。

 古田や阿部は打撃も評価されたもので、守備を評価された捕手のMVPは1967年の森昌彦以来、51年ぶりとなります。


*シリーズMVPに輝いた森。「攻守に健闘」とありますがこのシリーズでは22打数5安打。堀内を立ち直らせた好リードが評価されたものでした。(日本スポーツ出版社「日本シリーズ50年」より)

 

19年 巨人vs阪神 4回戦


7月9日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 1 0 0 1 2 0 1  0   2   0   7 巨人 13勝4敗2分 0.765 藤本英雄
0 0 3 1 0 0 0 1 0  0   2   0   7 阪神 14勝3敗2分 0.824 若林忠志

二塁打 (巨)藤本 (神)若林、呉昌征

勝利打点 なし

猛打賞 (巨)呉新亨(4安打) 2、藤本 1


三重盗と三重殺

 巨人は初回、二死後藤本英雄がピッチャー強襲ヒット、しかし中村政美は中飛に倒れて無得点。

 巨人は2回、先頭の近藤貞雄がピッチャー強襲ヒット、しかし川畑博は中飛、佐藤武夫はサードライナー、宮下信明は左飛に倒れて無得点。

 阪神は1回、2回と無安打で無得点。

 巨人は3回、二死後呉新亨が二塁にヒット、呉が二盗を決め、藤本は四球を選んで二死一二塁、中村のカウントがワンボールワンストライクとなったところで阪神ベンチは門前真佐人から中野道義に交代、阪神の先発は若林忠志監督であるが、誰がどういう経緯でキャッチャーを代えたのか理由は不明。ここで中村が左前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 阪神は3回裏、先頭の若林が巨人先発の藤本英雄から四球を選んで出塁、武智修が送りバントを決めて一死二塁、トップに返り塚本博睦は四球、呉昌征も四球を選んで一死満塁、御園生崇男が三前にタイムリーバントヒットを決めて1-1の同点、藤村冨美男は浅い右飛に倒れて二死満塁、本堂保次が押出し四球を選んで2-1と逆転、なお続く二死満塁から金田正泰の打席で3走者がスタート、三重盗が決まって3-1とする。

 阪神は4回、一死後若林がレフト線に二塁打、武智が右前にタイムリーを放って4-1とする。

 巨人は6回、先頭の藤本が左中間に二塁打、中村の二ゴロの間に藤本は三進、近藤は浅い中飛に倒れるが、川畑が三塁にタイムリーを放って2-4と追い上げる。

 巨人は7回、一死後杉江繁雄が四球を選んで出塁、トップに返り黒沢俊夫も四球、呉新亨の中前打で一死満塁、藤本のカウントがツーボールノーストライクとなったところで阪神ベンチは二番手キャッチャーの中野をベンチに下げてセカンドの本堂がマスクを被る。これはどうも、マウンドの若林監督の采配のようです。余程サインが合わなかったのでしょう。しかし若林は藤本に2つボールを続けて押出し四球で3-4、続く中村の同点右犠飛で4-4と追い付く。

 阪神は8回裏、先頭の御園生が四球から二盗に成功、藤村の一二塁間へのヒットがタイムリーとなって5-4と勝ち越す。

 巨人は9回表、二死後呉新亨がレフト線にヒットを放つと二盗に成功、ここで藤本が左前に同点タイムリー、5-5と追い付く。

 阪神は9回裏、一死後武智が四球を選んで出塁、トップに返り塚本の当りはライトライナー、一走武智がスタートを切っており、ライト近藤からファースト佐藤に送球されてダブルプレー、試合は延長戦に突入する。

 巨人の10回表は三者凡退。

 阪神は10回裏、先頭の呉昌征が左中間に二塁打、御園生の送りバントをピッチャー藤本は三塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死一三塁とサヨナラのチャンス、藤村はスリーボールワンストライクから四球を選んで無死満塁、ここは藤本が塁を詰めたか。無死満塁となって、本堂の当りはショートへの内野飛球、インフィールドフライが宣告されて本堂はアウト、この打球をショート杉江繁雄が落球、この場合はインプレーなので三走呉昌征がホームに突っ込むが白球を拾いあげた杉江からの本塁送球にタッチアウト、この時、二走御園生は二三塁間、一走藤村は一二塁間に立っており、キャッチャー川畑が御園生を追いかけてタッチアウト、トリプルプレーが成立する。御園生と藤村がルールを勘違いしていたようだ。

 巨人は11回表、先頭の宮下が三遊間にヒット、杉江が送りバントを決めて一死二塁、トップに返り黒沢がストレートの四球を選んで一死一二塁、呉新亨の中前打で一死満塁、中村の遊ゴロでゲッツーかと思われたが、ショート武智からの二塁送球をセカンド小林英一が後逸する間に三走宮下に続いて二走黒沢も生還して7-5とリードする。

 阪神は11回裏、先頭の金田正泰がストレートの四球、小林に代わる代打辻源兵衛の三塁内野安打で無死一二塁、若林監督が中前にタイムリーを放ち6-7と1点差、武智の送りバントをピッチャー藤本は三塁に送球するがセーフ、10回に続いて犠打と野選が記録されて無死満塁、トップに返り塚本の左犠飛で7-7の同点に追い付く。

 結局、12回を戦って7-7の同点、球史に残る激闘は引分け。

 若林と藤本が投げ合ったこの試合で、三重盗と三重殺が記録された。


*「三重殺」の場面を説明する「雑記」欄。「インフィールドフライを落球し呉本塁を得んとしてアウトとなり、御園生、藤村判断をあやまり、二~三、一、二塁間にありしを川畑二塁近くまで追って御園生を刺す。」と書かれています。



 

2018年10月31日水曜日

髪を切ったデグロム


 「か~み~を~切~いった~わたぁ~~しに~~♪♪(聖子ぉ~~)違~うひとぉ~み~た~い~とぉ~~~♬♪」と言えば松田聖子の楽曲「夏の扉」(作詞:三浦徳子)ですが、髪を切って違う人みたいになったデグロムがCy Young賞有力候補となっています。

 ワールドシリーズも終わりましたので、MLBファンの注目は各種賞争いに移行しています。今年は候補が絞れますので予想は楽ですね(笑)。

 ア・リーグMVPはベッツでしょう。数字的にJ.D.マルティネスを推す声も聞こえますが、今年のボストン打線を考えればベッツだと思いますね。アメリカの記者はプロが多いので安心していますが、数字しか見れない人はJ.Dに投票するでしょうか。
 ナ・リーグMVPはイエリッチで決まりでしょう。


 ア・リーグのサイ・ヤング賞もブレイク・スネルでしょうね。

 問題はナ・リーグのサイ・ヤング賞です。

 私はデグロムだと思っていますが、10勝9敗の成績がネックとなります。勝星がデグロムを上回っている投手が21人いますからね。

 しかし、防御率1.70は二位を0.67引き離し断トツ。WHIPは下二桁までだとシャーザーと並びの0.91ですが、厳密にはシャーザーの0.91088に対してデグロム0.91244と僅かに劣ります。被打率もシャーザー1割8分8厘に対してデグロム1割9分6厘、奪三振もシャーザー300個に対してデグロム269個。何と言ってもシャーザーは18勝7敗ですから、数字だけを見れば圧倒的にシャーザー有利なのです。

 それでも多くの人がデグロムを推す理由は、不振のチーム状況の中でメッツの先輩グッデンの持つ連続QS記録を塗り替えた投球内容にあります。まぁ、グッデンの時代にQSの発想があったのか記憶に定かではありませんので、連続QS新記録は後付けの感がしないでもありませんが(笑)。

 あのスライダーだけでも、Cy Young賞の資格は十分だと思います。

*デグロムのカードは長髪時代が大宗を占めていますが、こちらは髪を切ったデグロムなので2018年Toppsです。



 

