2012年3月11日日曜日

14年 タイガースvs南海 10回戦


9月20日 (水) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 2 0 0 1 0 4 タイガース 48勝22敗2分 0.686 若林忠志
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 南海     30勝40敗4分 0.429 政野岩夫


勝利投手 若林忠志 17勝4敗
敗戦投手 政野岩夫 13勝14敗


三塁打 (タ)松木、堀尾


景浦将、超ファインプレー


 タイガースは2回、先頭の景浦将が四球で出塁、伊賀上良平は左飛、若林忠志は三振に倒れるが富松信彦が四球を選んで二死一二塁、18日の名古屋戦でサヨナラ打を打った皆川定之が中前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 タイガースは5回、一死後松木謙治郎が右中間に三塁打、続くジミー堀尾文人もセンター右奥に三塁打を放って2-0、門前真佐人の左犠飛で3-0とする。

 タイガースは8回、先頭の伊賀上が左前打で出塁、若林忠志が送って富松が4打席連続となる四球を選んで一死一二塁、ここで再び皆川が左翼線にタイムリーを放って4-0とする。

 若林忠志は4安打無四球1三振、今季3度目の完封で17勝目をあげる。翌日の読売新聞は「タ軍若林は専ら球道の変化に意を注ぎ先ず内角を軟く攻め、ついで外角にカーブを通して打者を焦慮させ然る後悠々ボールで誘って料理するという頭脳的ピッチングの妙諦を発揮した。」と伝えている。

 更に翌日の読売新聞によると「4回南海は二死小林一塁の時、国久が右中間に痛打した時景浦が横っ飛びで隻手に収める美技に止めたのが正に試合の分岐点となった。」とのことである。景浦の豪打については数々の伝説が伝わっているが、守備に関しては遠投130mの強肩以外は「気分が乗らないと打球を追わなかった」などの話しか伝わっていない。当時の新聞記事には「トンボを切った」(すなわち回転レシーブ)などの記事も見られ、守備の能力も相当に高かったと考えられる。

 先制タイムリーを含む2打点の皆川定之は4打数2安打で秋季シリーズ通算8試合で26打数10安打8打点、打率3割8分5厘でベストテンの4位に付けている。本日も八番で九番を打つことが多く、8打点は驚異的である。秋季シリーズでは川上哲治は7打点、戦前随一のクラッチヒッター小林茂太も7打点、ジミー堀尾文人も7打点で打率ベストテンの10人の中では打点トップである。皆川の守備については数々の伝説が伝わっているが、打撃に関しては「打力が弱い」などの話しか伝わっていない。しばらくは俗説を覆す活躍を続けることとなる。


 ネット時代になって伝えられている情報を入手するのは容易になりましたが、その情報が正しいか否かの判断はアナログ的調査による検証以外に解決策はないと思います。当ブログではこれまでも俗説を覆す「真説」をお伝えしてきておりますが、今後もこの方針を変えるつもりはありません。

 震災当日は更新を自粛させていただきましたが、本日は通常通り更新を続けさせていただきます。





            *若林忠志は4安打無四球の完封で17勝目をあげる。









*南海4回の攻撃、二死一塁に小林悟楼の場面で国久松一の右中間への当りをライトの景浦将が横っ飛びで超ファインプレーを見せた場面。


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