2019年10月10日木曜日

21年 中部日本vsタイガース 1回戦


5月12日 (日) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
1 1 0 0 0 2 0 3 0 7 中部 4勝5敗1分 0.444 森井茂 
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 タ軍 4勝6敗 0.400 渡辺誠太郎 野崎泰一 

勝利投手 森井茂        4勝2敗
敗戦投手 渡辺誠太郎 0勝4敗 

二塁打 (中)小鶴2、金山 (タ)金田
本塁打 (中)加藤 2号

勝利打点 (中)小鶴誠 1


森井茂、絶妙のピッチング

 西宮の第2試合は午後3時7分、杉村主審の右手が上がりプレイボール。

 中部は初回、二死後古川が左前打から二盗に成功、小鶴がセンター左奥に二塁打を放ち1点を先制する。


 タ軍は1回裏、一死後金田が中越えに二塁打、藤村は四球を選んで一死一二塁、ここはスリーボールツーストライクからの四球なので敬遠ではない。しかし土井垣は中飛、本堂も二ゴロに倒れて無得点。


 中部は2回表、先頭の加藤がレフトスタンドに第2号ホームランを叩き込んで2-0とする。

 この後タ軍先発の渡辺誠太郎は3回から5回まで無安打ピッチング。

 タ軍は4回裏、先頭の藤村が二遊間にヒット、ところが二塁を狙ってタッチアウト、見ているわけでなないので状況は分からないが、強引な走塁であった可能性は否定できない。
続く土井垣の遊ゴロをショート金山がエラー、ところが土井垣が二盗に失敗、本堂は中飛に倒れて結果として3人で攻撃を終える。

 中部は6回表、一死後金山の三ゴロをサード藤村が一塁に悪送球、打者走者の金山は二塁に進み、古川が右前にタイムリーを放ち3-0、古川が二盗を決め、土井垣の悪送球が加わって古川は三塁に進み、小鶴の中犠飛で4-0リードを広げる。


 タ軍の粗い走塁に比べて中部はソツのない攻め。


 中部は8回表、先頭の岩本が中前打で出塁、金山のレフト線二塁打で無死二三塁、古川が中前にタイムリーを放ち5-0、無死一三塁から土井垣の三塁牽制悪送球で三走金山が還って6-0、小鶴が右中間を破り古川を迎え入れて7-0、小鶴は二塁ベースをオーバーランして「8-6-4」の中継でタッチアウトとなるが記録は二塁打。


 中部先発の森井茂は絶妙のピッチング。8回まで、初回の1安打1四球と4回の1安打以外は全て三者凡退。9回一死後呉昌征に3本目のヒットを許すが後続を抑えて、3安打1四球無三振で戦後初完封、「ダイナマイト打線」を封じ込んでハーラートップに並ぶ4勝目をマークする。アウトの内容は飛球14個、ゴロアウト11個、タ軍の走塁ミス2個。14の飛球のうち内野フライが6個と、タ軍打線は森井の術中にはまり全くタイミングが合っていなかった。


 この試合のポイントは4回裏タ軍の走塁。藤村が強引に二塁を狙って憤死すると土井垣も二盗に失敗。土井垣は前の試合でも不可解な三盗失敗があった。土井垣の盗塁失敗はこの2試合だけの話ではなく、通算成績でも盗塁成功87個に対して盗塁失敗は67個、盗塁失敗の方が成功よりも多い年が5度ある。「ダイナマイト打線」時代のタイガースは1度しか優勝しておらず、その理由として一般には「投手力が弱かった」と説明されることが多いが、この日のような「粗い走塁」も原因の一つではないか。



*昭和25年広島チームサイン色紙に残された森井茂の直筆サイン。隣は坂田清春、辻井弘。



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