2014年1月13日月曜日

16年 巨人vs黒鷲 6回戦


7月3日 (木) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
1 0 1 0 1 1 0 0 0  4 巨人 26勝9敗 0.743 澤村栄治
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 黒鷲 11勝24敗 0.314 畑福俊英

勝利投手 澤村栄治 3勝2敗
敗戦投手 畑福俊英 1勝3敗

二塁打 (巨)千葉

勝利打点 川上哲治 6

猛打賞 (巨)千葉茂 1

ファインプレー賞 (黒)中河美芳 7


澤村復活!!

 澤村栄治のドロップが甦った。


 翌日の読売新聞に掲載された鈴木惣太郎による論評は「澤村は内角球が伸び過ぎてボールになる欠点は未だ除かれていないがドロップに制球力を得たのでこれを多用して効果を挙げ復活軌道に乗り出したことを遺憾なく示した。」と伝えている。“内角球が伸び過ぎてボールになる”のは未だ肘が下がっていることを窺わせるが、ドロップが決まってきたということはタテ振りのフォームが戻ってきたことを示唆している。


 巨人は初回、呉波、水原茂が連続四球、千葉茂の三塁線バントが内野安打となって無死満塁、川上哲治の左犠飛で1点を先制する。続く中島治康は遊ゴロ併殺に倒れて追加点はならず。

 巨人は3回、先頭の呉の投ゴロをピッチャー畑福俊英が一塁に悪送球する間に呉は二塁に進み、水原茂の中前ポテンで二走呉は動けず無死一二塁、千葉の一塁への当りはファースト中河美芳がファインプレー、この間に二者進塁して一死一三塁、川上の遊ゴロの間に三走呉が生還して2-0とする。川上はノーヒットで2打点を記録する。因みに翌日の読売新聞には「水原の快打」と書かれているがスコアカードには「水原の中前飛球のヒット」と記録されており「二走呉の三進は千葉の一ゴロによる」と記されていることから上記のとおり実況させていただきました。

 巨人は5回、一死後白石が四球から二盗に成功、この際キャッチャー清家忠太郎の二塁送球が悪送球となって白石は三塁に進み、水原は一直に倒れるが、千葉が右前にタイムリーを放って3-0とする。

 巨人は6回、一死後吉原正喜が三塁線にセーフティバントを決めて出塁、白石の三前バントが犠打エラーとなって一死一二塁、更に重盗を決め林清一が四球を選んで一死満塁、澤村の中犠飛で4-0、着々と加点していく。


 澤村栄治は2安打4四球13三振で今季3回目の完封、3勝目をあげる。8回を除く毎回三振、特に中盤の5回~7回に7三振を奪っている。


 澤村のピッチングをもう少し分析すると、三振13個以外では補殺は4個のみでうち送りバントと投ゴロで澤村が2補殺を記録しており、他は初回中河の二ゴロと、2回清家の三ゴロだけ、3回以降は三振とポップフライの繰り返しであった。三直が1個あるだけで、二飛が1個、三飛が1個、遊飛が1個、左飛が2個、中飛が2個、右飛が1個、右邪飛が1個で、これが全27アウトの内容である。すなわち、全盛期に見られたように、ストレートが伸び、ドロップが落ちていたのである。本日のタイトルを「澤村復活!!」としたのは、単に2安打13三振の完封を評価しただけではなく、投球内容を分析した結果である。







            *澤村栄治は2安打13三振で今季3回目の完封、3勝目をあげる。












   *澤村に2安打に抑え込まれた黒鷲打線。4回以降は三振とポップフライの繰り返しであった。











 

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