2025年9月15日月曜日

22年 第14節 週間MVP

週間MVP 

投手部門
 巨人 川崎徳次 1 2勝0敗1完封。快調巨人を引っ張る。

打撃部門
 巨人 平山菊二 1 19打数4安打2得点7打点。快調巨人のポイントゲッター。

 殊勲賞
 阪急 天保義夫 1 7月18日の大阪戦、1対0の完封勝利。
 阪急 荒木茂  1 7月18日の大阪戦、1対0の試合で決勝打と猛打賞。
 中日 清水秀雄 2 19日の阪急戦で9回に決勝本塁打。完投勝利の二刀流。
 東急 一言多十 2 2試合連続勝利打点。
 南海 山本一人 1 19打数3安打5得点3打点、本塁打2本。

敢闘賞
 巨人 小松原博喜 2 17打数7安打4得点3打点。平山と共に快調巨人を打で引っ張る。
 大阪 長谷川善三 2 15打数8安打1得点2打点、犠打2個。猛打賞2回。
 中日 藤原鉄之助 1 18打数7安打2打点。
 大阪 富樫淳   1 21打数7安打2得点3打点。猛打賞2回。
 巨人 田中資昭  1 20打数6安打。

技能賞
 東急 江田孝  1 18日の金星戦で本盗と二盗。
 南海 安井亀和 2 14打数6安打3得点2打点、3盗塁4四球。
 南海 中谷信夫 1 20日の太陽戦でプロ入り初完封。

2025年9月14日日曜日

人生初のエンタイトルツーベース

 2019年から始めた還暦野球も今季で7シーズン目。

 6月に品川ビッグスターズから横浜ファイターズに移籍しました。

 横浜では神奈川還暦野球連盟(神還連)のリーグ戦の他に、横浜市の7チームが集まる「ひまわりリーグ」があります。

 7チームのうち3チームは神還連一部の港南クラブ、横浜球和会、港南Sクラブの強豪が参加しています。3チームとも横浜高校、横浜商業(Y校)のOBが集まる全国的にも強豪で有名なチームで、こんなところと年間3~4試合ずつ対戦できるのだから東京よりもはるかにレベルが高い。

 高校時代は神奈川軟式でしたので、横浜やY校の選手などはるか頭上の星で同じ土俵に上がれる資格などありませんでしたが、50年を経て同じグラウンドで戦えるまで来ました。

 神還連のリーグ戦は60歳以上しか参加できませんが、ひまわりリーグでは56歳以上の選手も一チーム3人まで参加できるルールです。

 昨日の港南Sクラブとの試合では、相手投手は56歳の期待の若手でした。第一打席、二死三塁で10歳若い投手からレフトオーバーのワンバウンドでフェンスを越えるタイムリーエンタイトルツーベース。

 今年は春から24キロのダンベルトレーニングを中心に、体幹、背筋、ランニングに特化してきました。高校、大学、草野球、還暦野球を通じて、右中間や左中間を破る二塁打、三塁打は数多く打ってきましたが、ワンバウンドでフェンスを越えるエンタイトルツーベースは人生初です。

 残る目標は、人生初のオーバーフェンスホームランですね(笑)。

22年 金星vs南海 7回戦

7月21日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 3 0 0 3 金星 21勝37敗1分 0.362 三富恒雄 江田孝 
0 3 0 0 1 0 0 4 X 8 南海 31勝24敗3分 0.564 別所昭

勝利投手 別所昭   16勝9敗 
敗戦投手 三富恒雄 3勝8敗

二塁打 (南)別所、坂田
本塁打 (南)山本一人 5号

勝利打点(南)別所昭 2


別所がハーラー単独トップに立つ

 第14節最終戦、甲子園の第2試合は三富恒雄と別所昭の先発で午後3時42分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 南海は2回裏、先頭の飯田徳治が左前打で出塁、別所が左中間にタイムリー二塁打を放ち1点を先制、坂田清春も中越えにタイムリー二塁打で続いて2-0、小林悟楼の右前打で無死一三塁、トップに返り安井亀和の三塁線タイムリーでこの回3点を先制する。

