2011年5月7日土曜日

13年秋 金鯱vsジャイアンツ 3回戦

10月22日 (土) 西宮


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 金鯱       5勝22敗     0.185 常川助三郎 古谷倉之助
0 1 0 4 0 0 1 0 X 6 ジャイアンツ 19勝4敗1分 0.826 水原茂


勝利投手 水原茂        6勝1敗
敗戦投手 常川助三郎 4勝7敗


二塁打 (金)長島 (ジ)平山、水原
本塁打 (ジ)中島 7号


中島治康、5試合連続ホームラン


 ジャイアンツは初回、先頭の三原脩が四球で出塁、白石敏男三振後川上哲治が中前打、中島治康四球で一死満塁、しかし伊藤健太郎の三ゴロで三原は本封、六番に上がった千葉茂が三振に倒れて無得点。因みに千葉が六番に上がった理由は先日のスリーランもあるかもしれませんが、本日は水原茂が先発なので水原の七番を優先させると必然的に千葉が六番に入ったものが打順が上がったように見える理由でしょう。

 金鯱は2回、一死後長島進が左前打で出塁、二盗を試みるが吉原からの送球にタッチアウト、続く五味芳夫が四球で出塁すると再び盗塁、ここも吉原が刺してスリーアウトチェンジ。

 ジャイアンツは2回、この回先頭の水原が中前打で出塁、平山菊二が三塁に内野安打で無死一二塁、吉原正喜が三前にバントヒットを決めて無死満塁、三原の中犠飛で1点を先制、しかし白石は浅い右飛、川上も左飛に倒れて1点止まり。

 金鯱は4回、一死後瀬井清が四球で出塁すると二盗に成功、金鯱は初回にも先頭の佐々木常助が四球で出塁して二盗を決めているのでここまで出塁した走者が全員盗塁を試みている。岡田源三郎監督もだんだんヤケクソになってきたようだ。小林茂太は二飛に倒れて二死二塁、武笠茂男四球で二死一二塁、ここで長島が左翼線に二塁打を放って1-1の同点に追い付く。

 ジャイアンツは4回裏、この回先頭の平山が左中間に二塁打、吉原の三ゴロをサード岡野八郎がエラーして無死一二塁、トップに返り三原が一塁線に送りバントを決めて一死二三塁、白石の右犠飛で2-1、川上が右前にタイムリーを放って3-1、更に中島がレフトスタンドに5試合連続となる第7号ツーランホームランを叩き込んで5-1とする。

 ジャイアンツは7回、千葉四球、水原左中間二塁打で無死二三塁として金鯱先発の常川助三郎をKO、代わった古谷倉之助から平山が右犠飛を打ち上げて6-1とする。

 金鯱の全員盗塁作戦はその後どうなったのか。残念ながら5回以降水原にパーフェクトに抑えられて検証することはできませんでした。

 水原茂は前回登板18日のセネタース3回戦での8回1安打に続いて本日は2安打4四球5三振の完投で6勝目をあげる。中島治康はこの日も4打数2安打、今季通算102打数36安打、打率3割5分3厘、トップの佐藤武夫3割5分9厘に6厘差と肉薄してきた。本日の第7号で12年春のサム高橋吉雄、13年春のバッキー・ハリスが持つシーズン最多本塁打記録6本を上回り新記録を樹立した。

 金鯱は12年秋の島秀之助(ライオン・鬼頭数雄と同数)22個以降、13年春江口行男14個、今季佐々木常助20個、来季五味芳夫(阪急・山田伝と同数)30個と四期連続盗塁王を輩出していくこととなる。「脚の金鯱」の伝統は鬼才・岡田源三郎監督が作り上げてきたものである。不振にあえぐチームに喝を入れるため、全員盗塁の指令を出したのであろう。



 水島新司の傑作野球漫画「野球狂の詩」単発時代の作品に、アフリカからスカウトしてきた「サバ」が100%の盗塁成功率で活躍する話があり、チームが低迷する時ミーティングで国立玉一郎が「俺たちも走ろう」と提案して巨漢鈍足の金太郎までが走るようになります。当初新聞は「暴走メッツ」と書きたてますが、チームに勢いがつくにつれ「暴走メッツは快走メッツに変わった!」となっていきます。

 この試合の注目点は4回裏のジャイアンツの攻撃にあります。無死一二塁で三原脩が送りバントを決めていますが、バントの嫌いな藤本定義監督がバントのサインを出すこと自体、金鯱の変化を敏感に感じ取ったからではないでしょうか。相手に意識させれば、この作戦の効果は倍増します。





*中島治康の第三打席、レフトスタンドに5試合連続第7号ホームランを放った場面





*金鯱2回の攻撃で長島進、五味芳夫が二盗を試み相次いで吉原正喜に刺された場面。鈍足長島進が走るところなど、東京メッツの金太郎が走るシーンとダブる。

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