2011年4月23日土曜日

13年秋 金鯱vs南海 3回戦

10月6日 (木) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 4 1 0 0 0 0 7 金鯱 4勝16敗    0.200 常川助三郎
0 0 0 2 1 0 0 0 0 3 南海 6勝10敗2分 0.375 政野岩夫 劉瀬章


勝利投手 常川助三郎 3勝3敗
敗戦投手 政野岩夫     2勝3敗


二塁打 (金)五味 (南)中村


佐々木常助の本盗で連敗ストップ


 金鯱は初回、先頭の佐々木常助が四球で出塁、岡野八郎が投前に送りバントを決めると瀬井清の中前打で一死一三塁と先制のチャンス、しかし小林茂太は投ゴロ、瀬井は二進して二死二三塁とする。ここでダブルスチールを敢行、これが見事に決まって1点を先制する。明大監督時代、奇策で早慶を悩ませた岡田源三郎監督らしい奇襲戦法。佐々木に本盗が記録されると共に瀬井にも三盗が記録されているので佐々木が隙を突いて本盗を狙ったのではなくサインであろう。更に武笠茂男が中前にタイムリーで続いて2-0、名誉の応召となった松元三彦に代わって六番キャッチャーに起用された長島進の右飛をライト山尾年加寿がエラーして二死一三塁、五味芳夫は遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 金鯱先発の常川助三郎は初回、先頭の小林悟楼に右前打を許し西端利郎の二ゴロでランナーが入れ替わり、西端に二盗を許すが鈴木芳太郎の右飛に西端が飛び出しライト小林茂太からの送球で西端は戻れずダブルプレー。2回も先頭の中村金次に中前打、一死後中野正雄に左前打を許すが山尾を投ゴロ、中田道信を遊ゴロに打ち取る。3回も二死後西端に四球を与えると西端が二盗、三盗を決めて二死三塁のピンチを迎えるが鈴木を右飛に打ち取る。 

 金鯱は4回、一死後五味が右中間に二塁打、二死後常川が左前打を放って二死一三塁、佐々木が四球を選んで二死満塁、岡野が左前にタイムリーを放って二者還って4-0、レフト高野百介がもたつく間に佐々木は三塁に、岡野は二塁に進む。南海はここで先発の政野岩夫を下げて劉瀬章をリリーフに送る。瀬井の三ゴロをサード鈴木芳太郎が一塁に悪送球する間に佐々木が還って5-0としてなお一死一三塁、ここで瀬井がディレードスチールを試み二三塁間に挟まれて2-6-3-4と渡るランダンプレーの隙を突いて三走岡野がホームに還り6-0とする。岡野には本盗は記録されていない。

 南海は4回裏、この回先頭の中村が中前打で出塁、高野の投ゴロで中村は二進、中野が左前打から二盗を決めて一死二三塁、山尾に代わる代打海蔵寺弘司の三ゴロで三走中村がホームに走りサード岡野のバックホームが悪送球となって1-6、海蔵寺には打点が記録されてなお一死一三塁、海蔵寺が二盗を決めて一死二三塁、吉川義次の遊ゴロの間に中野が還って2-6、しかし三塁に走った海蔵寺は二三塁間に挟まれてタッチアウト、打者走者の吉川も挟殺プレーーでタッチアウトとなりダブルプレーが記録される。

 金鯱は5回、この回先頭の小林茂の投ゴロをピッチャー劉が一塁に悪送球する間に小林茂は一気に三塁に進む。武笠四球で無死一三塁、続く長島の当りは一塁ファウルグランドへの飛球、セカンドの西端が後ろ向きで捕球すると三走小林茂はタッチアップからホームを突いてホームイン、7-2とする。長島には打点が記録されて二邪犠飛となる(この頃は公式記録では犠牲フライは記録されておりませんので犠飛の認定は当ブログ独自の判断です。2010年3月14日(水)付けブログ「解読」参照。)。

 南海は5回裏、一死後小林悟楼が四球で出塁、西端左前打、鈴木の三打席連続右飛で小林は三進して二死一三塁、ここで西端がディレードスチールを試み2-6-3-4と渡る間に小林がホームを突いてホームイン。金鯱が4回に見せたプレーを南海もやって3-7とする。

 6回以降、金鯱は劉瀬章から追加得点を奪えず、常川助三郎も南海打線を中村金次の二塁打1本に抑えてこのまま逃げ切る。常川は7安打5四球無三振の完投でチームの連敗を9でストップさせて今季3勝目、チームjの勝星の75%を一人で稼ぐ救世主となっている。


 本日の殊勲甲は初回にホームスチールを決めてチームを勢いづかせた佐々木常助の走塁であった。佐々木の本盗は当ブログの推測では岡田源三郎監督のサインではないかと思われるが、もちろん佐々木の判断の可能性もある。両チーム合計8盗塁を記録したこの試合は脚で掻き回す両チームの特徴がよく見られた試合であったが、西端利郎の3盗塁など南海の5盗塁は軍務に就いた松元三彦の代役長島進の弱肩を突いたものであり、長島の肩は金鯱に残された課題ともなった。






*金鯱の初回二死二三塁から佐々木常助本盗、瀬井清三盗のダブルスチールを決める。「O」が盗塁を表し「’」はどの場面で行われたかを表します。
 4回は二死一三塁で一走瀬井清がスタートを切り「2-6-3-4」の挟殺プレーの間に三走岡野八郎が生還しました。岡野の生還は「(C)」となっていますので瀬井清のプレーの間に進塁したことを表し、本盗は記録されていません。なお、佐々木の生還「C’」は瀬井清の三ゴロエラーによる生還を表しています。







*走りまくる西端利郎。初回に二盗、3回には二盗、三盗を決めています。

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