2014年4月29日火曜日

ビデオ判定?



 ゴールデンウィークということで、昨日の田中と本日のダルビッシュのピッチングは普段見ることのできない多くの勤め人の方もBSの中継をご覧になったのではないでしょうか(筆者もその一人ですが)。


 本日の試合で、満塁の場面でダルの投球をキャッチャーが逸らし、三塁ランナーが自重したのに前を見ずに二塁に向かった一塁ランナーが慌てて戻り、キャッチャーからの送球に危うくセーフ、と思ったらビデオ判定でアウトに変更されました。


 本件には問題点が二つ認められます。


 第一点。そもそも自チームのミスによるプレーに対してビデオ判定を要求するとは言語道断であるというのが当ブログの判定です。野球にミスジャッジが付き物であることは当ブログも認めます。ビデオ判定の導入も世の中の流れとして容認します。但し、プレイヤーが真剣にプレーしたプレーに限定するべきであり、本日のような自チームのミスに起因するプレーに対して行使するべきではないと考えます。これは人間としての道義の問題であり、権利だから何でも行使できるというのは考え違いも甚だしい。


 第二点。あれはセーフです。確かにファーストのプリンス・フィルダーがブロックしていて最初のベースタッチは成されていませんでした。しかし、向こう側に回り込んだ走者の足にフィルダーがタッチにいきましたがノータッチです。これはカメラから捕える角度によってどちらともとれるケースでした。ビデオでも判定できないケースは審判の判定に従うべきです。



 筆者の経験した実例で説明しましょう。筆者がやっていた東京六大学準硬式野球リーグ戦では、主審は連盟から派遣されますが塁審はプレイヤーが務めます。他チームの主力級が務めることが不文律となっており、ヒマな下級生を塁審に送り込むことは禁じられています。筆者が三塁塁審を務めた早稲田vs明治戦、三塁にヘッドスライディングしてきた明治の走者の手が一瞬ベースから離れたところに早稲田の三塁手がスパッとタッチしました。タイミングはどう見てもセーフでしたが、偶然筆者の位置取りが良かったようで明らかに手が離れるところにタッチしたシーンを目撃し、「アウト!」とコールしました。三塁コーチャーズボックスで逆の角度から見ていた明治の監督は烈火のごとく猛抗議してきしたが、筆者の判定は変わりません。明治の走者は暴れ者で有名でしたが何も文句を言わず一塁側ベンチに帰っていきました。早稲田の主将だった三塁手は、明治の監督の猛抗議が終わった後、「今のはアウトだよ」と言ってくれました。



 ベンチに戻った明治の監督は走者に確認していたようです。インターバルの間に一塁塁審を務めていた筆者の同期が「手が離れたのか?」と聞いてきたので「うん。」と答えました。同期は一塁側ベンチの様子を観察していたようで「走者が“しまった”という顔をしていたよ。」と伝えてくれました。微妙なプレーは当事者にしか真実は分かりません。それを判定しなければならないのが審判です。次の回、明治の打者の微妙なファウルを判定した際、三塁コーチャーズボックスの明治の監督がファウルの幅くらいに手を広げて「これくらいだったな」と声を掛けてくれました。一瞬のプレーも、終わってしまえば何のわだかまりもありません。それが野球というスポーツです。






 

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