2019年9月23日月曜日

21年 巨人vsゴールドスター 2回戦


5月6日 (月) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 巨人 3勝4敗 0.429 中尾輝三 
0 0 0 0 2 0 0 1 X 3 ゴ軍 3勝4敗 0.429 内藤幸三 

勝利投手 内藤幸三 2勝2敗
敗戦投手 中尾輝三 0勝1敗 

勝利打点 なし


内藤幸三、2安打ピッチング

 本日の関西は西宮と藤井寺のW開催。西宮の試合は午後3時丁度、中尾、内藤両左腕の先発でプレイボール。審判は金政、片岡の二氏。片岡は阪急球団職員の助っ人審判員。

 巨人は当りの出ない一番山田潔を九番に下げ、開幕から6試合連続ヒットと当たっている山川喜作を九番から一番に上げた。


 巨人は初回、その山川が四球を選んで出塁すると呉新亨の2球目に二盗に成功、呉は右飛に倒れ、千葉の投ゴロの間に山川は三進、黒沢が四球から二盗を決めて二死二三塁とするが、多田は三ゴロに倒れて無得点。


 巨人先発の中尾は快調なピッチングで3回までパーフェクト。


 ゴ軍は4回裏、先頭の酒沢が中前にチーム初ヒット、田中宣顕の三ゴロでランナーが入れ替わり田中が二盗、しかし坪内は遊飛、菊矢も三飛と三、四番が連続内野フライで無得点。


 ゴ軍は5回裏、先頭の末崎正隆が左前打で出塁、大友が送りバントを決めて一死二塁、辻功の三ゴロに二走末崎が飛び出し「5-4-6」と転送されてタッチアウト、辻はワイルドピッチで二塁に進み、坂本勲は四球、内藤が右前打を放ち二走辻は三塁ベースを蹴ってホームに突入、ライト林清一からのバックホームはタイミングはアウトであったがキャッチャー多田が後逸して1点を先制、トップに返り酒沢が中前にタイムリーを放ち2-0とする。


 ゴ軍先発の内藤は初回に続いて2回にも四球を出したが得点は許さず、3回~6回は三者凡退を続けてここまで無安打無得点。


 巨人は7回表、先頭の黒沢が右前にチーム初ヒット、多田が三遊間を破るとレフト田中がファンブル、黒沢は三塁、打者走者の多田は二塁に進んで無死二三塁、林に代わる代打藤本英雄の中犠飛で1点返して1-2、諏訪の遊ゴロに二走多田が飛び出して二三塁間で挟殺プレー、「6-5-4-1-5」で多田はタッチアウト、この間に打者走者の諏訪は二塁に進み、中尾はストレートの四球、山田に代わる代打近藤も四球を選んで二死満塁、しかしトップに返り山川は三振に倒れる。


 ゴ軍は8回、一死後坪内が右前打で出塁すると菊矢の3球目に二盗に成功、更に4球目に三盗にも成功、これがキャッチャー多田の悪送球を誘い坪内は生還、貴重な追加点をあげる。


 最大のピンチを凌いだ内藤は8回を三者凡退、9回は先頭の多田を三失に生かすが、藤本、諏訪を連続左飛、最後は中尾を遊ゴロに打ち取り完投勝利。


 内藤幸三は2安打5四球2三振1失点、自責点ゼロとほぼ完ぺきなピッチングで、3日のグ軍戦での完封に続いて2勝目をマークする。打ってもほぼ決勝打に等しいヒットを放つ活躍であった。


 巨人では多田文久三が2つのタイムリーエラーを含む3失策に走塁ミスと冴えなかった。多田は4月29日のゴ軍戦でも走者三塁の場面で決勝の失点となるパスボールを犯している。

 一方、ゴ軍ではベテラン坪内の好走塁が光った。


2019年9月21日土曜日

21年 セネタースvs中部日本 2回戦


5月6日 (月) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
1 0 0 2 0 2 2 0 0 7 セ軍 4勝4敗 0.500 一言多十 白木義一郎 
1 0 3 0 0 1 0 0 0 5 中部 3勝4敗 0.429 井上嘉弘 森井茂 

勝利投手 白木義一郎 3勝2敗
敗戦投手 森井茂        3勝2敗 

二塁打 (中)小鶴2、服部、藤原
三塁打 (セ)飯島

勝利打点 (セ)熊耳武彦 1

猛打賞 (セ)黒尾重明 1


打者・黒尾が3安打3打点

 後楽園の第2試合は午後2時58分、島秀之助主審の右手が上がりプレイボール。

 セ軍横沢三郎監督は開幕からライトに上口政を起用してきたが、この日はピッチャーの黒尾重明をライトに起用。この用兵がズバリ的中した。


 セ軍は初回、先頭の横沢七郎が四球を選んで出塁、鈴木清一、大下は連続凡飛に倒れるが、飯島が右中間に三塁打を放ち1点を先制する。


 中部は1回裏、先頭の岩本章がストレートの四球で出塁、金山の二ゴロでランナーが入れ替わり、二死後小鶴が右中間に二塁打を放ち1-1の同点とする。


 初回は両軍四番が流石のバッティングを見せた。


 2回は一転して両軍三者凡退。中部の攻撃で2本ライトに飛球が飛んだが黒尾は無難に捕球した。


 中部は3回裏、先頭の鈴木秀雄が四球を選んで出塁、一死後金山、古川が連続して左前打を放って一死満塁、小鶴が左中間に走者一掃の二塁打を放ち4-1とリードする。小鶴は早くも4打点。昭和25年に現在も日本記録として残る161打点をあげることになるが、その原点がこの日の打撃に見られる。


 セ軍は4回表、先頭の飯島がレフト線にヒット、長持もライト線ヒットで続き、熊耳の一ゴロの間に二者進塁して一死二三塁、ここで黒尾が中前にゴロで抜ける2点タイムリーを放ち3-4と追い上げる。「雑記」欄に記載されている注記によると、「前進守備の逆を突く」とのことで、叩きつける打撃を見せたようだ。打者顔負けですね。


 セ軍は5回表、先頭の横沢が中前打で出塁、鈴木清一が四球を選んで無死一二塁、大下は三飛、飯島が死球を受けて一死満塁、しかし長持の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー。ここは中間守備だったようだ。


 セ軍は6回表、先頭の熊耳が四球を選んで出塁、続く黒尾が中前打、センター古川からの三塁送球が悪送球となる間に熊耳が生還して4-4の同点、打者走者の黒尾は二塁に進み、根津のレフト線ヒットで無死一三塁、一言多十は遊飛に倒れて一死一三塁、中部竹内監督はここで先発の井上嘉弘から森井にスイッチ、その初球を横沢が投前にスクイズ、森井が本塁に送球するが三走黒尾の足が一瞬早くセーフ、犠打と野選が記録されて5-4と試合をひっくり返す。


 中部は6回裏、先頭の服部がレフト線に二塁打、加藤正二は左飛に倒れるが、藤原が左中間に同点二塁打を放ち5-5とする。森井の投ゴロで二走藤原が飛び出しピッチャー一言は二塁に送球してタッチアウト、セ軍はここで一言をレフトに回して白木義一郎をマウンドに送り後続を抑える。


 セ軍は7回表、先頭の大下が四球を選んで出塁、飯島の投前送りバントを森井は二塁に送球するがセーフ、ここも犠打と野選が記録されて無死一二塁、前の打席では満塁の場面で二ゴロ併殺に終わった長持が再度流し打った二ゴロが今度は進塁打となって一死二三塁、熊耳の遊ゴロの間に三走大下が還って6-5と勝ち越し、黒尾が3安打目となるタイムリーを左前に放ち7-5と突き放す。


