2025年7月11日金曜日

22年 第12節 週間MVP

週間MVP

投手部門
 太陽 井筒研一  1 1勝1完封、今節16イニング無失点。 現在31イニングス連続自責点ゼロを継続中。キャリアで最高の状態にある。
打撃部門
 大阪 藤村富美男 1 22打数9安打2得点9打点。 ダイナマイト打線を牽引する活躍。

殊勲賞
 阪急 野口明   2 21打数5安打1得点8打点。 3日の巨人戦で満塁本塁打。
 巨人 小松原博喜 2 20打数4安打2得点9打点。 前節最終戦から4試合で11打点。
 中日 杉浦清   2 22打数7安打3得点5打点。 4日の南海戦で満塁本塁打。
 大阪 山口政信  1 4日の巨人戦で逆転サヨナラ打。 大阪が独走態勢を築くきっかけとなる。
 東急 長持栄吉  2 4日の太陽戦で満塁本塁打。3節連続の三賞受賞。 

敢闘賞
 大阪 呉昌征   1 20打数10安打8得点。 
 大阪 金田正泰  2 16打数8安打8得点。 
 大阪 長谷川善三 1 18打数8安打2得点3打点。7日の金星戦で5安打。 
 阪急 下社邦男  1 13打数7安打、三塁打2本。 
 太陽 伊勢川真澄 2 19打数7安打1得点5打点。 

技能賞
 阪急 山田伝   1 6日の金星戦で好走塁。


2025年7月10日木曜日

22年 大阪vs金星 10回戦

7月7日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
3 3 3 0 2 0 0 1 5 17 大阪 35勝13敗1分 0.729 野崎泰一 渡辺誠太郎
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0  金星 18勝31敗1分 0.367 内藤幸三 門馬祐 西沢道夫 秋枝寿一郎

勝利投手 野崎泰一    1勝2敗 
敗戦投手 内藤幸三    4勝7敗 
セーブ    渡辺誠太郎 1

二塁打 (大)長谷川 3、金田 (金)清原、秋枝

勝利打点(大)土井垣武 6

猛打賞 (大)呉昌征 5、金田正泰 4、長谷川善三(5安打)1 (金)清原初男 5


長谷川善三、5安打二塁打3本

 第12節最終日最終戦、西宮の第2試合は野崎泰一と内藤幸三の先発で午後3時41分、杉村球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、先頭の塚本博睦が右前打で口火を切り、呉昌征は左前打、金田正泰も右前打で続いて無死満塁、一死後土井垣武の右前2点タイムリーで2-0、一死一三塁から本堂保次の遊ゴロの間に三走金田が還って3点を先制する。

 大阪は2回表、先頭の長谷川善三がレフト線に二塁打、野崎が送りバントを決めて一死三塁、トップに返り塚本の中犠飛で4-0、呉昌征は四球から二盗に成功、金田が右越えにタイムリー二塁打を放ち5-0、藤村富美男の中前タイムリーでこの回3点追加、6-0とする。

 金星は3回から先発の内藤に代えて門馬祐をマウンドに送る。

 大阪は3回表、先頭の本堂が左前打で出塁、山口政信は中前打、長谷川も中前打を放って無死満塁、野崎が押出し四球を選んで7-0、トップに返り塚本の中前タイムリーで8-0、金星ベンチはここで門馬を下げてファーストの西沢道夫を三番手のマウンドに送り、一死後金田の右前タイムリーでこの回も3点追加、9-0とする。

 大阪は5回表、先頭の塚本が四球から二盗に成功、呉昌征の三遊間ヒットで無死一三塁、金田は四球を選んでこの試合三度目の無死満塁、藤村の遊ゴロで金田が二封される間に三走塚本に続いて二走呉もホームに還る好走塁を見せて2点を追加、11-0とする。藤村には2打点が記録された。

