2019年10月13日日曜日

21年 中部日本vsパシフィック 3回戦


5月13日 (月) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計 
0 1 0 0 0 0 0 0 1  0   0   0  2 中部 4勝5敗2分 0.444 西沢道夫 森井茂 
0 1 0 0 0 0 1 0 0  0   0   0  2 パ軍 6勝5敗1分 0.545 井筒研一 真田重蔵 

二塁打 (パ)森下

本盗    (パ)富松信彦 1  


見応えのある好ゲーム

 第2試合は午後3時7分、杉村主審の右手が上がりプレイボール。

 中部は初回、先頭の岩本が中前打で出塁、金山は三振、岩本が二盗を試みるがキャッチャー伊勢川からの送球にタッチアウト、古川は左飛に倒れて無得点。

 パ軍は1回裏、富松、木暮は外野飛球に倒れ、辻井が三塁にヒットすると二盗を試みるがキャッチャー服部からの送球にタッチアウト。


 中部は2回表、一死後加藤正二が四球を選んで出塁、次の先制点の場面は解読が難しい。スコアカードの記載は「加藤に盗塁が記録されて「(1)-3”-6」で得点」。すなわち、一走加藤がディレードスチールを試みたか牽制球に釣り出されたかスタートを切り、ピッチャー井筒からファースト辻井に送球されて辻井が二塁ベースカバーのショート松井信勝に転送するが悪送球、これがテイクツーベースとなって加藤が一気にホームに生還し、加藤の二塁進塁に対して盗塁が記録されたことになる。盗塁が記録されていることから推察するとディレードスチールだったか。少なくとも二塁がセーフのタイミングであったことから盗塁が記録されたことになる。とすると、ピッチャー井筒の一塁送球がミスであったと見るのが妥当か。走者を追うか、少し追い詰めて二塁に送球するべきであった。ファースト辻井は間に合わないタイミングで井筒から送球されてきて二塁への送球を慌てざるを得なかったというのが真相である可能性が高い。しかし当然ながら辻井に失策が記録された。ということで中部が1点を先制。


 パ軍は2回裏、先頭の小島の当りは遊ゴロ、これをショート金山が一塁に悪送球する間に打者走者の小島は二塁に進み、森下の左前打で無死一三塁、伊勢川の右犠飛で1-1の同点に追い付く。その後2つの四球があったが追加得点はならず。


 パ軍は4回裏、先頭の森下がレフト線に二塁打を放ってチャンスを作るが後続なく無得点。


 中部は5回表、一死後西沢が右前打で出塁、代走に笠石徳五郎を起用、鈴木秀雄の右前打で一死一二塁、しかしトップに返り岩本の三ゴロをサード平野徳松が三塁ベースを踏んで一塁に送球、「5C-3」の併殺が決まってスリーアウトチェンジ。


 中部は先発の西沢に代走を出したので、5回裏から森井茂が二番手のマウンドに上がる。


 中部は6回表、先頭の木下政文が中前打で出塁、古川の捕前のゴロをキャッチャー伊勢川が二塁に送球して木下は二封、ここで古川がディレードスチール、今度は井筒が走者を追いかけセカンド小島に送球、挟殺プレーとなって「1-4-3-4」でタッチアウト、ここは井筒の好判断であった。続く小鶴は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。


 両軍走者を出しながら無得点が続いたが、膠着状態を破ったのは意外なプレーであった。


 パ軍は7回裏、二死後富松が四球を選んで出塁、木暮が一二塁間を抜いて富松は三塁に進み二死一三塁、ここでダブルスチールを決めて2-1と勝ち越す。パ軍は11日の対中部2回戦でも三走辻井、一走森下の場面で重盗を決めている。藤本采配がズバリ的中。


 1点を追う中部は8回表、森井の当りは投ゴロ、これを井筒がエラー、鈴木が四球を選んで無死一二塁、トップに返り岩本は左飛に倒れるが、木下が左前打を放って一死満塁、古川の左飛で三走森井がタッチアップからホームを狙うがレフト森下からの返球にタッチアウト。森井は通算556打席で3盗塁、しかもそのうち2つは昭和11年と12年の若い時のもの、とするとここは代走を起用して井上嘉弘を三番手で起用する手はあったか。


 中部は9回表、一死後当たっている加藤が中前打で出塁、服部の投ゴロの間に加藤は二進、ここで藤原鉄之助が左前に同点タイムリーを放ち2-2と追い付く。


 中部は12回表、先頭の藤原が中前打で出塁、森井が送りバントを決め、鈴木が四球を選んで一死一二塁、ここでダブルスチールを試みるがキャッチャー伊勢川からの送球に二走藤原は三塁タッチアウト、トップに返り岩本が四球を選んで二死一二塁、バッターは途中出場ながらこの日2安打の木下、しかし捕邪飛に倒れて無得点。


 パ軍は12回裏、代打攻勢をかけるが平野徳松に代わる喜瀬正顕は遊ゴロ、真田に代わる湯浅芳彰は三振、トップに返り富松が中前打を放ち、最後の望みをつないで二塁にスタートを切るが、キャッチャー服部からの送球にタッチアウト、ゲームセット。


 中部は先発の西沢が4イニング、二番手の森井がイニングの継投、パ軍は先発の井筒が10イニング、二番手の真田が2イニングの継投であった。前日延長12回を完封した真田は4日間連投。


 パ軍守備陣は5併殺を記録。伊勢川、服部の両キャッチャーが共に3補殺を記録。両軍守備と走塁に見応えのある好ゲームであった。


*9回表に起死回生の同点タイムリーを放った藤原鉄之助の直筆サイン入りカード。藤原は赤嶺旋風で中日を退団するが、その後は他の選手とは同調せず昭和24年に巨人に移籍する。


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