2019年12月11日水曜日

21年 中部日本vsタイガース 3回戦


6月1日 (土) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 2 1 0 1 0 1 0 0 5 中部 7勝10敗2分 0.412 井上嘉弘 森井茂 
0 0 0 0 0 0 1 0 2 3 タ軍 10勝9敗 0.526 野崎泰一 富樫淳 藤村冨美男 

勝利投手 井上嘉弘 1勝0敗
敗戦投手 野崎泰一 2勝3敗
セーブ     森井茂 1 

二塁打 (中)古川、加藤、金山
三塁打 (中)古川
本塁打 (中)木下 1号、2号

勝利打点 木下政文 1


木下政文、戦後初の2打席連続本塁打

 西宮の第2試合は午後零時20分、金政主審の右手が上がりプレイボール。第1試合は杉村、金政、片岡の三氏審判であったが、この試合は金政、杉村の二氏。片岡勝は球団の用事があったのかもしれない。後楽園の第1試合は午後1時開始予定で、まだ始まっていない。

 中部は2回表、先頭の木下政文がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1点を先制、続く服部受弘は四球、笠石徳五郎のニゴロをセカンド本堂が一塁に悪送球して無死一三塁、井上嘉弘は二飛、金山次郎は浅い左飛に倒れて二死一三塁、トップに返り岩本章の三ゴロをサード藤村が一塁に悪送球する間に三走服部が還って2-0とする。


 中部は3回表、二死後木下がレフトに2打席連続ホームラン、3-0とリードする。


 タ軍は4回から先発の野崎泰一に代えて富樫淳をマウンドに送る。


 中部は5回表、先頭の岩本が四球を選んで出塁、二死後岩本が二盗を決めると、加藤正二が左中間に二塁打を放ち4-0、続く木下の三遊間の当りが二走加藤に当たって守備妨害。


 中部は7回表、先頭の金山が左越えに二塁打、トップに返り岩本の打席で金山が三盗を試みるがキャッチャー土井垣からの送球にタッチアウト、岩本は四球、藤原もストレートの四球を選んで一死一二塁、タ軍ベンチはここで富樫をライトに回してサードから藤村がマウンドに上がり、古川清蔵も四球を選んで一死満塁、鈴木秀雄の右犠飛で5-0と突き放す。


 タ軍は7回裏、先頭の御園生が死球を受けて出塁、土井垣のニゴロでランナーが入れ替わり、乾国雄に代わる代打渡辺誠太郎のライト線ヒットで一死一三塁、富樫の遊ゴロ併殺崩れの間に三走土井垣が還って1点を返す。


 タ軍は9回裏、先頭の小林英一の当りは投ゴロ、これをピッチャー井上が一塁に悪送球、小林が二盗に成功、キャッチャー服部の悪送球が加わり小林は三進、土井垣が四球を選んで無死一三塁、渡辺が右前にタイムリーを放ち2-5、土井垣は三塁に進んでなおも無死一三塁、渡辺に代えて代走高山泰夫を起用、富樫の二遊間タイムリーで3-5としてなおも無死一二塁、中部ベンチはここで井上からエース森井茂にスイッチ、長谷川善三の投ゴロを森井は三塁に送球して二走高山は三封、トップに返り呉昌征は投ゴロに倒れて二死二三塁、金田正泰はツーストライクナッシングと追い込まれてから四球を選んで二死満塁、打席に主砲藤村冨美男監督を迎えるが、藤村は遊ゴロに倒れてゲームセット。


 井上嘉弘は戦前に1勝しておりこれが通算2勝目、今季はこの1勝だけとなる。中部は井上が森井以外では初勝利。その森井は好リリーフで初セーブをマーク、依然として中部の全勝利に貢献している。


 木下政文の「back to back」は戦後初の2打席連続本塁打である。木下はこの年この2本しか本塁打を放っていない。


 中部は8安打中6本が長打、木下の2発以外にも、古川、加藤、金山の本塁打王経験者が二塁打を放つなど、「ダイナマイト打線」以上の迫力を見せた。



2019年12月10日火曜日

21年 セネタースvsグレートリング 2回戦


6月1日 (土) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計 
0 0 3 1 0 1 0 0  5 セ軍 7勝12敗 0.368 黒尾重明 大下弘 黒尾重明 
0 0 0 0 0 0 0 1 5X 6 グ軍 11勝8敗 0.579 松川博爾 