2018年10月20日土曜日

19年 阪急vs朝日 5回戦


7月9日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 3 0 4 0 1 0 1 9 阪急 9勝9敗1分 0.500 天保義夫
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 朝日 6勝12敗1分 0.333 大橋一郎 菊矢吉男

勝利投手 天保義夫 1勝1敗
敗戦投手 大橋一郎 0勝3敗

三塁打 (朝)大島

勝利打点 坂田清春 2


両軍合わせて22四球

 朝日は初回、一死後田中豊一が四球を選んで出塁、坪内道則のニゴロをセカンド上田藤夫が二塁に悪送球する間に一走田中は三塁に、打者走者の坪内も二塁に進んで一死二三塁、金光彬夫の三ゴロをサード坂井豊司は三走田中が飛び出したところにタッチに行くがセーフ、野選が記録されて一死満塁、菊矢吉男が押出し四球を選んで1点を先制する。

 阪急は3回、先頭の伊藤健一が二遊間にヒット、トップに返り山田伝が四球を選んで無死一二塁、上田が送りバントを決めて一死二三塁、坂田清春が中前に逆転2点タイムリーを放って2-1、バックホームの間に打者走者の坂田は二塁に進み、髙橋敏は右飛に倒れるが、野口明はストレートの四球、三木久一も四球を選んで二死満塁、坂井が押出し四球を選んで3-1とする。

 阪急は5回、先頭の坂田が三前にセーフティバントを決めて出塁、高橋が四球を選んで無死一二塁、ここでワイルドピッチが飛び出して無死二三塁、野口は遊飛に倒れるが、三木が四球を選んで一死満塁、朝日は8四球を乱発した先発の大橋一郎を下げてファーストの菊矢吉男をマウンドに送り込むが、坂井が三遊間にタイムリーを放って4-1、天保義夫の遊ゴロでショート伊藤はセカンドゲッツーを狙って二塁に送球するがこれが悪送球、三走高橋に続いて二走三木も還って6-1、高橋の生還に対して天保に打点が記録されて一死一二塁、伊藤の捕前の当りをキャッチャー吉田弘が三塁に送球するがセーフ、野選が記録されて一死満塁、トップに返り山田が押出し四球を選んで7-1とダメ押す。

 阪急は7回、一死後山田が中前打で出塁、上田も中前打を放って一死一二塁、坂田は一飛に倒れるが、高橋の右前打で二死満塁、野口が押出し四球を選んで8-1とする。

 阪急は9回、一死後高橋が四球で出塁、ここで菊矢がワイルドピッチ、野口の二ゴロをセカンド桜沢三郎がエラーして一死一三塁、三木の二ゴロで三走高橋が還り9-1、ここで菊矢がこの回2個目のワイルドピッチ、坂井も四球を選ぶが、天保は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 天保義夫は4安打8四球4三振1失点、自責点ゼロの完投で今季初勝利をあげる。

 朝日先発の大橋一郎が8四球、二番手の菊矢吉男が6四球を乱発し、阪急の天保も8四球、両軍22四球の乱戦ということで、12時31分に始まったこの試合は14時21分に終了、当時としては異例の9イニングでの試合時間1時間50分を要した。

 阪急では坂井豊司が4四球、山田伝が3四球、髙橋敏が3四球を選び、野口明と三木久一も2四球と、5人で14四球を選んだのであった。

 菊矢吉男が9回に1イニング2暴投を記録。菊矢は1939年に14暴投を記録して永く日本記録保持者であったが、この記録は1990年に最晩年の村田兆治が17暴投を記録して更新した。

 

2018年10月18日木曜日

中飛失が犠飛


 お伝えしたとおり、産業1回表の攻撃、一死満塁で藤原鉄之助の中飛を近畿のセンター岡村俊昭が落球しましたが、三走小坂三郎がタッチアップから生還、この得点に「自責点」が記録されていますので藤原の「中飛失」は「犠牲フライ」と認定できます。

 「犠飛」が記録されていなかった時代であるにもかかわらず、公式記録員山内以九士氏は岡村のエラーが無くても三走小坂は生還できたと判断して「自責点」を記録しました。

 これは日本野球史における「記録」の正確性を伝える「貴重な記録」であると考えられますので再度ご紹介させていただきます。

*小坂の得点が〇で囲われていますので「自責点」を意味します。


 

19年 産業vs近畿 5回戦


7月9日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
4 0 0 0 0 0 1 0 0 5 産業 7勝11敗1分 0.389 森井茂
0 0 0 0 0 0 0 1 1 2 近畿 4勝14敗1分 0.222 中本政夫

勝利投手 森井茂     5勝8敗
敗戦投手 中本政夫 2勝8敗

二塁打 (産)藤原

勝利打点 藤原鉄之助 1


森井茂、自責点ゼロの完投

 産業は初回、先頭の小坂三郎が四球で出塁、鈴木秀雄が死球を受けて無死一二塁、加藤正二は左飛に倒れるが、金山次郎が四球を選んで一死満塁、藤原鉄之助の中飛をセンター岡村俊昭が落球、三走小坂はタッチアップから生還、この得点には「自責点」が記録されていることから、藤原の中飛失は当ブログルールに則り「犠飛」と記録される。この当時は公式記録では「犠飛」は記録されていませんが、「中飛失」で「自責点」が記録されているということは、山内以九士公式記録員は「犠飛」を意識した上で「中飛失」であるにもかかわらず「自責点」を記録したと推測されます。

 野口正明が中前打で続いて2-0、なお一死満塁から松尾幸造が右前に2点タイムリーを放ち4-0とする。

 産業は7回、一死後加藤が遊失に生き、金山は二飛に倒れて二死一塁、藤原の左中間二塁打で加藤が生還して5-0とする。

 近畿は8回、一死後松川博爾の三ゴロをサード井上嘉弘が一塁に悪送球、トップに返り加藤喜作の左前打で一死一二塁、吉川義次の当りは三ゴロ、これを又もサード井上が一塁に悪送球する間に二走松川がホームに還り1-5とする。

 近畿は9回、先頭の岡村が右中間にヒット、八木進の三ゴロをサード井上がエラー、井上は2イニングで3失策、荒木正が四球を選んで無死満塁の大チャンス、中本政夫に代わる代打木下勇は浅い右飛に倒れて一死満塁、松川の三ゴロ併殺崩れの間に三走岡村が還って2-5とするが、トップに返り加藤が三ゴロに倒れてゲームセット。

 森井茂は6安打2四球4三振2失点、自責点ゼロの完投で5勝目をあげる。
 中本政夫も9回を完投して森井茂と同じく被安打は6本であったが、6四死球を与えたことが敗因となった。

 

2018年10月17日水曜日

19年 阪急vs阪神 4回戦


7月8日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 阪急   8勝9敗1分 0.471 笠松実
0 0 0 1 0 1 1 0 X 3 阪神 14勝3敗1分 0.824 御園生崇男 若林忠志

勝利投手 御園生崇男 1勝0敗
敗戦投手 笠松実        4勝5敗
セーブ      若林忠志 3

二塁打 (急)野口明 (神)本堂

勝利打点 なし


呉昌征、2試合連続3盗塁

 阪急は初回、先頭の山田伝が四球で出塁するが後続なく、2回も先頭の坂田清春が左前打で出塁するが、続く三木久一のサードライナーに飛び出しゲッツー、坂井豊司もセカンドライナーに倒れて無得点。

 阪神は初回、二死後三番・呉昌征が四球から二盗を決めるが、四番・藤村冨美男は遊飛に倒れる。2回も先頭の御園生崇男が四球で出塁、一死後御園生が二盗を決めるが門前真佐人の当りはセンターライナー、辻源兵衛もニゴロに倒れて無得点。

 阪神は4回、先頭の呉が四球を選んで出塁、藤村の三ゴロをサード坂井が二塁に送球するがセーフ、呉の快足が野選を呼んで無死一二塁、御園生の一ゴロをファースト野口明が二塁に送球するがこれが悪送球となる間に二走呉が三塁ベースを蹴ってホームに還り1点を先制する。

