2011年12月5日月曜日

14年 金鯱vsジャイアンツ 6回戦


7月12日 (水) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
0 0 0 3 0 0 0 0 0  0   0   3 金鯱             16勝28敗1分 0.364 中山正嘉
2 0 1 0 0 0 0 0 0  0   0   3 ジャイアンツ 31勝13敗1分 0.705 中尾輝三 スタルヒン


二塁打 (ジ)中島
本塁打 (金)小林利 1号

首位攻防戦


 夏季シリーズ9勝3敗で首位に並ぶ金鯱とジャイアンツによる首位攻防戦。

 ジャイアンツは初回、先頭の白石敏男が四球を選んで出塁、パスボールで一気に三塁に進む。水原茂も四球を選んで無死一三塁、千葉茂の投ゴロで三走白石は動けず水原は二進して一死二三塁、中島治康が左中間を破る二塁打を放ち二者を迎え入れて2点を先制する。

 ジャイアンツは3回、先頭の水原が中前打で出塁、千葉が右前にエンドランを決めて無死一三塁、中島は浅い右飛に倒れて一死一三塁、ここで一走千葉がディレードスチール、一二塁間に挟まれる間に水原が判断よくホームを突いて3-0とする。

 ジャイアンツ先発の中尾輝三は立ち上がりからアップアップの状態で金鯱は1回、先頭の五味芳夫が中前打、佐々木常助が送って野村高義の右前打で一死一三塁、しかし小林利蔵は二飛、小林茂太は遊ゴロに倒れる。2回は先頭の中山正嘉が中前打、瀬井清、山本次郎の好調コンビが連続四球を選んで無死満塁、しかし長島は浅い左飛、五味、佐々木は連続三振に倒れる。3回は一死後小林利蔵が右前打、小林茂太が左前打、中山は左飛に倒れて瀬井四球で二死満塁、しかし山本が遊ゴロに倒れて中尾を崩すまでには至らない。

 金鯱は4回、先頭の長島が中前打で出塁、トップに返り五味も左前打で続いて無死一二塁、佐々木の送りバントは投邪飛となって失敗、続く野村の投ゴロは「1-6-3」が狙えた当りであったが中尾は三塁に投げてフォースアウトだけ、二死一二塁で四番小林利蔵を迎える。小林利蔵は中尾のストレートを左翼スタンドに叩き込む同点スリーランホームラン、3-3に追い付く。

 同点に追い付かれたところでジャイアンツは5回からスタルヒンを投入する。スタルヒンは7イニングを投げて3安打1四球1三振無失点のピッチングを見せる。

 中山正嘉は3回まで4安打で3点を許すが徐々に立ち直り、4回以降も8回までは毎回の6安打を許すものの無失点で切り抜け、9回以降は無安打に抑え、結局両軍追加点が奪えず延長11回、3対3の引き分けに終わる。


 ジャイアンツは7月1日に静岡、2日に浜松でセネタースと帯同試合を行っただけで休養十分のはずであるが、何故中尾輝三を先発させたのか。スタルヒン一人では持たないので中尾を育てようという長期的視野に立っているのであろうが、現在最も警戒すべき金鯱戦はスタルヒンでいくべきであった。

 中山正嘉は11回を完投して10安打3四球7三振。兵役から復帰して四番に据わる小林利蔵が貫録の同点スリーランを放った。トップの五味芳夫が6打数3安打、五番の小林茂太も5打数3安打であった。

 7月11日付け読売新聞に12日の三試合の予想記事が掲載されており、金鯱vsジャイアンツ戦が「この日白眉の一戦」と紹介されている。金鯱の勢いは本物のようで、「白眉の一戦」と呼ばれるに相応しい好ゲームであった。






     *中山正嘉は11回を完投して10安打3四球7三振の熱投を見せる。



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