2012年7月7日土曜日

15年 ライオンvsタイガース 1回戦


3月31日 (日) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 0 0 2 1 0 0 0   3  ライオン    4勝6敗 0.400 福士勇 井筒研一 山本英雄
7 0 0 0 3 2 0 0 X 12 タイガース 4勝4敗1分 0.500 木下勇 藤村隆男 三輪八郎

勝利投手 木下勇 2勝2敗
敗戦投手 福士勇 0勝4敗
セーブ   三輪八郎 1

二塁打 (ラ)松岡 (タ)松木
三塁打 (ラ)山本 (タ)田中

勝利打点 カイザー田中義雄 2


カイザー田中、4打数3安打3打点

 タイガースは初回、先頭のジミー堀尾文人がストレートの四球で出塁、皆川定之が左翼線にヒットを放ちレフト鬼頭数雄からの返球が悪送球となる間に堀尾は三塁、皆川は二塁に進む。本堂保次は浅い左飛に倒れるが四番カイザー田中義雄が中前に先制2点タイムリーを放って2-0、田中はバックホームの隙を突いて二塁に進み、松木謙治郎がワンスリーから右中間に二塁打を放って3-0、岡田宗芳は二飛に倒れるが、セカンドでプロ入り初スタメンの宮崎剛が中前にタイムリーを放って4-0、木下勇が左翼線にヒット、富松信彦が中前にタイムリーを放って5-0、富松もバックホームの隙を突いて二塁に進み二死二三塁、打者一巡して堀尾が中前に2点タイムリーを放って7-0、堀尾は富松の本塁生還をアシストして一二塁間に挟まれてタッチアウト。

 ライオン先発の福士勇は1回で降板して2回から二番手として井筒研一がマウンドに上がる。

 タイガース先発の木下勇は4回までライオン打線を37球で無安打2四球2三振に抑えてきたがここで降板、5回から藤村隆男が二番手としてマウンドに上がる。

 ライオンは5回、一死後山本尚敏が右中間に三塁打、鈴木秀雄のピッチャー強襲ヒットがタイムリーとなって1-7、松岡甲二が左中間に二塁打、井筒がツースリーから四球を選んで一死満塁、藤村はここで降板して三輪八郎が三番手のマウンドに上がる。西端利郎の右犠飛で2-7、坪内道則は右飛に倒れてスリーアウトチェンジ。

 タイガースは5回裏、本堂、田中が連続中前打、松木が一塁線にドラッグバント、これをピッチャー井筒が一塁に悪送球する間に本堂が生還して8-2としてなお無死二三塁、岡田は二飛に倒れて一死二三塁、宮崎の投ゴロで三走田中が飛び出し三本間に挟まれて三塁に帰塁したところに二走松木も走り込んできて鉢合わせ、松木が雪隠詰めでタッチアウトとなる間に打者走者宮崎は抜け目なく二塁に進んで二死二三塁、三輪の一二塁間内野安打で三走田中に続いて二走宮崎も生還して10-2とリードを広げる。

 ライオンは6回、先頭の玉腰年男がストレートの四球で出塁、鬼頭数雄が右翼線にヒット、広田修三は遊ゴロ併殺に倒れて二死三塁、山本が左前にタイムリーを放って3-10とする。

 ライオンは5回で井筒がマウンドを降りて6回から山本秀雄が三番手として登板する。

 タイガースは6回裏、一死後本堂が左翼線にヒット、田中が左中間に三塁打を放って11-3、松木の二ゴロの間に田中が還って12-3として試合を決める。

 木下勇は4回で降板したが公式記録では勝利投手が記録されて2勝目をあげる。現行ルールでは勝利投手となる三輪八郎には当ブログルールによりセーブが記録される。


 昭和11年から名古屋とライオンで活躍してきた鈴木秀雄は今季は4打数1安打の記録が残っているのみなので、この日のヒットが今季唯一のヒットとなります。昭和17年に大和で復帰して戦後の中日でも出場することとなる息の長い選手ですが、恐らくこの後昭和16年までは短期の兵役のようです。鈴木は榛原中学(現・静岡県立榛原高等学校)の出身。同校出身のプロ野球選手は鈴木の他には広島で左の中継ぎとして活躍した片瀬清利がいるだけですが、阪急の加藤英司も同郷となります。加藤はPL学園に進みました。


 七番セカンドで出場した宮崎剛はプロ入り初出場は3月19日の名古屋1回戦でしたが本日がプロ入り初スタメンとなり、第一打席でプロ入り初ヒットを記録しました。戦後も大洋の主力打者として活躍し、通算949安打を記録することとなります。5回の一死二三塁での投ゴロの場面は三走田中が飛び出し二走松木も三塁に走り田中が三塁に追い詰められて三塁ベース上に松木と田中が鉢合わせとなりました。この場合、松木が二塁に戻ろうとする可能性もあり、打者走者としては二塁に進むべきか判断が難しい場面ですが二塁に進塁しており、次の三輪の内野安打で生還するなど、センスの高さを見せつけました。後に大洋ホエールズの監督を務めることとなる選手は、デビュー時から光るものがある訳です。







*プロ入り初スタメンの宮崎剛は1回にプロ入り初ヒットを放つ。5回の投ゴロは判断の難しい局面であったが二塁に進塁し、三輪八郎の内野安打で生還している。

 因みに5回のスコアカードから松木謙治郎の雪隠詰めを読めれば旧スコアカードをマスターしたと言えます。宮崎の投ゴロで田中が三塁に残って松木が「1-5-2」でアウトになっているところがポイントです。宮崎の投ゴロで三走田中が飛び出しピッチャー井筒研一からサード山本尚敏に送球され、山本からキャッチャー広田修三に転送され、広田はそのまま三塁ベースに田中を追い詰め、三塁ベース上で田中と松木にタッチして田中が三塁ベースから離れなかったので占有権のある田中はセーフで松木がアウトとなった訳です。これ以外に二走松木がキャッチャー広田にタッチされてアウトになるケースは考えられません。








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