勝利投手 松川博爾 2勝3敗
敗戦投手 黒尾重明 1勝3敗 

二塁打 (セ)鈴木2
三塁打 (グ)堀井

勝利打点 (グ)丸山二三雄 2


グ軍、大逆転勝ち

 本日から3日間、西宮の試合は午前10時半試合開始予定。

 西宮の第1試合は黒尾重明と松川博爾の先発で午前10時30分、杉村主審の右手が上がりプレイボール。


 セ軍は初回、一死後横沢七郎が四球を選んで出塁、飯島のニゴロをセカンド安井が二塁に送球するがショート桶川隆が落球して一死一二塁、本日はレフトに入り四番に復帰した大下の一ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、黒尾は三振に倒れて無得点。


 セ軍は3回表、一死後一言多十が四球で出塁、横沢は三飛に倒れるが、一言が二盗に成功、飯島のニゴロをセカンド安井がエラーする間に二走一言がホームに還って1点を先制、大下の右前打で二死一三塁、ここで大下が二盗に成功、キャッチャー筒井敬三からの二塁送球が悪送球となって三走飯島が生還、大下は三塁に向かい、バックアップのセンター木村勉からの三塁送球も悪送球となって大下が一気に生還、この回3点を先制する。


 守備が固いグ軍としては珍しくミスが重なりこの回3失策。


 セ軍は4回表、先頭の熊耳武彦が四球で出塁、石原光男が送りバントを決めて一死二塁、この時ファースト別所が二塁に送球するが悪送球となって一死三塁、鈴木清一が中越えに二塁打を放ち4-0とリードを広げる。


 セ軍は5回表、先頭の大下が四球で出塁、しかし黒尾の三ゴロが「5-4-3」と渡ってダブルプレー。ここまで5失策のグ軍守備陣がようやくまともなプレーを見せた。


 セ軍は6回表、先頭の熊耳が四球で出塁、石原が送って一死二塁、鈴木が左中間にこの日2本目のタイムリー二塁打を放ち5-0と突き放す。


 セ軍は7回表、一死後飯島が左前打で出塁すると二盗に成功、しかし大下は三振、黒尾は二飛に倒れて無得点。


 グ軍は8回裏、二死後5回の守備から岡村に代わってライトに入っている田川豊がストレートの四球で出塁するとプロ入り初盗塁に成功、堀井数男が中前にタイムリーを放ち1点返して1-5とする。山本一人監督は続く別所に代打丸山二三雄を起用、しかし丸山はニゴロに倒れてこの回1点止まり。


 グ軍は最終回、先頭の木村が左前打で出塁、桶川に代わる代打阪本政数の遊ゴロをショート鈴木が二塁に悪送球して無死一二塁、阪本の代走に野口渉を起用、松川の遊ゴロで野口は二封、筒井が四球を選んで一死満塁、トップに返り安井が押出し四球を選んで2-5、河西に代わる代打清水秀雄も押出し四球を選んで3-5と2点差、セ軍ベンチはここで黒尾をレフトに回してレフトの大下をマウンドに上げる。しかし大下も田川にストレートの押出し四球を与えて4-5と1点差、セ軍は黒尾を再びマウンドに戻して大下はレフトへ。ところが黒尾はストライクが入らず堀井も押出し四球を選んで遂に5-5の同点、そして丸山がライトにサヨナラヒットを放ち、グ軍が6-5と大逆転サヨナラ勝ち。


 松川博爾は5安打7四球5三振の完投で2勝目をあげる。


 グ軍は前半5失策を犯したが、松川が4度も先頭打者を四球で歩かせ守備のリズムが乱れたことが原因。


 黒尾も合計7個の四球を出したが7回までは2四球。8回に田川を四球で歩かせプロ入り初盗塁を許したのが痛かった。田川の盗塁が試合の流れを一気に変えたとも言える。


 山本一人監督は終盤選手を入れ替えながら粘り強くセ軍を追いかけ、最後は別所に代えて起用した丸山が期待に応えた。丸山は5月27日の阪急戦に続いて今節2本目のサヨナラヒット。1節で2本のサヨナラヒットは、昭和14年11月5日と9日にスタルヒンも記録している。