 阪神は6回、先頭の呉が左前打で出塁すると二盗に成功、藤村の中前打で無死一二塁、御園生は一邪飛に倒れるが、本堂保次の左中間二塁打で二走呉が還り2-0とする。

 阪急は7回、一死後髙橋敏が左前打を放って出塁、坂田も三塁にヒットをを放って一死一二塁、三木が四球を選んで一死満塁、坂井の中前タイムリーで1-2、笠松実の投ゴロで三走坂田が本封、キャッチャー門前は「1-2-3」のゲッツーを狙って一塁に送球するが悪送球、二走三木がホームに還って2-2の同点に追い付く。

 阪神は7回裏、一死後塚本博睦が三塁へのヒットで出塁、塚本が二盗を決め、金田正泰の右飛で塚本がタッチアップから三進、呉が四球から二盗を決めて二死二三塁、キャッチャー坂田の三塁牽制が悪送球となる間に三走塚本が決勝のホームを踏んで3-2とする。

 阪神は8回から先発の御園生に代わって若林忠志監督が登板、若林は2イニングをパーフェクトに抑えて阪神が快勝。

 夏季シーズンから阪神で復帰した呉昌征が2試合連続3盗塁を記録して2得点、この試合の勝利打点は「なし」であったが、「真の殊勲者」は呉昌征であった。

 

2018年10月8日月曜日

19年 朝日vs巨人 4回戦

7月8日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 0 0 0 0 0 1  0   1  2 朝日 6勝11敗1分 0.353 内藤幸三
0 0 1 0 0 0 0 0 0  0   0  1 巨人 13勝4敗1分 0.765 近藤貞雄

勝利投手 内藤幸三 5勝5敗
敗戦投手 近藤貞雄 1勝1敗

二塁打 (巨)藤本、佐藤

勝利打点 菊矢吉男 2

猛打賞 (巨)黒沢俊夫 3、中村政美 2、佐藤武夫 1


田中豊一、3補殺の活躍

 巨人は初回、先頭の黒沢俊夫が二遊間にヒット、呉新亨は三振に倒れるが、藤本英雄の左前打で一死一二塁、中村政美の右前打で一死満塁、近藤貞雄の右飛で二走黒沢がタッチアップからホームに向かうが、ライト田中豊一からの返球にタッチアウト、先制のチャンスを逃す。

 巨人は3回、先頭の杉江繁雄の当りは三ゴロ、サード金光彬夫からの送球をファースト菊矢吉男が後逸する間に打者走者の杉江は二塁に進み、トップに返り黒沢の中前打で無死一三塁、黒沢が二盗を決めて無死二三塁、呉の遊ゴロで三走杉江がホームを狙うが、ショート酒沢政夫からのバックホームにタッチアウト、打者走者の呉は一二塁間に挟まれ、「2-4-3-8」の挟殺プレーでタッチアウト、最後はセンター坪内道則が二塁ベースカバーに入ってタッチアウトにしている。三走黒沢は動けず二死三塁、藤本のレフトへの二塁打で黒沢が還り1点を先制する。続く中村の三遊間の打球が二走藤本に当たって守備妨害でスリーアウトチェンジ。

 朝日打線は巨人先発の近藤貞雄の前に8回まで3四球のみで無安打無得点。

 朝日は9回、先頭の田中が四球を選んで出塁、坪内のチーム初ヒットとなる左前打で無死一二塁、金光の三塁へのヒットで無死満塁、菊矢の投ゴロで三走田中が本封されて一死満塁、ここで三走坪内が何かを考えて離塁するとキャッチャー川畑博が三塁に送球、「2-5-1-6C」の挟殺プレーで坪内はタッチアウト、この間に二走金光は二塁ベースを大きく離塁しており三塁ベースで坪内にタッチしたショート杉江が二塁ベースカバーのセカンド渡部弘に送球、金光は二三塁間に挟まれ、渡部が三塁に送球するがこれが悪送球となる間に金光が還って1-1の同点とする。結果的に坪内のトリック走塁が効を奏した形となった。

 朝日は11回、一死後田中がピッチャー強襲ヒット、坪内の遊ゴロでランナーが入れ替わり、金光の三ゴロをサード中村がエラーして二死一二塁、菊矢が中前に決勝タイムリーを放って朝日が逆転勝ち。

 内藤幸三は13安打を打たれながら11回を完投して今季5勝目をあげる。

 8回まで無安打ピッチングの近藤貞雄も11回を完投したが自責点ゼロで敗戦投手となった。

 巨人は黒沢俊夫、中村政美、佐藤武夫の3人が3安打を記録したが13残塁の拙攻であった。

 朝日のライト田中豊一が3補殺を記録した。初回一死満塁から近藤の右飛をバックホームして三走黒沢を刺し、4回一死一塁から宮下信明のライトライナーを捕球すると一塁を飛び出していた川畑を刺し、5回には一死一塁から黒沢の右前に抜ける当りを二塁に送球して一走佐藤武夫を刺した。佐藤の鈍足に助けられたのかもしれない。

 

2018年10月1日月曜日

Wワンデープレーオフ


 ナショナル・リーグは中地区でカブスとブルワーズ、西地区でロッキーズとドジャースが同率首位となり、2地区でワンデープレーオフが行われることになりました。

 ということで、思い出のワンデープレーオフ特集。

  2007年ナショナル・リーグ西地区、ロッキーズとパドレスとのワンデープレーオフは死闘の末ロッキーズが延長13回逆転サヨナラ勝ち。サヨナラのホームにダイブしたのがマット・ホリデイでした(確か、勘違いかも、誰か教えて)。まだ30試合全部をカバーしていた頃のスカパーで見ていましたね。

  この年のホリデイは216安打、50二塁打を記録して137打点、打率3割4分0厘の二冠。当然MVPと思っていましたが、打球が飛ぶクアーズフィールドを本拠地とするロッキーズの打者には得票が集まらず、MVPは地味な成績のジミー・ロリンズでした。

  この頃は163試合目のワンデープレーオフの記録もシーズン記録に組み込まれたことから、この試合で2打点を記録したホリデイが136打点のライアン・ハワードを逆転して打点王となったのです。このことも、記者投票が集まらなかった理由かもしれませんね。

  今年もこのルールが存続しているのか知りませんが、存続しているとしたら、イエリッチが1本塁打2打点をマークすれば逆転三冠王の可能性が残されていることになります。1本差で本塁打トップのアレナドも、2打点差で打点トップのバイエスも出場しますので、2本塁打4打点程度は必要かもしれませんが・・・。

*ホリデイの原点、コロラド時代。2007年TOPPSです。


 

2018年9月24日月曜日

19年 近畿vs産業 4回戦


7月8日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 3 0 0 1 0 0 0 0 5 近畿 4勝13敗1分 0.235 中本政夫 清水秀雄
0 0 0 2 0 1 0 0 0 3 産業 6勝11敗1分 0.353 野口正明

勝利投手 清水秀雄 2勝6敗
敗戦投手 野口正明 1勝3敗

二塁打 (近)堀井、荒木 (産)加藤、小坂
本塁打 (近)堀井 1号

勝利打点 なし

猛打賞 (近)岡村俊昭 4


産業、消極策で敗れる

 近畿は初回、二死後堀井数男が左中間に二塁打、清水秀雄の中飛をセンター須原武志が落球する間に二走堀井が還って1点を先制する。

 近畿は2回、先頭の荒木正が一塁にヒット、松川博爾が送りバントを決めて一死二塁、トップに返り加藤喜作は中飛に倒れるが、吉川義次が四球を選んで二死一二塁、ここで堀井がレフトスタンドにスリーランホームランを叩き込んで4-0とする。

