2014年3月16日日曜日

16年 朝日vs巨人 7回戦


8月9日 (土) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 朝日 16勝34敗 0.320 福士勇 山本秀雄
3 0 1 0 0 0 0 0 X 4 巨人 36勝11敗 0.766 中尾輝三

勝利投手 中尾輝三 12勝4敗
敗戦投手 福士勇     11勝18敗

三塁打 (朝)山本 (巨)川上

勝利打点 川上哲治 9


中尾輝三、完投で12勝目

 巨人は初回、一死後水原茂、千葉茂が連続四球、川上哲治が左中間に三塁打を放って2点を先制、中島治康の右前タイムリーで3-0とする。

 巨人は2回、先頭の呉波が二遊間に内野安打、キャッチャーからの返球の隙を突いてディレードスチールを仕掛けるが「2-1-6B」と渡ってタッチアウト、呉には盗塁失敗が記録される。中尾輝三は三ゴロに倒れるが、トップに返り白石敏男が右前打、水原も中前打で続き二死一二塁、しかし千葉は二飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 朝日は3回、二死後五味芳夫が四球を選ぶと二盗に成功、灰山元章が四球を選ぶと重盗に成功して二死二三塁、しかし鬼頭政一は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 朝日はピリッとしない福士勇に代えて3回から山本秀雄をマウンドに送る。

 巨人は3回裏、先頭の川上が右前打で出塁、中島は三直、吉原正喜の三ゴロの間に川上は二進、林清一が左翼線にタイムリーを放って4-0とリードを広げる。

 朝日は5回、先頭の山本が右中間に三塁打、前田諭治は一飛に倒れるが、トップに返り坪内道則が左前にタイムリーを放って1-4とする。

 朝日は6回、先頭の灰山が左前打で出塁、鬼頭が四球を選んで無死一二塁、伊勢川真澄が送って室脇正信が四球を選び一死満塁、しかし岩田次男に代わる代打戸川須賀男の遊直に一走室脇が飛び出し「6-3」と送られてダブルプレー。

 朝日は9回、先頭の伊勢川真澄が右前打で出塁すると代走に横田澄賢を起用、ここから中尾が野村高義、景浦賢一、山本秀雄と三連続三振に打ち取りゲームセット。


 中尾輝三は最終回に圧巻の三者連続三振を見せて4安打6四球7三振の完投で12勝目をあげる。









 

ドラフトへの道 2014 ②



 2013年12月8日付けブログ「ドラフトへの道 2014 ①」において「『shokuyakyu球団』ではドラフト四位候補として横浜高校の浅間大基を考えている」と書かせていただいたところ、昨日付けスポニチ3面にとんでもない記事を発見しました。「巨人が今秋ドラフトの1位候補として横浜高校の浅間大基外野手をリストアップしていることが14日、分かった。」


 この日のスポニチ1面は「赤い疑惑」における山口百恵とのツーショット写真と共に宇津井健の訃報を伝えていますので、宇津井健の逝去がなかったら一面トップの大スクープになっていた可能性があります。


 冷静に考えれば高校生の外野手を一位指名する訳はありませんが、当ブログは高校生の外野手としては荒波翔以来の逸材であると考えています。2013年10月15日付けブログ「shokuyakyu球団 」でお伝えしているとおり、貧乏球団「shokuyakyu球団 」には外野手が荒波と大谷翔平しかいませんので、これでようやく外野手が三人となる予定です。



 四位候補は決まっていますが一位候補がいません。と言うことで、大学球界から島袋洋奨を一位指名することにします。当ブログは島袋の最終目標は「興南高校の監督」と勝手に決めていますのでプロ入りには消極的でしたが、高校監督への道がプロでも緩和されましたので大した障害にはならないでしょう。プロの経験を「興南高校の監督」として生かすべきであると考えますので、敢えて一位指名させていただきます。








 

16年 名古屋vs大洋 7回戦


8月9日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 名古屋 22勝28敗 0.440 河村章 西沢道夫
0 2 0 0 0 0 0 0 X  2 大洋    30勝17敗 0.638 浅岡三郎