 大阪は勝利投手の権利を得た先発の野崎を5回で下げて、6回から渡辺誠太郎がマウンドに上がる。同時にキャッチャーも土井垣から小林英一に交代。

 金星は8回から西沢をファーストに戻して秋枝寿一郎がプロ入り初登板のマウンドに上がる。

 大阪は8回表、一死後山口がストレートの四球で出塁、長谷川の中前打で無死一二塁、ここで初登板の秋枝がボークを犯して無死二三塁、渡辺の遊ゴロの間に三走山口が還って12-0とする。

 大阪は9回表、一死後金田が四球で出塁、藤村は左前打、小林の二ゴロをセカンド大友一明が失して一死満塁、本堂は押出し四球、山口も押出し四球を選んで14-0、長谷川が左中間に走者一掃の3点タイムリー二塁打を放ちこの回5点を追加、17-0とする。

 金星は9回裏、先頭の秋枝がプロ入り初打席で左中間に二塁打、二死後トップに返り中村信一に代わる代打山本秀男が中前打、大友は四球を選んで二死満塁と最後の反撃を試みるが、坪内道則監督が左飛に倒れて試合終了。

 ダイナマイト打線は19安打で17得点、二塁打4本でシングルヒット13本を連ねた。4本の二塁打のうち、3本を打ったのがダイナマイト打線では唯一打力が弱いとされる長谷川善三であった。長谷川は5安打を放って打率を1割6分2厘から1割9分7厘に引き上げた。

 大敗の金星では清原初男が猛打賞を記録して一人気を吐いた。

 台湾実業出身の秋枝寿一郎がプロ入り初出場。ピッチングではボークを犯したが、バッティングでは初打席で二塁打を放った。秋枝のプロでの活動は今季だけとなる。

 西沢道夫が5イニングを投げた。戦前の投手時代には20勝とノーヒットノーランを記録した西沢は、昨年ゴールドスターに移籍後打者転向してからは1試合だけ登板、この日の投球がプロでの最後のマウンドになった。

 2025年現在、ロサンジェルス・ドジャースでは大差で負けている試合で野手のキケ・ヘルナンデスがマウンドに上がっている。1947年でも2025年でもやっていることは何も変わらない。

2025年7月9日水曜日

22年 東急vs太陽 7回戦

7月7日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
0 1 0 0 0 0 0 0  0  1  東急 17勝29敗1分 0.370 一言多十 黒尾重明 
0 0 1 0 0 0 0 0 1X 2 太陽 19勝29敗1分 0.396 池田善蔵

勝利投手 池田善蔵 5勝6敗 
敗戦投手 黒尾重明 5勝8敗

二塁打 (東)大沢喜好

勝利打点(太)平野徳松 2


平野徳松がサヨナラ犠飛

 後楽園の第2試合は一言多十と池田善蔵の先発で午後3時29分、西垣球審の右手が上がりプレイボール。

 東急は2回表、一死後長持栄吉がストレートの四球で出塁、鈴木圭一郎は中前打を放って一死一二塁、一言の三ゴロの間に二者進塁して二死二三塁、大沢喜好は四球を選んで二死満塁、柴田繁雄が押出しの死球を受けて1点を先制する。

 太陽は3回裏、一死後松井信勝が三前にセーフティバントを決めて出塁、池田の三ゴロをサード大沢が二塁に送球するがベースカバーに入ったセカンド苅田久徳監督が落球して一死一二塁、トップに返り荒川昇治の右前タイムリーで1-1の同点に追い付く。

 太陽は8回裏、先頭の池田が四球を選んで出塁、トップに返り荒川の送りバントは犠打野選となって無死一二塁、東急ベンチはここで先発の一言をセンターに回して黒尾重明をマウンドに送り、辻井弘は三振、スリーストライク目に一走荒川のリードが大きくキャッチャー鈴木圭一郎は一塁に送球、この間に二走池田が三塁にスタート、ファースト飯島滋弥から三塁に送球されて池田はタッチアウト、この回も無得点に終わる。

 1対1の同点で迎えた太陽最終回の攻撃、先頭の森下重好が左前打で出塁、伊勢川真澄の二ゴロをセカンド苅田が二塁に悪送球、無死一二塁から藤村隆男が送りバントを決めて一死二三塁、平野徳松がライトにサヨナラ犠飛を放ち太陽が快勝。