 中部は7回裏、先頭の岩本が三遊間にヒットで出塁、しかし金山のセカンドライナーに岩本が飛び出しており「4-3」と送球されてゲッツー、ここはエンドランだった可能性もある。ここから古川、小鶴が連続四球で二死一二塁、しかし服部の打球はライトへの飛球となり黒尾が捕球してスリーアウトチェンジ。


 白木義一郎は8回、9回を無安打に抑えてリリーフで3勝目をあげる。


 プロ入り初めて野手で起用された黒尾重明は4打数3安打3打点の活躍。黒尾はこの後二桁勝利を6回記録して通算99勝をあげることになるが、打者としての活躍はほとんど知られていない。



*急映フライヤーズ時代、黒尾重明の英字の直筆サインカード。


2019年9月20日金曜日

21年 パシフィックvs阪急 2回戦


5月6日 (月) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 パ軍 4勝4敗 0.500 真田重蔵 
0 0 0 0 2 0 1 0 X 3 阪急 6勝1敗 0.857 前川八郎 

勝利投手 前川八郎 1勝1敗
敗戦投手 真田重蔵 2勝2敗 

三塁打 (パ)真田

勝利打点 (急)尾西信一 2


パ軍、走塁ミスが響く

 後楽園の第1試合は午後1時6分試合開始。本日の関西の試合は西宮と藤井寺で午後3時試合開始予定。

 両軍初回は三者凡退。


 パ軍は2回表、二死後伊勢川がストレートの四球で出塁、松井が中前打を放って一二塁、平野徳松もストレートの四球を選んで二死満塁、しかし真田は遊ゴロに倒れて無得点。


 パ軍は3回表、富松、木暮が連続四球、辻井がセオリーどおり三前に送りバントを決めて一死二三塁、小島の当りはピッチャーライナー、前川から三塁に送球されて三走富松は戻れずダブルプレー。「ライナーバック」の基本を疎かにした走塁ミスであった。


 阪急は2回に野口明が中前打を放ったのみで、パ軍先発の真田に抑え込まれて4回まで1走者を出したのみ。


 パ軍は5回表、一死後真田の当りは右中間奥深くに抜け真田は激走、三塁ベースも蹴ってランニングホームランを狙うが、センター山田伝-セカンド上田-キャッチャー坂田の中継にホーム寸前タッチアウト。この後富松が中前打を放つが木暮は投ゴロに倒れて無得点。ここも真田の走塁ミスが響いた。


 阪急は5回裏、一死後三木が右前打を放って出塁、前川もレフト線にヒット、坂田に代わる代打野口二郎も三塁線にヒットを放ち一死満塁、尾西が押出し四球を選んで1点を先制、トップに返り山田の左犠飛で2-0とする。真田には激走の影響もあったか。


 阪急は7回裏、一死後前川の当りは三ゴロ、これをサード平野が一塁に悪送球して打者走者の前川は二塁に進み、野口二郎は三ゴロに倒れて二死二塁、尾西が右前に貴重なタイムリーを放ち3-0とリードを広げる。


 パ軍は9回表、先頭の小島が四球を選んで出塁、森下が左前打を放って無死一二塁、ここで伊勢川に代わる代打佐竹一雄が左前打、二走小島は三塁ベースを蹴ってホームに向かい、レフト青田からのバックホームを中継に入ったピッチャー前川がカット、この時一走森下は二塁ベースをオーバーラン、前川から二塁ベースカバーのセカンド上田に送球されて森下はタッチアウト、松井に代わる代打湯浅の投ゴロを前川が二塁に送球して佐竹は二封、最後は平野に代わる代打藤村隆男が左飛に倒れてゲームセット。ここも走塁ミスが響いた。


 前川八郎は何度もピンチを迎えたが、ベテランらしい落ち着いた投球で5安打6四球3三振の完投、昭和13年以来8年ぶりの勝利をあげる。プロ野球のブランクは長いが、滝川中学の指導者として野球を続けてきた。まだまだ若い連中には負けられないところ。


 パシフィックは走塁ミスが響いた。真田のホームを狙った激走は決して責められるものではないが、5回裏の投球に影響があった可能性は否定できない。真田は戦前プロ入り後、多くの選手同様日大に籍を置いてプレーを続けていたが、学徒出陣で出征した。したがって3年のブランクがある。今の時点で体力の回復はどの程度のものであったか。軍隊でも厳しい鍛錬があったことは容易に想像できるが、野球のトレーニングとは質が違う。



2019年9月19日木曜日

21年 中部日本vs阪急 1回戦


5月5日 (日) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 0 1 1 0 2 中部 3勝3敗 0.500 森井茂 
1 0 2 0 0 1 0 0 X 4 阪急 5勝1敗 0.833 笠松実 

勝利投手 笠松実 1勝0敗
敗戦投手 森井茂 3勝1敗 

二塁打 (中)加藤 (急)青田

勝利打点 (急)青田昇 1

猛打賞 (急)青田昇 4


阪急、集中打で加点

 この日の試合は後楽園のみ、第2試合は午後3時18分、池田豊主審の右手が上がりプレイボール。

 西村正夫監督は、昨日2つの走塁ミスを犯した山田伝を下げてトップに下社邦男を起用する厳しさを見せた。


 中部日本は初回、二死後古川清蔵が三塁にヒット、小鶴も中前打で続いて一二塁と先制のチャンス、しかし服部受弘の当りはセカンドライナー、無得点に終わる。


 阪急は1回裏、一死後上田の当りは遊飛、しかしこれをショート金山が落球、続く青田のレフト線二塁打で一走上田が一気にホームに還り1点を先制する。


 阪急先発の笠松は2回~4回を三者凡退に抑える好投。ここがこの試合の勝負のポイントとなる。


 阪急は3回裏、先頭の尾西が中前打で出塁、一死後上田も中前打、青田も中前打で続いて一死満塁、なお、「雑記」欄には青田のヒットについて「捕手に妨害されたが安打を放つ」と記されており、青田のバットがキャッチャー服部のミットに触れたがヒットになったようだ。髙橋敏の投ゴロで三走尾西は本封されて二死満塁、ここで野口明が中前に2点タイムリー、4本の中前打を集中して2点を追加し好投の笠松に報いる。


 阪急は6回裏、二死後笠松が中前打で出塁、尾西の二ゴロをセカンド鈴木秀雄がエラーして一二塁、トップに返り下社がストレートの四球を選んで二死満塁、上田が左前にタイムリーを放ち貴重な追加点をあげる。


 4点差を追う中部は7回表、先頭の加藤正二が左前打で出塁、藤原の三ゴロをサード三木がエラーして一二塁、森井茂の二ゴロがセカンド上田からショート尾西に渡って藤原は二封、ゲッツーを狙った尾西の一塁送球が悪送球となる間に一走加藤がホームに還りようやく1点を返す。続くは鈴木秀雄は三振、トップに返り岩本章も捕邪飛に倒れて追加得点はならず。


 中部は8回表、一死後古川、小鶴が連続四球、服部が左前打を放って一死満塁、加藤の遊ゴロ併殺崩れの間に三走古川が還って2-4と追い上げるが反撃もここまで。


 笠松実は6安打3四球2三振、終盤少しバテたようだが完投で戦後初勝利を飾る。


 昭和20年秋の動向でも触れたとおり、西宮球場が終戦直後から使用できた阪急は早くから練習を積んでおり戦力が充実している。3回に中前打を4本集めた攻撃など、練習量の豊富さを如実に物語っている。野球経験者であれば理解できると思いますが、人間の本能だけであれば引っ張る打撃が自然です。但し、それだけでは外角球を引っ掛ける結果となるので、練習ではセンター返しを繰り返します。練習を積んでいくと、打球はセンターから反対方向に飛ぶようになります。