 産業は3回まで近畿先発の中本政男に三者凡退に抑えらえて無得点。

 産業は4回、一死後小坂三郎が四球を選んでこの試合初走者、続く加藤正二のライト線ヒットで一死一三塁、四番・金山次郎が四球を選んで一死満塁、藤原鉄之助はレフトライナーに倒れて二死満塁、野口正明がストレートの押出し四球を選んで1-3、近畿ベンチはここで先発の中本とファーストの清水を入れ替えるが、清水も松尾幸造に押出し四球を与えて2-3、井上嘉弘は二ゴロに倒れて2点差まで。

 近畿は5回、一死後堀井が四球で出塁、清水は二飛に倒れるが、岡村俊昭の右中間ヒットで二死一三塁、八木進の三ゴロをサード井上がエラーする間に三走堀井が還って5-2と突き放す。

 産業は6回、先頭の加藤がライト線に二塁打、金山はストレートの四球で無死一二塁、ここでキャッチャー八木からの二塁牽制をショート松川が後逸する間に二走加藤が三進して無死一三塁、藤原は三振に倒れるが、野口の右犠飛で3-5とする。

 産業は8回、先頭の小坂が左中間に二塁打、加藤は四球を選んで無死一二塁、ここで金山が送りバント、これをピッチャー清水が三塁に送球して二走小坂は三封、一死一二塁から藤原の当りはサードライナー、二走加藤が飛び出しており、サード吉川が二塁に送球してダブルプレー、万事休した。

 この試合の明暗を決したのは8回裏産業の攻撃、産業は今期2本塁打を放っている金山次郎を初めて四番に起用したが、無死一二塁の場面で四番・金山に送りバントの消極策、5回3分の1を投げて2安打4四球と調子の上がらない清水秀雄を崩すことができなかった。

 プロ入り初の四番に起用された金山次郎は、今季終了まで四番の座に座ることとなる。

 

2018年9月2日日曜日

19年 朝日vs阪神 4回戦


7月3日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 朝日 5勝11敗1分 0.313 大橋一郎 内藤幸三
0 0 0 0 3 1 0 0 X 4 阪神 13勝3敗1分 0.813 若林忠志

勝利投手 若林忠志 11勝2敗
敗戦投手 大橋一郎   0勝2敗

二塁打 (神)御園生
三塁打 (神)塚本

勝利打点 塚本博睦 1


御園生崇男が2点タイムリー二塁打

 阪神の先発は森田明義。森田のプロでの登板はこの1試合だけとなる。

 朝日は2回、先頭の菊矢吉男が三塁にヒット、大橋一郎が中前打を放って無死一二塁、大島渡の投前バントをピッチャー森田が三塁に送球して二走菊谷は三封、広田修三が四球を選んで一死満塁、続く田端義夫の初球はボール、阪神はここで森田を下げて若林忠志監督がマウンドに上がり、田端の三ゴロで三走大橋は本封、トップに返り酒沢政夫は投ゴロに倒れて無得点。

 阪神は5回、先頭の門前真佐人が死球を受けて出塁、続く若林も死球を受けて無死一二塁、武智修が送りバントを決めて一死二塁、トップに返り塚本博睦の中犠飛で1点を先制、金田正泰の一塁ヒットで二死一三塁、御園生崇男の右中間二塁打で二者還り3-0とする。

 阪神は6回、先頭の呉昌征がストレートの四球で出塁、続く本堂保次の打席で呉は二盗、本堂は左飛、門前真佐人は左邪飛に倒れるが、若林の打席で呉が三盗を決めて二死三塁、更にキャッチャー吉田弘の三塁牽制が悪送球となって呉が生還、4-0とする。

 阪神は森田と若林で完封リレー、若林は11勝目をあげる。

 森田明義は通算登板数1試合。1回3分の1を投げて2安打2四球無三振無失点、キャリアの通算防御率は0.00である。森田は昭和17年と18年も阪神で選手登録されていたが未出場。プロでの成績は昭和19年だけとなるが、10年後の昭和29年に四国鉄道局の三番ファーストで第25回都市対抗野球大会に出場することとなる。

 

三冠への道2018 その7


8月の月間MVP予想

 ア・リーグ打撃部門は新人王争いでも大谷最大のライバルとして注目を集めるミゲル・アンドゥーハーが3割2分0厘、10本塁打、29打点で本命。年間MVP候補筆頭のJ.D.マルティネスは3割7分3厘、7本塁打、25打点で次点か。

 ナ・リーグ打撃部門は「Leadoff Home Run」を打ちまくるロナルド・アクーニャ・ジュニア。8月13日のマーリンズとのダブルヘッダーではは第一試合でバックスクリーン右に、第二試合ではバックスクリーン左に先頭打者本塁打、翌14日も初回レフトスタンドに先頭打者本塁打、7回にはライトスタンドに叩き込み、8月11日からの4日間で5試合連続本塁打となりメジャー最年少記録を更新しました。

 ア・リーグ投手部門は4勝0敗、防御率1.04のブレイク・スネル。26イニングスで被安打11本と被打率は1割3分1厘、WHIPは0.65。

 ナ・リーグ投手部門は3勝2敗ながら防御率1.24で驚異の60奪三振をマークしたジェイコブ・デグロム。8月31日のワールドスポーツMLBでも、小宮山さんが「髪を切ったデグロム」を取り上げていました。あのスライダーには注視が必要です。

 

2018年8月22日水曜日

甲子園100回シリーズ その13「白河の関」


 今年も白河の関を超えることはなかった。

 ここ8年で東北勢は夏の甲子園4度目の準優勝。現在では全国で最も強豪地域となっています。

 最も白河の関に近づいたのは1989年夏、大越基投手を擁して優勝候補と目されていた仙台育英だったでしょうか。2003年夏のダルビッシュ有の東北は勝てるとまでは思えなかった。

 東北高校では、岡嶋敏彦投手を擁してベスト4に進出した1972年センバツが一番優勝の可能性が高かったのではないかとも言われています。左腕技巧派岡嶋のピッチングはよく覚えています。2年生でまだエースナンバーではなかった岡嶋は、初戦の2回戦奈良工業戦で1安打完封。準々決勝の倉敷工業戦も5安打1失点で完投。準決勝も完投しましたがこの大会で優勝したジャンボ仲根の日大桜ヶ丘に2対3でサヨナラ負け。惜しかったですね。

 2015年8月14日、当ブログに「数年以内に紫紺の優勝旗又は深紅の大優勝旗が白河の関を渡る」と書かせていただきました。その日も更に近付いてきたと感じさせてくれる金農快進撃でした。

*選抜高等学校野球大会50年史より。岡嶋投手の1安打完封試合。



 

2018年8月18日土曜日

甲子園100回シリーズ その12「逆転サヨナラツーランスクイズ」


 一番面白いと言われる準々決勝の中で一番期待していたゲームが第4試合の近江vs金足農業戦でした。

 期待どおりの熱戦を制したツーランスクイズ。

 ツーランスクイズと言えば広島商業のお家芸。1973年第55回大会3回戦の日田林工戦で見せたツーランスクイズが有名です。

 40年後に金足農業が見せてくれました。

*アサヒグラフより。日田林工戦で決めた広島商業のツーランスクイズ。滑り込んだ走者は達川でした。



 

2018年8月17日金曜日

甲子園100回シリーズ その11[「二刀流」


13日目の始球式は金村義明氏。ちょっと外に引っ掛かりました。やっぱり金村は打者ですね。
ということで、本日は二刀流特集。


島本講平 箕島
1970年センバツ優勝投手。変化球投手で球威はありませんでしたがバッティングは天才的。当時の新聞の見出しに「島本、長打ほしいまま」というのがあったのを覚えています。南海でも最初はピッチャーで起用されましたがこらは明らかに客寄せパンダ。すぐに打者に専念して成功しました。


仲根正広 日大桜ヶ丘
1972年センバツ優勝投手。この大会では14打数10安打5打点、打率7割1分4厘をマークしました。190㎝ありましたので近鉄でもピッチャーを続けましたが芽が出ず、打者に転向して成功しました。最初から打者に専念していたらと悔やまれます。私が高校時代から「大谷は打者に専念すべき」と主張し続けている理由の一つに、仲根の先例があります。


