2014年9月6日土曜日

17年 阪急vs阪神 2回戦


4月1日 (水) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 阪急 2勝2敗 0.500 天保義夫 森弘太郎
0 0 0 0 0 1 2 1 X 4 阪神 4勝0敗 1.000 藤村隆男 三輪八郎 若林忠志

勝利投手 若林忠志 3勝0敗
敗戦投手 天保義夫 0勝1敗

二塁打 (急)天保 (神)玉置、御園生

勝利打点 なし


阪神、開幕4連勝

 阪急は天保義夫がプロ入り初登板初先発。天保と言えば戦後ナックルボールを駆使した‟忍者投法”で20勝したイメージが強いですが、知られざる戦前の速球投手時代をお伝えしていきます。当ブログも昭和17年に入り、戦後の匂いが漂ってきました。

 阪急は2回、先頭の日比野武が四球を選んで出塁、山下好一の右前打で無死一二塁、森田定雄の遊ゴロをショート乾国雄がエラーして無死満塁、しかし中村栄の投ゴロで三走日比野は本封、江口行雄の中飛で三走山下好一がタッチアップからホームを突くがセンター御園生崇男からのバックホームにタッチアウト。

 阪神は2回裏、先頭の土井垣武が左前打で出塁、御園生の遊ゴロをショート中村が二塁に送球するがセーフ、野選が記録されて無死一二塁、しかし藤村隆男は一邪飛、野口昇の二ゴロは「4-6-3と転送されてこちらもダブルプレー。

 阪急は3回、プロ入り初打席の天保が死球を受けて出塁、トップに返り中島喬も四球を選んで無死一二塁、阪神ベンチはここで早くも先発の藤村に見切りを付けて三輪八郎を投入、続くフランク山田伝の打席で二走天保が「2-3-5」でタッチアウト、一走中島のディレードスチールの隙を狙って天保が三塁を狙って刺されたようだ。山田のバントは犠打となって二死二塁、黒田健吾は左飛に倒れて無得点。

 阪急は5回、二死後中島喬が四球で出塁、山田も四球を選んで一二塁、黒田の三塁内野安打がタイムリーとなって1点を先制、日比野も左前にタイムリーを放って2-0とする。

 阪神は6回、三輪裕章に代わる代打玉置玉一が左中間に二塁打、トップに返り上田正の二ゴロの間に玉置は三進、金田正泰は四球を選んで一死一三塁、カイザー田中義雄の二ゴロ併殺崩れの間に三走玉置が還って1-2とする。

 阪急は7回、先頭の天保がレフト線にプロ入り初安打となる二塁打、トップに返り中島の投前送りバントが野選を誘い無死一三塁、続く山田の初球がボールとなったところで阪神ベンチは三輪八郎から三番手の若林忠志にスイッチ、山田は三邪飛に倒れて一死一二塁、ここで重盗を試みるがキャッチャー田中が二塁に送球して一走中島がタッチアウト、二死三塁から黒田が四球を選ぶが日比野は遊ゴロに倒れて無得点。

 阪神は7回裏、先頭の御園生がショートへの内野安打で二塁に進む。スコアカードには‟二塁打”と記録されている。若林は投ゴロに倒れるが野口が四球を選んで一死一二塁、平林栄治に代わる代打仁科栄三の捕前バントが野選を誘い一死満塁、玉置のカウントがツーボールナッシングとなったところで阪急ベンチはレフトの山下好一を下げてライトの中島をレフトに回し、ライトに西村正夫を起用して一息入れる。しかし天保は更にボールを2球続けて押出し、2-2の同点、阪急ベンチはここで先発の天保から森弘太郎にスイッチ、大島武の遊ゴロをショート中村がエラーする間に三走野口が還って3-2と逆転する。

 阪神は8回、先頭の御園生が三塁に内野安打、サード黒田の一塁悪送球が加わり御園生は二進、若林の中前打をセンター山田が後逸する間に二走御園生が還って4-2とする。

 若林忠志は9回の阪急の攻撃を三者凡退に退け無傷の3連勝、阪神も開幕から4連勝と突っ走っている。


 プロ入り初登板の天保義夫は初打席がデッドボール、しかも「2-3-5」で刺されるというおまけ付き。第三打席ではプロ入り初ヒットとなる二塁打を放った。本職のピッチングは6回3分の1を投げて4安打3四球4三振3失点、波乱万丈の野球人生を送ることとなる天保義夫らしいデビューであった。







*プロ入り初登板を果たした天保義夫。




















 

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