 阪急は投手陣も天保、今西、前川、野口二郎、笠松と駒が揃っており、各チームの戦力が充実してくるまでは、ペナントレースの主役となることが予想される。



*青田の第2打席はバットがミットに当りながらヒットになった。青田はこの日で早くも4回目の猛打賞。引き付けて打てていることを物語っている。「捕手に妨害されたが安打を放つ」と読みます。拡大鏡で確認しているので間違いない。


2019年9月17日火曜日

21年 パシフィックvsセネタース 2回戦


5月5日 (日) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
4 1 0 0 0 0 0 2 0 7 パ軍 4勝3敗 0.571 湯浅芳彰 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 セ軍 3勝4敗 0.429 白木義一郎 黒尾重明 

勝利投手 湯浅芳彰     1勝0敗
敗戦投手 白木義一郎 2勝2敗 

二塁打 (パ)湯浅、小島
三塁打 (パ)富松

勝利打点 (パ)森下重好 2


打撃好調パ軍快勝

 後楽園の第1試合は午後1時7分、島秀之助主審の右手が上がりプレイボール。

 打撃好調のパシフィックは初回、先頭の富松の当りは左飛、これをレフト長持が落球、木暮は内野安打、辻井が左前打を放って無死満塁、小島は遊飛に倒れるが、森下が左前に2点タイムリー、ダブルスチールにキャッチャー熊耳の三塁悪送球が加わり辻井が生還、一死三塁から伊勢川の遊ゴロの間に三走森下が還ってこの回4点を先制する。


 セネタースは1回裏、横沢と大下が四球を選んで一死一二塁とするが後続なく無得点。


 パ軍は2回表、先頭の湯浅が左中間に二塁打、トップに返り富松の二ゴロの間に湯浅は二進、木暮の中犠飛で5-0とする。


 セ軍は2回裏、一死後上口が打撃妨害で出塁、根津が左前打を放って一二塁、白木は中飛に倒れるが、トップに返り横沢が四球を選んで二死満塁、しかし鈴木清一は三振に倒れて無得点。


 セ軍は3回裏、先頭の大下がライト線にヒット、一死後長持がストレートの四球で一二塁、しかし熊耳、上口が連続三振に倒れてこの回も無得点。


 セネタースは序盤に反撃機を作りながら3回まで7残塁の拙攻。


 パ軍は4回まで6安打を許した先発の白木に代えて、5回から黒尾をマウンドに送る。


 パ軍は5回表、黒尾の代わり端を捕らえて先頭の小島がレフト線に二塁打、一死後伊勢川、松井が連続四球で満塁、しかし黒尾が粘って平野徳松は三振、湯浅も二ゴロに倒れて無得点。


 セ軍は7回裏、先頭の鈴木に代わる代打大木薫四郎が左前打で出塁、大下は二飛に倒れ、飯島の投ゴロの間に大木は二進、長持が右前にタイムリーを放ち1点を返す。


 パ軍は8回表、一死後平野が右前打で出塁、湯浅は四球を選んで一死一二塁、トップに返り富松が右中間に三塁打を放って2点を加え試合を決める。


 パシフィックはエース真田を明日の阪急戦に温存して、これまで代打で活躍してきた湯浅芳彰がプロ入り初登板初先発。湯浅は9安打6四球5三振の完投で初勝利を飾る。セネータースの14残塁の拙攻に助けられたの感が強い。


 湯浅芳彰は滝川中学時代、三田政夫、田中幸男(成豪 注:「選抜高等学校野球大会50年史では「幸男」と記載されている)、伊東甚吉らと共に甲子園で活躍、卒業後は満州に渡り昭和製鋼時代は都市対抗でも活躍した。


 なお、2019年9月17日現在、三田政夫の「Wikipedia」には当ブログが「参照」として引用されている。「Wikipedia」の規定では、私的なブログは「参照」として掲載してはいけないことになっているようで、多くの選手から当ブログの「参照」は削除されている。しかし、全てはチェックされていないようで、現在においても当ブログも把握していない範囲で当ブログが「参照」として掲載されているケースは多い。当ブログでは、「Wikipedia」への書き込みや編集は一切行っておらず、今後も行う予定はありません。



21年 セネタースvs阪急 1回戦


5月4日 (土) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 セ軍 3勝3敗 0.500 一言多十 
0 0 0 0 0 2 0 1 X 3 阪急 4勝1敗 0.800 前川八郎 天保義夫 

勝利投手 天保義夫 3勝0敗
敗戦投手 一言多十 1勝2敗 

三塁打 (セ)一言 (急)天保

勝利打点 (急)天保義夫 1

猛打賞 (急)青田昇 3


天保義夫、開幕3連勝、自ら決勝打

 後楽園の第2試合は午後3時24分、池田豊主審の右手が上がりプレイボール。

 阪急先発の前川八郎はベテランの味を発揮して5回までセネタース打線を無失点に抑える。


 セ軍先発の一言多十は走者を出しながら粘りのピッチングでこちらも5回まで無失点。
 阪急は、山田伝がバントヒットで出塁した初回は一言からの牽制に刺され、死球を受けて出塁した3回は二盗に失敗と、機動力を生かせなかった。


 セ軍は6回表、先頭の一言が右中間に三塁打、トップに返り横沢七郎が四球を選んで無死一三塁、阪急西村正夫監督は前川を下げて天保をマウンドに送り込み、鈴木清一は浅い右飛に倒れて一死一三塁、ここで大下がライトに犠牲フライを打ち上げて1点を先制する。ライト髙橋敏からの返球を中継したピッチャー天保の本塁送球が悪送球となって一走横沢は三塁に進むが、飯島は捕邪飛に倒れて追加点はならず。


 阪急は6回裏、先頭の上田がストレートの四球で出塁、青田が中前打を放って無死一二塁、高橋は三振に倒れるが、野口明が四球を選んで一死満塁、三木の遊ゴロをショート鈴木がエラーする間に三走上田が生還、三木には打点が記録されて1-1の同点、天保が中前にタイムリーを放ち2-1と逆転に成功する。


 セ軍は7回表、一死後熊耳が中前打で出塁、上口の二ゴロでランナーが入れ替わり、根津のピッチャー強襲ヒットで二死一二塁、しかし先ほどの打席で三塁打を放った一言は三振に倒れて無得点。


 阪急は8回裏、二死後天保が左中間深く三塁打を放ち、坂田清春の左前タイムリーで3-1と突き放す。


 セ軍は最終回、一死後長持が右前打を放って出塁、熊耳も中前打で続いて一死一二塁、しかし上口に代わる代打白石の中飛に飛び出していた二走長持が戻れず、「8-6」と渡りダブルプレーとなって試合終了。


 4イニングを投げて4安打無四球1三振無失点の天保義夫は無傷の3連勝。打っても決勝打と追加点のきっかけとなる三塁打を放つ活躍であった。


 一方、一言多十も打では三塁打を放って先制のホームを踏む活躍を見せたが、本職のピッチングでは8回を完投して9安打6四球と安定しない。



2019年9月16日月曜日

21年 グレートリングvs巨人 1回戦


5月4日 (土) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 1 0 0 2 0 0 3 グ軍 2勝4敗 0.333 丸山二三雄 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 巨人 3勝3敗 0.500 近藤貞雄 