 南海は5回裏、先頭の山本一人監督がレフトスタンドに第5号ホームランを叩き込んで4-0とリードを広げる。

 金星は7回表、先頭の西沢道夫の当りは遊ゴロ、これをショート小林が一塁に悪送球して打者走者の西沢は二塁に進み、清原初男の中前タイムリーで1点返して1-3、バックホームの間に打者勝者の清原は二塁に進み、小前博文の中前打で無死一三塁、三富に代わる代打内藤幸三の一ゴロで一走小前が二進して一死二三塁、二死後山本秀男に代わる代打重松通雄がレフト線に2点タイムリーを放ち3-4と1点差に迫る。

 金星は先発の三富に代打を送ったので7回から江田孝が二番手としてマウンドに上がる。

 南海は8回裏、先頭の安井が四球を選んで出塁、河西俊雄の右前打で無死一二塁、田川豊が三前に送りバントを決めて一死二三塁、山本の遊ゴロで三走安井がホームに突っ込み、ショート酒沢政夫からの本塁送球が悪送球となって5-3、山本が二盗を決めて一死二三塁、堀井数男の遊ゴロを酒沢が失する間に三走河西が還って6-3、堀井が二盗を決めて再度一死二三塁、飯田の遊ゴロの間に三走山本が還って7-3、別所の中前タイムリーで8-3と突き放して試合を決める。

 別所昭は6安打2四球1死球2三振の完投で16勝目をマーク、ハーラー単独トップに立つ。

 南海は3連勝で貯金を7とした。昨年の覇者も一時貯金1まで低迷していたが、田川豊と飯田徳治が怪我から復帰して復調してきた。二位中日とは2.5ゲーム差である。

2025年9月11日木曜日

22年 大阪vs巨人 10回戦

7月21日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 大阪 41勝17敗1分 0.707 渡辺誠太郎 梶岡忠義 
0 0 0 0 2 1 1 0 X 4 巨人 30勝28敗1分 0.517 川崎徳次

勝利投手 川崎徳次   10勝7敗 
敗戦投手 渡辺誠太郎 2勝2敗

二塁打 (巨)武宮
三塁打 (巨)川崎、山川
本塁打 (巨)小松原博喜 4号

勝利打点(巨)川崎徳次 1

猛打賞 (巨)田中資昭 1


巨人、今節5戦5勝

 後楽園の第2試合は渡辺誠太郎と川崎徳次の先発で午後3時8分、国友球審の右手が上がりプレイボール。

 この日の川崎はプロ入り最高とも言える投球で、5回まで大阪打線を15人で抑えるパーフェクトピッチング。

 巨人は5回裏、先頭のベテラン林清光が左前打で出塁、一死後川崎がセンター左奥にタイムリー三塁打を放ち1点を先制、トップに返り山川喜作も右越えにタイムリー三塁打で続き2-0とリードする。大阪はここで先発の渡辺に代えて梶岡忠義をマウンドに送り後続を抑える。

 巨人は6回裏、好調が続く小松原博喜がレフトスタンドにホームランを叩き込んで3-0とする。

 巨人は7回裏、先頭の山川喜作が三遊間にヒット、田中資昭の右前打で無死一三塁、千葉茂の右前タイムリーで4-0、着々と加点する。

 大阪は8回表、先頭の本堂保次が中前にチーム2本目のヒットで出塁、一死後長谷川善三の右前打で一二塁、二死後トップに返り呉昌征が四球を選んで二死満塁、金田正泰の一塁内野安打がタイムリーとなって1点を返すが反撃もここまで。

 川崎徳次は4安打1四球1三振の完投で10勝目をマークする。打っても決勝三塁打を放つ活躍であった。

 打撃好調が続く小松原博喜が梶岡忠義から第4号本塁打を放った。小松原は4本の内3本を梶岡から打っており、梶岡も被本塁打6本の内3本を小松原に打たれている。小松原は元祖・梶岡キラーと言える。

 巨人は今節5戦5勝で、借金3から貯金2まで浮上してきた。

 投手陣では川崎、中尾、多田が安定しており、打撃陣では五番平山と六番小松原が好調で、三番千葉と四番川上が出塁して平山、小松原が返す得点パターンが多い。田中資昭と山川喜作にも当りが出てきており、結果から見ても当然であるが現在チーム状況は八球団でトップである。

2025年9月10日水曜日

22年 東急vs太陽 8回戦

7月21日 (月) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 3 0 0 0 4 東急 21勝33敗2分 0.389 黒尾重明 北川桂太郎 白木義一郎 
0 1 0 2 0 0 0 2 X 5 太陽 22勝35敗1分 0.386 湯浅芳彰

