2019年9月8日日曜日

21年 グレートリングvsゴールドスター 1回戦


5月3日 (金) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計 
0 0 0 0 0 0 0 0  0  0 グ軍 1勝4敗 0.200 野口渉 松川博爾 
0 0 0 0 0 0 0 0 1X 1 ゴ軍 2勝3敗 0.400 内藤幸三 

勝利投手 内藤幸三 1勝2敗
敗戦投手 野口渉     0勝1敗 

勝利打点 (ゴ)大友一明 1


大友一明、サヨナラ打

 第2節は5月3日金曜日からスタート。日本国憲法が公布されたのは昭和21年11月3日、施行は昭和22年5月3日、祝日法が公布・施行されたのは昭和23年のことで、昭和21年5月3日は平日であった。

 この日は西宮、藤井寺、後楽園球場で各1試合ずつが行われたので、各球場の入場料は5円であったと考えられる。


 西宮の試合はグレートリングが野口渉、ゴールドスターが内藤幸三の先発で午後3時、杉村正一郎主審の右手が上がりプレイボール。審判は杉村、二出川、片岡の三氏。


 グレートリングは初回、先頭の安井亀和が左前打で出塁するが二盗に失敗、続く宮崎仁郎は四球、岡村俊昭もストレートの四球で一死一二塁、山本一人は右飛に倒れるが、堀井数男も四球を選んで二死満塁、しかしスタメンライトに起用された別所昭は中飛に倒れて無得点。


 グ軍はは2回、3回と四球の走者を出すが無得点。



 グ軍は4回表、一死後桶川隆が右前打で出塁、野口は右飛に倒れるが、筒井敬三が中前打を放って二死一二塁、しかしトップに返り安井は遊ゴロに倒れて無得点。

 グ軍は5回表、先頭の宮崎が右前打で出塁、岡村が送って一死二塁、阪本政数は左飛に倒れて二死二塁、ここで堀井が中前にヒットを放ち二走宮崎が三塁ベースを蹴ってホームに向かうが、センター坪内道則からの好返球にタッチアウト。

 グ軍先発の野口渉は抜群のピッチングを見せる。初回は三者凡退。2回、一死後早川平一に四球を与え、大友一明の中前打で一三塁とするが、大友の二盗をキャッチャー筒井が刺して二死三塁、内藤を遊飛に打ち取りピンチを切り抜けると波に乗った。3回、4回と四球を出すが無失点。5回から7回は三者凡退を続け、ここまで1安打3四球無失点。


 ゴ軍先発の内藤幸三は毎回走者を出す苦しいピッチングを続け、8回まで5安打7四球ながら何とかしのいで無失点を続ける。


 ゴ軍は8回裏、一死後辻功がチーム2本目のヒットを左前に運び、坂本勲も三遊間ヒットで続いて一死一二塁、しかしトップに返り酒沢政夫の遊ゴロで坂本は二封、田中宣顕も三振に倒れて無得点。


 グ軍は9回表、先頭の野口がチーム8個目となる四球を選んで出塁、筒井が送って一死二塁、しかしトップに返り安井は三振、宮崎も遊飛に倒れて、粘る内藤を崩せず無得点。


 ゴ軍は9回裏、先頭の坪内が四球を選んで出塁、菊矢吉男が中前打を放つと坪内は三塁に進んで無死一三塁、グ軍山本一人監督はここで好投を続けてきた野口から松川博爾にスイッチ、早川は浅い左飛に倒れて一死一三塁、ここで大友が右前にサヨナラ打を放ちゴールドスターが打棄る。


 内藤幸三は6安打8四球3三振でしのぎ切り、141球の熱投で戦後初勝利を完封で飾った。


 野口渉は8回3分のゼロを投げて4安打4四球1三振1失点で敗戦投手。野口は通算0勝2敗でプロ野球を去り国民リーグに移ることとなるが、この日の投球は勝ちに匹敵するものであった。最後はバテたか。


 サヨナラ打を放った大友一明は昭和18年以来の出場。プロ野球初年度からの生き残りで、プロ野球初の盗塁を記録したと伝わる。島田商業の後輩となる長持栄吉、髙橋敏、一言多十の3人も戦後初年度のプロ野球で活躍している。



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