勝利投手 丸山二三雄 2勝0敗
敗戦投手 近藤貞雄     2勝1敗 

二塁打 (グ)堀井、丸山

勝利打点 堀井数男 1


丸山、巨人を完封

 西宮の第2試合は午後3時7分、金政卯一主審の右手が上がりプレイボール。

 グレートリングは初回、一死後宮崎が四球を選んで出塁、岡村の左前打で一死一二塁とするが、山本一人の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。


 巨人は2回裏、一死後多田が中前打で出塁、二死後林清一も中前打を放って一三塁とするが、近藤は中飛に倒れて無得点。


 グ軍は4回表、先頭の宮崎が中前打を放って出塁、岡村、山本は凡退するが、堀井の打席で宮崎が二盗に成功、堀井が中前に先制タイムリーを放ち1点をリードする。


 巨人は4回裏、一死後黒沢が四球を選び二死後二盗に成功、しかし諏訪は三振に倒れて無得点。


 巨人は6回裏、一死後千葉が中前打から二盗に成功、しかし黒沢は投飛、多田はファーストライナーに倒れて無得点。


 グ軍は7回表、一死後堀井がレフト線に二塁打、山本監督はここで別所昭に代えて代打に昭和16年以来の出場となる木村勉を起用、木村はブランクを物ともせずに左前打を放ち一死一三塁、ここで桶川隆がスクイズバントを決めて2-0、丸山二三雄が中越えに二塁打を放ち3-0と待望の追加点をあげる。


 巨人は7回裏、二死後近藤、山川が連続中前打、しかしトップに返り山田潔は中飛に倒れて無得点。


 巨人は8回裏、先頭の呉新亨が中前打で出塁、千葉が二塁にヒットでつないで無死一二塁、しかし黒沢は遊飛、多田は二飛に倒れ、諏訪に代わる代打藤本英雄が四球を選んで二死満塁とするが、林は中飛に倒れてここも無得点。


 巨人は最後まであと一本が出なかった。


 丸山二三雄は7安打3四球1三振で戦後初完封、2勝目をあげる。


 両軍無失策の好ゲーム。グ軍は7安打2四球3盗塁、巨人は7安打3四球2盗塁で共にスコアリングポジションに走者を送ったのが5度ずつ。互角の勝負の明暗を分けたのは適時打の差であった。



2019年9月15日日曜日

39年ぶりのリーグ戦


 昨日は東京都還暦軟式野球連盟(東還連)秋季リーグ戦第一戦。

 「品川ベースボールクラブ」は、元プロが4人、神宮で活躍されたトップアマも数人所属するチームで、創部5年で9部からスタートして毎シーズン昇格して春季は1部、ここで初めて陥落を経験して今期は2部での戦いが続きます。


 私は定年退職後の4月から練習に参加して昨日リーグ戦デビュー。昭和55年東京六大学準硬式野球秋季以来、39年ぶりのリーグ戦出場となりました。八番センターで起用されて第1打席はライト線にフラフラと上がる2点タイムリー二塁打、第2打席は死球、ここで交代。現在、打率10割をキープしています。


 これまで対外試合には5試合出場して11打数4安打3打点、1四球、1死球、二塁打1本、三塁打1本。強力ルーキーも2人加入したので、まずはポジションを確保することが最重要課題となります。外野を争うライバルが元プロと元神宮プレイヤーなので、実現性は極めて乏しいのですが(笑)。



2019年9月13日金曜日

21年 中部日本vsパシフィック 1回戦


5月4日 (土) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計 
0 0 0 0 0 0 1 0 0  1  中部 3勝2敗 0.600 松尾幸造 星田次郎 井上嘉弘 
2 4 0 0 2 6 0 0 X 14 パ軍 3勝3敗 0.500 井筒研一 

勝利投手 井筒研一 1勝2敗
敗戦投手 松尾幸造 0勝1敗 

二塁打 (パ)小島、森下3、松井、木暮
三塁打 (中)松尾
本塁打 (中)服部 1号

勝利打点 (パ)森下重好 1

猛打賞 (パ)森下重好 2


理想の五番打者

 後楽園の第1試合は午後1時7分、島秀之助主審の右手が上がりプレイボール。

 パシフィックは1回裏、二死後辻井弘が一塁線にヒット、小島利男のレフト線二塁打で二死二三塁、ここで森下重好がライト線に2点タイムリー二塁打、2-0とする。


 パ軍は2回裏、先頭の松井信勝が左中間に二塁打、平野徳松が右前にタイムリーを放ち3-0、ライト加藤正二のエラーが重なり平野は二進、一死後富松が四球を選び、二死後辻井の左前打で満塁、小島が左前にタイムリーを放ち4-0、ここで森下がレフト線に2打席連続となる2点タイムリー二塁打を放ち6-0と突き放す。


 中部日本の竹内愛一監督は3回から先発の松尾に代えてプロ入り初登板となる星田次郎をマウンドに送るが、火に油を注ぐ結果となった。3回、4回と四球を出すも無失点に切り抜けた星田は5回に捕まる。


 パ軍は5回裏、先頭の伊勢川が四球で出塁、松井の三ゴロでランナーが入れ替わり、平野が四球を選び、井筒研一の打席でワイルドピッチ、井筒も四球を選んで一死満塁、トップに返り富松が押出し四球を選んで7-0、二死後辻井も押出し四球を選び8-0とする。


 パ軍は6回裏、一死後伊勢川、松井、平野、井筒と4連続四球で押し出して1点追加、中部は3回3分の1で11四球の星田を下げて井上嘉弘を三番手のマウンドに上げるが、二死後木暮がレフト線に2点タイムリー二塁打を放ち11-0、辻井は四球で二死満塁、小島が押出し四球を選んで12-0、更に森下がこの日3本目の2点タイムリー二塁打を放ち14-0とする。


 中部は7回表、服部受弘がレフトスタンドにホームランを放って一矢を報いるが反撃もここまで。


 井筒研一は大量点に守られ5安打5四球1三振の完投で戦後初勝利を飾る。


 中部投手陣は松尾が1個、星田が11個、井上が3個、合計15与四球で、4月27日にセネタース投手陣が出した記録に並んだ。


 パ軍は守っても「5-4-3」の併殺が3回と「5C-3」が1回、サード平野徳松が4つの併殺に絡んだ。


 パ軍の五番打者森下重好が3本の「2点タイムリー二塁打」を放ち6打点の活躍。「クリーンナップトリオ」とは「塁を一掃する」を意味するが、三番には的確な打撃、四番には長打力、五番には勝負強さが求められる。この日の森下は「理想の五番打者」であった。



*大陽ロビンス時代、森下重好の直筆サインカード。



2019年9月12日木曜日

21年 タイガースvsゴールドスター 1回戦


5月4日 (土) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
2 0 1 0 2 3 0 1 0 9 タ軍 3勝3敗 0.500 野崎泰一 
2 0 0 0 0 0 0 0 1 3 ゴ軍 2勝4敗 0.333 石田光彦 佐藤秀雄 末崎正隆 