勝利投手 浅岡三郎 8勝2敗
敗戦投手 河村章   11勝6敗

二塁打 (大)山川

勝利打点 山川喜作 1

猛打賞 (大)山川喜作 1


浅岡2安打完封、山川3安打2打点

 初回は三者凡退に終わった名古屋は2回、先頭の吉田猪佐喜が四球で出塁、古川清蔵は三振に倒れ吉田も二盗に失敗、ここから三浦敏一が四球を選び芳賀直一が右前打、河村章も四球を選んで二死満塁、しかし石丸進一は遊ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 初回は先頭の中村信一の四球出塁を併殺で潰した大洋は2回裏、二死後浅岡三郎がセンター右にヒットで出塁、佐藤武夫も左翼線にヒットを放って二死一二塁、山川喜作が中越えに二塁打を放って二者を迎え入れ2点を先制する。

 名古屋は3回、二死後服部受弘が左前打を放つが吉田は一邪飛に倒れる。

 大洋は3回裏、先頭の中村が右前打で出塁、名古屋ベンチはここで先発の河村から西沢道夫にスイッチ、続く森田実の右前打で一走中村は三塁に進むが「9-5-6-3」でタッチアウトと記録されている。オーバーランして三本間に挟まれたのではなさそうで、強肩のライト吉田猪佐喜からの送球をサード芳賀が弾いたのを見て中村がホームに向かったがショートの木村進一がバックアップしており中村の本塁突入に気付いてホームベースカバーに入っていたファーストの三浦敏一に送球してタッチアウトというところでしょうか。


 名古屋打線は浅岡に封じ込められ4回以降は一人の走者を出すことなく敗れ去った。

 浅岡三郎は2安打3四球5三振で今季3度目の完封、8勝目をあげる。2回、3回以外は一人の走者も出しておらず最終回は2三振で締めくくり、7度の三者凡退をマークした。


 投のヒーローが浅岡なら打のヒーローは山川喜作であった。八番サードで起用されて3打数3安打2打点、猛打賞と勝利打点を記録した。










               *浅岡三郎は2安打完封で今季8勝目をマークした。









               *山川喜作が猛打賞を記録した大洋打線。






















 

2014年3月15日土曜日

16年 黒鷲vs阪急 7回戦


8月9日 (土) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 黒鷲 15勝32敗 0.319 中河美芳
0 0 1 0 0 1 0 1 X 3 阪急 30勝20敗 0.600 橋本正吾 笠松実 森弘太郎

勝利投手 森弘太郎 18勝5敗
敗戦投手 中河美芳   3勝5敗

三塁打 (急)上田
本塁打 (急)黒田 2号

勝利打点 黒田健吾 1

ファインプレー賞 伊東甚吉 1


黒田健吾決勝本塁打

 真夏ということでリーグ戦は試合間隔を開けて進行していきます。少し間が空いて4日ぶりに池田豊球審の右手が上がりプレイボール。

 黒鷲は初回、二死後玉腰忠義が左前打を放つが盗塁に失敗。玉腰は4日の阪神戦で5打数5安打を記録しており、これで6打席連続ヒットとなった。

 黒鷲は3回、先頭の清家忠太郎がストレートの四球を選んで出塁、宗宮房之助が送って一死二塁、トップに返り山田潔の遊ゴロの間に清家は三進、谷義夫はストレートの四球から二盗を決めて二死二三塁、玉腰の7打席連続安打となる三塁内野安打がタイムリーとなって1点を先制、なお二死一三塁から玉腰がディレードスチールを仕掛けるが「1-3-6-2」と渡ってホームを突いた三走谷はタッチアウト。

 阪急は3回裏、先頭の池田久之が四球で出塁、橋本正吾が送って一死二塁、池田が三盗を決め、西村正夫が四球を選んで一死一三塁、フランク山田伝のスクイズが内野安打となって1-1の同点、上田藤夫の右飛に二走西村が飛び出し「9-6」と渡ってスリーアウトチェンジ。

 阪急は6回、二死後黒田健吾がレフトスタンドに第2号ホームランを放って2-1と勝ち越す。

 阪急は8回、一死後上田藤夫が右中間に三塁打、黒田が四球から二盗、中島喬は二直に倒れるが森田定雄が四球を選んで二死満塁、伊東甚吉が押出し四球を選んで3-1とする。

 阪急は先発の橋本正吾から4回途中で笠松実、更に7回途中から森弘太郎を注ぎ込んで逃げ切る。

 6回に決勝点が入って7回途中で二番手の笠松から森に交代、笠松は3回3分の1を投げており森は2回3分の1なので現在であれば笠松実に勝利投手、森弘太郎にセーブが記録されると考えられるが、公式記録では森弘太郎に勝利投手が記録されて18勝目をマーク、ハーラー単独トップに躍り出た。


