2011年9月4日日曜日

14年 ライオンvsセネタース 2回戦

4月25日 (火) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9  計
0 0 1 1 1 0 0 1 0  4 ライオン     9勝7敗3分 0.563 菊矢吉男
0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 セネタース 8勝8敗       0.500 野口二郎


勝利投手 菊矢吉男 7勝3敗
敗戦投手 野口二郎 3勝4敗


二塁打 (ラ)鬼頭
三塁打 (セ)青木
本塁打 (ラ)鬼頭 1号


ラ軍溌剌の打棒


 ライオン・菊矢吉男、セネタース・野口二郎のエース同士の一戦。

 ライオンは3回、一死後山本尚敏が中前打で出塁、西端利郎が右前打で続き、二死後玉腰年男が左前に先制タイムリーを放って1-0とする。

 ライオンは4回、一死後鬼頭数雄が右翼スタンドにホームランを叩き込んで2-0とする。

 ライオンは5回、中野隆雄、山本が連続三振に倒れるが西端の遊ゴロをショート柳鶴震がエラー、トップに返り坪内道則の左前打で二死一二塁、玉腰がこの日2本目のタイムリーを右前に放って3-0とする。

 ライオンは8回、一死後鬼頭が右中間に二塁打、鬼頭はホームランの後の6回の第三打席でもライトにホームラン性の大ファウルを打っており当りが止まらない。室井豊が左翼線にタイムリーを放って4-0とする。

 菊矢吉男は7安打3四球4三振、今季三度目の完封で7勝目を飾りハーラートップのスタルヒンに並んだ。


 セネタースでは七番青木幸造が4打数3安打を記録、ヒットを打ったのは五番佐藤武夫が4打数1安打、六番野口二郎が4打数2安打、八番柳鶴震が4打数1安打の四人だけで上位打線が封じ込められたことが敗因となった。

 野口二郎は完投するが11安打を浴びて4敗目を喫する。2点を取られた後の5回は連続三振で立ち直りかけたが柳鶴震のエラーでがっくりきたようだ。柳は昭和15年にはシーズン75失策の現在にも残る日本記録を樹立することとなる。


 翌日の読売新聞によると「この日第一戦(第一試合の阪急vs金鯱2回戦のこと=筆者注)を記者席にあって観戦中のラ軍三銃士の一人鬼頭選手は『今日は1本ホームランを打ち込んでご褒美に与るのだ・・・』と決心のほどを語っていたが・・・」とのことで、ホームラン直後について鈴木惣太郎の記事によると「観衆が拍手喝采して迎える間に選手席に元気よく還った鬼頭選手をつかまえると「どうです、嘘ではないでしょう、今日はどうしても打てると思いました、あの球は僕の好きな近目の低いストライクでした。』 傍から坪内選手が『鬼頭は今日どころか昨夜から寝言にまでホームラン、ホームランといっていたのです。』」とのことである。鈴木惣太郎はベンチ取材までこなしていたようである。

 文中の「ラ軍三銃士」とは一番坪内道則、三番水谷則一、四番鬼頭数雄のことであるが、今季のライオン打線の好調の因は二番に入っている玉腰年男の勝負強いバッティングにあることはこれまでもお伝えしているところです。翌日の読売新聞に「ラ軍溌剌の打棒」の見出しで伝えられた本日のライオン打線は水谷を除く全員安打で11本のヒットを記録、鬼頭の2本の長打と玉腰の2本のタイムリーが光った。




            *溌剌の打棒を見せたライオン打線







     *菊矢吉男が今季三度目の完封でエース対決を制す。


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