勝利投手 野崎泰一 1勝1敗
敗戦投手 石田光彦 1勝2敗 

二塁打 (タ)土井垣 (ゴ)末崎

勝利打点 なし

猛打賞 (タ)呉昌征 1、土井垣武(4安打)1


ダイナマイト打線のルーツ

 西宮の第1試合は午後1時ちょうど、杉村主審の右手が上がりプレイボール。

 タイガースは初回、一死後呉昌征が中前打で出塁、土井垣、本堂が連続して三遊間を破り一死満塁、御園生が三塁線を破る2点タイムリーを放ち2-0とリードする。


 ゴールドスターは1回裏、先頭の酒沢が四球で歩くと田中宣顕の二ゴロの間に二進、坪内が四球を選び、菊矢の三遊間ヒットでこちらも一死満塁と一打同点のチャンス到来、ここで初回に2点を失った石田光彦が左前に同点の2点タイムリーを放ち2-2と追い付く。


 タ軍は3回表、二死後土井垣が右前打で出塁、本堂が三遊間を破るとこの打球をレフト早川平一が後逸、一走土井垣が一気にホームに還り3-2と勝ち越す。ワンヒットワンエラーが記録されて本堂に打点は付かず、この得点が決勝点となり「勝利打点」は記録されない。


 ゴ軍はここでレフト早川とセンター坪内を入れ替えて一息入れ、2回の守備からレフト早川、センター坪内に戻す。

 
 タ軍は5回表、先頭の呉昌征が中前打から二盗に成功、土井垣のライト線ヒットで無死一三塁、ゴ軍坪内監督はここで石田を下げてセンターに移し、自分は再びレフトに回って、レフト早川に代えて佐藤秀雄をリリーフのマウンドに送る。土井垣はサウスポー佐藤の牽制をくぐり抜けて二盗に成功、本堂の二ゴロの間に三走呉が還って4-2、なお一死一三塁から御園生の二ゴロの間に三走土井垣が還って5-2とする。


 タ軍は6回表、先頭の乾国男が四球で出塁、野崎泰一の三ゴロをサード坂本勲がエラー、小林英一の難しい当たりの三ゴロを捕球したサード坂本が三塁ベースに入るが二走乾の足が早くセーフ、野選が記録されて無死満塁、これは内野安打でもおかしくはないか、トップに返り金田正泰が押出し四球を選んで6-2、呉が右前に2点タイムリーを放ち8-2と突き放す。ゴ軍は続く土井垣への初球がボールとなったところで佐藤から三番手末崎正隆にスイッチ、土井垣の当りはセカンドライナー、一走呉が飛び出しておりセカンド大友は一塁に送球するがこれが悪送球となる間に二者進塁して一死二三塁、本堂が四球を選んで一死満塁、しかし御園生は捕飛、小俣秀夫は三振に倒れて打者一巡の攻撃が終わる。


 タ軍は8回表、先頭の呉がストレートの四球で出塁、土井垣がこの日4本目のヒットとなる二塁打を中越えに放って無死二三塁、本堂の右犠飛で9-2とする。


 ゴ軍は9回裏、一死後末崎が中越えに二塁打、大友の二ゴロの間に末崎は三進、辻功の中前タイムリーで1点を返すが反撃もここまで。


 野崎泰一は6安打2四球3三振の完投でプロ入り初勝利を飾る。


 ゴ軍の二番手として登板して1回3分のゼロを投げた佐藤秀雄はこの試合がプロでの唯一の出場となった。6回表に対戦した小林英一は海南中学時代の同僚である。


 タイガース打線はこの年から「ダイナマイト打線」と呼ばれることになるが、この試合がその「ルーツ」であると言える。



2019年9月10日火曜日

21年 タイガースvs巨人 1回戦


5月3日 (金) 藤井寺 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 タ軍 2勝3敗 0.400 渡辺誠太郎 呉昌征 
0 0 0 0 0 0 2 4 X 6 巨人 3勝2敗 0.600 諏訪裕良 

勝利投手 諏訪裕良     1勝1敗
敗戦投手 渡辺誠太郎 0勝2敗 

二塁打 (神)本堂 (巨)諏訪、中尾

勝利打点 (巨)呉新亨 1

猛打賞 (巨)黒沢俊夫 2 中尾輝三 1


諏訪裕良、完投でプロ入り初勝利

 藤井寺球場では戦後最初の「伝統の一戦」。420人の観衆が見守る中、午後3時10分、金政卯一主審の右手が上がりプレイボール。審判は金政、加藤の二氏。

 巨人の新戦力諏訪裕良は初回、呉昌征と本堂保次に四球を与えるが無失点。3回も二死後金田正泰に四球を与えるが土井垣武を三振に打ち取る。2回と4回は三者凡退でここまで無安打ピッチング。


 阪神の新戦力渡辺誠太郎は初回三者凡退。2回は先頭の黒沢俊夫を遊失に生かすが多田文久三を三ゴロ併殺に打ち取り無失点。3回は先頭の中尾輝三に右前打を許し、諏訪の遊ゴロでランナーが入れ替わり、山川喜作に左前打を打たれて一死一二塁とするが、トップに返り山田潔のショートライナーに二走諏訪が飛び出し併殺でピンチを切り抜ける。4回は呉新亨、千葉茂に連続四球、黒沢にも三遊間安打を許して無死満塁の大ピンチ、しかし多田を浅い中飛、ベテラン林清一を三飛、中尾を左飛に打ち取りここまで無失点。


 諏訪は5回表一死後、渡辺に初ヒットを許すが、小林英一のセカンドライナーに渡辺が戻れずダブルプレー。


 両投手ともに走者としては「ライナーバック」の鉄則を忘れて併殺を喫した。


 巨人は5回裏、先頭の諏訪が左中間を破り、二塁ベースを蹴って三塁に向かうが、「7-5-1」と渡ってタッチアウト。諏訪は走者としては未熟というより積極的過ぎるという評価にしておきましょう。


 タイガースは7回表、先頭の本堂が右中間に二塁打、御園生崇男が右前打でつないで無死一三塁、高山泰夫に代わる代打小俣秀夫がスクイズバントを決めて1点を先制する。


 巨人は7回裏、一死後中尾が左前打で出塁、諏訪は左飛に倒れるが、山川の右前打で二死一二塁、トップに返り山田が四球を選んで二死満塁、ここで呉新亨が左前打を放ち二者還って2-1と逆転に成功、一走山田は三塁に走るが「7-5」と渡ってタッチアウト、二走山川の生還の方が早く得点は認められる。


 タ軍は8回表、先頭の渡辺が左前打で出塁するが、小林の遊ゴロが「6-4-3」と渡ってダブルプレー。


 タイガースベンチは8回から先発の渡辺に代えて呉昌征をセンターからマウンドに呼び寄せるが、これが裏目に出た。


 巨人は8回裏、先頭の千葉が三遊間ヒットで出塁、黒沢の右前打で一三塁、黒沢が二盗を決め、多田が四球を選んで無死満塁、林が左前にタイムリーを放ち3-1、中尾が右中間に二塁打を放って二者還り5-1、諏訪は一飛に倒れるが、山川の一ゴロの間に三走林が還って6-1として試合を決める。


 諏訪裕良は9回表、先頭の土井垣に左前打を許し、本堂の三ゴロでランナーが入れ替わり、御園生の一ゴロが「3-6-3」と渡ってダブルプレー。結局、6安打3四球4三振1失点の完投でプロ入り初勝利をあげる。走者としては無謀というより積極的に過ぎるというところか。


 諏訪(後に高野)投手の息子さんとは、私が所属する還暦野球「品川ベースボールクラブ」のチームメイトで懇意にしていただいており、性格をよく知っているだけに、父親の性格も想像できる。


 開幕から巨人の一塁手には諏訪が入っているが、諏訪が投げる時は中尾がファーストに入る。その中尾が本日は猛打賞2打点の活躍。6月末に川上が復帰すると、川上が一塁手に定着することになる。



