2025年2月18日火曜日

22年 中日vs阪急 4回戦

5月30日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中日 16勝7敗 0.696 藤本英雄 
0 0 0 0 1 1 0 0 X 2 阪急 11勝15敗 0.423 野口二郎

勝利投手 野口二郎 4勝4敗 
敗戦投手 藤本英雄 8勝3敗

二塁打 (中)小鶴 (急)山田、上田

勝利打点(急)山田伝 2


野口二郎、円熟の完封

 西宮の第2試合は藤本英雄と野口二郎の先発で午後3時丁度、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は5回表、一死後藤本が三塁へのヒットで出塁、上林繫次郎の三ゴロをサード荒木茂が一塁に悪送球、藤本は三塁に進んで一死一三塁、三村勲は浅い右飛に倒れて二死一三塁、ここで一走上林がスタート、キャッチャー日比野武からの送球をピッチャー野口二郎がカット、上林は一二塁間に挟まれ「2-1-4」と渡ってタッチアウト、上林には盗塁失敗が記録された。

 三走の藤本英雄は通算で29盗塁を記録しているように走塁にも優れているので、上林のディレードスチールから重盗を狙ったようだが、日比野-野口二郎のバッテリーが上手く対応した。

 阪急は5回裏、先頭の坂元義一がストレートの四球で出塁、日比野が送って一死二塁、二死後山田伝が左中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 阪急は6回裏、先頭の上田藤夫が左中間に二塁打、青田昇の左前タイムリーで2-0とする。

 中日は、8回、9回と4人を代打に送る代打攻勢を見せたが、全て内野フライに打ち取られた。

 野口二郎は5安打1四球3三振で今季初完封、4勝目をマークする。戦前の快速球時代と違って、円熟の完封劇であった。

 中日は今季初のシャットアウト負けで首位の座から陥落した。

2025年2月17日月曜日

22年 大阪vs太陽 3回戦

5月30日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 5 0 0 0 0 0 0 0 5 大阪 17勝7敗 0.708 御園生崇男 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 太陽 9勝15敗 0.375 池田善蔵

勝利投手 御園生崇男 7勝0敗 
敗戦投手 池田善蔵  3勝3敗

勝利打点(大)本堂保次 2


御園生崇男、今季初完封で開幕7連勝

 後楽園の第2試合は御園生崇男と池田善蔵の先発で午後2時52分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は2回表、藤村富美男、土井垣武が連続四球で無死一二塁、本堂保次の中前タイムリーで1点を先制、センター森下重好が打球の処理にもたつく間に一走土井垣も還って2-0、御園生の投前送りバントをピッチャー池田がファンブル、犠打とエラーが記録されて無死一二塁、玉置玉一は死球を受けて無死満塁、長谷川善三の遊ゴロで玉置が二封される間に三走本堂が還って3-0、トップに返り塚本博睦の左前タイムリーで4-0、池田の一塁牽制悪送球で二走長谷川は三塁に進み、金田正泰の一ゴロエラーの間に長谷川も還ってこの回5点を先制する。

 御園生崇男は序盤のリードに気を良くして好投、5安打3四球1三振で今季初完封、開幕から7連勝を飾った。8人の走者出したが、大阪守備陣は5併殺を記録、太陽の残塁は「8マイナス5」で3つだった。

 月間MVP投手部門は、激しいハーラー争いを繰り広げる別所と藤本に絞られていたが、7連勝の御園生も大きく浮上してきた。5月後半になって別所の内容が悪くなってきているので、意外と混戦模様となってきた。

2025年2月15日土曜日

開幕から103打席無三振

 昭和22年5月30日現在、3割7分2厘で首位打者の清原初男は、開幕から103打席で無三振。

 ルーキーシーズンの昭和21年も101打席で1三振だけだっだので、プロ入り以来、通算204打席で1三振である。

 三振が少ないミート打法なので長打は少ない。月間MVPは、川上哲治、藤井勇との争いとなるが、その点がネックになる可能性もある。


2025年2月14日金曜日

22年 金星vs近畿 3回戦

5月30日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 1 1 0 1 0 2 1 0 7 金星 11勝14敗 0.440 江田孝
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 近畿 15勝10敗 0.667 中谷信夫 飯田徳治 松川博爾

