2010年12月31日金曜日

13年春 名古屋vs阪急 2回戦

5月28日 (土) 甲子園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 名古屋 4勝8敗 0.333 繁里栄 西沢道夫
0 0 4 1 1 0 0 1 X 7 阪急   8勝4敗 0.667 浅野勝三郎 石田光彦


勝利投手 石田光彦 3勝2敗
敗戦投手 繁里栄   1勝1敗


石田光彦、快心のリリーフ


 名古屋は3回、この回先頭の繁里栄が四球で出塁、続く村瀬一三の投前送りバントをピッチャー浅野勝三郎が一塁に大暴投して無死二三塁、トップに返り先週規程打席に達して4割2分4厘で首位打者に立った石田政良が二遊間を破るタイムリーを放ち1点を先制、浅野のワイルドピッチで村瀬も還り2-0とする。

 阪急は3回裏、この回先頭の浅野が右前打で出塁、トップに返り西村正夫右前打、上田藤夫の二塁前プッシュバントが内野安打となって無死満塁、黒田健吾が押出し四球を選んで1-2と追い上げ、山下好一の二ゴロをセカンド石丸藤吉が失して2-2の同点、宮武三郎の遊ゴロが6-4-3のゲッツーとなる間に三走上田が還って3-2と逆転、ジミー堀尾文人の遊ゴロをショート村瀬が一塁に悪送球する間に三走黒田が生還して4-2とリードを広げる。

 阪急は4回、大原敏夫四球、浅野の投前送りバントはセカンドアウトのタイミングであったがピッチャー繁里が二塁に悪送球して無死一三塁、西村が右前にタイムリーを放って5-2とする。ここで名古屋は先発繁里栄が降板して4回から西沢道夫を投入する。西沢はいきなり上田に死球を与えて無死満塁とピンチを広げるが、黒田を三ゴロ、山下好を一邪飛、宮武を三ゴロに打ち取る。

 阪急は5回、堀尾、宇野錦次の連続中前打と大原の犠打野選で無死満塁とし、4回途中から二番手として登板している石田光彦の遊ゴロの間に堀尾が還って6-2とする。更に8回、二死一二塁で7回から山下好に代わってレフトに入っているフランク山田伝が中前にタイムリーを放って7-2とリードを広げる。

 桝嘉一はこの日の3打数1安打で規定打席に達し、今季33打数14安打、打率4割2分4厘で首位打者に立った。2位の石田政良もこの日4打数1安打で4割5厘と4割をキープしている。

 4回無死一塁で先発浅野をリリーフした石田光彦はいきなり大沢清を二ゴロ併殺で切り抜けると調子の波に乗り、9回までの6イニングを1四球6三振で無安打に抑えきり今季3勝目をあげる。石田は昭和12年7月16日、春季リーグ戦セネタース8回戦において一度目のノーヒットノーランをやっており、昭和15年8月22日の満州シリーズ大連におけるライオン9回戦で二度目のノーヒットノーランをやることとなる。一度目も1四球であったが阪急、セネタース共にシーズン最終戦のいわば消化試合であった。二度目はライオン打線が南京虫にやられて力が出なかったかもしれないし、石田も4四球を与えている。本日は8回に西沢に四球を与えた以外全て凡打に打ち取っており付け入る隙を与えておらず、二度のノーヒットノーランより内容は上ではないだろうか。先発していたら恐らくノーヒットノーランをやっていたのではないか。そうすれば生涯3回となり、澤村栄治、外木場義郎と並ぶこととなる。八百長疑惑と奇行により歴史低評価は決して高くはないが、実力は相当なものであったと見る。

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