2019年9月9日月曜日

21年 セネタースvsパシフィック 1回戦


5月3日 (金) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計 
0 0 0 0 0 0 2 0 0  2  4 セ軍 3勝2敗 0.600 白木義一郎 
0 0 0 0 0 2 0 0 0  0  2 パ軍 2勝3敗 0.400 真田重蔵 

勝利投手 白木義一郎 2勝1敗
敗戦投手 真田重蔵     2勝1敗 

二塁打 (パ)富松
三塁打 (パ)小島、伊勢川 (セ)大下

勝利打点 (セ)飯島滋弥 1


延長10回、飯島滋弥が決勝打

 後楽園の試合はセネタースが白木義一郎、パシフィックが真田重蔵の先発で午後3時7分、池田豊主審の右手が上がりプレイボール。審判員にはこの試合から桝嘉一が加わり、池田、島、桝の三氏。

 時代を代表する両投手の投げ合いで両軍5回まで無得点。


 セ軍は5回表、二死後根津弘司が左前にヒット、白木も中前打で続いて一二塁、トップに返り横沢七郎も左前打を放ち二走根津が二塁ベースを蹴ってホームに突っ込むが、レフト森下重好からの好返球にタッチアウト。


 パ軍は6回裏、一死後富松信彦が右中間に二塁打、木暮力三は三振に倒れるが、辻井弘が四球を選んで二死一二塁、ここで小島利男が右中間に三塁打、二者還って均衡が破れ2-0とリードする。


 しかしセ軍は7回表、先頭の長持栄吉がストレートの四球で出塁、熊耳武彦は捕邪飛に倒れるが、長持が二盗を決めて一死二塁、上口政が中前にタイムリーを放ち1-2、バックホームの間に打者走者の上口は二塁に進み、二死後白木が右前に同点タイムリーを放ち2-2と追い付く。


 パ軍は9回裏、二死後伊勢川真澄が左中間に三塁打を放ってサヨナラのチャンス到来、しかしここは真田が粘って第1節首位打者の松井信勝を三振に打ち取り、試合は延長戦へ。


 セ軍は10回表、一死後横沢が四球で出塁、鈴木清一もストレートの四球で一死一二塁、大下弘の二ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、ここで飯島滋弥がレフト線に2点タイムリー、4-2と勝ち越す。


 白木は10回裏、平野徳松と真田の代打湯浅芳彰を連続三振に切って取り、最後は富松を投ゴロに抑え、4安打3四球7三振の力投で10回を完投、2勝目をあげる。


 この試合で大下弘は3三振を喫するが、6回に右中間三塁打を放ってプロ入り初の長打を記録する。10回には決勝点につながる貴重な進塁打を打ち、これがプロ入り初の勝利への貢献打となった。



*大映時代の選手名鑑に書かれた飯島の直筆サイン。


2019年9月8日日曜日

21年 グレートリングvsゴールドスター 1回戦


5月3日 (金) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計 
0 0 0 0 0 0 0 0  0  0 グ軍 1勝4敗 0.200 野口渉 松川博爾 
0 0 0 0 0 0 0 0 1X 1 ゴ軍 2勝3敗 0.400 内藤幸三 

勝利投手 内藤幸三 1勝2敗
敗戦投手 野口渉     0勝1敗 

勝利打点 (ゴ)大友一明 1


大友一明、サヨナラ打

 第2節は5月3日金曜日からスタート。日本国憲法が公布されたのは昭和21年11月3日、施行は昭和22年5月3日、祝日法が公布・施行されたのは昭和23年のことで、昭和21年5月3日は平日であった。

 この日は西宮、藤井寺、後楽園球場で各1試合ずつが行われたので、各球場の入場料は5円であったと考えられる。


 西宮の試合はグレートリングが野口渉、ゴールドスターが内藤幸三の先発で午後3時、杉村正一郎主審の右手が上がりプレイボール。審判は杉村、二出川、片岡の三氏。


 グレートリングは初回、先頭の安井亀和が左前打で出塁するが二盗に失敗、続く宮崎仁郎は四球、岡村俊昭もストレートの四球で一死一二塁、山本一人は右飛に倒れるが、堀井数男も四球を選んで二死満塁、しかしスタメンライトに起用された別所昭は中飛に倒れて無得点。


 グ軍はは2回、3回と四球の走者を出すが無得点。



 グ軍は4回表、一死後桶川隆が右前打で出塁、野口は右飛に倒れるが、筒井敬三が中前打を放って二死一二塁、しかしトップに返り安井は遊ゴロに倒れて無得点。

 グ軍は5回表、先頭の宮崎が右前打で出塁、岡村が送って一死二塁、坂本政数は左飛に倒れて二死二塁、ここで堀井が中前にヒットを放ち二走宮崎が三塁ベースを蹴ってホームに向かうが、センター坪内道則からの好返球にタッチアウト。

 グ軍先発の野口渉は抜群のピッチングを見せる。初回は三者凡退。2回、一死後早川平一に四球を与え、大友一明の中前打で一三塁とするが、大友の二盗をキャッチャー筒井が刺して二死三塁、内藤を遊飛に打ち取りピンチを切り抜けると波に乗った。3回、4回と四球を出すが無失点。5回から7回は三者凡退を続け、ここまで1安打3四球無失点。


 ゴ軍先発の内藤幸三は毎回走者を出す苦しいピッチングを続け、8回まで5安打7四球ながら何とかしのいで無失点を続ける。


 ゴ軍は8回裏、一死後辻功がチーム2本目のヒットを左前に運び、坂本勲も三遊間ヒットで続いて一死一二塁、しかしトップに返り酒沢政夫の遊ゴロで坂本は二封、田中宣顕も三振に倒れて無得点。


 グ軍は9回表、先頭の野口がチーム8個目となる四球を選んで出塁、筒井が送って一死二塁、しかしトップに返り安井は三振、宮崎も遊飛に倒れて、粘る内藤を崩せず無得点。


 ゴ軍は9回裏、先頭の坪内が四球を選んで出塁、菊矢吉男が中前打を放つと坪内は三塁に進んで無死一三塁、グ軍山本一人監督はここで好投を続けてきた野口から松川博爾にスイッチ、早川は浅い左飛に倒れて一死一三塁、ここで大友が右前にサヨナラ打を放ちゴールドスターが打棄る。


 内藤幸三は6安打8四球3三振でしのぎ切り、141球の熱投で戦後初勝利を完封で飾った。


 野口渉は8回3分のゼロを投げて4安打4四球1三振1失点で敗戦投手。野口は通算0勝2敗でプロ野球を去り国民リーグに移ることとなるが、この日の投球は勝ちに匹敵するものであった。最後はバテたか。


 サヨナラ打を放った大友一明は昭和18年以来の出場。プロ野球初年度からの生き残りで、プロ野球初の盗塁を記録したと伝わる。島田商業の後輩となる長持栄吉、髙橋敏、一言多十の3人も戦後初年度のプロ野球で活躍している。



2019年9月6日金曜日

21年 第1節 週間MVP


週間MVP

投手部門

 巨人 近藤貞雄 1

 完封と1失点完投で2勝0敗。投球内容で3勝0敗の森井茂を上回る。

打撃部門

 中部日本 加藤正二 1

 15打数6安打3四球、4得点4打点、二塁打1本、本塁打1本。4月27日のゴールドスター1回戦では試合を決める一打、30日のゴ軍2回戦では1対1の8回裏に決勝ソロ。


