2015年1月31日土曜日

17年 名古屋vs大洋 5回戦 その5


5月24日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 ・・・・・  
0 1 1 0 0 0 0 0 2  0   0   0   0   0   0   0   0   0   0   0  ・・・・・名古屋
0 0 0 0 0 2 2 0 0  0   0   0   0   0   0   0   0   0   0   0  ・・・・・大洋

二塁打 (名)古川、芳賀、野口正明 (大)浅岡
本塁打 (名)古川 3号


野口二郎、西沢道夫ともに調子を上げる

 名古屋は16回、先頭の芳賀直一がツーワンからの4球目に放った遊ゴロをショート濃人渉がこの日4つ目のエラー、こういう時はホームランかエラーで試合が決まるのは付き物ということで大洋ベンチは嫌な予感。このピンチを救ったのはキャッチャー佐藤武夫の肩であった。トップに返り石丸藤吉の初球ボールの投球で放った佐藤からの一塁牽制に芳賀が戻れずタッチアウト。石丸藤吉は2球目を2ゴロ、木村進一はツースリーから2球ファウルで粘るが中飛に倒れる。結果的に3人で終了したこの回、野口二郎は14球を要した。

 大洋は16回裏、その野口二郎がワンストライクからの2球目を中前打、野口明が初球送りバントを決めて一死二塁と決着を付けるチャンス到来、しかし村松長太郎は初球に手を出し三ゴロ、二死二塁からこの日3安打の苅田久徳は敬遠、佐藤が初球を叩くが左飛に終わる。西沢道夫はこの回敬遠の四球がありながら9球で終えて5イニング連続一桁投球数。ここまで野口二郎の214球に対して187球しか投げていない。

 名古屋は17回、先頭の桝嘉一がツーツーから1球ファウルで粘るが三ゴロ、飯塚誠は初球を強振するが力が入り過ぎて二飛、ここは当然一発狙った場面です。古川清蔵はツーワンから三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。野口二郎はこの回11球。

 大洋は17回裏、先頭の織辺由三が初球を三ゴロ、トップに返り中村信一がツーワンからの4球目を三遊間に運び左前打、濃人の三ゴロをサード芳賀がエラー、一死一二塁と大洋は2イニング連続でスコアリングポジションに走者を送った。浅岡三郎はツーボールから1球ファウル、4球目を叩くと遊ゴロ、ショート木村からセカンド石丸藤吉、更にファースト野口正明と渡ってダブルプレー。西沢はこの回11球でピンチを防いだ。

 西沢のピッチングは長身を生かしたオーバースローからのストレートと低目の小さな変化球が武器である。当ブログではカッターを投げていたと推測していることはこれまで何度もご紹介しているところですが、西沢の最大の武器が活きた場面であった。

 名古屋は18回、吉田猪佐喜がワンストライクから2球ファウル、更にボールを3つ選んで粘るが二飛、ここは野口二郎の粘りが優った。続く野口正明は初球、左中間をライナーで破る二塁打、野球にタラレバは禁句ですが、吉田が四球を選んでいればここで決着がついていたかもしれない。ということで一死二塁とチャンス到来、西沢はワンボールからの2球目を4球目を叩くが遊ゴロに終わる。西沢としてはここは自ら決勝点を奪いたかったところでしょう。続く芳賀も初球を遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。野口二郎はこの回11球。

 大洋は18回裏、先頭の野口二郎が初球を遊ゴロ、野口明はワンストライクからの2球目を一邪飛、村松はツーワンから1球ファウルで粘るが二ゴロに終わってスリーアウトチェンジ。西沢はこの回8球でここまでの投球数は206球と西沢も200球を超えてきた。

 名古屋は19回、一番からの好打順となったが石丸藤吉はワンボールからの2球目を遊飛、木村はツーワンからの4球目を二ゴロ、桝もツーツーからの5球目を二ゴロに倒れて三者凡退。野口二郎はこの回11球と3イニング連続11球で累計の投球数は247球に達した。

 大洋は19回裏、苅田がツーワンからの4球目を右飛、佐藤はツーツーから三振、織辺は初球を叩いて中飛。西沢の投球数は10球。

 名古屋は20回、先頭の飯塚がツーワンから三振、古川もツーツーから三振、吉田はツーナッシングから1球ファウルで粘るが中飛。野口二郎はこの回13球、250球を超えてエンジン全開となってきた。

 大洋は20回裏、先頭の中村がツーワンから三振、濃人がツーツーからの5球目を中飛、浅岡もワンワンからの3球目を一邪飛。西沢はこの回12球、依然として快調なピッチングを続けている。

 ここで「真説日本野球史」に書かれている島秀之助球審のコメントを引用させていただきます。

 「野口も、西沢も申し分ないコントロールでした。・・・野口の整球力は精密機械・・・捕手の佐藤が構えたミットに、ぴたりぴたり。・・・西沢の一番良かったのはカーブでした・・・それからもうひとつ、15、6回頃に、フットワークがもたついていた選手たちが20回を終わったあたりからまたキビキビした動きになりましたっけ。あれは不思議でした。」

 この時グラウンドに立っていた者ならではの感想である。


・・・その6に続く



 

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