2014年10月14日火曜日

17年 大洋vs阪神 1回戦


4月21日 (火) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 0 0 0 3 1 0  0  中 4 大洋 6勝6敗1分 0.500 野口二郎
1 0 0 0 0 0 2 0 1  0  止 4 阪神 6勝5敗1分 0.545 若林忠志

二塁打 (神)御園生
三塁打 (神)土井垣2、御園生

勝利打点 なし

猛打賞 (大)中村信一 1 (神)御園生崇男 1


空襲警報により試合打切り引分け

 大洋は野口二郎、阪神は若林忠志の両エースが先発。午後3時ちょうど、二出川延明主審の右手が上がりプレイボール。

 大洋は初回、先頭の中村信一が右前打で出塁、二番に復帰した苅田久徳の三ゴロでランナーが入れ替わり、濃人渉の左前打で一死一二塁、野口二郎の遊ゴロで濃人が二封されて一死一三塁、しかし村松長太郎は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神は1回裏、先頭の塚本博睦が四球で出塁、松尾五郎の中前打で無死一二塁、カイザー田中義雄の三塁線バントが内野安打となり、サード中村からの一塁送球の隙を突いて二走塚本が一気にホームイン、1点を先制する。バントエンドランが掛かっていた可能性が高い。なおも無死一二塁が続くが土井垣武は中飛、御園生崇男の二ゴロが「4-6-3」と渡ってダブルプレー。

 阪神は2回、先頭の若林忠志が四球で出塁、玉置玉一は三振に倒れて一死一塁、野口昇の二ゴロは「×4-3」のダブルプレーと記録されている。「×4」は打球が走者若林に触れて守備妨害で刺殺がセカンド苅田に記録されたことを表すが、更にダブルプレーが記録されているということは若林の体に触れた打球をセカンド苅田がミラクル捕球して一塁に転送した可能性がある。或は打球が若林に触れていなければゲッツーであったという認定ダブルプレーか。

 その後は両エースの投げ合いが続き6回まで両チーム無得点が続く。

 大洋は7回、先頭の野口明が四球を選んで出塁、浅岡三郎の三ゴロをサード玉置が二塁に送球するがセカンド乾国雄がエラー、佐藤武夫が送りバントを決めて一死二三塁、ここで大洋石本秀一監督は三走野口明に代走西岡義晴を起用、織辺由三がセンター右に2点タイムリーを放って2-1、打者走者の織辺はバックホームの隙を突いて二塁に進み、トップに返り中村の中前タイムリーで織辺が還って3-1とする。織辺の打席で三塁ランナーを野口明から西岡義晴に代えた石本秀一監督の采配は敵にスクイズを警戒させる効果があった。そこを畳みかけたものであるが、この作戦は織辺由三のバッティングが進境著しいからこそ生きたものである。

 阪神は7回裏すかさず反撃、先頭の土井垣武が右中間に三塁打、御園生崇男も右中間に二塁打を放って2-3、若林が送りバントを決めて一死三塁、玉置に代わる代打松本貞一の左犠飛で3-3の同点に追い付く。

 阪神は8回の守備から代打に出た松本がファーストに入り、ファーストの土井垣が玉置の後のサードに入る。

 大洋は8回、先頭の村松が左中間に二塁打、阪神若林監督はここでセンターを塚本から金田正泰に交代、西岡は三ゴロに倒れて一死二塁、浅岡が中前にタイムリーを放って4-3と突き放す。佐藤の三ゴロは「5-4-3」と渡ってダブルプレー。

 阪神は9回裏、一死後土井垣が2打席連続となる右中間三塁打、御園生崇男も左中間に三塁打を放ち土壇場で4-4の同点に追い付く。続く若林を敬遠したところで石本秀一監督はレフトの村松とライトの西岡を入れ替える。ここは野口二郎に一息入れると言うよりも、前の打席で左犠飛を放っている松本を打席に迎えたことで守備のいい西岡をレフトに回したと見るのが妥当でしょう。野口二郎は松本と勝負してワンストライクを取るが一走若林が二盗を決めて二三塁となると満塁策を選択して松本を歩かせ一死満塁、野口昇に代わる代打大島武の遊ゴロをショート濃人がホームに送球して三走御園生を本封し二死満塁、野口二郎は渾身の投球で三輪裕章に代わる代打仁科栄三を三振に打ち取り延長戦に突入する。


 大洋は10回表、先頭の野口二郎が中前打、村松が四球を選んで無死一二塁、しかし西岡の投ゴロが「1-6-3」と渡ってダブルプレー、浅岡が四球から二盗を決めて二死二三塁とするが佐藤は三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 阪神は10回裏、一死後松尾が左前打で出塁するが田中は右飛、2打席連続三塁打の土井垣も三ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 大洋は11回表、先頭の織辺は三振、トップに返り中村の遊ゴロをショート仁科がエラー、一死一塁となったところでけたたましくサイレンが鳴った。又しても空襲警報が発令されたのである。試合は直ちに打ち切られ、公式記録は延長10回で引分けとなった。したがって、織辺由三の三振も仁科栄三の失策も公式記録からは除外されている。試合終了は4時45分であった。

 4月18日に来襲したドーリットル爆撃隊が再びやってきたのではなく、味方の編隊を誤認して空襲警報が発令されたものであった。










 

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