勝利投手 湯浅芳彰       1勝2敗 
敗戦投手 白木義一郎 10勝12敗

二塁打 (東)北川、白木 (太)藤井、森下

勝利打点(太)森下重好 7

猛打賞 (太)森下重好 2


下位チーム同士の激戦

 甲子園の第1試合は黒尾重明と湯浅芳彰の先発で午後1時42分、金政球審の右手が上がりプレイボール。

 太陽は2回裏、先頭の佐竹一雄が左前打で出塁、佐竹が二盗を決め、怪我のため7月4日以来2週間ぶりの出場となった中谷順次はストレートの四球で無死一二塁、松井信勝の送りバントをピッチャー黒尾がファンブル、犠打とエラーが記録されて無死満塁、一死後荒川昇治の遊ゴロ併殺崩れの間に三走佐竹が還って1点を先制する。

 湯浅は好調な立ち上がりで3回まで東急打線をパーフェクトに抑える。

 太陽は4回裏、先頭の中谷が中前打で出塁、松井も中前打、センター一言多十のファンブルで中谷は三塁に進み無死一三塁、湯浅の中前タイムリーで2-0、トップに返り荒川の送りバントを黒尾をが三塁に送球するがセーフ、犠打と野選が記録されて無死満塁、東急ベンチはここで先発の黒尾から北川桂太郎にスイッチ、辻井弘の投ゴロの間に三走松井が還って3-0とリードを広げる。

 東急は5回表、先頭の鈴木圭一郎が左越えに三塁打、北川がレフト線にタイムリー二塁打を放ち1点返して1-3として反撃開始。

 東急は6回表、先頭の鈴木清一が中前打で出塁、鈴木が二盗を決め、キャッチャー伊勢川真澄の悪送球で三塁に進み、飯島滋弥は四球で無死一三塁、大下弘の右前タイムリーで2-3と1点差、長持栄吉が送りバントを決めて一死二三塁、鈴木圭一郎が左前に逆転の2点タイムリーを放ち4-3と試合をひっくり返す。続く北川の遊ゴロは「6-4-3」と渡ってダブルプレー。

 東急は7回表、一死後清水喜一郎が四球で出塁、トップに返り一言の右前打で一死一二塁、鈴木清一の中飛で二走鈴木圭一郎がタッチアップから三塁に向かうが、センター森下重好からの送球にタッチアウトでゲッツー。

 太陽は7回裏、先頭の森下が中越えに二塁打、東急ベンチはここで北川から三番手としてエース白木義一郎にスイッチ、白木が後続の3人を抑えてこの回の太陽は無得点。

 太陽は8回裏、一死後湯浅が3球ファウルで粘って四球で出塁、トップに返り荒川の中前打で一死一二塁、辻井の右前打で一死満塁、藤井勇の投ゴロで三走湯浅が本封されて二死満塁、森下が中前に逆転の2点タイムリーを放ち5-4とリードする。これが決勝打となった。

 東急は最終回、一死後白木が三塁線を破る二塁打、大沢喜好に代わる代打熊耳武彦は四球で一死一二塁、清水の投ゴロが「1-4-3」と渡るゲッツーでゲームセット。

 湯浅芳彰は8安打4四球3三振の完投で今季初勝利をあげる。湯浅は今季限りで球界を離れることになり、この勝利がプロでの最後の勝星となる。

 太陽は全員安打の総力戦で快勝した。

 東急と太陽は下位に沈んではいるが、この試合は稀に見る激戦であった。

 東急の二番手で登板した北川桂太郎は打っては2打数1安打1打点二塁打1本。前回登板でも2打数2安打1打点を記録するなど打撃好調である。昭和26年でプロ野球退団後は打撃の良さを生かして会人野球の名内野手として鳴らし、昭和31年にはプロに復帰して高橋ユニオンズで野手として活躍することになる。

2025年9月6日土曜日

22年 阪急vs中日 9回戦

7月21日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 阪急 27勝31敗2分 0.566 森弘太郎 天保義夫 
2 0 0 0 0 0 4 0 X 6 中日 34勝22敗1分 0.607 藤本英雄