勝利投手 江田孝     4勝6敗 
敗戦投手 中谷信夫 3勝3敗

二塁打 (金)西沢、辻

勝利打点(金)西沢道夫 3

猛打賞 (金)清原初男 3


江田孝、2安打完封

 西宮の第1試合は江田孝と中谷信夫の先発で午後1時5分、関西に帰ってきた金政球審の右手が上がりプレイボール。

 金星は初回、一死後酒沢政夫の当りは遊ゴロ、これをショート朝井昇がエラー、清原初男の右前打で一死一三塁、西沢道夫の中犠飛で1点を先制する。

 金星は2回表、先頭の大友一明が左前打で出塁、一死後江田が中前打、二死後トップに返り坪内道則監督の右前タイムリーで2-0とする。

 金星は3回表、先頭の酒沢が左前打で出塁、清原も三塁線にヒット、一死後キャッチャー坂田清春からの二塁牽制が悪送球となって一死二三塁、小前博文の一ゴロの間に三走酒沢が還って3-0と着々と加点する。

 この間、先発の江田は九番朝井に四球を与えただけで無安打ピッチング。

 近畿ベンチは4回からファーストの飯田徳治をマウンドに上げて飯田はプロ入り初登板。

 金星は5回表、一死後清原が四球で出塁、西沢が中前打、小前の三ゴロで清原が三封されて二死一二塁、大友の左前タイムリーで4-0とする。

 金星は7回表、先頭の酒沢がストレートの四球から二盗に成功、坂田の送球も悪送球となって無死三塁、清原の左前タイムリーで5-0、西沢の左中間タイムリー二塁打で6-0と更に加点する。

 近畿ベンチは7回から飯田をファーストに戻して松川博爾をマウンドに上げる。

 江田は7回裏を三者凡退に抑えて、この回まで2四球無安打ピッチングを続ける。

 金星は8回表、先頭の辻勇夫が左前打で出塁、江田の一ゴロの間に辻は二進、坂本勲に代わる代打山本秀男の中前タイムリーで7-0とダメ押す。

 近畿は8回裏、一死後松川が右前にチーム初ヒット、江田はノーヒットノーランを逃す。

 江田孝は、9回にも代打丸山二三男にヒットを許したが、2安打4四球2三振で今季2度目の完封、4勝目をマークする。

 西沢道夫は2試合連続で決勝犠飛を打ち上げた。もちろん、当時は公式記録では犠飛は記録されていない。

 現在3割7分2厘で首位打者の清原初男は、この日も3安打で3度目の猛打賞を獲得。

 金星投手陣は今月絶好調で、重松通雄、内藤幸三、江田孝の3人が2度ずつ完封勝利を記録した。

2025年2月13日木曜日

22年 巨人vs東急 3回戦

5月30日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 4 1 0 0 0 6 巨人 10勝16敗 0.385 小松原博喜 
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 東急   9勝14敗 0.391 一言多十

勝利投手 小松原博喜 4勝3敗 
敗戦投手 一言多十     3勝2敗

三塁打 (巨)呉新亨
本塁打 (巨)千葉茂 2号 (東)飯島滋弥 2号

勝利打点(巨)千葉茂 2

猛打賞 (巨)千葉茂 4


千葉茂、2試合連続猛打賞&勝利打点

 第7節2日目、後楽園の第1試合は午後1時1分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は初回、二死後飯島滋弥が2試合連続となるホームランをレフトスタンドに叩き込んで幸先よく1点を先制する。

