2017年7月2日日曜日

18年 巨人vs阪急 10回戦


9月22日 (水) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 4 1 0 0 0 0 1 0 7 巨人 42勝20敗2分 0.677 藤本英雄 中村政美
0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 阪急 22勝40敗2分 0.355 笠松実 中田武夫 丸尾千年次

勝利投手 藤本英雄 28勝7敗
敗戦投手 笠松実       6勝9敗
セーブ     中村政美 1

二塁打 (巨)青田、白石 (急)下社

勝利打点 中島治康 5


巨人速攻

 巨人は初回、一死後白石敏男が四球で出塁、小暮力三も四球を選んで無死一二塁、青田昇が中前打を放ち無死満塁、中島治康の左犠飛で1点を先制する。

 巨人は2回、一死後小池繁雄が三塁に内野安打、坂本茂はストレートの四球で一死一二塁、阪急ベンチはここで先発の笠松実から中田武夫にスイッチ、トップに返り呉昌征の内野安打で一死満塁、白石が押出し四球を選んで2-0、小暮力三の一ゴロの間に三走坂本が還って3-0、二死二三塁から青田がレフト線に二塁打を放って5-0とする。

 巨人は3回、先頭の藤本英雄がストレートの四球で出塁、川畑博の中前打で藤本は三塁に進んで無死一三塁、小池は三振に倒れ、川畑が二盗を決めて一死二三塁、坂本の遊ゴロで三走藤本がホームを突くがショート中村栄からのバックホームにタッチアウト、打者走者の坂本は二塁に進んで二死二三塁、トップに返り呉の三塁内野安打で三走川畑が還って6-0とする。二死一三塁となって呉が二盗を試みるが、キャッチャー池田久之からの送球にタッチアウト、9月18日の9回戦で呉の連続盗塁成功記録を29でストップさせた池田が又も刺した。

 阪急は4回から三番手として丸尾千年次がマウンドに上がる。

 巨人は4回から先発の藤本がライトに回り、中村政美がマウンドに上がる。

 巨人は8回、一死後坂本が一塁に内野安打、しかし坂本は二盗に失敗、呉が四球を選んで二死一塁、白石の左中間二塁打で一走呉が還り7-0とダメ押す。

 阪急は9回、先頭の下社邦男がレフト線に二塁打、三木久一の三塁内野安打で無死一三塁、笠石徳五郎の二ゴロ併殺の間に三走下社が還って1点を返す。

 巨人先発の藤本英雄は3イニングを投げて2安打1四球無三振無失点で降板。二番手の中村政美が6イニングを投げて2安打5四球1死球1失点。現行ルールでは中村政美に勝利投手が記録されるが、この試合では藤本英雄に勝利投手が記録されて28勝目をマークした。中村政美には当ブログルールによりセーブが記録される。




*「雑記」欄に、先発の藤本が3回で降板したが勝利投手が記録された理由が何らかの規定によるものと書かれているようですが判読不能。




 

3 件のコメント:

  1. この当時は、大差がついて勝負が決まったと思われれば、それまで投げていた投手に勝利がついていたんですねえ。
    「藤本の勝利は例外規定(勝利確定の場合の交代)による。」でしょうか・・括弧内の最後の2文字が難読です。

    返信削除
    返信
    1. 解読ありがとうございます。「代」の字は「代打」や「代走」でもよく見られる字なので間違いないと思います。
      昭和12年3月27日の西村幸生のデビュー戦も先発して3イニングで交代して勝利投手になっています。この試合もタイガースが2回で8点取って「勝利確定による交代」でした。
      昭和14年のスタルヒンの42勝も、現行ルールでは38勝になります。戦後の見直し作業で40勝にされたとされていますが、実際は38勝です。昭和15、16年以降はこのようなケースはあまり見られなくなってきました。特例がルールブックに規定されていたかは定かではありません。

      削除
    2. こんにちは。勝利投手確定による交代ですが、スポニチ東京版1953(昭和28)年1月8日付に”記録が語る球界よもやま話 下”という記事で、「公式記録員が勝利投手の決め方の中の特例である五回まで投げなくとも勝敗を決したとみられる大量得点でリードしていながら新人投手等にリリーフさせた場合は勝利投手を前の投手にやってもよいとある」と記述があり、実際1954(昭和29)年までは、特例で勝ち星をつけた投手が何人かいます。
      またこの記事では1951(昭和26)年9月20日(記事のまま、私調べでは30日)巨人・大洋戦で巨人が4回まで11対1とリードし、先発中尾が4回で降板、その後5回を松田が投げて勝利投手となったが、この場合特例で中尾に勝ちをつけてもいいパターンなのに、公式記録員も彼に連勝の記録を作らせてやろうと勝利投手にしたと書かれていました。
      まだまだこの時代もルール内でアバウトに勝ち投手を決めていたようです。

      削除