殊勲賞

 中部日本 岩本章 1

 14打数5安打7四球4盗塁、4得点3打点、本塁打1本。28日の巨人戦で10回裏逆転サヨナラスリーラン。

 阪急 上田藤夫 1

 18打数6安打、3得点3打点、二塁打2本。30日のグレートリング戦で試合を決める満塁走者一掃二塁打。

敢闘賞 

 パシフィック 松井信勝 1

 14打数7安打1四球1盗塁、2得点1打点。打率5割でトップ。

 阪急 野口明 1

 16打数5安打2四球、1得点4打点。27日のグレートリング戦では勝利打点、29日のパシフィック戦では試合を決める一打。

 パシフィック 森下重好 1

 18打数7安打1四球、3得点3打点、二塁打2本。30日のタイガース戦では打点こそ付かなかったもののレフト金田のエラーを誘うヒットで試合を決める。

 中部日本 森井茂 1

 スローボールを駆使して3勝0敗。30日のゴールドスター戦では内藤幸三との投げ合いを制して3安打完投勝利。

技能賞

 パシフィック 辻井弘 1

 30日のタイガース戦1回裏の守備、一死一三塁から投ゴロをピッチャー真田がバックホーム、三走金田が三本間に挟まれると辻井が一塁の守備からホームベースカバーに入り「1-2-5-3」でタッチアウト、刺殺を記録する。

21年 第1節 トピックス


 第1節は各チームが4試合を行い合計16試合。阪急と中部日本が3勝1敗でトップに立つ。

 中部は4月28日の巨人戦で岩本章が延長12回裏逆転サヨナラスリーラン、30日のゴ軍2回戦で加藤正二が8回裏決勝本塁打、加藤は開幕戦のゴ軍1回戦でも「真の殊勲打」を放った。岩本は4盗塁も記録して現在本塁打王&盗塁王。


 阪急は野口明がV打と「真の殊勲打」、30日のグ軍戦では上田藤夫が勝負を決める満塁走者一掃二塁打を放った。


 パ軍の松井信勝が1試合欠場の3試合出場で14打数7安打、2試合連続猛打賞を記録した。阪急の青田昇も2試合連続猛打賞。最多安打は松井と共にパ軍の森下重好も18打数7安打。


 パ軍の一番富松信彦は4試合連続無安打ながら4試合連続得点を記録。二番の木暮力三は17打数6安打5四球で出塁率5割。湯浅芳彰は開幕戦の9回に代打に起用されて併殺打、しかし翌日グ軍戦12回表に代打決勝打を放つなど、パシフィック勢が気を吐いた。


 巨人の山田潔は13打数1安打ながら7四球で出塁率4割。黒沢俊夫は14打数5安打5四球で出塁率5割2分6厘。


 期待のルーキー大下弘は14打数1安打5三振。勝利打点が1個あるが押出し四球。


 森井茂が開幕3連勝。投球内容では開幕2連勝の近藤貞雄が上回る。


 中部の林直明(貞明の可能性あり)が29日のセ軍戦で初回先頭打者から5連続四球を記録。これは昭和18年5月2日に大和の石田光彦が西鉄戦で記録した「初回先頭打者から5連続四球」と並ぶ記録である。


 セ軍は27日の巨人戦で一言多十が3個、黒尾重明が12個の計15与四球の新記録。一言多十は29日の中部戦では13与四球で完投勝利、同日、グ軍の丸山二三雄もタ軍相手に10与四球で完投勝利。



2019年9月5日木曜日

審判員


 選手でも川上は熊本で農業をやっていますし、若林は奥さんの実家で働いています。伊賀上のようにノンプロでプレーはしていますがプロには帰っていない選手も多くみられます。その中で新人も多く参加して戦後のプロ野球が再開した事情は複数の書籍で確認できますので、当ブログでは多くは触れません。

 これが審判員の状況となると・・・

 後楽園の4日間は全て島秀之助と池田豊の二氏で、1試合ごとに主審と塁審を交互に努めています。この後、第2節から桝嘉一が加わることとなります。

 関西の試合は金政卯一、杉村正一郎、片岡勝、二出川延明の4人が交代で務めています。三氏審判でこなしていますが、4月30日藤井寺の第1試合だけ杉村、金政の二氏でした。

 片岡勝は正式な審判員登録はされていません。日本運動協会、宝塚運動協会に所属していた元プロ野球選手で、阪急球団職員の立場で、昭和15年の満州遠征でも満州日日新聞の吉田要記者(元・法政大学投手)と共に「助っ人審判員」を務めていました。困った時には必ず助けてくれる「風車の弥七」みたいなヤツですね。

*当ブログでは、「野球人」と認定した場合は、プロ、アマの区別なく全て「呼び捨て」とさせていただいております。「野球人」には「呼び捨て」が似合うという考えに基づいています。ご了承ください。


入場料金


 「観客動員」の項で「昭和21年開幕シリーズの入場料は、調べれば分かるでしょうね」と書かせていただきましたが、昭和21年4月21日発行「体育週報」に「1試合5円、2試合10円」という記述が認められます。一日1試合の時は「5円」、一日2試合の時は「10円」だったようですが、詳しく知りたい方は他の資料もご確認ください。




2019年9月4日水曜日

観客動員


 第1節が終了しましたので、4日間の観客動員数を確認してみましょう。

 開幕日の4月27日は土曜日。まだ、週休二日制は定着していなかったと考えられます。後楽園は3,725人、西宮は5,016人でした。


 4月28日は日曜日。後楽園は7,791人、西宮は9,332人でした。


 4月29日は天長節で休日。後楽園は7,872人、西宮は10,824人でした。


 4月30日は火曜日で平日。後楽園は2,561人、藤井寺は1,915人でした。



*スコアカードに記載されている人数です。

 当時の世相を知る上でも参考になるかと考えられますので、今後も極力「観客動員数」をお伝えしていきます。


 因みに昭和20年11月23日にステート・サイド・パークで行われた東西対抗第1戦は5,878人(鈴木龍二著「鈴木龍二回顧録」より)。この時は入場料が6円、うち税金が4円という高値だったので、その直前に行われた「オール早慶戦」の10分の1しか集まりませんでした。昭和21年開幕シリーズの入場料は、調べれば分かるでしょうね(笑)。


2019年9月3日火曜日

三冠への道 令和元年 その4


7月の月間MVP予想

 今期は3ヶ月連続パーフェクト予想が続いていますが、8月は超混戦となりましたのでパーフェクト予想はあり得ないと宣言させていただきます。

 ア・リーグ打撃部門はJ.D.マルティネスが99打数39安打、3割9分4厘、10本塁打29打点で有力。


 ナ・リーグ打撃部門はワシントンのアンソニー・レンドンが104打数41安打、3割9分4厘、8本塁打29打点で有力。3割2分、14本塁打33打点のアクイーノがライバルで、打率を取るか本塁打を取るかの争い。当ブログはシーズンMVP争いでも有力候補のレンドンと予想します。


 ア・リーグ投手部門はクリーブランドのマイク・クレビンジャーが5勝0敗、防御率1.96、51奪三振で有力。


 ナ・リーグ投手部門はセントルイスのジャック・フラハティが4勝1敗、防御率0.71、47奪三振で有力ですが、4勝0敗、防御率0.74、44奪三振のソニー・グレイも全く遜色ない。差が付くとすればWHIPでフラハティが0.74、グレイが1.06。但し、WHIPは短期の指標としては重要視する必要はないので、当ブログは復活したソニー・グレイと予想します。