 阪急内野陣はセカンド伊東甚吉とショート上田藤夫が2エラー、ファースト森田定雄が1エラーと合計5個の失策を記録したが何とか踏ん張った。その中でサードの黒田健吾は無失策、四球を3つ選んで決勝ホームランを放つ活躍を見せた。











 

16年 第10節 週間MVP



 今節は阪急が4勝0敗、朝日が3勝1敗、巨人が3勝1敗、大洋が2勝2敗、阪神が2勝2敗、黒鷲が1勝3敗、名古屋が1勝3敗、南海が0勝4敗であった。朝日の健闘が光った。


週間MVP

投手部門

 
 朝日 福士勇 2

 8月1日の大洋戦と3日の黒鷲戦に完投勝利して今節2勝0敗1セーブと大車輪の活躍であった。


 阪急 森弘太郎 3

 1日と4日の南海戦に完投勝利して今節2勝0敗1セーブ、打っても4日の南海戦は3打数3安打の猛打賞であった。


 阪急 笠松実 1
 

 3日の巨人戦では3安打に抑えて完投勝ち、打っても4打数3安打二塁打2本の猛打を見せた。




打撃部門

 朝日 鬼頭政一 2

 1日と4日の大洋戦で決勝打を放ち朝日快進撃の打の立役者となった。現在、勝利打点ではトップの川上哲治8個に次いで上田藤夫と並ぶ6個で二位に付けている。


 朝日 坪内道則 1

 今節16打数6安打3得点、快進撃を続ける朝日のリードオフマン。


 阪急 フランク山田伝 2

 1日の南海戦と2日の名古屋戦で2試合連続決勝打を放ち阪急4連勝の打の立役者となる。




殊勲賞

 阪神 松下繁二 1

 1日の黒鷲戦ではサヨナラ三塁打、2日の朝日戦では第一打席で決勝打を放ち、2試合連続&2打席連続勝利打点を記録する。


 阪急 江田孝 1

 2日の名古屋戦で7回3分の2を無安打に抑え、森弘太郎との継投で無安打無得点を達成する。


 名古屋 芳賀直一 1

 3日の南海戦で代打逆転サヨナラタイムリーを放つ。

 
 

 大洋 古谷倉之助 1

 2日の黒鷲戦で満塁ホームランを放つ。



敢闘賞

 朝日 伊勢川真澄 1

 今節17打数4安打2得点2打点、二塁打2本、本塁打1本と、4安打中3本の長打を放った。


 阪急 中島喬 1

 今節15打数5安打、二塁打2本の活躍。


 巨人 白石敏男 1

 今節16打数5安打4打点。4日の名古屋戦では3本のタイムリーを放つ。


  大洋 西岡義晴 1

 今節13打数5安打3四球で出塁率5割を記録する。





技能賞

 大洋 苅田久徳 1

 2日の黒鷲戦で三走を睨みながらの一二塁間挟殺プレーの妙技を見せる。


 黒鷲 玉腰忠義 1

 4日の阪神戦で5打数5安打を記録するなど、今節13打数6安打。


 黒鷲 山田潔 1

 4日の阪神戦で4打数3安打を記録するなど今節13打数6安打。










 

2014年3月14日金曜日

16年 大洋vs阪神 7回戦


8月5日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 1 0 0 0 0  1 大洋 29勝17敗 0.630 三富恒雄 野口二郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 阪神 25勝24敗 0.510 松本貞一 若林忠志

勝利投手 三富恒雄 2勝5敗
敗戦投手 松本貞一 2勝1敗
セーブ     野口二郎 3

勝利打点 石井豊 3

ファインプレー賞 (神)皆川定之 4 (大)山川喜作


三度目の正直

 8月3日の第二試合に予定されていたカードが雨のため順延となり本日行われます。

 大洋は3回、二死後濃人渉が左前打、森田実もレフト線にヒットを放って二死一二塁、しかし三番苅田久徳は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 大洋は4回、二死後西岡義晴が中前打からパスボールで二進、山川喜作の遊ゴロをショート皆川定之が一塁に悪送球して二死一三塁と2イニング連続で先制のチャンスを掴むが三富恒雄は三振に倒れる。

