2012年10月4日木曜日

三冠への道 2012 ⑱



 4回二死の場面でサードのミゲール・カブレラはラモン・サンティアゴと交代し、三塁ダッグアウトに戻る際にスタンディング・オベーションで迎えられました。一旦ベンチに戻って再度グラウンドに出て声援に応えるカブレラ。こういう時は敵味方関係なく栄誉を称えるのがアメリカ式ではありますが、当ブログからはカンザスシティの観客に拍手を送りたい。守備の途中で交代させたのはスタンディング・オベーションで迎える機会を与えるためだったのでしょう。ジム・リーランド監督の采配にも拍手です。


 1967年のカール・ヤストレムスキー以降、ホームラン・打点の二冠王はちょっと長くなりますが68年ナのウィリー・マッコビー、69年アのハーモン・キルブリュー、69年ナのウィリー・マッコビー、70年アのフランク・ハワード、70年ナのジョニー・ベンチ、72年アのディック・アレン、72年ナのジョニー・ベンチ、、73年アのレジー・ジャクソン、73年ナのウィリー・スタージェル、75年アのジョージ・スコット、77年ナのジョージ・フォスター、78年アのジム・ライス、78年ナのジョージ・フォスター、80年ナのマイク・シュミット、81年アのエディ・マレー、81年ナのマイク・シュミット、83年アのジム・ライス、84年アのトニー・アーマス、84年ナのマイク・シュミット、86年ナのマイク・シュミット、87年ナのアンドレ・ドーソン、88年アのホセ・カンセコ、89年ナのケビン・ミッチェル、90年アのセシル・フィルダー、91年アのセシル・フィルダー、91年ナのハワード・ジョンソン、93年ナのバリー・ボンズ、95年アのアルバート・ベル、95年ナのダンテ・ビシェット、96年ナのアンドレス・ガララーガ、98年アのケン・グリフィーjr、99年ナのマーク・マクガイア、02年アのアレックス・ロドリゲス、05年ナのアンドリュー・ジョーンズ、06年アのデビッド・オルティス、06年ナのライアン・ハワード、07年アのアレックス・ロドリゲス、08年ナのライアン・ハワード、09年アのマーク・テシェイラ、10年ナのアルバート・プホルス、11年ナのマット・ケンプが出ていました。


 打点・首位打者の二冠は71年ナのジョー・トーレ、82年ナのアル・オリバー、00年ナのトッド・ヘルトン、07年ナのマット・ホリデーが出ていました。本塁打・首位打者の二冠はいません。


 ハーモン・キルブリューやマイク・シュミットというホームラン打者、ロッド・カルー、トニー・グウィン、ウェイド・ボッグスというアベレージヒッターのスペシャリストが君臨する時代には三冠王は出にくい。2012年のアメリカン・リーグはジョー・マウアー、イチローというアベレージヒッターのスペシャリストに衰えが見られ、プリンス・フィルダー、アルバート・プホルスがナショナル・リーグからの移籍1年目で本来の力が発揮できず、そして何と言っても当代随一のホームランアーチストであるホセ・バウティスタが怪我のため脱落した年にミゲール・カブレラがキャリアハイの記録を残したことが45年振りの三冠王誕生に結び付いた訳です。



 90年代に「三冠に最も近い」と言われたアルバート・ベルも、00年代に「三冠に最も近い」と言われたアルバート・プホルスも三冠王に手が届かないまま45年が経過してきましたが、懐が深く、柔らかく線で捉える霊長類最高のバッティング技術を誇るミゲール・カブレラが歴史を塗り替えました。我々は、歴史の目撃者になったのです。







 

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