タイムスリップ


 本日(と言っても既に日付変更線を超えていますので昨日ですが)、3年ぶりに大学時代の野球部仲間と同期会。

 数年ぶりの再会ですが、会った瞬間40年前に「タイムスリップ」します。


 まぁ、準硬式ではありますが「体育会」ならではの厳しさはありましたので、「あぁ~、あの時はぁ~」なんて話で盛り上がりまくりましたね(笑)。


 皆様方にも同様の実体験があるでしょう。昔の仲間は大切にしましょうね。



2019年9月2日月曜日

21年 セネタースvs巨人 2回戦

4月30日 (火) 後楽園 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 セ軍 2勝2敗 0.500 白木義一郎 
0 0 0 3 0 0 0 0 X 3 巨人 2勝2敗 0.500 近藤貞雄 

勝利投手 近藤貞雄     2勝0敗
敗戦投手 白木義一郎 1勝1敗 

二塁打 (巨)多田

勝利打点 なし


セ軍、4併殺で自滅

 後楽園の第2試合は午後2時55分、共に前の試合で完封勝利を飾った白木義一郎と近藤貞雄の先発で試合開始。

 巨人は1回裏、一死後呉新亨が一塁線にヒット、千葉茂の中前打で呉は三塁に進み、千葉が二盗を決めて一死二三塁、黒沢俊夫のショートライナーに三走呉が帰れずダブルプレー、「ライナーバック」の基本を怠った。


 セネタースはは2回表、一死後長持栄吉が二塁にヒット、しかし上口政の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。


 セ軍は3回表、一死後根津弘司が左前打で出塁、白木がストレートの四球を選んで一死一二塁、しかしトップに返り横沢七郎の二塁ベース寄りのゴロをセカンド千葉がベースを踏んで一塁に転送してダブルプレー。


 セ軍は4回表、先頭の鈴木清一が四球を選んで出塁、しかし大下弘の右飛に鈴木が戻れずライト林清一からファースト諏訪裕良に送球されてダブルプレー。この後飯島滋弥が四球を選び、長持が中前打を放って一二塁とするが、上口は三ゴロに倒れて無得点。


 巨人は4回裏、一死後黒沢がストレートの四球で出塁、多田文久三のレフト線二塁打で一死二三塁、ここでキャッチャー熊耳武彦がパスボールを犯して三走黒沢が還り1点を先制、諏訪が左前にタイムリーを放ち2-0、林の左前打で一死一二塁、近藤の遊ゴロで林清一が二封されて二死一三塁、山川喜作が左前にタイムリーを放ち3-0とリードする。


 セ軍は7回表、一死後長持がストレートの四球で出塁、上口に代わる代打黒尾重明がピッチャー強襲ヒット、熊耳の左前打で一死満塁、根津に代わる代打一言多十が押出し四球を選んで1-3、なおも一死満塁のチャンスが続くが、白木の三ゴロが「5-4-3」と渡るゲッツーとなって万事休す。


 4つの併殺でチャンスを潰したセネタースに反撃の余力はなかった。


 近藤貞雄は6安打5四球2三振の完投で2試合連続完投勝利。


 巨人はノーエラー。山川喜作、千葉茂の守備力で快勝する。



2019年9月1日日曜日

21年 グレートリングvs阪急 2回戦


4月30日 (火) 藤井寺 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 1 0 1 0 0 0 0 2 グ軍 1勝3敗 0.250 松川博爾 長谷川治 野口渉 
0 1 0 4 0 0 0 0 X 5 阪急 3勝1敗 0.750 野口二郎 

勝利投手 野口二郎 1勝0敗
敗戦投手 松川博爾 0勝2敗 

二塁打 (急)野口二郎、上田

勝利打点 (急)尾西信一 1


上田藤夫、満塁走者一掃二塁打

 藤井寺の第二試合は午後2時50分、金政卯一主審の右手が上がりプレイボール。

 グレートリングの先発は開幕投手を務めた松川博爾。阪急は戦後初登板となる野口二郎で応戦する。


 阪急は2回、先頭の高橋敏が死球を受けて出塁、野口明が中前打で続いて無死一二塁、三木久一の三ゴロをサード宮崎仁郎がベースを踏んで一塁に送球し「5C-3」のダブルプレー、二死二塁となって野口二郎が左中間を破る二塁打、二走野口兄が還って1点を先制する。戦争が終わっても強力兄弟コンビは健在。


 グ軍は3回、先頭の松川が左前打で出塁、筒井敬三が送って一死二塁、トップに返り安井亀和の遊ゴロをショート尾西信一が一塁に悪送球、二走松川は動けず一死一二塁、宮崎が四球を選んで一死満塁、堀井数男の左犠飛で1-1の同点に追い付く。なお、「犠牲フライ」については、戦後になっても1953年までは記録されることはなく、スコアカードの記載から当ブログが独自にお伝えしていますのでご了承ください。


 阪急は4回、先頭の野口明の当りは二ゴロ、これをセカンド安井がエラー、三木が四球を選んで無死一二塁、野口二郎は右飛に倒れ、坂田清春はストレートの四球で一死満塁、尾西の遊ゴロ併殺崩れの間に三走野口明が還って2-1と勝越し、トップに返り山田伝が四球を選んで二死満塁、ここで戦前からの強者上田藤夫が左中間に走者一掃の二塁打を放って5-1と大きくリードする。グ軍は先発の松川を下げて、二番手として長谷川治をマウンドに送る。


 グ軍は5回、先頭の筒井が左前打で出塁、トップに返り安井もレフトにヒットを放ち無死一二塁、宮崎の三ゴロをサード三木がベースを踏んで二走筒井は三封、堀井が四球を選んで一死満塁、山本一人の遊ゴロ併殺崩れの間に三走安井が還って2-5とする。


 グ軍は7回から三番手として野口四兄弟の四男・野口渉がマウンドに上がる。


 戦後初登板となった野口二郎は6回以降無失点。7回には安井の内野安打と堀井のヒットで一死一二塁のピンチを迎えるが、山本一人監督を投ゴロ併殺に打ち取る。9回、先頭の野口渉の遊ゴロをショート上田が一塁に悪送球して無死二塁とするが、代走の大橋一郎を牽制で刺してピンチの芽を摘み、5安打5四球5三振2失点の完投で戦後初勝利を飾る。


 この試合では野口四兄弟のうち3人がグラウンドに立ったが、三男昇は消息を絶ったままである。既に「戦死公報」が届いているかは不明。終戦直後の野球記事には、「沢村もどうやら戦死したようだ」などの記載も認められ、混乱した状況がうかがえる。


 勝利打点は併殺崩れで打点が付いた尾西に記録されるが、「真の殊勲打」が試合を決める満塁走者一掃の二塁打を放った上田藤夫であることは言うまでもない。


 上田はジミー堀尾に誘われてハワイから阪急に入団した日系二世で、昭和12年春から23年まで、戦前戦後を通じてプロ野球選手として活躍する。昭和13年9月24日の名古屋戦でショートとして1試合11捕殺(「Wikipedia」には12捕殺と書かれているが、スコアカードで確認すると11捕殺)、昭和15年11月6日の巨人戦ではショートの守備で1試合6併殺(こちらはスコアカードどおり)を記録した。現役引退後は審判に転じ、審判の公正を期すため、試合後、帰りの電車で選手と一緒にならないようにわざわざ一電車遅らせて帰宅(永田陽一著「ベースボールの社会史 ジミー堀尾と日米野球」より)する実直な人物として知られている。