2015年2月28日土曜日

17年 阪神vs名古屋 7回戦


6月17日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
1 0 0 0 2 0 0 1 0 4 阪神    21勝17敗1分 0.553 木下勇
0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 名古屋 11勝27敗1分 0.289 森井茂 西沢道夫

勝利投手 木下勇 6勝4敗
敗戦投手 森井茂 1勝7敗

三塁打 (神)上田 (名)飯塚

勝利打点 なし


木下勇、無四球完投

 阪神は初回、金田正泰、野口昇が連続四球で無死一二塁、続く松本貞一の二ゴロは「×4」と「4-3」でダブルプレーが記録されている。これは一走野口が故意に併殺を妨害したとして野球規則 7.09f 「併殺を妨害するために走者が打球を故意に妨げる」守備妨害が適用されて、走者と共に打者走者にもアウトが宣告されたものと考えられます。通常、一二塁間で走者に打球が当たるとセカンドに刺殺が記録されて打者は内野安打となりますが、本件は「ダブルプレー」が記録されていますので、野球規則 7.09f が適用されたようです。守備妨害の場合、原則としてボールでッドとなり走者は進塁できませんが、このケースでは二走金田は三塁に進んでいます。自然の流れでダブルプレーが完成していても二走金田は三塁に進むことになりますので、当然の措置でしょう。ということで二死三塁、土井垣武の三ゴロをサード芳賀直一が一塁に悪送球する間に三走金田が還って1点を先制、打者走者の土井垣も二塁に進み、藤井勇の右前打で二死一三塁、藤井が二盗を決めて二死二三塁、しかしカイザー田中義雄は遊ゴロに倒れてこの回1点止まり。しかしこれが決勝点となった。

 阪神は5回、先頭の塚本博睦がセンター右にヒット、トップに返り金田のバントが内野安打となって無死一二塁、ピッチャー森井茂からの二塁牽制が悪送球となって二者進塁、野口は浅い左飛に倒れて一死三塁、松本が左前にタイムリーを放って2-0、一死一三塁から土井垣の遊ゴロ併殺崩れの間に三走金田が還って3-0、藤井が二塁に内野安打、更にダブルスチールを決めて二死二三塁とするが、田中は三振に倒れて追加点はならず。

 阪神は8回、二死後上田正が左中間に三塁打、木下勇が中前にタイムリーを放って4-0と突き放す。

 7回まで阪神先発の木下に1安打無得点に抑えられてきた名古屋は8回裏、先頭の古川清蔵が左前打で出塁、飯塚誠が右中間に三塁井打を放って1-4、田中金太郎は三振に倒れるが、森井に代わる代打西沢道夫が左前にタイムリーを放って2-4と追い上げる。

 しかし木下は9回の名古屋の反撃を三者凡退に抑え、4安打無四球4三振の完投で6勝目をあげる。森井茂との技巧派対決は、木下勇が無四球ピッチングで制した。

 阪神の決勝点は、守備妨害によるダブルプレーの間に三塁に進塁した金田正泰が芳賀直一のエラーでホームインしたものであった。このパターンによる決勝点は、筆者の記憶の範囲ではプロ野球史上初のケースである可能性が高い。もしかしたら史上唯一の記録かもしれません。守備妨害は原則としてボールでッドとなり走者の進塁は認められませんので、無死一二塁からの併殺を妨害する守備妨害以外で走者が進塁するケースは考えにくいからです。「守備妨害」のスコアカードの書き方は山内以九士が用いている「×4」の他に、「IP」と記す「イリーガル・プレー」や「IF」と記すインターフェアランス(一般的には「インターフェア」略されます)があります。





*阪神1回の攻撃、無死一二塁から松本貞一の二ゴロで一走野口昇は「×4」守備妨害によりアウト、打者走者の松本もアウトで「併殺」が記録されています。これは野口昇がセカンド石丸藤吉の併殺プレーを故意に妨害したと判定され、野球規則 7.09f 「併殺を妨害するために走者が打球を故意に妨げる」が適用されたものと考えられます。この際、二走金田正泰は三塁に進塁しており、土井垣武の三ゴロをサード芳賀直一が一塁に悪送球する間に金田が生還して、これが決勝点となりました。









 

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