2013年1月3日木曜日

15年 ジャイアンツvsイーグルス 8回戦 満州リーグ


8月1日 (木) 大連 満倶球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 2 0 0 1 1 0 1  5 ジャイアンツ 39勝19敗 0.672 澤村栄治
0 0 0 0 0 0 0 0 3  3 イーグルス   28勝27敗3分 0.509 玉腰忠義

勝利投手 澤村栄治 4勝0敗
敗戦投手 玉腰忠義 1勝1敗

三塁打 (ジ)千葉

勝利打点 千葉茂 9


澤村栄治、四度目のノーヒットノーランを逃す

 この日は大連 満倶球場、奉天 満鉄球場、新京 児玉公園球場で合計6試合が行われる予定であったが奉天の阪急vs南海戦と阪急vsライオン戦は雨のため中止となった。

 ジャイアンツは体調不良のため7月30日の入場式には参加せず大連に残っていた澤村栄治が先発、イーグルスは先発予定の中河美芳が下痢のため欠場して玉腰忠義が先発する。

 ジャイアンツは3回、一死後この日二番に起用された呉波が四球を選んで出塁、千葉茂が右中間に三塁打を放って1点を先制、川上哲治の右犠飛で2-0とする。

 ジャイアンツは6回、先頭の川上が右前打で出塁、中島治康が左前打で続き、水原茂が四球を選んで無死満塁、平山菊二の投ゴロは「1-2-3」と渡ってダブルプレー、二死二三塁から三走中島が単独ホームスチールを決めて3-0とする。

 ジャイアンツは7回、白石の中前打と呉の右前打で無死一三塁、千葉がセンター左にタイムリーを放って4-0とする。川上のピッチャーライナーに一走千葉は飛び出してダブルプレー。

 ジャイアンツは9回、7回に続いて白石と呉の連打で無死一二塁、千葉の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレーとなるが二走白石が三塁ベースを蹴ってホームに突っ込み、タイミングはアウトであったがファースト長谷川重一からのバックホームをキャッチャー清家忠太郎が落球して白石はホームイン、5-0とする。

 澤村栄治は立ち上がり、先頭の岡田福吉を三振に打ち取って調子の波に乗り、二死後太田健一に四球を与えるが菅利雄は三振。2回も二死後木下政文を三振。3回二死後岡田福吉に四球を与えるが岩垣二郎を右飛に打ち取る。4回は先頭の太田に2打席連続の四球を与えるが菅を2打席連続三振、玉腰忠義を捕邪飛に打ち取り太田の二盗を吉原正喜が刺してスリーアウトチェンジ。

 5回は三者凡退。6回一死後岡田に四球を与えるが岩垣を左飛、太田を三ゴロに抑える。7回も三者凡退。8回、二死後山田潔に四球を与えるが岡田を投ゴロに打ち取りここまで無安打無得点、自身4度目の快挙まであと1イニングとなった。ジャイアンツは9回、ファーストを川上から永澤富士雄に代えて守備固めに入った。

 イーグルスは9回、先頭の岩垣が四球で出塁、太田もこの日3つ目の四球を選んで無死一二塁、長谷川重一の一ゴロを永澤が二塁に送球して太田はフォースアウト、一死一三塁から玉腰忠義が左前にチーム初安打となるタイムリーを放って1-5、谷義夫は二飛に倒れ、木下政文が四球を選んで二死満塁、清家に代わる代打亀田忠が押出し死球を受けて2-5、山田の打席でキャッチャー吉原が二塁に牽制球を送るがこれが悪送球となる間に三走玉腰忠義が還って3-5、二走木下も三塁に向かうがバッアップのセンター呉が三塁に送球してタッチアウト、ゲームセットを告げるサイレンが大連の空に高々と鳴り響く。


 澤村は惜しくも自身4度目のノーヒットノーランを逃した。翌日の読売新聞に掲載されている広瀬謙三の論評によると「八分通りの恢復をしたと見てよかろう」とのことである。澤村の無安打無得点を阻んだのはこのところ動きの目立つ玉腰忠義であった。筆者も大学時代(東京六大学準硬式です、念のため)、法政のエースSに1安打ピッチングをやられた試合で唯一のヒットを放ったことがあります。










          *澤村栄治は1安打8四球1死球5三振の完投で4勝目をあげる。










     *11安打を放ったジャイアンツ打線。













     *澤村の前に1安打に抑えられたイーグルス打線。












 

0 件のコメント:

コメントを投稿