愛甲猛 横浜
1980年夏優勝投手ですが、決勝戦では早実に打ち込まれ、控えの同じ左腕川戸投手のリリーフを仰いでいます。
矢張りプロでは打者に転向して成功しました。愛甲は最初から打者に専念していたイメージがありますが、少し投手もやっていたようです。


金村義明 報徳学園
1981年夏優勝投手。ピッチャーとしてはシュート回転で疑問に思っていましたが、バッティングは天性のもの。プロでは当然にして打者として成功しました。


江川も高校時代は「打者としても1位があって2位は無し」などと言われていました。まぁ、野球では最も運動能力に優れた選手がピッチャーをやるわけで、打者としても一流であることはある意味当然でもあります。金田も、江夏も、堀内も、山田も打者として一流であったことは誰もが知る事実ですからね。

*甲子園優勝投手・金村。


 

2018年8月16日木曜日

甲子園100回シリーズ その10「毎度おさわがせします」


 12日目の始球式は見事な投球を見せた坂東英二氏。

1 958年の「坂東-村椿の投げ合い」は私が産まれた年の出来事でしたから当然見ていません。

 中日時代も中継ぎのかすかな記憶があるような無いような。

 ということで、引退後の活躍が印象的です。

 「毎度おさわがせします」ではデビュー時の中山美穂と父娘役でした。最終回で仲直りできてよかったですね(笑)。

 本日の始球式も、さすがのお愛想ぶりでした。

*迷作「毎度おさわがせします」DVDジャケットより。篠ひろ子の左斜め下が坂東英二。



 

2018年8月15日水曜日

甲子園100回シリーズ その9「甲子園の石」


 11日目の始球式は力強い投球で甲子園を沸かせた安仁屋宗八氏。沖縄を代表しての登板です。

 安仁屋投手を擁する沖縄高校(現・沖縄尚学高等学校)は1962年、南九州大会を制して甲子園に出場。沖縄代表として甲子園に初出場したのは1958年の40回記念大会に各県1校の代表として出場した首里高校でした。まだアメリカ統治下ですから「沖縄‟県”代表」ではありませんでしたが。

 首里高校は1回戦で敗れ、甲子園の土を持ち帰りましたがアメリカ統治下の沖縄では植物防疫法に抵触することからグラウンドに持って帰ることはできませんでした。このニュースを聞いた日本航空の客室乗務員Kさんが「石なら大丈夫」ということで甲子園の石を首里高校に寄贈し、現在も首里高校の「友愛の碑」に埋め込まれています。

 今大会の開会式で皇太子殿下が「私の甲子園の最初の記憶は50回記念大会でした」と挨拶されていましたが、その50回大会でベスト4に進出して「興南旋風」を巻き起こした興南高校。本日の黙とうの場面も興南の試合中でしたね。興南高校のグラウンドを訪れてレフト席で練習を見せてもらったことがあります。住宅街の小さなグラウンドで、レフトは狭くオーバーフェンスでもエンタイトル二塁打。レフト席に飛び込んだ打球を拾いに来た選手がきちんと帽子を取って挨拶してくれました。まぁ、スカウトと間違えられただけかもしれませんが(笑)。

*首里高校を訪問した際に撮影させていただいた「友愛の碑」。パクリ写真ではありませんのでご安心ください。


 

2018年8月14日火曜日

甲子園100回シリーズ その8「球けがれなく道けわし」


 10日目の始球式は中西清起氏。高知商業時代から「球道くん」の愛称で親しまれてきました。85年阪神優勝の胴上げ投手でもあります。

 10人の中で一番いい球を投げていましたね。球場もどよめいていました。

 甲子園に4回出場した中西を始め、甲子園を沸かせた右腕剛球投手は数多くいらっしゃいますが、No1は江川卓氏でしょう。私が3世代上の江川の名前を知ったのは中学時代、江川が高校1年の秋、学校の帰りの電車の中で偶然隣の人が読んでいたスポーツ紙に江川の特集記事が載っていました。覗き込んで見ていたら、親切な人で降りる時に「見るか」と言って置いていってくれました。

 初めて甲子園で見たセンバツの試合では、ファウルチップだけでこの日の中西の始球式のように甲子園がどよめきました。それまでかすりそうな気配がありませんでしたからね。中西の始球式も、多くの人の予想を超える速さでした。

*週刊朝日1973年8月15日増刊号より。江川の目の前には小柳ルミ子。
45年が経過していますが、肖像権等に抵触する場合は削除させていただきます。
 
 

 

甲子園100回シリーズ その7「サウスポー」


 9日目の始球式は坂本圭一氏。坂本氏は初日の開会式前のNHKにゲスト出演されてバンビ特集をお届けしましたので、ここでは決勝で敗れた東洋大姫路の剛腕・松本正志投手を中心に「サウスポー」特集。

 甲子園を沸かせた好投手は数多くいますが、意外と左腕は少ない。レジェンド始球式に登場する18人のうち、投手は14人ですが左腕はゼロ。江夏が甲子園に出ておらず、鈴木もセンバツ初戦で敗退していることが大きな要因でしょう。近年では相模の小笠原、桐光の松井裕樹がいますが。

 工藤はカーブが特徴でした。当時のインタビューで「甲子園に来て突然カーブが落ちるようになった」などと答えていましたが、如何にも周りを煙に巻く工藤らしいコメントでしたね。力では東邦の近藤がNo1でしょうか。

 「その剛腕で優勝旗をもぎ取った」という点では愛甲、松本、小笠原になると思いますが、愛甲は打撃がより印象的、小笠原は二枚エースの時代ですから比較は難しい。この点では松本がNo1ではないでしょうか。

 74年から千葉・千葉・東京と関東勢が三連覇しましたが、77年の関東勢はレベルが低く、剛腕・松本を擁する東洋大姫路が優勝候補筆頭で、実力通り優勝しました。唯一の弱点はコントロールに難があるところで、鉾田一高の戸田投手と似たタイプでしたね。

*アサヒグラフより。剛腕・松本。

 

2018年8月12日日曜日

甲子園100回シリーズ その6「サヨナラ満塁ホームラン」


 私の通っているジムのランニングマシーンはテレビが見えるようになっていて、走りながら星陵が7対1でリードしているシーンを見ていました。筋トレも終わってシャワーを浴びてロッカーに戻ってくると8回裏、済美が9対7と逆転したシーンを周りの人たちと一緒にロッカールームの壁掛けテレビで見ていました。これで決まったと思ってイオンで買い物をしてから自宅に戻ってくると9対9の同点で12回。試合はタイブレークに進みます。

 何でこうなるんでしょうか、また星陵。本日の第三試合、星陵はタイブレークの末逆転満塁サヨナラホームランで敗退。この試合の解説の大矢さんは1年生のバンビを好リードして1977年の第59回大会で決勝に進出し、東洋大姫路の安井主将に延長10回裏サヨナラスリーランを打たれた時の東邦のキャッチャーでした。

 夏の甲子園でサヨナラ満塁ホームランは2本目です。解説の大矢さんも「私が出た大会で津久見戦の大鉄高校だったのを覚えています。」と話されていましたね。

 星陵の寺沢投手へ。39年前にサヨナラ打を打たれた堅田先輩は現在、甲子園で審判として活躍されています。まだ2年生ですから、また甲子園に戻ってきてくださいね。

*アサヒグラフより。1977年第59回大会3回戦の津久見戦、大鉄高校川端選手のサヨナラ満塁ホームラン。


 

