2013年6月2日日曜日

15年 10月 月間MVP



月間MVP

投手部門 須田博 2

 変則開催となった今月6試合に登板して4勝0敗2セーブ。39回3分の1を投げて防御率0.68、WHIP1.18、奪三振率6.46であった。

 スタルヒン時代の8月13日セネタース戦7回二死から自責点ゼロを続けてきた須田博は10月26日の黒鷲戦で山田潔にタイムリーを打たれるまで89イニングス連続自責点ゼロの快記録を樹立した。因みに須田と山田は昭和27年に大映でチームメイトとなり、6月29日の毎日戦ではスタルヒンが投げて山田がショートを守り一試合2度の三重殺を記録することとなる。


 次点の村松幸雄は今月5試合に登板して3勝1敗。26回3分の2を投げて防御率0.68、WHIP0.86、奪三振率0.69であった。内容的には須田を上回っているとも言える。須田との最大の違いが奪三振率にあることは一目瞭然です。村松幸雄は速球派と言われることもありますが、打たせて取る技巧派であったことを数字が証明しています。

 進藤昭著「戦場に散ったエース 投手・村松幸雄の生涯」は村松を伝える貴重な文献ですが、真実を伝えているとは言えない記述も散見されますのでご注意ください。直接見ていない人物を想像に基づいて描く訳ですから致し方のないところではありますが。真実は当ブログにあります。




打撃部門

 阪神 カイザー田中義雄 1

 変則開催となった今月は阪神の試合は6試合だけであった。カイザー田中義雄は今月25打数12安打3得点7打点、二塁打2本、三塁打2本、打率4割8分、出塁率4割8分、長打率6割4分、OPS1.120であった。

 白石敏男は25打数10安打で打率4割、伊賀上良平は22打数8安打で打率3割6分4厘であった。金鯱の上野義秋が33打数10安打、打率3割3厘と健闘しているのが目立った。
 

 上野義秋は球史では全くと言っていいほど無名ですが、強打者でした。プロ野球での成績は戦前は今季だけで、昭和16年の大洋では背番号8で登録はされていますが出場はありません。恐らく応召でしょう。

 上野義秋が歴史の舞台に舞い戻ってくるのは昭和23年、西日本鉄道の不動の三番ファーストとして都市対抗野球に優勝する時です。西日本鉄道は2リーグ分裂の昭和25年に西鉄クリッパースとしてプロ野球に参入し、上野義秋は10年ぶりにプロの世界に復帰します。西鉄クリッパースは昭和26年にセ・リーグの西日本パイレーツを吸収して西鉄ライオンズとなります。上野義秋は西鉄ライオンズの初代メンバーに名前を連ねることとなります。










 

0 件のコメント:

コメントを投稿