2011年9月15日木曜日

14年 タイガースvsジャイアンツ 3回戦

5月7日 (日) 後楽園


1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
0 0 0 0 1 1 0 0 0 2 タイガース  15勝7敗1分 0.682 御園生崇男
0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 ジャイアンツ 13勝7敗      0.650 スタルヒン


勝利投手 御園生崇男 7勝1敗
敗戦投手 スタルヒン    8勝4敗


二塁打 (タ)堀尾、松木、富森 (ジ)川上
三塁打 (タ)門前
本塁打 (ジ)白石 1号


御園生崇男、スタルヒンに投げ勝つ


 翌日の読売新聞によると二万の大観衆を集めたとされる第三試合はタイガース・御園生崇男、ジャイアンツ・スタルヒンの先発で3時45分、池田豊球審の右手が上がりプレイボール。

 タイガースは2回、二死後門前真佐人が中越えに三塁打を放つが御園生は投ゴロに倒れて無得点。4回は先頭のジミー堀尾文人が左翼線に二塁打を放つが後続無く無得点。

 タイガースは5回、一死後皆川定之が四球で出塁、トップに返り松木謙治郎が左中間に二塁打を放って皆川を迎え入れ1点を先制する。本堂保次の遊ゴロで松木が三塁に進み二死三塁、堀尾のショートへのライナーは白石敏男が逆シングルで捕球したと判定されると石本秀一監督はベンチから飛び出してワンバウンド捕球であると猛抗議を行うが当然判定は覆らずスリーアウトチェンジ。

 タイガースは6回、先頭の富松信彦が右翼線に二塁打、伊賀上良平の遊ゴロを白石がエラーして無死一三塁、門前が三遊間にタイムリーを放って2-0とする。更にスタルヒンのワイルドピッチで無死二三塁、しかしここはスタルヒンが踏ん張って御園生は浅い右飛、松廣金一の代打岡田宗芳は二飛、皆川は三振に倒れる。

 ジャイアンツは8回、白石がレフトスタンドにホームランを叩き込んで1-2とするが反撃もここまで。

 御園生崇男は5安打2四球6三振の完投で7勝目をあげる。


 試合前の両軍監督のインタビューが翌日の読売新聞に掲載されている。石本監督は「・・・問題はスタルヒンが打てるかどうかにあるが、このごろのスタルヒンは球速こそ昔のように速くないが巧味が出来て来て頗る厄介な投手です。こちらの投手は非常時総動員を覚悟しています。」とのこと。藤本監督は「・・・警戒するのは松木あたりでしょう。ただ少し心配なのはスタルヒンをこの頃使い過ぎていることですが今日は彼も頑張ってくれるでしょう。」とのことである。

 スタルヒンは警戒していた松木謙治郎に打たれたが、両監督のコメントにも見られるように少し調子を崩しているようである。昭和14年のスタルヒンと言えば42勝したことばかりが喧伝されているが、春先からなかなか調子が上がってこない。阪急投手陣の方が内容は遥かに上である。これまで一リーグ時代の試合を当ブログのように一試合毎に検証することはされてこなかった訳であるが、これは誰の怠慢であったのか。それだけ当ブログの責任は重大ということになりますが。

 ジャイアンツは三番千葉茂が3打数無安打、四番中島治康は4打数無安打。好調の一番白石は3打数2安打、五番川上哲治は4打数2安打。特に中島の不振が目立ち、ジャイアンツ首脳部はそろそろ川上の四番昇格を検討しているのではないでしょうか。






     *御園生崇男がスタルヒンに投げ勝って7勝目をあげる。




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