2013年10月11日金曜日

経験の差



 ナショナル・リーグのディビジョンシリーズはカージナルスとドジャースが勝ち上がりました。


 パイレーツvsカージナルスのカードは21年ぶりに負け越しを脱してワイルドカードから一気にディビジョンシリーズに勝ち進んできたパイレーツが2勝1敗と王手をかけましたが(あちら流ではチェックメイトか?)、マット・ホリデーの一発がシリーズの流れを変えました。7日の第4戦は0対0のまま6回を迎え、マット・ホリデーがバックスクリーンに決勝のツーランを叩き込みました。センターのアンドルー・マカッチェンがフェンスによじ登る執念を見せましたが、無情にも白球はマカッチェンの頭上を抜け、ピッツバーグの本拠地PNCパークは静まり返りました。土壇場で追い付いたカーズは第5戦、初戦で好投したアダム・ウェインライトが完投勝ちして逆転でリーグチャンピオンシップシリーズに進出しました。


 2007年ナ・リーグ西地区はロッキーズとパドレスが同率二位となってワンゲーム・プレーオフが行われました。この試合でサヨナラのホームにヘッドスライディングで突入したのがロッキーズ時代のマット・ホリデーです。この年のホリデーはリーグチャンピオンシップシリーズでMVP、シーズンMVPも堅いと考えられていましたが打者有利のクアーズ・フィールドを本拠地とするロッキーズの打者には得票が集まらず、ジミー・ロリンズがMVPに選出されてホリデーは二位に終わりました。



 2006年ポストシーズン、カージナルスはレギュラーシーズン終盤に絶対的守護神ジェイソン・イズリングハウゼンが故障発生、トニー・ラルーサ監督は若きアダム・ウェインライトをクローザーに大抜擢してワールドシリーズを制覇します。この年メッツとのリーグチャンピオンシップシリーズでは3勝3敗から第七戦にもつれ込み、最終回二死満塁でウェインライトがカルロス・ベルトランを三振に打ち取りワールドシリーズに駒を進めました。そのベルトランも36歳となった今はカーズの二番打者としてディビジョンシリーズ第一戦で貴重なスリーランを放っています。ウェインライトは32歳、マット・ホリデーは33歳と、油の乗り切ったベテランが主力を務めるカージナルスが経験の差を見せつけたシリーズでした。



 ドジャースvsブレーブスのカードはドジャースがブレーブスの守護神クレイグ・キンブレルにつながせない強打で打ち勝ちました。ヤシエル・プイグはシリーズ通算17打数8安打2打点と相変わらずのバッティングですが、ハンリー・ラミレスが16打数8安打6打点と爆発しました。アレックス・ロドリゲス二世とも呼ばれたハンリー・ラミレスもシーズン終了後には30歳となります。2009年には首位打者となったものの、その素質はミゲール・カブレラに次ぐものであることから考えると実力を発揮してきたとは言えませんが、シーズン前半不振の極みだったドジャースはヤシエル・プイグの加入で勢い付き、ハンリー・ラミレスの復帰でポストシーズン進出を果たしたのも事実です。ブレーブスはレギュラーシーズンは安定した戦いぶりでポストシーズンに出てきますが短期決戦ではコロっと負けるのがチームの伝統となっています。



 リーグチャンピオンシップシリーズはカージナルスvsドジャースのナショナル・リーグ伝統の名門対決となります。クレイトン・カーショウを中三日の初戦か中四日の第二戦から使えるドジャースが、アダム・ウェインライトを中四日の第三戦からしか使えないカージナルスより有利とも言えますが、逆にドジャースはカーショウで落とすと後がなくなる恐れがあります。当ブログは勝負強いカージナルス有利と見ていますがいかがでしょうか。






*2006年ポストシーズン、故障のジェイソン・イズリングハウゼンに代えてアダム・ウェインライトをクローザーに大抜擢してカージナルスをワールドシリーズ制覇に導いたトニー・ラルーサ監督。











*2006年ナ・リーグ西地区ワンゲーム・プレーオフ、サヨナラのホームにヘッドスライディングで突っ込んだシーンが忘れられないマット・ホリデー。













                *5ツールプレイヤー、カルロス・ベルトラン。












     *いまいち素質を活かし切れていないハンリー・ラミレスもポストシーズンでは大爆発。








 

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