2012年10月13日土曜日

不滅の熱球



 「不滅の熱球」は1955年に公開された日本映画で、「澤村栄治物語」です。澤村を池辺良、優子夫人を司葉子が演じ、藤本定義監督は笠智衆です。ビデオ化もDVD化もされていませんのであまり見る機会はないと思いますが、一度だけ深夜放送で見たことがあります。


 夜中に目が覚めることはほとんどないのですが、何故かその夜は目が覚めて偶然テレビのスイッチを入れてみたところ野球映画をやっていました。「不滅の熱球」の存在は知っていましたが見るのは初めてです。スイッチを入れた時は職業野球時代のところからだったので全日本時代がどのように描かれていたのかは分かりません。笠智衆の藤本監督と内堀保捕手を演じる千秋実が会話しているシーンからでした。脇役で藤原鎌足も出ています。黒澤映画の最高傑作(と当ブログが考えている)「隠し砦の三悪人」の千秋実-藤原鎌足コンビが出演しているわけです。


 この映画では、澤村が戦場から戻って6月4日の南海戦で復帰するまでの間、走り込みを続けて身体を絞っていくシーンが描かれています。これまで澤村について語られるのはほとんどが昭和12年の全盛期までであって、昭和15年以降の澤村については実像が知られていません。これからしばらくの間、当ブログでは今まで伝えられてこなかった澤村のピッチングをお伝えしていくこととなります。


 あの夜、何故目が覚めてテレビのスイッチを入れたのか、澤村の魂が導いてくれたと考えることにしておきます。当ブログが神田の古書店の店頭に並んでいた職業野球公式スコアブック20冊を購入したのも「澤村のピッチングでも調べてみようか」程度の気持からでした。当初は澤村のピッチングだけを追っていたのですが、やっているうちに一リーグ時代の公式戦約5,000試合を全て解読してみようかという気になり、無謀にも当ブログを開始したわけです。



 澤村栄治の投球が「不滅の熱球」であったことは歴史が証明しています。澤村の実像にどこまで迫れるか、これまで語られることのなかった昭和15年以降の澤村の投球に乞うご期待。







 

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