 グ軍はこれが今節3度目のサヨナラ勝ち。「鶴岡野球」らしいえげつない勝ち方である。


阪本政数の表記について


 グレートリング「阪本政数」の表記について、これまで「坂本政数」と誤って記載していました。大変失礼いたしました。訂正のうえ謝罪させていただきます。

 昭和18年の1個所も含めて気が付いた範囲で全て訂正したつもりですが、未訂正の表記が残されている可能性もありますのでご了承ください。


 なお、ゴ軍の「坂本勲」と巨人の「坂本茂」は「坂本」姓となりますので、グ軍vsゴ軍戦、グ軍vs巨人戦では混同しないようにご注意ください。



2019年12月9日月曜日

森井と内藤


 昭和21年5月の月間MVP(対象期間:4月27日~5月31日)投手部門を争った森井茂と内藤幸三。

 二人のWHIPは共に「1.11」でした。厳密にいうと、森井は「1.113」で内藤は「1.114」なので、森井が僅かに上回っています。


 「WHIP」は分母に投球回数、分子に「被安打+与四球」を取るセイバーメトリクスの代表的指標で、1イニング当りヒットと四球で何人の走者を出すかを表します。防御率同様、数値が低い方が評価は高くなります。「WHIP」で投球内容を測るのは批判もありますが、ここでは「WHIP」の価値を論じるのではなく、森井と内藤の投球内容を比較することが目的です。


 森井の投球回数は91回3分の2、内藤の投球回数は90回3分の2。森井の「被安打+与四球」は102個、内藤の「被安打+与四球」は101個で「WHIP」は共に「1.11」でした。


 分子の中身を見てみると、森井は被安打76本で与四球26個、内藤は被安打46本で与四球55個。すなわち、森井はヒットは打たれるが四球を許さず、内藤はヒットは打たれないが四球を出すピッチングであることが分かります。


 2016年5月21日付け「超スローボーラーの不思議」で分析したように、森井は昭和17年を境にしてコントロールが劇的に改善しました。戦後になってもその投球内容に変わりはありません。


 内藤はプロ野球初年度に沢村を抑えて奪三振王になっていますが与四球数もトップ。あれから10年が経過して球威は衰えていますが、ピッチングの内容は若かりし頃と変わりがないことが分かります。


 「WHIP」の数値だけを見て投球内容を判断するのではなく、その数値の中身を分析することが重要なのです。

https://shokuyakyu.blogspot.com/2016/05/blog-post_21.html


2019年12月7日土曜日

21年 5月 月間MVP


月間MVP

投手部門
 ゴールドスター 内藤幸三 3


 内藤は今月オール先発で10試合に登板して9完投、4勝4敗2完封。90回3分の2を投げて防御率1.19、WHIP1.11。

 防御率トップは白木義一郎で1.10、内藤は僅かに及ばず2位。白木は5月20日以降登板しておらず、5勝4敗ではあるが投球回数は65回3分の1であることが減点材料となった。

 ハーラートップは森井茂で6勝4敗。森井は11試合に登板して先発した9試合はすべて完投、91回3分の2を投げて防御率2.06、WHIP1.11。内藤には防御率で大きく劣る。

 4勝2敗3完封の藤本英雄は防御率2.09。戦前に比べると安定身を増してきたが、打たれるときは打たれるので防御率が上がらない。巨人では近藤貞雄の方が4勝2敗、防御率1.22と安定している。

 首位を走る阪急は投手陣の層が厚く、野口二郎は3勝1敗、防御率1.26ながら投球回数は35回3分の2。天保義夫は4勝1敗、防御率1.46で投球回数は49回3分の1。笠松実は3勝3敗、防御率1.99で投球回数は49回3分の2と、団体戦であれば阪急投手陣が受賞するところであるが、個人の争いでは劣る。

 昭和11年から投げ続ける内藤幸三は現在円熟期にある。実際、今季400イニングを投げるのは真田重蔵、白木義一郎と内藤の3人のみである。内藤は昭和19年8月に続いて、2か月連続の月間MVP受賞となった。昭和17年9・10月にも受賞しており通算3度目となる。

打撃部門
 パシフィック 森下重好 1


 森下は今月91打数33安打2本塁打、打率3割6分3厘、OPS0.964。断トツの19打点が光る。

 打率トップは藤村冨美男で3割8分2厘。但し監督兼任で休みも多く55打数21安打であった。

 加藤正二は打率こそ2割6分6厘ながら3本塁打でトップ。

 青田昇は82打数26安打、打率3割1分7厘であるが打点が僅かに5。意外なことに8盗塁で現在盗塁王である。呉昌征が7盗塁で追っている。


2019年12月5日木曜日

21年 タイガースvsセネタース 3回戦


5月31日 (金) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 タ軍 10勝8敗 0.556 藤村冨美男 
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 セ軍 7勝11敗 0.389 大下弘 

