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2025年7月15日火曜日

22年 金星vs阪急 9回戦

7月11日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 1 0 1 0 0 0 2 金星 18勝32敗1分 0.360 重松通雄
0 0 0 0 1 0 2 0 X 3 阪急 24勝25敗2分 0.490 今西錬太郎 野口二郎

勝利投手 野口二郎 8勝8敗 
敗戦投手 重松通雄 7勝5敗

二塁打 (金)大友 (急)野口二郎
三塁打 (急)安井

勝利打点 なし


両軍無三振

 第13節2日目、昨日の雨も上がった後楽園の第1試合は重松通雄と今西錬太郎の先発で午後零時59分、西垣球審の右手が上がりプレイボール。

 1回、3回と併殺でチャンスを潰した金星は4回表、先頭の中村信一が四球を選んで出塁、大友一明が送りバントを決めて一死二塁、二死後西沢道夫の中前タイムリーで1点を先制する。

 金星は初回も先頭の中村が四球で出塁したが、二番大友は強攻策に出て遊ゴロ併殺に終わった。4回はきちんと送って先制点に結び付けた。

 阪急は5回裏、一死後日比野武が右前打、ライト坂本勲が後逸する間に打者走者の日比野は二塁に進み、二死後上田藤夫の欠場によりセカンドに起用された安井鍵太郎が右中間に同点のタイムリー三塁打を放ち1-1と追い付く。

 金星は6回表、先頭の中村が3打席連続四球を選んで出塁、大友のライト線二塁打で無死二三塁、阪急ベンチはここで先発の今西から野口二郎にスイッチ、坪内道則監督の左前タイムリーで2-1と1点を勝ち越す。

 阪急は7回裏、二死後荒木茂が左前打で出塁、安井の右前打で二死一二塁、野口二郎がレフト線にタイムリー二塁打を放ち2-2の同点、二死二三塁からトップに返り田中幸男の遊ゴロをショート中村が失する間に三走安井が決勝のホームを踏む。

 中村信一は決勝のタイムリーエラーを犯したものの、先頭打者として3打席連続四球で出塁。昭和11年に苅田久徳がセネタースに入団した際、プロではセカンドに転向すると決めていた苅田は法政の後輩だった中村信一をセネタースに引っ張り、キーストーンコンビとして徹底的に鍛え上げた。この経緯は苅田の自伝「天才内野手の誕生」に詳しい。11年後も苅田は東急、中村は金星で現役を続けている。

 阪急は開幕からセカンドを務めてきた上田藤夫が欠場して前の試合からセカンドに安井鍵太郎が入っている。安井はここまで22打数1安打、打率0割4分5厘であったがこの日は2安打1打点、一時同点に追い付くタイムリー三塁打を放った。上田はしばらく欠場が続くことになる。

 この試合は両軍無三振であった。公式記録員の山内以九士はスコアカードの「雑記」欄に「無三振試合」と記している。

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