 池田善蔵は5安打4四球2三振の完投で5勝目をマークする。

 東急は苅田の2失策が響いて自責点ゼロの敗戦となった。

 平野徳松は6月29日阪急戦のサヨナラ二塁打に続いてサヨナラ犠飛を放つ活躍を見せた。

 池田善蔵は尾道商業から慶應野球部に進んだが、学徒出陣世代であり大学での球歴は確認できない。最後の早慶戦のメンバーにもその名は見られない。学徒出陣を控えて慶應野球部は選手を帰省させていたが、最後の早慶戦開催が決まると全国から選手を呼び寄せた。映画でも別当薫が嬉々として東京に戻るシーンが描かれている。池田は戻れなかった事情があったのかもしれないが、真相は不明。プロで活躍後は母校の監督としてセンバツ準優勝2回と、尾道商業野球部の全盛期を築き上げることになる。

2025年7月8日火曜日

22年 阪急vs巨人 8回戦

7月7日 (月) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 1 0 2 1 4 阪急 23勝25敗2分 0.479 今西錬太郎 
1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 巨人 22勝26敗1分 0.458 川崎徳次

勝利投手 今西錬太郎 11勝5敗 
敗戦投手 川崎徳次      7勝7敗

二塁打 (急)下社、今西 (巨)川上

勝利打点(急)楠安夫 1

猛打賞 (急)下社邦男 3


阪急、単独4位に浮上

 西宮の第1試合は今西錬太郎と川崎徳次の先発で午後1時37分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 現在同率で4位タイに並ぶライバル同士の一戦。

 巨人は初回、一死後平山菊二、千葉茂が連続四球、川上哲治が中越えにタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。

 阪急は1回、2回と2安打を放ちながら無得点。3回~5回は三者凡退の連続。

 阪急は6回表、二死後青田昇がライト線ヒットから二盗に成功、野口明は四球、坂元義一も四球を選んで二死満塁、日比野武に代わる代打野口二郎が押出し四球を選んで1-1の同点に追い付く。

 阪急はキャッチャー日比野に代打野口二郎を起用したので、野口はライトに入り、五番ライト坂元のところに巨人から移籍してきた楠安夫が入って日比野に代わって阪急での初マスクを被る。

 阪急は8回表、先頭の下社邦男がライト線に二塁打、青田は四球、野口明の投ゴロが野選を誘って無死満塁、楠の二ゴロの間に三走下社が還って2-1と勝越し、野口二郎が中前にタイムリーを放ち3-1とする。

 阪急は9回表、先頭の今西がレフト線に二塁打、トップに返り田中幸男は死球を受け、下社の三遊間ヒットで無死満塁、青田の投ゴロで三走今西は本封されて一死満塁、野口明の左犠飛で4-1と突き放す。

 今西錬太郎は巨人打線を3安打1失点に抑え、11勝目をマークする。ハーラーダービーは藤本英雄が13勝でトップ、別所昭が12勝で続き、今西もハーラー争いに顔を出してきた。
 阪急は同率の巨人を倒して単独4位に浮上した。

 満塁からのセカンドゴロで勝利打点をあげた楠安夫は巨人から移籍して一昨日の大阪戦で5年ぶりの公式戦出場を果たし、この日は古巣との一戦で戦後初打点を記録した。楠は大変な勉強家として知られており、14年の現役生活でレギュラーだったのは昭和17年の1年間だけのバイプレイヤーだったにもかかわらず、現役引退後はその豊富な知識を活かしてテレビ、ラジオ各局で名解説者として活躍することになる。

2025年7月7日月曜日

22年 南海vs中日 7回戦

7月7日 (月) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 南海 25勝22敗2分 0.532 別所昭 
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0   0   0  0 中日 31勝15敗1分 0.674 藤本英雄