 巨人は4回表、先頭の川上哲治は勝負してもらえずストレートの四球、平山菊二の左前打で無死一二塁、黒沢俊夫が打ち上げたファウルフライをキャッチャー鈴木圭一郎がベンチに飛び込みキャッチするファイト溢れるプレー、しかしこの場合はボールデッドとなって走者には進塁権が与えられるため、川上と平山が進塁して一死二三塁、小松原が左前に同点タイムリーを放ち1-1と追い付く。

 巨人は5回表、先頭の呉新亨が中越えに三塁打、山川喜作は四球から二盗に成功、昨日の殊勲者千葉茂が中前に勝越しタイムリーを放ち2-1と逆転、川上のファウルフライをピッチャー一言がマウンドを駆け下りてキャッチするファインプレー、「1FF」(投邪飛)が記録されて一死一三塁、千葉が二盗を決めて一死二三塁、平山の遊ゴロショート鈴木清一がエラーする間に二者還って4-1、平山に打点は記録されず、黒沢、小松原は連続四球で一死満塁、内堀保の左犠飛で5-1とリードする。

 巨人は6回表、二死後千葉がライトスタンドに第2号ホームランを叩き込んで6-1とダメ押す。

 小松原博喜は3安打2四球1死球無三振の完投で4勝目をマークする。

 不振が続いていた千葉茂が2試合連続で猛打賞と勝利打点を記録した。

 巨人は久々の快勝であった。これまで川上が歩かされるとそこで打線が切れていたが、この日は川上の四球を足掛かりに同点に追い付いた。こうなると相手チームも簡単に川上を歩かせることができなくなる。この調子だと最下位を抜け出す日も近いのではないか。

 東急も、不振が続いていた飯島滋弥が2試合連続本塁打。鈴木圭一郎と一言多十がファイト溢れるプレーを連発して9,447人の観衆を沸かせた。

2025年2月11日火曜日

22年 巨人vs太陽 4回戦

5月29日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 0 0 0 0 1 2 巨人 9勝16敗 0.360 川崎徳次 
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 太陽 9勝14敗 0.391 真田重蔵

勝利投手 川崎徳次 3勝4敗 
敗戦投手 真田重蔵 4勝5敗

二塁打 (巨)川崎、呉新亨 (太)真田
三塁打 (巨)千葉

勝利打点(巨)千葉茂 1

猛打賞 (巨)千葉茂 3


不振の千葉が決勝の三塁打

 後楽園の第2試合は川崎徳次と真田重蔵の先発で午後3時7分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 巨人は初回、先頭の呉新亨の当りは投ゴロ、これを真田がエラー、山川喜作は四球を選んで無死一二塁、しかし千葉茂の二ゴロは「4-6-3」と渡ってダブルプレー、川上哲治は敬遠されて二死一三塁、平山菊二は左飛に倒れて無得点。

 巨人は、川上が歩かされる毎度お馴染みのパターンでチャンスを潰した。

 巨人は2回表、一死後当たっている内堀保が中前打で出塁、川崎のライト線二塁打で一死二三塁、二死後呉新亨の右前タイムリーで1点を先制する。

 太陽は5回裏、一死後真田が左中間に二塁打、松井信勝の遊ゴロをショート田中資昭がエラーして一死一三塁、ここでダブルスチールを決めて1-1の同点に追い付く。真田に本盗が記録された。

 両投手の投打に亘る活躍で1対1のまま試合は最終回に進む。

 巨人は9回表、一死後呉新亨がライト線に二塁打、山川の二ゴロが進塁打となって二死三塁、不振の続く千葉が右中間にタイムリー三塁打を放ち2-1と勝ち越す。

 川崎徳次は6安打2四球4三振の完投で3勝目をマークする。

 巨人が最下位に低迷する要因は、四番川上が孤立していることにある。川上は3割6分台の打率をマークしているが、前後を打つ千葉と平山は2割そこそこ。二番の山川と八番の内堀が3割をマークしているが、川上と打順が離れているため打線に繋がりがない。したがって、川上を歩かせておけば点を取られないため、各チームとも川上を敬遠する策を多用している。

