2013年1月19日土曜日

15年 阪急vsジャイアンツ 9回戦 満州リーグ


8月8日 (木) 新京 児玉公園球場

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  11  計
1 0 1 0 0 0 0 0 0  0    0   2  阪急             33勝23敗4分 0.589 森弘太郎
0 2 0 0 0 0 0 0 0  0   1X  3  ジャイアンツ 43勝20敗 0.683 中尾輝三 スタルヒン

勝利投手 スタルヒン 21勝11敗
敗戦投手 森弘太郎  20勝7敗

二塁打 (ジ)呉、平山、中尾、中島、スタルヒン
三塁打 (阪)山下好一
本塁打 (阪)井野川 2号

勝利打点 白石敏男 4


白石敏男サヨナラ打

 阪急は初回、先頭の上田藤夫が四球で出塁、フランク山田伝が送って一死二塁、黒田健吾が右前に先制タイムリーを放って1-0とする。黒田が二盗を決めて井野川利春四球で一死一二塁、しかし山下好一は二ゴロ、新富卯三郎は三ゴロに倒れて追加点はならず。

 ジャイアンツは2回、一死後平山菊二が右翼線に二塁打、林清一は三ゴロに倒れるが吉原正喜が四球を選んで一死一二塁、中尾輝三が左中間に逆転二塁打を放って2-1とする。

 阪急は3回、二死後井野川利春が満州の空に初めてのアーチを架ける左翼本塁打を放って2-2とする。続く山下好一も右翼線に三塁打を放つが新富は中飛に倒れて追加点はならず。阪急としては序盤の二度の追加得点のチャンスを潰したことが敗因となった。

 ジャイアンツは中尾不調と見て4回からスタルヒンを投入する。スタルヒンは4回以降11回までの8イニングを2安打無四球7三振無失点と阪急打線を寄せ付けなかった。

 ジャイアンツは3回の二死満塁のチャンスを逃すと、5回は川上哲治の内野安打、中島治康の左越え二塁打などで無死満塁とするが平山のピッチャーライナーに三走川上が飛び出してゲッツーとなり又もチャンスを潰す。7回も二死後白石敏男、平山が連続四球を選ぶが林は二ゴロに倒れて無得点。

 ジャイアンツは11回裏、先頭のスタルヒンが中越えに二塁打、この回が最終回となるので代走に鈴木田登満留を起用、トップに返り呉波が二塁前に送りバントを決めて一死三塁、記録は「4-3」で四角で囲んであり犠打が記録されているのでセカンド伊東甚吉がバントシフトで突っ込んできて処理したのか、呉が二塁前にドラッグバントを試みて一塁アウトでランナーを三塁に進めて犠打が記録されたものでしょう。阪急バッテリーはスクイズを警戒して水原茂を歩かせ、川上哲治も敬遠して満塁策をとり一死満塁、中島は三邪飛に倒れて満塁策成功かと見られたが白石がワンストライクツーボール後の4球目をライトにサヨナラ打、ジャイアンツが接戦を制す。


 井野川利春が満州リーグ初ホームランを放った。井野川は各打者が打率を落とす中、7月の月間打率3割5分1厘を記録して月間MVPに選ばれており、6日の名古屋戦でも決勝タイムリーを放つなど好調をキープしている。

 ジャイアンツは5本の二塁打を記録したが2回には中尾輝三が2点タイムリー二塁打、11回にはスタルヒンが決勝点のきっかけとなる二塁打を放った。

 試合終了は午後7時50分、翌日の満州日日新聞は「11回薄暮迫って」と伝えている。この7時50分は現在の中国時間ではなく日本時間であると考えられます。現在の中国時間では午後6時50分となります。因みに現在の長春(当時は新京)の8月8日の日の入りは午後6時53分です。




*4回から登板して好リリーフを見せたスタルヒンが21勝目をあげる。











     *白石敏男がサヨナラ打を放ったジャイアンツ打線。











 

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