2013年5月17日金曜日

15年 南海vs名古屋 13回戦


10月25日 (金) 西宮

1 2 3 4 5 6 7 8  9  計
1 0 0 0 0 1 1 0  3   6 南海     23勝60敗6分 0.277 清水秀雄 川崎徳次 吉富欣也 劉瀬章
0 2 0 1 3 0 0 0 1X  7 名古屋 48勝34敗5分 0.585 西沢道夫 河村章 村松幸雄

勝利投手 村松幸雄 18勝11敗
敗戦投手 吉富欣也    0勝1敗

二塁打 (名)西沢
三塁打 (南)木村

勝利打点 中村三郎 6


中村三郎サヨナラ打

 南海は初回、国久松一が四球を選んで出塁、岡村俊昭が右前打、吉川義次の投前送りバントが野選を誘い無死満塁、岩本義行の二ゴロ併殺の間に三走国久が還って1点を先制する。この場合、岩本には打点は記録されません。

 名古屋は2回、一死後中村三郎が四球を選んで出塁、服部受弘がピッチャー強襲ヒット、岩本章は三振に倒れるが、西沢道夫が中前に同点タイムリーを放って1-1、トップに返り村瀬一三が四球を選んで二死満塁、芳賀直一が押出し四球を選んで2-1と逆転する。南海ベンチはここで先発の清水秀雄からプロ入り初登板となる川崎徳次にスイッチ、桝嘉一は投ゴロに倒れてスリーアウトチェンジ。

 名古屋は4回、先頭の岩本章が四球で出塁、西沢が左翼線にタイムリー二塁打を放って3-1とする。

 名古屋は5回、先頭の大沢清が四球で出塁、吉田猪佐喜の投ゴロの間に大沢は二進、中村の遊ゴロをショート加藤喜作が一塁に大暴投する間に二走大沢が還って4-1、カバーに走ったファースト清水からの返球も悪送球となって二塁に進んでいた打者走者の中村も一気にホームに還って5-1、服部は三ゴロに倒れるが岩本章が四球から二盗を決めて二死二塁、西沢の三ゴロをサード藤戸逸郎が一塁に悪送球する間に二走岩本章が還って6-1と突き放す。

 南海は6回、先頭の清水の左飛をレフト岩本章が落球、川崎は四球、岩出清が左前打を放って無死満塁、藤戸に代わる代打前田貞行が押出し四球を選んで2-6とする。

 南海は6回から川崎と同様プロ入り初登板となる左腕の吉富欣也をマウンドに送る。

 南海は7回、先頭の吉川が左翼線にヒット、岩本義行が死球を受けて無死一二塁、清水の中飛で二走吉川はタッチアップから三塁に進んで一死一三塁、パスボールの間に吉川が還って3-6と追い上げる。吉冨が四球を選んで一死一二塁、名古屋ベンチはここで西沢から左腕の河村章にスイッチ、重盗を試みるがキャッチャー服部は二塁に送球して吉冨がタッチアウト、木村、前田が連続四球で二死満塁とするが上田良夫は左飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 南海は9回、先頭の岩本義行が右前打、清水が中前打で続き、吉冨は三振に倒れて一死一二塁、ここで木村が中越えに三塁打を放って二者を迎え入れ5-6、名古屋は三番手として村松幸雄を投入、前田が右翼線に同点タイムリーを放って6-6と追い付く。

 名古屋は9回裏、先頭の桝が四球を選んで出塁、南海ベンチは好投を続けてきた吉冨から劉瀬章にスイッチ、しかし大沢が四球、吉田も四球を選んで無死満塁、最後は中村が右前にサヨナラタイムリーを放って名古屋が激戦を制す。


 昭和15年10月16日付け読売新聞は「南海に新人選手二人」の見出しで川崎徳次と吉富欣也の入団を伝えている。その二人がこの試合でプロ入り初登板となった。川崎は味方の守備の乱れに足を引っ張られて自責点は1点ながら4失点、しかし4四球を出したのも失点の原因であった。吉冨は敗戦投手になったものの3回3分の0を投げて無安打2四球2三振の好投を見せて南海が接戦に持ち込む要因となった。最終回も投げ続けていたらどうなっていたでしょうか。川崎は戦争を生き抜き、戦後も活躍を続けて通算188勝を上げる大投手となる。一方、吉冨はプロには2年間の在籍で通算0勝2敗で終わることとなる。




               *川崎徳次と吉富欣也がプロ入り初登板となった。













     *中村三郎がサヨナラタイムリーを放った名古屋打線。














     *名古屋の6本に対して12本のヒットを放った南海打線。














 

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