2015年6月21日日曜日

17年 南海vs黒鷲 10回戦


8月3日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 0 0 2 3 南海 34勝29敗 0.540 石田光彦 神田武夫
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 黒鷲 15勝41敗4分 0.268 石原繁三

勝利投手 石田光彦   6勝7敗
敗戦投手 石原繁三 10勝17敗
セーブ     神田武夫  4

二塁打 (南)北原
三塁打 (南)猪子 (黒)木村

勝利打点 岩本義行 5


神田武夫、4セーブ目

 南海は3回まで無安打。右打者8人のうち三ゴロが4個と遊ゴロが2個、国久松一が投ゴロで北原昇だけがセカンドライナーに倒れており、右投げ左打ちの岡村俊昭は二ゴロ失と、黒鷲先発石原繁三の投球を引っ張って凡ゴロを重ねている。

 二巡目に入った南海は4回、打法を修正して先頭の柳鶴震は中飛、続く猪子利男がライトに三塁打を放ち、北原はサードライナーに倒れるが、岩本義行が左前にタイムリーを放って1点を先制する。

 黒鷲は初回、先頭の山田潔がストレートの四球で出塁、しかし渡辺絢吾は送らずライトフライ、玉腰忠義は三振に倒れ、小松原博喜が四球を選んで二死一二塁とするが、鈴木秀雄は三振に倒れて無得点。

 黒鷲は2回、先頭の木下政文がストレートの四球で出塁すると二盗に成功、しかし杉江文二は投ゴロ、木村孝平は二飛、石原繁三は右飛に倒れ、木下を三塁に進めることもできずに無得点。

 黒鷲は3回、一死後渡辺が一塁に内野安打、玉腰の右前打で一死一三塁のチャンスを迎えるが、小松原は二飛、鈴木は二ゴロに倒れてこの回も無得点、黒鷲の敗因は序盤のチャンスを生かせなかったことにある。

 南海は1点リードの7回から先発の石田光彦に代えて神田武夫をマウンドに送り逃げ込みをはかる。石田はここまで黒鷲打線を2安打無失点に抑えているが5四球を出しており妥当な継投策でしょう。

 神田は7回、先頭の木村は二飛に打ち取るが石原に三前セーフティバントを決められ、トップに返り山田をストレートの四球で歩かせて一死一二塁、渡辺の三ゴロで一走山田が二封されて二死一三塁、ここで黒鷲ベンチは同点を狙ってダブルスチールを敢行するが「2-4-2」と送球されて三走石原は本塁憤死、セカンド北原の冷静なプレーが光った。

 南海は9回、先頭の北原がレフト線に二塁打、岩本は左飛に倒れて一死二塁、国久松一の三ゴロをサード玉腰が一塁に悪送球する間に二走北原が一気にホームに還り2-0、国久が二盗を決めて岡村の二ゴロで三進、中野正雄が左前にタイムリーを放って3-0とする。神田には貴重な援護点となった。

 神田は9回、先頭の木下を三振、杉江を投ゴロに打ち取るが、木村に左中間三塁打を許して二死三塁、しかし最後は石原を三振に打ち取り南海が逃げ切る。

 石田光彦は6イニングを2安打5四球2三振無失点で6勝目、神田武夫は3イニングを2安打1四球3三振無失点に抑えて4セーブ目をマークする。


 南海は胸の病に苦しむ神田をリリーフに使った。神田の病は知られていなかったと言われており、当時の新聞・雑誌には神田の不振について「投げ過ぎによる疲労」と書かれている。神田が投げると不思議と北原が活躍する。7回には重盗を防ぐ送球で黒鷲の同点機を阻み、9回には二塁打を放って貴重な追加点のきっかけとした。共に胸の病を抱える身とあって、相通じるものがあったようだ。


 

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