2010年6月4日金曜日

12年春 セネタースvsジャイアンツ 3回戦

5月22日(土)上井草


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 3 4 セネタース  16勝9敗    0.640 野口明
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 ジャイアンツ 17勝7敗1分 0.708 澤村栄治


勝利投手 野口明      8勝2敗
敗戦投手 澤村栄治 12勝2敗


二塁打 (セ)尾茂田、大貫2
三塁打 (セ)苅田 (ジ)三原

野口明復活!澤村に投げ勝つ


 同率首位のジャイアンツとタイガースを2.5ゲーム差で追うセネタースが不調のエース野口明を立てればジャイアンツはエース澤村栄治で応戦。

 澤村栄治は7回までセネタースを無得点に抑える。許したヒットは初回の尾茂田叶の中越え二塁打と7回の綿貫惣司の右前安打のみ。しかし2回には伊藤次郎に今季初の死球を与え、綿貫四球、野口明の送りバントで一死二三塁のピンチを迎える。ここは大貫賢三振、横沢七郎一邪飛で切り抜ける。3回は先頭の苅田の三ゴロをサード水原茂が悪送球する間に苅田が三塁を陥れ無死三塁と連続ピンチ。中村信一三振後、尾茂田は一塁後方へのファウルフライ、ファースト筒井修の体勢を見て苅田はタッチアップからスタートの構え、筒井落ち着いてサード水原に送球し苅田を三本間に挟んで水原からの送球を受けた内堀保がタッチしてピンチを切り抜ける。澤村からは簡単に点が取れないと見た苅田の走塁にジャイアンツ内野陣は引っかからず。

 野口明は久々に快投を見せた。3回まで1四球無安打、7つのゴロでアウトを取る。カーブのキレが戻ってきたようだ。4回に水原、三原の連打で無死一二塁、ジャイアンツ四番中島治康が送りバントを決めて二死二三塁とピンチを迎えるが白石敏男の二ゴロは苅田のバックホームで水原をホームに刺し、筒井を遊飛に抑える。5回は三者凡退、6回、先頭の呉波にヒットを許すが呉の二盗を中村民雄が刺してピンチを未然に防ぐ。打撃が好調なら肩も冴えるか。4回まで1三振、5~7回は4三振と尻上がりに調子を上げ7回を終わって0-0のまま終盤戦を迎える。

 セネタースは8回、この回先頭の大貫賢が左中間を破る二塁打で出塁、横沢七郎三振、トップに返り苅田は澤村の高めのストレートを左中間最深部に運ぶ三塁打、均衡破れて1-0とする。ジャイアンツは8回裏三者凡退。
 セネタースは9回、尾茂田四球、中村民中前打、野口明の内野安打とショート白石のエラーで2点を追加。更に大貫の二打席連続二塁打で1点を加えて4-0とリードを広げる。ジャイアンツは9回裏、三原の三塁打と白石のライト前ポテンで1点を返すもここまで、4-1でセネタースが快勝。

 このところ不振が続いていた野口明は5安打4四球5三振で久々の8勝目、見事復活を果たす。一方首位タイガースと激しい首位争いを繰り広げるジャイアンツはエース澤村で手痛い黒星を喫す。

 澤村から二打席連続二塁打を放った大貫賢は、宝塚協会時代は山本栄一郎を継ぐ快速球を誇ったエースピッチャー。更に、苅田久徳著「天才内野手の誕生」(苅田の自伝)によれば少年野球時代苅田のコーチであり、ジャイアンツを退団した苅田をセネタースに誘ったのも先に契約していた大貫だったとのこと。チーム事情から一度は別れるが戦後同じ時期に審判もやったという因縁の仲である。

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