2011年4月9日土曜日

日本野球創世記

 君島一郎氏が「日本野球創世記」を刊行したのは1972年、巻末を見ると「定価1,600円、1972年11月15日印刷、1972年11月30日発行、著者 君島一郎、発行者 池田恒雄、発行所 株式会社ベースボール・マガジン社」となっています。当時私は千葉県市川市から千代田区の中学に通っており、総武線市川からお茶の水で降りて駿河台下まで下りすずらん通りを抜けて左折、集英社前を過ぎて小学館を右折して通っていました。すずらん通りの中ほどに「書泉グランデ」があり、地下1階に「ベースボール・マガジン社」のコーナーがありました。ほぼ毎日そこで立ち読みして帰るのが日課となっており、ここで「日本野球創世記」、「プロ野球三国志」、「タイ・カップ自伝」、「ジョン・マグロー伝」等を購入したのが日米野球史研究の道に迷いこむきっかけとなりました。1970年代前半から中盤にかけてはちょうどベースボール・マガジン社からその手の書籍が刊行されていった時代であった訳です。


 君島一郎氏は同著で、日本への野球伝来はホーレス・ウィルソンにより明治5年に開成学校の前身、第一大学区第一番中学の校庭でアメリカから持参したボールとバットを使って生徒に教えたことを起源とするというもので、現在の学士会館がその場所としたものです。小学館の斜め向かいに学士会館がありますので、私は毎日日本の野球発祥の地の斜め向かいの角を反対方向に曲がって中学に通っていた訳です。2003年に「日本野球発祥の地」記念碑が造られ、今では歩道を通れば誰でも見ることができます。


 君島一郎氏ご自身も旧制一高の二塁手として活躍され、青井鉞男、守山恒太郎、中野老鉄山等と直接接しており、同著で紹介しています。

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