勝利投手 藤本英雄 15勝9敗 
敗戦投手 森弘太郎   2勝4敗

二塁打 (急)青田、日比野 (中)杉浦、金山2
本塁打 (中)小鶴誠 6号

勝利打点(中)大沢清 4

大沢清が決勝打、小鶴誠が勝負を決めるスリーラン

 第14節最終日、後楽園の第1試合は森弘太郎と藤本英雄の先発で午後1時2分、西垣球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は初回、先頭の山本尚敏の当りは遊ゴロ、これをショート田中幸男がエラー、杉浦清監督のレフト線二塁打で無死二三塁、古川清蔵は四球で無死満塁、ここで大沢清が得意の右打ちを見せてライトに2点タイムリーを放ち2-0とリードする。

 阪急ベンチは早くも2回から先発の森に代えて天保義夫をマウンドに送る。

 阪急は7回表、一死後青田昇が左中間に二塁打、野口明がライト線にタイムリーを放ち1-2と1点差に迫る。

 中日は7回裏、先頭の金山次郎がレフト線に二塁打、一死後杉浦はピッチャー強襲ヒットで一塁に生きるが、ファースト野口明が二走金山のリードが大きいと見て二塁に送球して金山はタッチアウト、杉浦が二盗を決めて二死二塁、古川清蔵が左前にタイムリーを放ち3-1、古川が二盗を決め、大沢は四球を選んで二死一二塁、ここで小鶴誠がレフトスタンドにスリーランを放ち試合を決める。

 藤本英雄は4安打2四球3三振の完投で15勝目をマークしてハーラートップの別所昭に並ぶ。共に15勝9敗となった。

 小鶴に代わって四番に座っている大沢清が勝利打点を記録。大沢は第12節以降の15試合で56打数13安打12打点と、打率は低いが勝負強さを発揮して小鶴欠場の穴を埋めてきた。

 小鶴誠は勝負を決める第6号スリーランを放ち、古川清蔵、青田昇と並んでホームランダービーのトップタイに立った。最終的に今季の本塁打王となる大下弘はまだ3本と出遅れている。

2025年9月5日金曜日

22年 太陽vs南海 11回戦

7月20日 (日) 甲子園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 太陽 21勝35敗1分 0.375 井筒研一 
1 1 0 0 1 0 0 0 X 3 南海 30勝24敗3分 0.556 中谷信夫

勝利投手 中谷信夫 6勝8敗 
敗戦投手 井筒研一 4勝4敗

二塁打 (太)藤井 (南)中谷
本塁打 (南)飯田徳治 2号

勝利打点(南)堀井数男 4

猛打賞 (南)河西俊雄


中谷信夫、プロ入り初完封

 甲子園の第2試合は井筒研一と中谷信夫の先発で午後3時14分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 中谷は初回、三者三振の立ち上がり。

 南海は1回裏、先頭の安井亀和が左前打で出塁、河西俊雄も三塁に内野安打、田川豊の左前打で無死満塁、一死後堀井数男の左犠飛で1点を先制する。

 南海は2回裏、先頭の中谷が右越えに二塁打、小林悟楼が送って一死三塁、トップに返り安井の右犠飛で2-0とする。

 南海は5回裏、二死後怪我から復帰してきた飯田徳治がレフトスタンドに第2号ホームランを叩き込んで3-0とする。

 中谷信夫は6安打1四球7三振でプロ入り初完封、6勝目をマークする。初回の三者三振で勢いに乗った。

 中谷は京都第一工業(現・京都市立洛陽工業)の出身。昭和9年の夏の京都府予選で京都第一工業は沢村栄治にノーヒットノーランをやられた。この時中谷は14歳、旧制中学の時代なので既に入学していて沢村の快投を見ていたかもしれない。

 京都第一工業の後輩となる岡本伊三美は昭和24年に南海に入団してきて先輩の中谷と同僚になる。その後は南海球史に残る名内野手として活躍することになるのはご存じのとおり。

 ニデックの創業者である永守重信氏も京都第一工業から校名変更した京都市立洛陽工業の出身。残念ながら一昨日不適正会計が発覚して昨日のニデック株はストップ安。本日は少し戻しているが・・・。

 男子バレー日本代表だった横田一義も京都市立洛陽工業の出身で、父親はミュンヘンオリンピック金メダリストの横田忠義である。大古、森田とのアタッカートリオに名セッター猫田で一世を風靡した。腰に爆弾を抱えていたがチューブで固定しながらのプレーが印象的だった。ミュンヘンオリンピックの前にテレビ放映された実写映像とアニメを組み合わせたアニメドキュメント「ミュンヘンへの道」でもお馴染み。この番組で紹介された、コーチがネットに入れたボールをぐるぐる回してそれを飛び越えてマットに飛び込む特訓はみんな真似したものです。