勝利投手 藤村冨美男 3勝0敗
敗戦投手 大下弘        0勝1敗

 二塁打 (セ)一言

勝利打点 (タ)本堂保次 2


史上最強の投手戦

 西宮の第2試合は藤村冨美男と大下弘の先発で午後3時丁度、杉村主審の右手が上がりプレイボール。藤村と大下は共に五番に入っている。

 タ軍は初回、大下の立ち上がりを攻めてトップの金田が左前打で出塁、呉昌征も右前打を放ち無死一二塁、御園生が送りバントを決めて一死二三塁、本堂が左前にタイムリーを放ち1点を先制、一死一三塁から藤村のニゴロをセカンド長持栄吉がゲッツーを狙って二塁に送球、ところが送球を焦ったショート鈴木清一が落球、三走呉が還って2-0、藤村には打点が記録された。一死一二塁から土井垣のニゴロを長持がエラーして一死満塁、しかしここは大下が踏ん張り、乾国雄はカウントノーストライクスリーボールから三振に打ち取り、長谷川善三も左飛に抑えてこの回2点止まり。


 大下は初回からどうなることかと思われたが、2回以降は立ち直ってタ軍打線を抑える。


 セ軍は3回裏、先頭の長持が二遊間にヒット、二死後一言多十の右中間二塁打で長持が生還、1-2と1点差に詰め寄る。


 藤村は4回以降セ軍打線を3安打無得点に抑える好投、大下もタ軍打線に得点を許さず、試合は2対1でタ軍が勝利した。


 藤村冨美男は107球で9回を完投、5安打1四球5三振であった。


 大下弘も136球で9回を完投、9安打2四球3三振であった。


 二人ともピッチングに専念していたため、ここまで4割を超える打率の藤村は4打数無安打、2試合連続2安打と調子を上げてきた大下も3打数無安打であった。


 藤村と大下という、「最強打者列伝」に名を連ねる強打者同士の投手戦となった。戦前でも川上と景浦が投げ合った事例は無く、川上と野口二郎が同じ試合で投げた事例はあるものの野口二郎は好打者ではあるが「再強打者列伝」には入らない。


 タ軍は投手専任の渡辺誠太郎と野崎泰一がぱっとせず、野手兼任の藤村が3勝目、呉昌征も3勝をあげ、御園生崇男も2安打完封がある。


 一方、セ軍はエースの白木義一郎が5月20日から登板しておらず、6月8日に復帰するまでの「空白の3週間」に大下が2度先発している。


 この試合で演じられた「史上最強の投手戦」は、こうした両チームの投手事情に起因して偶然にも起こった現象であった。


 なお、この試合の模様を伝える「日本野球年鑑」には「平凡な大下のカーブが打込めず」と書かれており、大下のカーブは「ションベンカーブ」だったようだ。



2019年12月4日水曜日

還暦野球の世界


 定年退職して今年の4月から還暦野球「品川ベースボールクラブ」に入団しました。
 東京都還暦軟式野球連盟には現在44チームが登録しており、一部から六部で春・秋のリーグ戦を戦っています。その他、幾つかのトーナメント戦も組まれています。基本的に試合は土曜日なので、仕事の都合で水曜の練習には参加できない方も数多く在籍しています。
 先週参加した還暦野球の全国大会は関西のチームが主体で行われており、東京からは「全世田谷」、「杉並SS」、「品川ベースボールクラブ」が混成チーム「品川エンジェルス」を結成して参加して準優勝しました。
 3日間3連投の「全世田谷」のエースTさんは、サイド気味のスリークォーターからの快速球と高速スライダーに切れ味鋭いシンカーを駆使する還暦球界No1ピッチャー。67歳の時にトミー・ジョン手術をして、リハビリ後に復帰してきた鉄腕投手です。現在71歳ですが、草野球デビューしたイチローも、あのピッチングを見たら驚愕するのではないでしょうか。先日の飲み会で、保坂さんが「近鉄の柳田に似ている」と仰ると、私が「ソフトバンクのギータの親戚ですよ」と突っ込みを入れる、そんな感じです。
 元プロが4人在籍する「品川ベースボールクラブ」には有力な新人が続々と参入してきましたので、来年からは私の出番はないと思います。それでも、火曜と金曜は少しレベルの落ちる60歳以上の「草野球」を楽しめる場もあります。もう少し力の落ちるチームに移籍する手もありますしね(笑)。

*前列右端が高浦さん、その左が保坂さんです。私の背番号は「42」。MLBに移籍したら付けられませんので、今、付けています(笑)。