2015年5月24日日曜日

17年 黒鷲vs巨人 8回戦


7月24日 (金) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 黒鷲 13勝38敗4分 0.255 金子裕 松本操
0 2 0 1 0 1 0 0 X 4 巨人 39勝17敗1分 0.696 中尾輝三

勝利投手 中尾輝三 11勝6敗
敗戦投手 金子裕      3勝7敗

二塁打 (黒)山田 (巨)中島、伊藤、三好

勝利打点 三好主 1

猛打賞 (巨)白石敏男 2


三好主、決勝二塁打

 7月21日から2日間日程が空いた巨人は本日24日が黒鷲戦、25、26日が阪急との連戦、27日が黒鷲戦で次は8月1日からの関西遠征まで日程が空くというスケジュール。従来であれば本日と27日の黒鷲戦は広瀬習一に任せ、明日と明後日の阪急戦に須田博と中尾輝三が先発というローテーションとなるところだが、本日は中尾輝三が先発した。広瀬は阪急戦に回るようで、巨人首脳陣は、下位チーム相手に実績を積み重ねてきた広瀬の評価を上げたようだ。


 巨人は2回、先頭の伊藤健太郎が左中間に二塁打、坂本茂の送りバントは三飛となって失敗、しかし三好主が右中間に二塁打を放ち1点を先制、坂本のバント失敗をカバーした。更に中尾が中前にタイムリーを放って2-0とする。

 広瀬にエースの座を奪われかねない中尾は気迫あふれるピッチングで黒鷲打線を寄せ付けず3回まで無安打。4回、玉腰忠義の三塁内野安打と木下政文の四球で無死一二塁とされるが、小松原博喜を捕邪飛、富松信彦を中飛に抑え、杉江文二に右前打を許して二死満塁とするが、木村孝平を三振に打ち取り無失点。5回、6回も無安打、7回も木村に三塁内野安打を許すがキャッチャー楠安夫が木村の盗塁を刺してここまで無失点。

 この間に巨人は着々と加点していった。4回、先頭の坂本の三ゴロをサード玉腰が一塁に悪送球、三好は右飛に倒れるが中尾の二ゴロの間に坂本は二進、トップに返り白石敏男の中前タイムリーで坂本が還り3-0とする。更に6回、二死後坂本が中前打、三好が四球を選んだ4ボール目にキャッチャー木下の捕逸が重なり坂本が一気に三進して一三塁、三好が二盗を決めて二三塁、中尾が四球を選んで二死満塁、トップに返り白石が2打席連続となるタイムリーを中前に放って4-0とする。

 黒鷲は8回、先頭の山田潔がレフト線に二塁打、寺内一隆の遊ゴロの間に山田は三進、玉腰の左犠飛で1-4とするが追い上げもここまで。

 中尾輝三は4安打5四球2三振の完投で11勝目をあげる。打っても貴重な追撃のタイムリーを放つ活躍であった。


 決勝の二塁打を放って勝利打点を記録した三好主は今季高松商業から入団、水原茂の後輩となる。その水原先輩の欠場により21日の阪神戦からサードに起用されている。水原は9月から応召してシベリアに抑留されることとなり、帰還は昭和24年7月のこととなる。三好も兵役に就いたと推測されるが復員は早かったようで、昭和20年11月に行われる戦後初の東西対抗にも出場している。




*昭和20年11月に行われた戦後初の東西対抗を伝える「体育週報」臨時号(日本体育週報社、発行人 大野堅志、昭和20年12月1日発行)。





*三好主も東軍のメンバーに名を連ねている。大下弘は姓の「大下」だけが記載されてる。




*最終面に当日のオーダーと試合経過が記載されている。




 終戦直後の「体育週報」は野球殿堂博物館の図書館でも見ることができます。保存状態が悪化してきているため、閲覧用はコピー版に変更される可能性があるので、実物を見たい方は急がれた方が良いでしょう。




 

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