 川上のIsodは1.000を超えており、出塁率は4割6分5厘であるが、前後が打てないので得点にならないパターンが続いていた。

 この日は千葉茂が決勝の三塁打を放ち、今季初の勝利打点をマークした。「勝利打点」はあてにならないと考える素人は多いが、極めて重要な指標なのである。表面づらの数字だけを見るのではなく、試合の内容を吟味することが重要である。

2025年2月10日月曜日

22年 中日vs近畿 4回戦

5月29日 (木) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
0 1 0 0 2 0 0 0 1  0  4 中日 16勝6敗 0.727 清水秀雄 服部受弘 
1 0 0 0 0 1 0 2 0 1X 5 近畿 15勝9敗 0.625 別所昭

勝利投手 別所昭     9勝4敗 
敗戦投手 清水秀雄 2勝3敗

二塁打 (中)加藤 2 (近)坂田

勝利打点(近)岡村俊昭 2

猛打賞 (中)杉浦清 2 (近)田川豊(4安打)3


白熱の首位攻防戦

 西宮の第2試合は清水秀雄と別所昭の先発で午後2時55分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 金政卯一審判員は5月16日から関東に出張していたが、杉村正一郎審判員が5月24日の試合中断の件の報告のため関東に出張したので、金政審判員が関西に呼び戻されたのである。

 近畿は初回、一死後河西俊雄が三塁に内野安打、続く田川豊も三塁に内野安打、二死一二塁となってダブルスチール、これがキャッチャー藤原鉄之助の三塁悪送球を誘い、河西が還って1点を先制する。

 中日は2回表、一死後杉浦清監督が三遊間を破るヒット、これをレフト堀井数男が後逸する間に打者走者の杉浦は三塁に進み、加藤正二がライトにタイムリー二塁打を放ち1-1の同点、三村が三塁に内野安打、二死後藤原が四球を選んで満塁とするが、トップに返り岩本章は三振に倒れて追加点はならず。

 中日は4回も一死満塁のチャンスを逃す。

 中日は5回表、先頭の金山次郎が三塁に内野安打、一死後四番小鶴誠に代わる代打大沢清が得意の右位置で右前打、杉浦はストレートの四球で一死満塁、加藤が中越えに2点タイムリー二塁打を放ち3-1とリードする。

 近畿は6回裏、先頭の河西の当りは三ゴロ、これをサード三村がエラー、河西が二盗を決め、田川の遊ゴロもショート杉浦がエラー、田川が二盗を決めて無死二三塁、山本一人監督の右犠飛で2-3と追い上げる。

 近畿は8回裏、先頭の安井亀和が四球を選んで出塁、河西が送りバントを決め、田川が中前に同点タイムリーを放ち3-3、バックホームの間に打者走者の田川は二塁に進み、二死後田川が三盗に成功、飯田徳治が左前に勝越しタイムリーを放ち4-3と試合をひっくり返す。

 中日は9回表、一死後大沢が四球を選んで出塁、杉浦の投ゴロを別所が二塁に送球するがセカンド安井が落球して一死一二塁、二死後三村に代わる代打上林繁次郎が中前に同点タイムリーを放ち4-4と追い付く。

 中日は10回表、先頭の藤原が中前打で出塁、しかしトップに返り岩本の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってゲッツー。

 近畿は10回裏、先頭の河西が一塁に内野安打、この時河西が怪我をして代走に筒井敬三を起用、続く田川も一二塁間に内野安打で無死一二塁、中日ベンチはここで先発の清水から服部受弘にスイッチ、山本が送って一死二三塁、飯田は敬遠で歩かされて一死満塁、堀井に代わる代打岡村俊昭がライトにサヨナラ犠飛を放ち激戦に終止符を打つ。

 別所昭は172球の力投で13安打6四球5三振の完投、9勝目をマークする。

 中日は13安打を放ったが別所の粘りの前に13残塁。

 近畿の勝因は、田川豊が4安打4盗塁を記録するなど、チーム合計7盗塁を決めた機動力にあった。