2019年11月13日水曜日

21年 巨人vsパシフィック 1回戦


5月27日 (月) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 1 2 3 0 0 0 6 巨人 10勝7敗 0.588 諏訪裕良 近藤貞雄 
1 0 0 3 0 0 0 0 0 4 パ軍 8勝11敗1分 0.421 湯浅芳彰 井筒研一 

勝利投手 近藤貞雄 4勝2敗
敗戦投手 井筒研一 3勝5敗 

二塁打 (巨)黒沢、多田 (パ)森下

勝利打点 (巨)多田文久三 4

猛打賞 (巨)呉新亨 3、山川喜作 2 (パ)森下重好(4安打) 4


多田が値千金の決勝二塁打

 第5節の最終日は後楽園と西宮で2試合ずつ。西宮の第1試合は諏訪と湯浅の先発で午後1時丁度、金政主審の右手が上がりプレイボール。この試合の審判員は金政と杉村の二氏。関西で同日に西宮と藤井寺で試合がある時は二氏審判となるが、西宮で2試合の日に二氏審判は今季初めてである。人繰りがつかなかったのか。

 第5節に入ってこのカードはようやく初対戦。


 巨人は初回、先頭の呉新亨が右前打で出塁、しかし続く山川の一二塁間のゴロが一走呉に当たって守備妨害、千葉と黒沢が倒れて無得点。


 パ軍は1回裏、今季初めてスタメン一番に起用された木暮が3球ファウルで粘って四球で出塁、辻井と小島は共に中飛に倒れるが、藤井の右前打で二死一三塁、森下がレフト線に二塁打を放ち1点を先制する。


 巨人は3回表、先頭の山田潔の当たりはニゴロ、これをセカンド小島がファンブル、無死一塁となったが記録はエラーでこの時点で山田は「ブ男」に逆戻り、トップに返り呉の中前打で山田は三塁に進んで無死一三塁、山川は三振に倒れて一死一三塁、千葉の遊ゴロで三走山田がスタート、ショート松井は山田を追い詰め三本間で挟殺プレー、松井がキャッチャー伊勢川に送球して伊勢川は山田を三塁ベースに追い詰める。するとここに一走呉が駆け込んできて三塁ベースに「雪隠詰め」、三塁ベース上の二人に対して伊勢川はセオリーどおり山田、呉の順にタッチ、山田は占有権が自分にあることを理解しており三塁ベースから離れなかったため呉が「6-2C」でタッチアウト、打者走者の千葉は二塁に進んでおり二死二三塁となる。山田がルールに疎くて先にタッチされた自分がアウトと勘違いしてベースを離れたら、伊勢川が透かさず山田に再度タッチすればダブルプレーとなるところだが、山田はルールを理解していた。この「解読」にはある程度の「想像」も加味していますが、ベテラン伊勢川と山田であればこうであったであろうことは容易に「想像」できる。スコアカードの解読とは、単に記号の意味を覚えるだけではなく、そのプレーの当事者の特性を考慮しながらどのようなプレーが行われたかを想定する「想像力」が必要となる。「慶応式スコアカード」では、「早稲田式スコアカード」以上に「想像力」が試される。続く黒沢はストレートの四球で二死満塁、多田は三邪飛に倒れて無得点。


 巨人は4回表、二死後諏訪が右前打で出塁、山田はストレートの四球を選び、トップに返り呉も四球を選んで二死満塁、山川の中前タイムリーで1-1の同点、二走山田も三塁ベースを蹴って逆転のホームを狙うが、センター森下からのバックホームにタッチアウトとなって同点止まり。


 パ軍は4回裏、先頭の湯浅が中前打で出塁、松井の遊ゴロの間に湯浅は二進、平野の中前打で一三塁、トップに返り木暮が3打席連続の四球を選んで一死満塁、キャッチャー多田がパスボールを犯して三走湯浅が還り2-1、二死後小島が四球を選んで満塁、藤井がセンター左に2点タイムリーを放ち4-1とリードを広げる。


 巨人は5回表、一死後黒沢がレフト線に二塁打、パ軍藤本定義監督はここでレフトを木暮から富松に交代、多田が中前にタイムリーを放ち2-4、パ軍は更にセンター森下とレフト富松を入れ替え、林は遊直に倒れるが、ショート松井からの二塁送球が大きく逸れる間に一走多田は一気に三塁に進む。松井の二塁送球がどのような意味を持つかは不明、無駄な送球であった可能性が高い。藤本の遊ゴロを又も松井がエラーする間に三走多田が還って3-4と1点差に迫る。開幕から活躍を続けてきた松井だが、このところちょっと様子がおかしい。


 1点差に追い上げたところで、巨人は5回から先発の諏訪に代えて近藤をマウンドに送る。


 巨人は6回表、先頭の山田が四球で出塁、トップに返り呉が左前打、山川が送りバントを決め、千葉が四球を選んで一死満塁、黒沢は一邪飛に倒れて二死満塁、ここで当りを取り戻してきた多田が左中間に走者一掃の二塁打、6-4と大逆転に成功する。


 リリーフの近藤は5イニングを2安打3四球2三振無失点にまとめて、4勝目をマークする。


 巨人は今節4戦4勝、多田文久三が3つの勝利打点を記録する活躍を見せる。昨日の山田潔のサヨナラ打も多田の二塁打からで、多田は4勝全ての決勝打に絡んだ。



*巨人3回の攻撃、「雪隠詰め」のシーン。


*「雑記」欄には「始め山田挟まれ結局呉が三塁でアウトする。」と書かれている。この解説がなくてもスコアカードだけで「雪隠詰め」が読み解ければ、「慶応式スコア」をマスターしたと言えます。

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