二塁打 (中)杉浦

勝利打点 なし


歴史的投げ合い

 雨が降らなかった5日間開催の第12節最終日、後楽園の第1試合は時代を代表する二人、別所昭と藤本英雄の先発で午後1時6分、池田球審の右手が上がりプレイボール。

 プレイボール直後の時点では、期待感はあったかもしれないがこの試合が歴史的な試合になるとは誰にも分らなかった。

 南海は初回、先頭の安井亀和が四球を選んで出塁、河西俊雄は三振に倒れるがスリーストライク目に安井が二盗に成功、二死後山本一人監督も四球で二死一二塁、山本がディレードスチールを仕掛けて一二塁間に挟まれ、キャッチャー藤原鉄之助の二塁送球を見て三走安井がスタートを切るが安井のホームインより早く山本が「2-6-3」でタッチアウト、山本に「盗塁失」が記録されて無得点。

 中日は初回、先頭の杉江文二が四球を選んで出塁、金山次郎が送りバントを決めて一死二塁、古川清蔵のレフトライナーに二走杉江は戻れず「7-4」と送球されてダブルプレー。

 南海は2回表、先頭の堀井数男が右前打で出塁、朝井昇の「ライトライナーに堀井は戻れず「9-3」と送球されてダブルプレー。ここはエンドランだったか。エンドランの場合はいい当たりだったとしてもライナーはご法度。

 中日は2回裏、先頭の大沢清が四球を選んで出塁、杉浦清監督が三塁線を破る二塁打を放って無死二三塁、一死後藤本の遊ゴロの際に二走杉浦がショート小林悟楼に対して「守備妨害」、イリーガルプレーが記録されて打者走者の藤本は一塁に残り二死一三塁、ここでダブルスチールを仕掛けるが「2-6-2」の送球で三走大沢はタッチアウト。

 中日は3回裏、先頭の藤原鉄之助が三塁線を抜き、一塁を回って二塁を狙うがレフト岡村俊昭が素早く送球してタッチアウト、三村勲が三塁に内野安打を放って一死一塁、トップに返り杉江の投ゴロが「1-6-3」と転送されてダブルプレー。

 中日は5回裏、一死後藤本が左前打で出塁、しかし藤原の二ゴロが「4-6-3」と転送されてここもダブルプレー。

 中盤以降も別所と藤本の投げ合いは続き、南海は9回まで3安打無得点、中日も8回まで6安打無得点。

 中日は9回裏、二死後加藤正二が中前打で出塁、藤本はストレートの四球で二死一二塁、ここで中日ベンチはサヨナラの二塁走者加藤に代走笠石徳五郎を起用、藤原がライト前にヒット、二走笠石は三塁ベースを蹴ってサヨナラのホームに向かうが、ライト朝井昇からの返球を中継したピッチャー別所の本塁送球にホーム寸前タッチアウト、試合は0対0のまま延長戦に突入。

 中日は11回裏、一死後大沢が四球で出塁、しかし杉浦のショートライナーに大沢が戻れずダブルプレー。

 12回は両軍三者凡退。延長12回0対0で引き分く。

 別所昭は12回を9安打6四球1死球6三振無失点。

 藤本英雄は12回を4安打2四球4三振無失点。

 時代を代表する二投手による歴史的投手戦となった。

2025年7月6日日曜日

22年 大阪vs巨人 8回戦

7月6日 (日) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
2 0 0 0 0 0 0 0 2 4 大阪 34勝13敗1分 0.723 武智修
0 0 0 0 0 0 0 1 1 2 巨人 22勝25敗1分 0.468 諏訪裕良 近藤貞雄

勝利投手 武智修     3勝2敗 
敗戦投手 諏訪裕良 1勝4敗

本塁打 (巨)川上哲治 3号

勝利打点(大)藤村富美男 4

猛打賞 (大)呉昌征 4、藤村富美男 5 (巨)内堀保 3


ダイナマイト打線、全てシングルの13安打

 西宮の第2試合は武智修と諏訪裕良の先発で午後3時30分、二出川球審の右手が上がりプレイボール。

 大阪は初回、一死後金田正泰が三塁線に内野安打、サード古家武夫からの一塁悪送球もあって打者走者の金田は二塁に進み、富樫淳の中前打で一死一三塁、藤村富美男の左前タイムリーで1点を先制、二死後本堂保次の右前タイムリーで2-0とりーどする。