2025年9月2日火曜日

22年 中日vs大阪 11回戦

7月20日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 1 0 0 1 0 0 0 0 2 中日 33勝22敗1分 0.600 久野勝美 服部受弘 浜崎忠治 
2 1 0 0 5 1 0 0 X 9 大阪 41勝16敗1分 0.719 武智修

勝利投手 武智修     4勝2敗 
敗戦投手 久野勝美 1勝2敗

二塁打 (中)浜崎 (大)富樫、武智、長谷川
三塁打 (大)藤村

勝利打点(大)藤村富美男 5

猛打賞 (中)藤原鉄之助 2 (大)富樫淳 2、長谷川善三 2


もはや首位攻防戦ではない

 後楽園の第2試合は久野勝美と武智修の先発で午後3時12分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は大阪に6ゲーム離されたがどこまで食い下がれるか。

 大阪は初回、一死後金田正泰がストレートの四球で出塁、二死後藤村富美男が右中間にタイムリー三塁打を放ち1点を先制、中日はセンター古川清蔵からの送球をライト加藤正二が中継するが、これが悪送球となる間に藤村は一気にホームまで還り2-0とする。

 中日は2回表、先頭の大沢清の右打ちは右飛、これをライト富樫淳が落球、続く小鶴誠は遊ゴロ、ショート長谷川善三の二塁送球をセカンド本堂保次が落球して無死一二塁、加藤が三塁線を破り二走大沢は三塁ベースを蹴ってホームに向かうが、レフト金田からの好返球にタッチアウト、一走小鶴は三塁に進んで一死一三塁、三村勲の投ゴロ併殺崩れの間に三走小鶴が還って1-2とする。

 大阪は2回裏、先頭の本堂が左前打で出塁、一死後本堂が二盗に成功、長谷川善三は走者を送るバッティングで二ゴロを打って二死三塁、武智の二ゴロをセカンド金山次郎が一塁に悪送球する間に三走本堂が還って3-1と突き放す。

 ここは長谷川の進塁打が効いた。

 中日は3回から先発の久野に代えて服部受弘をマウンドに送る。

 大阪は3回裏、先頭の富樫淳が右中間に二塁打、藤村は死球を受けて無死一二塁、土井垣武も走者を送る打撃を見せて二ゴロを打ち二者進塁して一死二三塁、本堂の中飛で三走富樫はタッチアップからホームに突入するが、センター古川からのダイレクト送球にタッチアウト。

 中日は5回表、先頭の三村の当りは遊ゴロ、これを守備の良いショート長谷川が一塁に悪送球、藤原鉄之助の右前打で無死一二塁、服部が送りバントを決めて一死二三塁、トップに返りこの日一番に起用された山本尚敏が左前にタイムリーを放ち2-3と1点差に詰め寄る。

 首位と二位の争いらしくミスもありながら好プレーの応酬で見応えのある一戦となったのだが・・・。

 大阪は5回裏、先頭の富樫が中前打で出塁、藤村は左前打、土井垣は四球で無死満塁、一死後玉置玉一の強いゴロはは中前に抜けるヒット、これをセンター古川が後逸する間に塁上の三人がホームに還って6-2、打者走者の玉置は三塁に進み、長谷川の三塁線タイムリーで7-2、武智も左前打、と呉昌征の遊ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、金田はストレートの四球で二死満塁、富樫のこの回2本目のヒットが左前タイムリーとなって一挙5点、8-2として試合を決める。

 中日ベンチは6回から浜崎忠治を三番手のマウンドに上げる。

 大阪は6回裏、先頭の土井垣が四球で出塁、本堂の三ゴロの間に土井垣は二進、玉置の二ゴロで土井垣は三進、長谷川のレフト線タイムリー二塁打で9-2とダメ押す。

 中日は反撃の気力が失せ、武智修は6安打6四球1三振の完投で4勝目をマークする。

 大阪は中日を7ゲーム差に引き離して独走態勢を固めた。

 昭和31年の経済白書は「もはや戦後ではない」と豪語することになる。

 昭和22年はまだ戦後の混乱期であるが、シーズン前半熾烈な首位争いを繰り広げた大阪と中日の一戦は、もはや首位攻防戦ではなくなった。