2018年8月10日金曜日

甲子園100回シリーズ その5「捕手」


 6日目の始球式は谷繁元信氏。昨日の平松氏に続いてのストライク投球、明日からの方々にプレッシャーがかかります(笑)。

 江の川(現・石見智翠館高等学校)時代は強打の捕手として鳴らしました。

 ということで、私が選ぶ甲子園強打の捕手5選。反論歓迎いたします。

一位 堀場秀孝 丸子実業
 一浪後慶応義塾大学に進学し、ブランクをものともせず1年春からマスクを被り六大学通算125安打。当時、高田に次ぐ二位の記録でした。私の先輩と仲が良かった関係で、プリンス時代の同期の方と草野球で一緒にプレーさせていただきました。


二位 山倉和博 東邦
 愛知県予選では毎試合3安打以上を打っていたと記憶しています。そのためか、甲子園では4打席1打数無安打3四球。松井の5打席連続敬遠同様、打たせてもらえませんでした。


三位 谷繁元信 江の川
 その強打は関東地方にまで鳴り響いていましたね。


四位 月山栄珠
 佐藤とのバッテリーで印旛を決勝まで導いた「超高校級捕手」。


五位 田村龍弘 光星学院
 光星学院(現・八戸学院光星高等学校)時代は、プロでは北条よりも使えると注目していました。内野手も務まる運動能力が魅力ですね。2年時の松井の桐光学園を破った試合の試合終了後の挨拶の場面で、1学年下の松井の肩をねぎらうように抱いていたシーンが印象的でした。「プロで待っているぞ」と声を掛けていたように見えましたね。
 
*アサヒグラフより。三塁打を放った堀場。アサヒグラフには「黒仁王」と書かれています。先輩と仲が良かった関係で大学時代にすぐそばでお会いしたことがありますが、真っ黒に日焼けした「仁王様」のようでした。



 

2018年8月9日木曜日

甲子園100回シリーズ その4「木樽と言えば阿天坊」


 5日目の始球式は平松政次氏。5人目で初のストライク投球は見事でしたね。2日目の石井さんは外角低めに外したものと認定できますので免責されますが(笑)。

 1965年の第47回大会、平松の岡山東商業は優勝候補でしたが1回戦で日大二高に0対4で敗れました。

 優勝は原貢監督率いる三池工業、準優勝が木樽と阿天坊の銚子商業でした。

 私の最初の「野球の記憶」が小学校1年生の時の「阿天坊」です。

 千葉県市川市の真間小学校1年2組では、「阿天坊」がクラスのヒーローでした。まだ「野球」など知りませんでしたが、「阿天坊」の名前を知らない千葉県の小学生など存在しませんでした。
 
*アサヒグラフより。こんな構えのできる遊撃手も見なくなりました。



 

2018年8月8日水曜日

甲子園100回シリーズ その3「ドカベン」


 4日目の始球式はドカベン香川とバッテリーを組んだ牛島和彦氏。

 香川のバッティングは当時物議を醸しました。

 パワーだけが喧伝されていますが、私はボールをバットに乗せるバッティング技術が素晴らしかったと考えています。プロではデビュー戦でホームランを放ちましたね。通算三塁打1本というのが香川らしい。


*ドカベンの豪快なバッティング。広島商業の緻密な野球を打ち砕きました。
肖像権等に抵触するのであれば削除させていただきます。


 

2018年8月7日火曜日

甲子園100回シリーズ その2「ダイブ」


 3日目の始球式は定岡正二氏。

 甲子園史上最高の名勝負と多くの方が語り継ぐゲームが1974年夏の大会準々決勝「鹿児島実業vs東海大相模」戦です。

 延長15回の激闘を5対4で制した鹿実のエースが定岡でした。相模は原、津末、村中の1年生トリオが大活躍して勝ち進んできました。

 この試合が「史上最高の名勝負」と言われる大きな要因が延長12回裏に飛び出した「大ファインプレー」。二死二塁で打者原雅美の打球が右前に落ちたと見られた瞬間、セカンド中村孝が打球に食らい付くダイビングキャッチ。

 準決勝に進んだ鹿実はエース定岡が試合途中に腕を故障、リリーフの堂園弟も好投を続けましたが、9回裏一死二塁の場面で二塁牽制がセンターに抜け、センターが後逸する間に二走が還ってサヨナラ負け。試合終了の挨拶から、腕を白い包帯で吊った定岡が泣きじゃくるセンターの肩を抱いてベンチに戻ってきたシーンが印象的でした。

*写真はアサヒグラフより。甲子園史上最高のファインプレーと言われる中村孝のダイビングキャッチ。中村さんは現在、八王子リトルシニアのコーチをされています。私がこのプレーについてブログに書いた記事が八王子リトルシニアの目に留まり、八王子リトルシニアのホームページで中村孝コーチを紹介するページに採用されていますにのでご覧ください。その関係で、当時の貴重な証言を中村さんから直接聞かせていただきました。
肖像権等に抵触するのであれば削除させていただきます。




 

2018年8月5日日曜日

甲子園100回シリーズ その1「バンビ」


 初日のハイライトは始球式の松井秀喜氏であったようですが、9時からのEテレの開会式に先立ってNHK本放送で放映された中継にゲストとして出演したのは坂本圭一氏(よしかず、以下敬称略)でした。

 先日の宇井さんの投稿に対して70年代最強チームは77年の東洋大姫路とコメントさせていただきましたが、その東洋と決勝で対戦したのがバンビの東邦でした(フェイスブック「野球私的博物館」参照)。

 「バンビ」は後付の愛称で、当時のマスコミは「黒鶴」と呼んでいました。日焼けした顔と長い首からだったのでしょうね。本当の話ですから、当時の新聞をよく読み返してくださいね(笑)。

 本日のコメントで一番思い出の試合として「星陵vs箕島」戦と語っていました。この試合の日は東北の方にコーチとして出掛けており、グラウンドでラジオを聞いていて宿に帰ったらまだ試合が続いていて凄いことになっていると思ったと話されていました。

 私もこの日は夏合宿の初日で、試合開始の時は新宿から乗ったバスで流されていたラジオ中継で聞いていました。静岡の宿舎に着いたら延長戦になっていて、試合終了までずっと見ていましたね。坂本氏は1961年生れ、私は1958年生れですから、同時代を生きてきた共通体験です。

 1学年上の川島なお美は愛知県立中村高校時代、バンビに会うチャンスを求めて野球部マネージャーになったそうです。


*アサヒグラフより。本日の放送でも「大きなフォームで投げるようにと言われていました」と話されていました。大きなフォームですね。
肖像権等に抵触するのであれば削除させていただきます。


 

19年 近畿vs阪急 4回戦


7月3日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 2 0 0 0 0 0 0  0   0   0  2 近畿 3勝13敗1分 0.188 清水秀雄
0 0 0 0 0 0 0 0 2  0   0   0  2 阪急 8勝8敗1分 0.500 笠松実 天保義夫

二塁打 (急)高橋、山田
三塁打 (近)清水

勝利打点 なし


今季3度目の延長12回引分け

 近畿は3回、先頭の加藤喜作は四球を選んで出塁、トップに返り松川博爾が送りバントを決めて一死二塁、八木進は四球を選んで一死一二塁、堀井数男の遊ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、ここで四番ピッチャー清水秀雄が右中間に三塁打を放ち2点を先制する。

 清水は投げても阪急打線を4回まで無安打に抑える。

 阪急は5回、先頭の坂井豊司が左前にチーム初ヒット、しかし笠松実は左飛、榎並達郎は三振、伊藤健一は右飛に倒れて無得点。

 阪急は6回、先頭の山田伝が三前にセーフティバントを決めて無死一塁、上田藤夫は左飛に倒れるが、野口明の右前打で一走山田が三塁に走り一死一三塁、しかし四番髙橋敏は二飛、坂田清春の当りは右前に抜けるが、ライト鬼頭勝治が一塁に送球してアウト、ライトゴロでこの回も無得点。

 近畿は9回表、先頭の岡村俊昭が三塁にヒット、木下勇が送りバントを決めて一死二塁、吉川義次は四球を選んで一死一二塁、しかし鬼頭は三振、加藤は二ゴロに倒れて2点リードのまま9回裏の守備に就く。

