2015年6月27日土曜日

クリス・セールと守山恒太郎



 現在、7試合連続二桁奪三振を継続中のクリス・セール。1914年以降で7試合連続二桁奪三振を記録した投手はノーラン・ライアン、ペドロ・マルチネス、ランディ・ジョンソンだけで、クリス・セールは次回の登板で新記録に挑むこととなります。


 「Wikipedia」によると、クリス・セールは子供の頃、「自宅のコンクリートの壁に穴が開くほど壁当てをしていた」とのことです。日本では、「球聖」守山恒太郎の逸話が有名です。一高の名投手として鳴らした守山恒太郎は元来コントロールが悪く、一高グラウンド一塁側後方にあった物理教室の煉瓦塀に球を投げ続けてコントロールを磨きますが、遂に煉瓦の一枚を壊したと伝えられており、「守山先輩苦心の跡」として保存されていました。


 野球の練習法として、「壁当て」は基本中の基本として重要視されています。「巨人の星」でも星飛雄馬が穴の開いた壁にボールを投げ込み電信柱に当ててまっすぐ返ってくるところ、それを目撃した川上哲治巨人軍監督が穴から出てくるボールをその穴に打ち返すもまっすぐ返らず、それを見た星一徹が「飛雄馬、しくじったな」と怒ると星飛雄馬は「俺は間違っていない」と主張し、星一徹が「あの球を壁の穴に打ち返せるのは川上しかおらん」と見抜くシーンが描かれています。キューバチームの選手も試合前、壁当てを盛んにやっています。日本では子供が壁当てをしているシーンも見られなくなりました。そんな場所もなくなる一方ですし。世界のレベルからますます離されていく日本野球を象徴していますね。








 「守山先輩苦心の跡」君島一郎著「日本野球創世記」より。










 *「日本野球創世記」を著した功績が認められて2009年に野球殿堂入りした君島一郎。宇都宮の写真館に保存されていた一高時代の写真です。夏休みを利用して母校の宇都宮中学をコーチした時のものであると推測されます。「日本野球創世記」に掲載されている同氏の写真と見比べてみれば、本人であることが分かります。










 

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