 7回まで武智に3対して3安打無得点の巨人は8回裏、先頭の平山菊二が中前打で出塁、内堀保も中前打、田中資昭の一ゴロが野選を誘って無死満塁、諏訪に代わる代打中島治康の右犠飛で1点返して1-2と1点差、トップに返り古家の三ゴロで中島が二封されて二死一三塁、呉新亨に代わる代打多田文久三はストレートの四球で二死満塁、大阪ベンチはここでライトを富樫から塚本博睦に交代、ここは武智に一息入れさせることが目的、落ち着きを取り戻した武智が千葉茂を左飛に打ち取る。

 諏訪に代打を出した巨人は9回表のマウンドに近藤貞雄を送る。

 大阪は9回表、二死後呉昌征が四球を選んで出塁、金田の右前打で二死一二塁、塚本の三塁内野安打でサード古家が又も一塁に悪送球、呉昌征が還って3-1、藤村の左前タイムリーで4-1と突き放す。

 巨人は9回裏、先頭の川上哲治がセンター左奥に第3号を叩き込んで1点返すが反撃もここまで。

 武智修は7安打2四球2三振の完投で3勝目をマークする。

 ダイナマイト打線は13安打全てがシングルヒット。初期のダイナマイト打線の特徴は打線のつながりにあった。

 大阪8回表の攻撃は藤村のヒットと土井垣武の四球で無死一二塁、本堂の二ゴロでセカンドに滑り込んだ土井垣のスライディングが激しくショート田中は一塁送球ができなかった、このプレーに対して「守備妨害」が認定されて併殺となるイリーガルプレーが記録された。関西の試合を担当する公式記録員治村宗三は「雑記」欄に「土井垣二封された折、一塁送球を妨害してアウトの宣告を受けた」と記している。

2025年7月4日金曜日

22年 太陽vs中日 8回戦

7月6日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 3 0 0 1 0 0 0 4 太陽 18勝29敗1分 0.383 井筒研一 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 中日 31勝15敗       0.674 松尾幸造 服部受弘

勝利投手 井筒研一 2勝2敗 
敗戦投手 松尾幸造 0勝2敗

二塁打 (太)伊勢川、藤井

勝利打点(太)森下重好 5 

猛打賞 (太)藤井勇 5


井筒研一、31イニングス連続自責点ゼロ

 後楽園の第2試合は井筒研一と松尾幸造の先発で午後3時14分、島球審の右手が上がりプレイボール。

 中日は初回、先頭の金山次郎が左前打で出塁、杉浦清監督はストレートの四球で無死一二塁、一死後小鶴誠も四球で満塁のチャンスを迎えるが、大沢清と加藤正二が倒れて無得点。

 太陽は3回表、二死後辻井弘が中前打で出塁、藤井勇も中前打を放って二死一二塁、森下重好が右中間に先制タイムリーを放ち1-0、二死一三塁から伊勢川真澄が右中間を破る2点タイムリー二塁打、3-0とリードする。

 太陽は6回表、先頭の伊勢川が左前打で出塁、藤村隆男は四球で無死一二塁、平野徳松の捕前のゴロは「2-5-3」と渡るが三塁セーフで一死二三塁、松井信勝の遊ゴロの間に三走伊勢川が還って1点追加、4-0とする。

 井筒研一は6安打4四球4三振で強竜打線を完封、2勝目をマークする。

 昨年13勝をマークしながら今季出遅れていた井筒は、6月5日の大阪戦で3イニング無失点、6月13日の阪急戦で3イニング無失点、6月21日の南海戦は9イニングを完投して1失点ながら自責点ゼロ、7月4日の東急戦で7イニングを無失点、そしてこの日は9イニングを完封と、31イニングス連続自責点ゼロを続けている。戦前は野手としての出場が多く、投手としては通算0勝5敗であった。5年ぶりに戦場から復帰した戦後は昨年が13勝、出遅れながら調子を取り戻してきた現在はキャリア最高の状態で投げている。戦場から生きて戻ってきたからこそである。