2020年1月20日月曜日

21年 グレートリングvsパシフィック 6回戦


6月10日 (月) 西宮 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 
0 0 0 0 1 2 3 0 0 6 グ軍 13勝11敗 0.542 別所昭 松川博爾 丸山二三雄 
0 2 0 0 0 4 2 0 X 8 パ軍 13勝13敗2分 0.500 真田重蔵 

勝利投手 真田重蔵     7勝4敗
敗戦投手 丸山二三雄 5勝4敗 

二塁打 (グ)木村、田川 (パ)木暮

勝利打点 なし

猛打賞 (グ)別所昭 1


真田重蔵、ハーラー単独トップに立つ

 第7節の最終日は後楽園と西宮で2試合ずつ。西宮の第1試合は別所と真田の先発で午後1時丁度、杉村主審の右手が上がりプレイボール。

 パ軍は一番ショートに白石敏男、四番ライトに藤井勇を起用。この日から正式に登録が認められた可能性がある(←要調査)。


 パ軍は2回裏、その藤井が先頭打者として四球を選んで出塁、森下が中前打を放ち、一走藤井は二塁にストップしたが打者走者の森下は一塁をオーバーラン、「8-1-6」と渡ってタッチアウト、一死二塁から辻井が右前にゴロで抜けるヒット、二走藤井は三塁にストップしたがライト岡村が三塁に送球、これを見た打者走者の辻井が二塁を陥れて一死二三塁、いかにも「曲者」辻井らしい好走塁であるが、岡村の三塁送球は意味がなく隠れたミスとなった。このチャンスに高須清がレフト線に先制の2点タイムリーを放ち2-0とする。


 グ軍は5回表、先頭の木村勉が四球を選んで出塁、別所が中前打で続き、宮崎の投ゴロを真田が三塁に送球して二走木村は三封、一死一二塁となってトップに返り安井が左前にタイムリーを放ち1-2と追い上げる。


 グ軍は6回表、先頭の山本一人監督が4球ファウルで粘って四球で出塁、堀井の一ゴロの間に山本は二進、清水は中飛に倒れるが、木村がライト線に同点のタイムリー二塁打を放ち2-2、別所がレフト線に勝越しのタイムリーを放ち3-2と逆転に成功する。


 パ軍は6回裏、一死後小島利男が3球ファウルで粘って四球で出塁、藤井が右前打で続き、森下は二直に倒れるが、辻井が四球を選んで二死満塁、高須が押出し四球を選んで3-3の同点、伊勢川の中前タイムリーで4-3と逆転、更に真田もストレートの押出し四球を選んで5-3、グ軍ベンチは突然乱れた別所を退けて松川博爾をリリーフに送るが、トップに返り白石も押出しの死球を受けて6-3と大逆転に成功する。


 ところがグ軍は7回表、先頭の田川が左中間に二塁打を放って反撃開始、岡村の左前タイムリーで4-6、山本もレフト線にヒット、堀井が四球を選んで無死満塁、清水は初球を叩いて三飛に倒れるが、木村が押出し四球を選んで5-6、松川の投ゴロで三走山本は本封されて二死満塁、宮崎がレフト線に同点タイムリーを放ち6-6と追い付く。更に二死満塁が続くが、トップに返り安井は三振に倒れて同点止まり。ここは真田が踏ん張った。


 グ軍は7回から松川に代えて三番手として丸山二三雄をマウンドに送る。


 パ軍は7回裏、二死後森下が四球を選んで出塁、辻井の右前打で森下は三塁に進んで二死一三塁、高須が四球を選んで二死満塁、伊勢川の遊ゴロで万事休すかと思われた瞬間、ショート宮崎の二塁送球が悪送球となって三走森下に続いて二走辻井も生還、8-6と勝ち越す。


 息を吹き返した真田重蔵は8回、9回と1四球ずつを出すものの無安打に抑え、157球の力投で11安打6四球6三振の完投、ハーラー単独トップに立つ7勝目をあげる。


 グ軍の直接の敗因は宮崎仁郎のタイムリーエラーであるが、勝負のポイントは7回表、木村の押出し四球で1点差に迫ってなお一死満塁で松川博爾をそのまま打席に送った場面。確かに松川は昭和19年には野手としてフル出場しているが今季はここまで13打数2安打で、代打や野手としての起用もない。次の回から丸山二三雄をリリーフに送っているのだから、打撃の良い丸山を代打に送る手もあった。何より、この日は木村勉がスタメンマスクで筒井敬三が代打要員として控えていた。実際、9回表には清水秀雄の代打として筒井を起用している。


 但し、山本一人監督の頭には別の考えがあったかもしれない。松川がこの試合の前に出場したのは6月1日のセネタース戦、この試合で松川は4打数ノーヒットに終わっているが3打席連続セカンドライナーを打っている。山本監督はこの松川のミートの巧さに賭けた可能性が考えられる。



*6月1日のセネタース戦、松川博爾は3打席連続でセカンドライナーを打っている。このミート力が、山本監督の脳裏に刻み込まれていた可能性がある。



0 件のコメント:

コメントを投稿