2010年7月17日土曜日

12年春 名古屋vs大東京 7回戦

6月26日 (土) 洲崎


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 1 0 0 0 1 0 3 名古屋 16勝30敗    0.348 木下博喜 田中実
0 0 0 0 0 1 3 0 X 4 大東京 17勝25敗3分 0.405 近藤久


勝利投手 近藤久 10勝9敗
敗戦投手 木下博喜 2勝10敗


二塁打 (名)小島 (大)浅原
三塁打 (大)鬼頭


示唆に富んだ好ゲーム


 名古屋は初回、トップの志手清彦の当りは一塁ゴロ、ファースト浅原直人はベースカバーに入ったピッチャー近藤久に送球するがこれが悪送球となり無死一塁、一死後桝嘉一右前打、小島茂男四球で満塁、大沢清が押出し四球を選んで1点を先制。続く前田喜代士の三ゴロは「5C-3」(サード柳澤騰市が三塁ベースを踏んで一塁に送球)のダブルプレーでチェンジ。

 名古屋は4回、先頭の小島茂男四球、大沢清得意の右打ちを見せ一二塁間を破る、前田喜代士の投前送りバントは三塁アウトのタイミングであったがサード柳澤が落球して無死満塁。しかし芳賀直一のショートライナーで二走大沢清とショート中村三郎の競走となるが中村が早く二塁ベースに入って無補殺併殺となる。中村三郎はこのところショートに回って無難にこなしている。しかし二死一三塁となったところで重盗を敢行、これが見事に決まって2-0とする。

 大東京は6回、浅原三失、煤孫伝遊失、中村四球で満塁とし、近藤久が押出し四球を選びノーヒットで1点を返す。さらに7回、この回先頭の鬼頭数雄が右翼線に三塁打、一死後水谷則一左前タイムリーで2-2の同点、浅原が左越えに逆転二塁打を放ち3-2、ここで名古屋ベンチは木下博喜から二番手に田中実を送る。煤孫四球で一死一二塁、田中の二塁牽制に二走浅原が釣り出される。しかし浅原は巧く二三塁間に挟まれて時間を稼ぎその間に煤孫が二塁に進み二死二塁。これが効いて、中村の三ゴロをファースト小島が落球する間に煤孫がホームに還り4-2とする。

 名古屋は8回、先頭の石丸が四球で出塁、桝の一ゴロでファースト浅原はゲッツーを狙って二塁へ送球、石丸が二塁に封殺される際に石丸に守備妨害が宣告されて、桝もイリーガル・プレイでアウトとなり二死無走者となる。打球が走者に当った場合はイリーガル・プレイは走者のみに宣告されて打者には安打が記録されるが、本件の場合、石丸の守備妨害がなければ併殺が完成していたと判断されたものである。続く小島は右中間に二塁打、大沢清中前打で小島が還り3-4、しかし鈍足大沢が二塁を欲張り8-2-6と転送されてチェンジ。これを状況判断に優れた走者(たとえばタイガースの岡田宗芳:4月6日発表の第2節週間MVP・技能賞参照)がやれば二塁ランナーのホームインを助ける好走塁と判断できるが大沢清の場合、単に足が遅かっただけであろう。更に、今は1点差に詰め寄る大事な反撃機であり、無謀な走塁は避けるべき状況である。

 名古屋は最終回、二死から田中実に代わる代打遠藤忠二郎が左前打で出塁、代走に高木茂を起用、三浦敏一に代わる代打服部一男四球、代走に鈴木秀雄を起用と粘りを見せるが志手が投ゴロに倒れてゲームセット。近藤久は8安打5四球4三振の完投で11勝目をあげる。
 名古屋は1、4回の得点機にいずれもゲッツーがあり1点ずつしか取れなかった。石丸の守備妨害、大沢の二度の走塁ミスなど大量得点のチャンスを自ら潰している。一方大東京は浅原が牽制に釣り出されながら時間を稼いで煤孫を進塁させ得点に結びつけた。結局この1点が試合を決める得点となったのである。

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