昭和20年11月25日に桐生新川球場で行われた東軍vs全桐生の試合における全桐生のオーダーは以下のとおり。
(遊) 皆川定之 6打数2安打
(二) 三輪裕章 6打数1安打
(一) 木暮力三(兄) 5打数1安打
(投) 常見茂(兄) 5打数1安打
(左) 池田 3打数無安打
右 常見昇(弟) 3打数1安打
(三) 稲川豪一 5打数1安打
(中) 新井 2打数無安打
打 木暮英路(弟) 1打数1安打
左 富田 1打数0安打
打 青木重 1打数0安打
(右) 中村栄 5打数2安打
(捕) 井上 5打数1安打
打 青木正一 1打数1安打
スコアカードは残されていないが、打順表から稲川東一郎の合理的戦略が読み取れる。
何回かは不明であるが、2打数無安打の七番センター新井に代えて代打に木暮英路を起用して代打安打、次の回から3打数無安打の五番レフト池田に代えて常見昇をライトに入れ、代打の木暮英路に代わり富田が入ってレフト、スペースの関係でスタメンライトの中村栄の守備位置変更は書かれていないがこの時センターに回ったと考えられる。
この試合で代打に起用した3人のうち木暮英路と青木正一が代打安打を打っている。青木はキャッチャー井上に代えての代打起用であり、12回に勝負を賭けて起用し、期待に応えたものであると考えられる。このヒットがサヨナラ打であったかは不明であるが、勝負を決める一打であったことは間違いない。
昭和21年都市対抗のテーブルスコアを確認しても、頻繁に外野手を入れ替える選手起用で準優勝を果たすこととなる。この日の試合では守備に定評のあるセカンド三輪裕章とショート皆川定之のコンビは不動。昭和21年の都市対抗でもセカンド中村栄とショート皆川定之のキーストーンコンビは不動であった。サードに大塚鶴雄(柳鶴震)が加わると稲川豪一をキャッチャーにコンバート、中村栄が本職のセカンドに回ると三輪裕章をセンターにコンバートした。
稲川東一郎監督は、選手全員の能力と状態を見極める眼力に秀でており、的確な選手起用で勝ち抜く合理的戦略を用いていたことが分かる。
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