 阪急は9回裏、一死後坂田が四球を選んで出塁、坂井の一ゴロをファースト木下が二塁に悪送球して一死一二塁、笠松に代わる代打三木久一がストレートの四球を選んで一死満塁、ここで榎並に代わって代打天保義夫が登場、天保がベンチの期待に応えて左前に2点タイムリーを放ち、土壇場で2-2と同点に追い付く。

 阪急は10回から同点タイムリーを放った天保がマウンドに上がり近畿打線を12回まで無失点に抑える。

 阪急は10回裏、二死後高橋が右中間に二塁打、坂田の遊ゴロをショート松川が一塁に悪送球して二死一三塁、しかしこのサヨナラのチャンスに坂井は遊ゴロ、今度は松川がきっちりと一塁に送球して無得点。

 阪急は11回裏、一死後天保がレフト線に2打席連続ヒット、伊藤は中飛に倒れるが、トップに返り山田が右中間に二塁打を放って二死二三塁と又もサヨナラのチャンス、しかし野口明は二ゴロに倒れてここも無得点。

 阪急は12回裏、一死後坂田が三前にセーフティバントを決めて出塁、しかし坂井の送りバントは捕邪飛となって失敗、畑中時雄に代わる代打安田信夫は三振に倒れ、延長12回引き分く。

 引分の試合でしたが、この試合の殊勲賞は6回の守備でタイムリーを防ぐライトゴロを記録した近畿のライト鬼頭勝治でしょう。

 

2018年8月2日木曜日

三冠への道2018 その6


7月の月間MVP予想

 ナ・リーグ投手部門は4勝0敗、防御率1.60、35奪三振、WHIP0.89のアリゾナのザック・グレインキー。グリンキー表記も多く見られます。2005年に松坂大輔がメジャーデビューした試合で投げ合った時はカンザスシティでした。リトルリーグ時代に来日経験があり、首から5円玉のネックレスをぶら下げていましたね。初めて見た時はこんなナヨナヨとした身体でどこまで持つのかなぁ~~、と思いましたが、今ではメジャーを代表する巧投手になりました。松坂大輔の道程との違いをしみじみと感じさせてくれます。

 ア・リーグ投手部門は、3勝0敗ながら防御率0.36ののクリス・セール。25イニングスと投球回数は少ないものの今月の自責点は1点のみです。奪三振も43個ですし。
 
 ア・リーグ打撃部門は、打率4割をマークしたジョナサン・イエリッチ。4割0分0厘、4本打、23打点です。多分、11本塁打、23打点のマット・カーペンターが選出されるでしょうね。


 ナ・リーグ打撃部門は、3割6分0厘、9本塁打、19打点のジョナサン・スクープ。スコープ表記も多く見られます。ミルウォーキーに電撃トレードですね。多分、3割2分3厘、9本塁打、29打点のオークランドの方のクリス・デービスが選出されるでしょう。ボルティモアのクリス・デービスとはスペルが違います。

 今月の打撃部門は個人的な趣味で選んでいますので、多分ハズれると思います(笑)。

 

2018年7月22日日曜日

19年 巨人vs産業 5回戦


7月2日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 7 2 0 0 0 0 0 0 10 巨人 13勝3敗1分 0.813 近藤貞雄
1 0 0 0 0 0 0 2 0  3  産業  6勝10敗1分 0.375 野口正明

勝利投手 近藤貞雄 1勝0敗
敗戦投手 野口正明 1勝2敗

二塁打 (巨)黒沢、藤本、川畑2、宮下 (産)野口
本塁打 (産)金山 2号

勝利打点 黒沢俊夫 3

猛打賞 (巨)呉新亨 1


近藤貞雄、完投で1勝目

 巨人は初回、一死後呉新亨がレフト線にヒットを放つと二盗に成功、藤本英雄が四球を選ぶとダブルスチールに成功、中村政美は四球を選んで一死満塁、近藤貞雄の左犠飛で1点を先制する。

 産業は1回裏、先頭の金山次郎がレフトスタンドに第2号ホームランを叩き込んで1-1の同点に追い付く。更に小坂三郎が四球を選び、加藤正二はセンター左にヒット、鈴木秀雄の右前打で無死満塁と巨人先発の近藤貞雄を攻めるが、野口正明は浅い右飛、藤野美登は捕邪飛、松尾幸造は二ゴロに倒れて追加得点はならず。ここで近藤を崩せなかったことが敗因であった。

 巨人は2回、先頭の杉江繁雄が左前打で出塁、田村幹雄の三飛をサード鈴木が落球して無死一二塁、宮下信明の投前バントをピッチャー野口は三塁に送球するがセーフ、野選が記録されて無死満塁、トップに返り黒沢俊夫が右中間に二塁打を放ち3-1と勝越し、呉新亨が右前に2点タイムリーを放って5-1、バックホームの間に打者走者の呉は二塁に進み、藤本が三塁線に二塁打を放つが二走呉は三塁にストップ、中村は投ゴロに倒れて一死二三塁、近藤の左飛をレフト大沢紀三男が落球、三走呉が還って6-1、呉の生還には自責点が記録されているので近藤の左飛失は「左犠飛」となるため、近藤は2打席連続犠牲フライを記録、一死二三塁から川畑博がレフト線に二塁打を放って二者還り8-1と大量リードする。

 巨人は3回、先頭の宮下が左中間二塁打、トップに返り黒沢は遊飛、呉新亨が三前に内野安打、二走宮下が三塁をオーバーラン、ショート金山がベースカバーに入り、サード鈴木が三塁に送球するがこれが悪送球となって宮下が還り9-1、打者走者の呉は三塁に進み、藤本の遊ゴロの間に三走呉が還って10-1とする。

 産業は8回、先頭の金山と続く小坂が連続四球、加藤の二ゴロの間に二者進塁、鈴木の遊ゴロをショート杉江がエラーする間に三走金山が還って2-10、野口のレフト線二塁打で小坂が還り3-10とするが焼け石に水。

 近藤貞雄は7安打3四球8三振の完投で今季初勝利をあげる。巨人は須田博が軽井沢に軟禁されて出場不能となり、近藤が藤本をどこまでサポートできるかが夏季リーグ戦の鍵となる。

 

2018年7月15日日曜日

19年 朝日v阪急 4回戦


7月1日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 3 0 0 0 0 0 5 朝日 5勝10敗1分 0.333 内藤幸三
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 阪急 8勝8敗 0.500 天保義夫 木暮英路

勝利投手 内藤幸三 4勝5敗
敗戦投手 天保義夫 0勝1敗

二塁打 (朝)菊矢
三塁打 (朝)坪内

勝利打点 菊矢吉男 1


菊矢吉男が決勝打

 朝日は初回、二死後坪内道則がレフト線に三塁打、金光彬夫はストレートの四球で歩いて二死一三塁、ここで菊矢吉男がレフト線に二塁打、二者還って2点を先制する。

 朝日は4回、先頭の内藤幸三がライト線にヒット、仁木安が三前に送りバントを決めて一死二塁、広田修三の当りはレフトにフラフラと上がり二走広田はハーフウェイ、打球は左前にポトリと落ちるが広田は動けず一死一二塁、田端義夫がストレートの四球を選んで一死満塁、トップに返り酒沢政夫が中前にタイムリーを放って3-0、田中豊一の一ゴロ併殺崩れの間に三走広田が還って4-0、坪内の中前タイムリーで5-0とする。

 阪急は5回、先頭の坂井豊司が四球を選んで出塁、伊藤健一もストレートの四球を選んで無死一二塁、トップに返り山田伝は左邪飛、上田藤夫がセンター右にタイムリーを放って1-5、一死一三塁から上田が二盗を決め、野口明が四球を選んで一死満塁、髙橋敏の左犠飛で2-5とする。