 大洋は5回、二死後森田が中前打で出塁、苅田がストレートの四球を選んで二死一二塁、四番石井豊が右前に先制タイムリーを放って1-0と均衡を破る。大洋は3イニング連続で二死から二走者を出して三度目の正直で先制点をあげた。

 阪神は6回から先発の松本貞一に代えて若林忠志を投入、若林は4イニングを2安打2四球1三振無失点に抑える。

 大洋先発の三富恒雄が絶妙のピッチングを見せた。初回は先頭の宮崎剛にストレートの四球を与えたが後続を断ち、2回、3回は三者凡退。4回一死後カイザー田中義雄に三塁内野安打を許すが松木謙治郎を二ゴロ、好調松下繁二を遊ゴロに打ち取る。5回もサード山川のファインプレーに助けられて三者凡退。

 阪神は6回、一死後宮崎が遊失に生き、皆川が四球を選んで一死一二塁、田中の投ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、大洋はここで三富から野口二郎にスイッチ、松木に代わる代打土井垣武は中飛に倒れてスリーアウトチェンジ。


 野口は9回まで阪神打線を1安打に抑えて大洋が逃げ切る。三富恒雄は5回3分の2を投げて1安打2四球1三振無失点で今季2勝目、野口二郎は3回3分の1を1安打無四球2三振無失点に抑えて今季3セーブ目を記録する。


 野口二郎は現在、森弘太郎と並んで17勝で最多勝、河村章と並んで3セーブでセーブ王と、シーズン途中とは言え最多勝にして最多セーブを記録している。







 

2014年3月12日水曜日

古川清蔵の初打席




 本日は「古川清蔵のプロ入り初打席」物語です。

 既報のとおり、昭和16年8月4日の巨人vs名古屋8回戦で古川清蔵がプロ入り初登場して左中間に三塁打を放つという華々しいデビューを飾りました。


 ところが、スコアカードには古川清蔵の名前は見当たりません。百聞は一見に如かず、まずは下の写真をご覧ください。












 「備考欄」によると「e」は「9回代打」となっていますので9回の西沢道夫の打席で誰かが代打に起用されたことは間違いありませんが、肝腎の打席欄は名前が空白になっています。筆者の長い解読歴でも初めて見るケースです。












 「日本プロ野球記録大全集」のテーブルスコアでは西沢に代打が送られたとは書かれておらず、3打数1安打と1打数1安打を足して西沢の記録は4打数2安打とされています。「三塁打」の欄にも川上と共に西沢の名前が記されています。この「日本プロ野球記録大全集」の記載は間違いです。
















 翌日の読売新聞のテーブルスコアには西沢は3打数1安打、西沢の代打古川は1打数1安打、三塁打も西沢ではなく古川と正しく記載されています。










 古川清蔵は8月18日の黒鷲戦でも三塁打を放ちますので、昭和16年の三塁打は2本ですが、「日本プロ野球記録大全集」では古川の昭和16年の三塁打は「1本」と誤って記載されています。NPBの公式記録では古川の昭和16年の三塁打は「2本」となっています。当ブログの見解は、「日本プロ野球記録大全集」の記載は間違いで、NPBの公式記録が正しいと考えます。残念ながら、「日本プロ野球記録大全集」が間違いでNPBの公式記録が正しいというケースはレアケースです。




 「日本プロ野球私的統計研究会」様のサイトに「日本プロ野球記録大全集正誤表」が掲載されており、古川清蔵を検索すると「(詳細)8/4対巨人戦(P.870)、西沢道夫の最終打席に古川が代打起用され三塁打を打っている。BSの打撃成績は西沢31000、古川11000であり、三塁打の項目も西沢ではなく古川である。」と書かれています。


 「日本プロ野球記録大全集」の記載が間違っている原因は、スコアカードに「古川清蔵」の名前が書かれていないことから、古川が記録した三塁打が西沢道夫のものと誤って解釈したことによると考えられます。