2010年5月16日日曜日

12年春 金鯱vsタイガース 3回戦

5月5日(水)上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 金鯱     6勝10敗   0.375 古谷倉之助
0 0 0 0 0 1 1 0 X 2 タイガース 10勝5敗1分 0.667 若林忠志
勝利投手 若林忠志   2勝0敗
敗戦投手 古谷倉之助 2勝5敗

二塁打 (金)黒澤(タ) 山口、景浦
三塁打 (タ)伊賀上


伊賀上良平が決勝の三塁打


 金鯱の先発、エース古谷倉之助は今日も打順は五番、公式記録がスタートした昨年(昭和11年)は本塁打、打点の二冠王、打率は中根之に次ぐ2位と初年度からあわや三冠王誕生かという打棒を見せた。ピッチングの方も第1期後半から調子を上げてきており、4月21日は阪急打線を5安打完封(うち内野安打3本)、前回登板の4月28日イーグルス戦でも7回まで1安打と好投している。この日も強打の阪神打線を相手に初回は三者凡退、二回はエラーと伊賀上良平のヒットで二死一二塁とするが門前真佐人を投ゴロに抑える。3回は先頭の相手先発若林忠志に中前打を許すが藤井勇を遊ゴロダブルプレーに抑え、4回は山口政信に左超え二塁打を許すが藤村富美男の右前打をライト佐々木常助がホームへ好返球で山口を刺し難を逃れる。

 一方、タイガース先発の若林忠志も老練な投球で金鯱打線を手玉にとり3回までパーフェクト、この間三振は無しでコントロールのみで抑えるロイ・ハラデーのような投球。4回、濃人渉から初の三振を奪うが佐々木常助の遊ゴロをショート岡田宗芳が失して初走者を許し小林利蔵四球で一死一二塁と初のピンチを迎える。しかし黒澤俊夫を三ゴロ、古谷倉之助を投ゴロに打ち取りここまで無安打1三振の好投。

 金鯱は5回、この回先頭の三上良夫が一二塁間を破り初安打。瀬井清が送って一死二塁、相原輝夫の左前打で一死一三塁とする。ここで相原がディレードスチール、キャッチャー門前はショート岡田に送球、相原が一二塁間に挟まれ挟殺プレーとなる、岡田からファースト松木に送球、相原は二塁方向へ向かう、松木が岡田に送球、これを岡田が落球する間に三走三上が還って1点を先制する。

 タイガースは6回、この回先頭の藤井が右前にクリーンヒットで出塁、すかさず二盗を試みキャッチャー相原輝夫の悪送球により三塁に進む。山口四球後、四番景浦将はセンターに大飛球を打ち上げこれが犠飛となり1-1の同点に追い付く。タイガースは7回、先頭の岡田が四球で出塁、続く伊賀上の当りは右中間を鋭く破り三塁打となり、岡田が還って2-1と逆転に成功。5回の失点につながるエラーを取り返す岡田の出塁を生かしての逆転劇であった。

 若林、古谷の両技巧派投手による見ごたえのある投げ合いであった。結局若林忠志は3安打5三振2四球で完投勝利、自責点は無論ゼロである。

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