 内藤幸三は6回以降阪急打線を1安打無失点に抑え、3安打9四球3三振の完投で4勝目をあげる。

 朝日は9安打7四死球で11残塁、阪急は3安打9四球で9残塁、当時の試合としては珍しく試合時間は1時間37分であった。

 5月21日の春季リーグ戦最終戦で3年ぶりに復帰して猛打賞を記録した菊矢吉男が、夏季リーグ戦開幕戦のこの日は勝利打点を記録した。

 

2018年7月14日土曜日

19年 近畿vs阪神 4回戦


7月1日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 近畿 3勝13敗 0.188 中本政夫
0 0 1 0 0 0 1 0 X 2 阪神 12勝3敗1分 0.800 若林忠志

勝利投手 若林忠志 10勝2敗
敗戦投手 中本政夫   2勝7敗

二塁打 (近)堀井

勝利打点 藤村冨美男 2


若林忠志、10勝一番乗り

 戦時統合により南海鉄道は関西急行鉄道と合併させられて6月1日から「近畿日本鉄道」となり、「南海」は「近畿日本」に改称、夏季リーグ戦からチーム名が変更されたため、当ブログの表記もこの試合から「近畿」とさせていただきます。

 近畿は初回、先頭の松川博爾がセンター右にヒット、しかしキャッチャー門前真佐人からの牽制にタッチアウト、八木進が四球を選んで出塁、清水秀雄は二飛に倒れるが、岡村俊昭がストレートの四球を選んで二死一二塁、堀井数男のレフト線二塁打で1点を先制する。

 阪神は3回、一死後塚本博睦が左前打で出塁、金田正泰は中飛に倒れるが、御園生崇男の中前打で二死一二塁、藤村冨美男の左前タイムリーで1-1の同点に追い付く。

 阪神は7回、先頭の武智修が左前打で出塁、トップに返り塚本が投前に送りバントを決めて一死二塁、金田は四球を選んで一死一二塁、御園生の右前打で一死満塁、藤村の右犠飛で2-1と勝ち越す。

 若林忠志は2回以降近畿打線を4安打無失点に抑え、6安打3四球2三振1失点の完投で10勝目をマークする。

 この日は無安打に終わったが、阪神の五番ライトでスタメン出場したのは呉昌征であった。呉は台湾に帰る予定であったが、予定を変更して阪神に移籍し、夏季リーグ戦から出場することとなった。

 

19年 産業vs巨人 4回戦


7月1日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 産業 6勝9敗1分 0.400 森井茂
2 0 0 0 0 1 0 2 X 5 巨人 12勝3敗1分 0.800 藤本英雄

勝利投手 藤本英雄 6勝2敗
敗戦投手 森井茂    4勝8敗

二塁打 (名)加藤 (巨)近藤、川畑
本塁打 (名)藤野 1号 (巨)近藤 1号

勝利打点 近藤貞雄 1

猛打賞 (巨)近藤貞雄(4安打) 1


近藤貞雄、4安打4打点

 いよいよ戦前最後のシーズンとなる昭和19年夏季リーグ戦が開幕。

 産業は一番にキャッチャー藤野美登を起用、その藤野が巨人先発藤本英雄の初球をレフトスタンドに叩き込む先頭打者ホームランを放って1点を先制する。

 巨人は1回裏、一死後呉新亨がレフト線にヒット、藤野のパスボールで呉は二進、更に藤野からの二塁送球が悪送球となって呉は三進、藤本が四球から二盗を決めて一死二三塁、中村政美は三振に倒れて二死二三塁、ここで近藤貞雄がレフト線に二塁打を放ち2-1と逆転する。

 産業は6回、小坂三郎が三遊間にヒット、加藤正二も左前打、鈴木秀雄も左前打で続いて一死満塁、しかし野口正明は捕邪飛、松尾幸造は二飛に倒れて藤本を崩すことはできなかった。

 巨人は6回裏、一死後近藤がレフトスタンドにホームランを叩き込んで3-1と突き放す。

 巨人は8回、先頭の中村が中前打を放つと二盗に成功、近藤が4打点目となるタイムリーを左前に放って4-1、川畑博の右中間二塁打で無死二三塁、杉江繁雄は三振に倒れるが、田村幹雄がストレートの四球を選んで一死満塁、渡部弘の左犠飛で5-1とダメ押す。

 藤本英雄は6安打1四球9三振1失点の力投で6勝目をマークする。

 近藤貞雄が4打数4安打4打点1本塁打を記録した。近藤は戦後、投手として三本指を駆使したパームボールで23勝をあげ、指揮官に転じてからは一時代を築く活躍を見せるが、打撃に関しては当ブログを見ないと実像は浮かんでこない。本日の本塁打は生涯唯一の本塁打となる。近藤は、投手として活躍していたラビットボール時代、昭和24年には80打席、昭和25年には62打席を記録しているが本塁打は打っていないので、貴重な1本となった。

 

2018年7月12日木曜日

19年 5・6月 月間MVP


月間MVP

投手部門

 阪神 若林忠志 4

 今月は春季リーグ戦優勝を争う阪神と巨人が共に7試合ずつを消化。

 若林は全7試合に登板し、58回を投げて48安打8四球19三振、自責点9。
 一方、藤本英雄は4試合に登板し、34回3分の2を投げて26安打11四球21三振、自責点3。
 須田博は3試合に登板し、30回を投げて20安打7四球13三振、自責点4。

 若林は与四球が少なく、藤本は奪三振も多いが与四球が多く今月は被安打も多かった。須田は円熟のピッチングが数字にも表れているが、この後軽井沢に軟禁されて夏季リーグ戦での登板は無い。


打撃部門

 巨人 黒沢俊夫 2

 黒沢は26打数12安打3得点3打点5四球で、昭和12年春季第4期以来7年ぶりの受賞。戦後の月間MVP最長ブランク記録は岩瀬仁紀が2005年5月-2017年6月に記録した12年であるが、黒沢は戦前の最長ブランク記録である。この間、黒沢は2度の応召があり、岩瀬の記録よりも価値が高い可能性が高い。

 呉新亨が26打数10安打7得点1打点4四球6盗塁、藤村冨美男が25打数10安打2得点6打点6四球で次点を争った。岡村俊昭が27打数11安打をマークして、今季首位打者となる片鱗をうかがわせた。

 

19年 第4節 週間MVP


 今節は巨人が4勝0敗、阪神が2勝0敗、朝日が2勝1敗、阪急が2勝2敗、産業が1勝4敗、南海が0勝4敗。阪神と巨人が同率で春季リーグ戦優勝を決めた。

週間MVP

投手部門

 阪神 若林忠志 3

 2勝0敗。

 巨人 藤本英雄 1

 2勝0敗2完封。

 巨人 須田博 3

 2勝0敗1完封。

 朝日 内藤幸三 1

 2勝0敗1完封。


打撃部門

 巨人 黒沢俊夫 2

 14打数7安打2得点2打点、1V打。

 巨人 木暮力三 1

 15打数5安打2得点3打点、1V打。

 阪急 髙橋敏 1

 12打数5安打5打点5四球、1V打、1真の殊勲打。

 阪神 藤村冨美男 1

 7打数5安打3打点、1V打。

 阪神 辻源兵衛 1

 5月22日の南海戦で優勝決定サヨナラ犠飛。


殊勲賞

 南海 加藤喜作 1

 10打数6安打3打点。

 朝日 菊矢吉男 1

 5月21日の阪急戦、3年ぶり復帰でいきなり猛打賞。

 阪急 上田藤夫 1

 12打数4安打4得点3打点4四球3盗塁、二塁打2本。


敢闘賞

 朝日 大橋一郎 1

 1失点完投で敗戦投手ながら2安打ピッチング。

 南海 岡村俊昭 2

 17打数8安打。

 朝日 坪内道則 1

 12打数5安打3得点。

 産業 金山次郎 1

 18打数7安打4得点4四球。

 巨人 呉新亨 1

 15打数5安打3得点3盗塁。


技能賞 

 阪急 坂田清春 1

 5月15日の産業戦で技あり併殺。