2011年8月8日月曜日

14年 イーグルスvsセネタース 2回戦

4月4日 (火) 後楽園

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 計
1 2 0 0 0 0 0 0 0  0   1  4 イーグルス 2勝7敗1分 0.222 亀田忠
2 0 0 0 1 0 0 0 0  0   0  3 セネタース  5勝4敗       0.556 浅岡三郎 金子裕


勝利投手 亀田忠 2勝2敗
敗戦投手 金子裕 3勝2敗


二塁打 (イ)木下、山田 (セ)柳、青木
本塁打 (イ)山田 1号、菅 1号 (セ)苅田 2号

代打・菅利雄が決勝ホームラン


 イーグルスは初回、先頭の寺内一隆がライト線にヒット、太田健一の送りバントが内野安打となって無死一二塁、中河美芳の投ゴロは「1-4-3」と転送されるがファースト佐藤武夫が逸らす間に二塁から寺内が還って1点を先制する。

 セネタースは1回裏、一死後家村相太郎が四球で出塁、北浦三男の中前打で家村は三塁に走り一死一三塁、続く尾茂田叶の三ゴロで三走家村は三本間に挟まれて挟殺プレー、「5.2.6-1」と家村が時間を稼いで一走北浦は三塁に、打者走者尾茂田は二塁に進んで二死二三塁、佐藤が左前にタイムリーを放って1-1の同点、浅岡三郎も左前にタイムリーで続いて2-1と逆転に成功する。
 一死一三塁で内野ゴロの場合、併殺を防ぐ目的で三塁ランナーが飛び出すのはセオリーの一つです。但し、三本間に挟まれた場合は時間を稼いで二死二三塁の形を作らなければならない。最悪なのは無死一三塁の内野ゴロで三塁ランナーが動かずゲッツーを喰らうケースで、プロでもたまに見かけます。とうことで家村としてはベストに近い走塁であり、更にタイムリーが二本続いた訳ですから結果からみても好走塁であったと言えます。

 イーグルスは2回、先頭の漆原進が中前打で出塁、伏見五郎が送りバントを決めて一死二塁、ここで九番山田潔がレフトにツーランホームランを放って3-2と再逆転。

 イーグルスは4回、先頭の木下政文が右中間に二塁打、二死後山田、寺内が連続四球を選んで二死満塁とするが太田は中飛に倒れる。

 セネタースは5回、先頭の苅田久徳がレフトに同点ホームランを放って3-3に追い付く。

 イーグルスは8回、先頭の杉田屋守が左翼線にヒットを放ち、木下が送って一死二塁、セネタースベンチはここで先発浅岡をあきらめて金子裕をリリーフに送る。漆原進は三打席連続三振、伏見も中飛に倒れて継投策が効を奏す。

 延長に入ってイーグルスは11回表、三打席連続三振の漆原に代えて菅利雄を代打に起用、菅はワンボールからの2球目、高目のストレートをレフトスタンドに叩き込む代打決勝ホームランを放ち4-3でイーグルスが快勝する。翌日の読売新聞に掲載された菅利雄のヒーローインタビューは「左投手の直球が近めに流れ込んで来たから占めたと思って叩いた。」とのことである。

 なお、読売新聞には「菅はこの日まで代打者に起用されること四度、而もそのうち三本の安打を奪っている」と書かれていますがこれは二本の間違いです。尤も読売の記者の記録と公式記録が違っていても全く不思議はありません。澤村のノーヒットノーランの時も某新聞には1安打完封と掲載されていたそうで公式記録員はエラーと判断したものをその新聞社の記者は内野安打と判断したものでしょう。但し、菅の二度の凡退は内野安打と間違える可能性は極めて低く、これは読売新聞の記録の間違いの可能性が高い。一つは3月31日の三振で間違いようが無い。もう一つは3月21日のセネタース1回戦で8回、無死満塁で代打に起用されて遊ゴロ、三塁ランナーを迎え入れて打点1が記録されていますが一塁ランナーの杉田屋守が二塁に封殺されており、内野安打とも間違いようがありませんので単純な記録ミスでしょう(同試合のブログにこの時の得点経過を書いていますので参照してみてください。)。


 果たして山田潔のホームランはオーバーフェンスであったのか、残念ながら翌日の読売新聞には「山田、苅田と本塁打の応酬」とあるだけで明確にオーバーフェンスであったかどうかは分かりません。山田は昭和24年までの一リーグ時代に639試合に出場して1,893打数を記録しますが本塁打は3本、しかもその内2本はラビットボールが使用された昭和24年のものであり、それ以外はこの日の1本だけということになります。山田は二リーグ分裂後も1956年まで現役を続け、通算4,848打席、3,980打数でホームランは8本、守備の巧さと人柄の良さでは天下一品ですが打力の弱さでも天下一品で、この日の本塁打は真に希少価値の高いものです。

 亀田忠は11回を投げ抜いて9安打7四球8三振の完投で2勝目をあげる。イーグルスはようやく両目が開いた。

 イーグルス内野陣の健闘が勝利を呼び込んだ。2回一死一三塁で「5-4-3」のゲッツー、5回一死一塁で「6-4-3」のゲッツー、7回一死一二塁で「5C-3」のゲッツーと三つの併殺で亀田を盛り立てた。四番に起用された亀田忠は5打数無安打、亀田頼みから脱却した勝利であった。





          *山田潔の貴重なホームラン





          *こちらは菅利雄の代打ホームラン








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